『安い・小型・無難によく写る、暗い・ボケにくい・AFはテキトー』 オリンパス M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R [シルバー] 猫もふもふさんのレビュー・評価

[猫もふもふ]

2012年9月2日 03:20 [530661-1]

満足度	2

操作性	2
表現力	2
携帯性	5
機能性	2

安い・小型・無難によく写る、暗い・ボケにくい・AFはテキトー

単体で購入すると、そこそこの価格ですが、ボディセットで購入するとコストパフォーマンスは抜群。旧型は使ったことがないので比較できません、すみません。


操作性：沈胴式でコンパクトですが、小さすぎてしっかり保持・操作しにくいです。
機能性　『12-50mmF3.5-6.3』のマクロモード同様、沈胴操作が煩わしいです。
　　　　ですが、MFの感触が……などと玄人じみたコト言い出さなければ特に不満
　　　　ありません。とにかく軽いのでちょんとボディをつまむ程度で保持可能。
　　　　距離目盛りは、あってもアバウトすぎて使えないので無くても困りません。

表現力：非常に小型ですが、F値が暗い分無理していないのか、解放からしっかり解像
　　　　しますし、嫌な収差が目立ったりもしません。四隅まで十分解像させるのに
　　　　絞るとしてもF5.6〜F8程度がピークで、これ以上は回折の悪影響が勝ります。
　　　　ZDのHG/SHGにm4/3単焦点レンズに比べると幾分もやっとしスッキリしない感
　　　　はありますが、値段を考えれば仕方が無いですね。

　　　　ただしオートフォーカスの信頼性に問題があります。
　　　　『E-PL3』『E-M5』で試し12-50mmと共に、AFの当たり外れが結構
　　　　多いです。
　　　　フォーサーズの位相差式でもAFの低信頼性には悩まされていますが、コントラ
　　　　ストAFでZDレンズを使うと、遅いものの結構信頼性は高いです。特にファイン
　　　　ダー内手ぶれ補正の効く『E-M5』だと望遠でも、コントラストAF動作中さえし
　　　　っかり安定させれば、合焦させられます。
　　　　ところがこのレンズや12-50mmなどはAF速度こそ異様に早いものの、正確さは
　　　　疎かなようで、一度外すと繰り返しAFさせても丁寧に再合焦しようとしないし
　　　　苦手な対象パターンが多かったり、中遠距離など被写体が細かすぎると上手く
　　　　判断できない印象です。
　　　　F値大きいし、フォーサーズは被写界深度深いから多少ピントずれても大丈夫、
　　　　だなんて甘いです。広角でMFが難しいのと同様、開放F値が大きい分ピントの
　　　　山がつかみにくいので全体的にピントが前後にズレやすく要注意です。
　　　　ピント精度がしっかり反映されるレベルの描写力はあるレンズです。

携帯性：素晴らしいです。でも、フード別売商法はやめて欲しいな〜。

総評　：普段F1.4〜F2.8クラスの明るいレンズを使っているので、F値の暗い本レンズは
　　　　被写界深度のコントロールと暗所撮影の制限が大きすぎて使いどころがなく
　　　　かといってここまで小さい必要を感じないので、使い道がなく手放してしまい
　　　　ました。倍率的に便利ズームともいえず使用頻度の高い(42)84mm中望遠域で
　　　　途切れるのも痛いです。性能はそこそこですが、ある程度カメラやレンズに
　　　　凝り出すと中途半端すぎるスペックに使い道がないなと感じますが、ダブル
　　　　ズームキットでこれ以上深みにはまらないユーザーには非常にお得なレンズ
　　　　だと思います。