|
YUSシリーズ YUS3 |
よく投稿するカテゴリ
2013年12月31日 18:16 [644139-2]
| 満足度 | 2 |
|---|
[高級感は漂うクセのあるピアノ]
鏡のように艶のある黒色とシンプルなデザインは、得も言われぬ高級感を醸し出しています。室内装飾品としての価値だけを求める方には、十分お薦めできます。音はとにかくよく響きますので、音量の欲しい方、派手好きの方、音色よりもリズム感を重視する方、細かいことを気にしない方には向いているでしょう。ただ、そういう方ですと、他にもっと安価なピアノはあると思います。
1台のピアノでありながら、あたかも複数の楽器を継ぎ足したかの如く音域によって音色が異なり、特に2本弦の音域にほぼ限定して、2度打ち、強い3倍音、残響といった3つの特徴があります。しかも音色やタッチ感は鍵毎にバラバラで均一性や均質性を欠きますので、繊細なタッチの方や音色を追求する方にとっては演奏しにくいピアノでしょう。初心者の方にとっても、音楽的なセンスや表現力がこのピアノで育まれるかは疑問です。調音訓練の導入教材としてはうってつけかもしれません。
[1つめの特徴:2度打ち]
全ての鍵ではありませんが、優しくppとかpで1回打鍵すると、「タタン」と音が2度鳴ります。ピアノの上蓋を開けると、ハンマーが弦を2度打ちするのが観察できます。新品ピアノで2度打ちがあっても、メーカー基準は満たされていて問題ないとするのがヤマハの見解ですから、ピアノの完成度としてはあまり期待できません。
練習曲などでよくある左手の(ドソミソのような)伴奏を柔らかくタッチしますと、指の連打では真似できない装飾音が全ての音に一つ一つ付きまといますから、pやppを表現することは不可能です。調整は可能ですが、2〜3ヶ月で元に戻ります。
[2つめの特徴:目立つ3倍音]
2本弦の音域(14A#〜24G#)では、基音に混ざって3倍音(1.5倍音?)が5度上の音として特異的に強く響きます。その強さは、単音であっても和音かと錯覚するほどです。スペクトル分布を調べると、基音が弱くて3〜6倍音にピークをもつ凸型ですが、ピークとなる倍音は鍵によってバラバラです。ヤマハの説明では「豊かな音色」ということですが、音程が合っていないと言う人もいます。
例えば同じ長三度の和音でも、半音ずらせば音色はまるで異なるのですが、この特異的な倍音が気になったとしても、ヤマハによれば整音は極めて困難なのだそうです。
[3つめの特徴:残響]
余韻ではありません。これもヤマハによると「よく響く」という特性なのですが、止音不良と言う人もいます。
鍵盤の叩きかた方にもよりますが、やはり二本弦の音域(14A#〜24G#)に限っては、指を離すと基音は止まりますが先の5度上の音が少なくとも0.5秒は残ります。低音ほどよく残り、14A#ではスタッカートで1.5秒以上に及びます。そして一本弦の13Aからは再びピタリと止まります。
この残響は共鳴ではなく、打鍵された弦の振動がダンパーで押さえきれないためです。吸音材や調音パネルの設置で調整できるレベルではありません。
[均一性あるいは均質性]
ヤマハの営業担当者(調律師)やピアノ技術部(東京)の説明では、およそ1オクターブにわたる音域に限ってそこだけ3倍音が強くて残響が2秒弱あっても、それは生ピアノの良さであるとのことです。このことから、楽器としての均一性とか均質性とかは当初から眼中にはないことが覗えます。2度打ちする新品ピアノを指して、「ピアノには問題ない」との言葉を聞かされるに至っては、ついに開き直ったかとも思えなくもないのですが、きっと、国産老舗メーカーのピアノ職人をしても調整しきれない、デリケートな作りをしているのでしょう。「豊かな音色でよく響く」ピアノを追求する余り、設計段階から弾き易さとか歌い易さとかは度外視しているように感じられます。
[評価]
3倍音が強くて止音不良であっても、それが全ての鍵にあるのであれば、一つの特徴ある楽器といえるのかもしれません。しかし、このYUSは音域ごと、音ごとに音色も止音もバラバラで連続性がなく、しかも整音や整調、音響調整では制御できませんから、音楽表現するためには高度な技術と膨大な練習量を要するでしょう。
従って一般家庭向けの楽器としては、特に初中級者向けの音楽教材としては、その評価は☆1個です。ただし、室内装飾品としては文句なしの☆5個ですので、総合評価は☆2個とさせて頂きました。
[ようやくピアノを買う余裕ができたオジサン達へ]
私が試弾した展示見本ピアノには、音色の均一性あるいは均質性があり、止音できないほどの強い3倍音や2度打ちはありませんでした。メーカー側は「それはたまたまそうだった」というのですから、品質格差が大きいモデルだと認めているのでしょう。また、初めは調律したり部屋の音響を整えたりすれば音色や残響は調整できる旨の説明でしたが、メーカー基準(非公開)さえ満たしていれば、それで調整できなかったとしても、事実上それ以上のメーカー対応はありません。デリケートな作りであると推察されることを考えると、素人の方は手を出さないほうが無難です。
世間一般のピアノ愛好家が一生のうちにピアノを購入する回数は、1度かせいぜい2度だと思います。もし30〜40年前のヤマハピアノしか知らないとすれば、本来のYUSを知った時、ヤマハの感性の変化と品質格差の大きさには驚くことでしょう。たまたま良い楽器に当たる可能性もあるのでしょうが、引き渡される商品を直接試弾しないで購入することは、射幸性の強い買い物だと考えたほうが良いようです。
