『期待に応えてくれる硬派なレンズ』 ニコン AF-S DX Zoom-Nikkor 17-55mm f/2.8G IF-ED lega*2さんのレビュー・評価

[lega*2]

2010年12月3日 23:27 [363256-1]

満足度	5

操作性	4
表現力	5
携帯性	3
機能性	4

期待に応えてくれる硬派なレンズ

35mm/f2.8	17mm/f5	35mm/f2.8
55mm/f2.8	55mm/f2.8

【導入にあたって】
既に販売中止のDX18-70のグレードアップと考えた場合、DX16-85VRを先に考えましたが、ボケ味の評価が今ひとつなため、こちらのレンズへ自然と流れました。
とはいえ、少々古く、個体差があり、VRやナノクリも搭載していないレンズにしては異常に高価であることから、中古を狙いました。
キタムラの中古では後期モデルが数本あり、ご好意で３本取り寄せ、試写させてもらいました。
個体差があるだろうと思って臨んだのですが予想は大外れ、３本とも甲乙つけがたい描写なので選ぶのに苦労しました。
D7000で使用しています。


【操作性】
構えてレンズを支持した所にズームリングがあるため、ズームはしやすいです。ただ、少し固いフィーリングです。
内部構造的にトルクを除去しきれない設計なのでしょうね。防塵防滴のため止むを得ないと思います。


【表現力】
高いだけのことはあります。
ズームレンズとは思えないヌケの良さと、円形絞りの美しいボケ具合、素晴らしいです。
所有のレンズでは、単焦点AiAF35mm/f2Dを常用していましたが、同じ焦点距離の表現力は同等以上です。
特にポートレートでのピント部分の緻密さと周りの柔らかいボケのコントラストが、とても気に入っています。
また近〜中遠でのシャープな写りも魅力です。ただし、無限遠付近になると若干甘く写るような気がします。（対AiAF35mm/f2D比）

色乗りに関してもコッテリと言われるAiAF35mm/f2Dよりも、色情報的には「豊か」であると思います。そして、豊かであるので「立体感」があります。
前述の同等以上とはこの点が単焦点より優れています。
他に写し比べたDX18-70やシグマ24-70/f2.8とは次元が違うと感じました。

開放から描写が変わらないのも魅力ですね。
添付の画像はほとんどが開放f2.8ですが、絞ってもシャープさに変化はほとんどありません。


【携帯性】
大きく重いです。フードを付けるとさらに迫力が増します。
ただ、大きさと鏡筒が金属な点で重さはしょうがないと思います。
他のこのレンズに対抗できる純正レンズと言えば、ナノクリの24-70だと思いますが、さらに大きいです。それを考えると性能に見合った大きさであると言えるのではないでしょうか。


【機能性】
鏡筒が金属で、堅牢な高級レンズという感じが良いです。
ボディがD7000だと完全にレンズに負けています。
ナノクリではないため、逆光に弱いです。
VRはこの焦点距離だと必要は無さそうですね。
AF速度は結構速いですが、精度に関してはちょっと合いづらい傾向にあるような気がします。


【まとめ】
妥協せずこのレンズを選んで良かったと思います。
とくに良かった点は、
１．豊かな階調の色乗り
２．開放からシャープ
高価なので万人にオススメはできないですが、キットレンズに満足できない方やズームレンズで手軽に被写体を浮き上がらせたい方は試す価値は十分にありますよ。

レベル

アマチュア

主な被写体

人物

子供・動物

室内