参考になった15人 (再レビュー後:15人)
2013年10月28日 08:39 [644139-1]
| 満足度 | 2 |
|---|
[高級感漂いよく響くピアノ]
鏡のように艶のある黒色とシンプルなデザインは、得も言われぬ高級感を醸し出しています。室内装飾品としての価値を求める方には、YUS5でなくてもこれで十分だと思います。音はとにかくよく響きますので、音量の欲しい方、派手好きの方、細かいことを気にしない方には向いているでしょう。
しかし、1台のピアノでありながら、あたかも複数の楽器を継ぎ足したかの如く音域によって音色が異なります。特に2本弦の音域には、ともすると新品ピアノとは思えない3つの特徴があるようです。繊細なタッチの方、音色づくりを楽しむ方、音符の正確性を要求する方にとっては、演奏しにくいピアノだと思います。「真ん中のド」を中心に2オクターブほどの音色は綺麗なので、この音域だけ使う方ならある程度は楽しめます。
[1つめの特徴:2度打ち]
全ての鍵ではありませんが、優しくppとかpで1回打鍵すると、「タタン」と音が2度鳴ります。ピアノの上蓋を開けると、ハンマーが弦を2度打ちするのが観察できます。練習曲などでよくある左手の(ドソミソのような)伴奏をpp〜pで弾くと、指の連打では真似できない装飾音が全ての音に一つ一つ付きます。
[2つめの特徴:強い3倍音]
2本弦の音域(14A#〜24G#)では、基音に混ざって3倍音(1.5倍音?)が5度上の音として特異的に響いてきます。音程が合っていないと言う人もいます。調律師が持ち歩いているスペクトル解析器で簡単に確認できますが、スペクトル分布は基音が弱くて3〜6倍音にピークをもつ凸型です。この音域でも基音にピークをもつ他のピアノとの間に、音色の違いを出そうとしているようです。メーカーによれば、この5度上の音が気になったとしても、ハンマーフェルトの調整で整音することは極めて困難なのだそうです。
[3つめの特徴:残響]
余韻ではありません。止音不良と言う人もいます。鍵盤の叩きかた方にもよりますが、やはり二本弦の音域(14A#〜24G#)で、指を離すと基音は止まって例の5度上の音が少なくとも0.5秒は残ります。低音ほどよく残り、14A#ではスタッカートで1.5秒に及びます。そして一本弦の13Aからは再びピタリと止まります。この残響は共鳴ではなく、打鍵された弦の振動がダンパーで押さえきれないためです。吸音材や調音パネルの設置で調整できるレベルではありません。
[展示見本品の試弾には留意が必要]
上にお示しした3つの特徴は、購入前に試弾した特約販売店のどの展示ピアノにも認められなかったので、メーカーの営業担当者(調律師)にピアノを確認して貰いました。その方の説明によると、販売店のピアノはたまたまで、本来は上述した強い3倍音と残響とが、「豊かな音色」で「よく響く」というYUSシリーズの特性だ、とのことでした。ピアノ自体はメーカー基準を満たしているとのことですが、その基準にはだいぶ幅があるようです。展示ピアノの試弾や試聴の際には留意が必要です。
[ヤマハにおける普通のピアノと生ピアノの良さ]
およそ1オクターブにわたって、一本弦でもないのに基音が弱くて残響がありしかも二度打ちするピアノを、なぜヤマハは出荷するのかが不思議でした。ヤマハ首都圏サービスセンターピアノ技術部にも問合せましたが、改めて音を確認するまでもなくピアノには問題ないし部屋の模様も影響している旨の回答でした。一部の連続する11鍵に限って特異的に3倍音が強くて残響があってもそれは生ピアノの良さであり、ダンパーが弦の振動を止めきれずに残響が2秒弱続くことも普通にあるとのことでした。
[評価]
ヤマハが本来のYUS3とするピアノは、一つの楽器として音の均整がとれていません。ある音域は素晴らしい仕上がりだとしても、別のある音域では頼みもしないのに装飾音が付いて、弾いていないはずの5度上の裏旋律が聞こえ、三和音が四和音になり、しかもその余計な音が最後まで残ります。中にはこれらの現象に全く気付かないか或いは気にならないという方もいますが、音色づくりを楽しむ方にとってはピアノを楽しむどころの話ではないと思います。従って楽器としての評価は☆1個です。ただし、室内装飾品としての評価は文句なしの☆5個ですので、総合評価は☆2個とさせて頂きました。
[ようやくピアノを買う余裕ができたオジサン達へ]
世間一般のピアノ愛好家が一生のうちにピアノを購入する回数は、1度かせいぜい2度でしょう。もし30〜40年前のヤマハピアノしか知らないとすれば、本来のYUSを知った時、ヤマハの感性の変化には驚くことでしょう。
引き渡される商品を直接試弾しないで購入することは、思っているより射幸性の強い買い物だと考えたほうが良いと思います。この業界では当然のこととされているようですが、錯誤があっても返品は断られますし、それで客が困っていてもメーカーは対応しません。
参考になった0人
(すべてのカテゴリ)
- コミュニティ規定の内容をご確認の上、ご利用ください
- 評価は投票された方の主観による目安であり、絶対的な評価を保証するものではありません
- 点数はリアルタイム更新です
- ユーザーレビューの使い方、よくある質問 FAQもご参照ください
価格.comマガジン
注目トピックス
