『次世代をしょって立つカメラに期待』 オリンパス OLYMPUS OM-D E-M5 ボディ [シルバー] 紅タマリンさんのレビュー・評価

[紅タマリン]

2013年6月2日 16:13 [600219-1]

満足度	5

デザイン	5
画質	5
操作性	4
バッテリー	3
携帯性	5
機能性	5
液晶	4
ホールド感	3

次世代をしょって立つカメラに期待

昨年２月の発表から完全にＯＭ−Ｄにはまってしまい、ＯＭ−Ｄはもちろん各社ＡＰＳ機、フルサイズ機をとっかえひっかえ使用して、私のような素人カメラマンにとってどんなカメラがベストなのか検証してきました。

結論としてはセンサーサイズの違いは、主に被写界深度の違いとして特徴づけられるということでした。
そういう意味でマイクロフォーサーズ規格のカメラは絞りを絞り込まなくても深い被写界深度が得られることで、様々なシーンできちんとピントの合った写真を撮りやすいという特質をもっていると思います。

また、OM-Dは高感度域の画質に優れ、最高レベルの手振れ補正、防塵防滴の軽量ボディー、暗いシーンでも見やすいＥＶＦを備えているなど次世代の主流になるカメラとしての資質を十分に備えていると思います。

OM-Dはあらゆる場面でそつなく失敗の少ない撮影が可能ですが、撮影を楽しく扱いやすくするための機能面での工夫、出来上がった写真を見て撮影中の意図通りに仕上がった満足感を得られるようなカメラ内の画像処理の巧拙という点ではかなりの物足りなさを感じます。

多くの方がレビュー等で指摘しているＥＶＦと背面液晶の自動切り替えの動作の不自然さの問題、再生ボタンやＦｎボタンの押しにくさ、マニュアル拡大アシストの操作の煩雑さなど、もう少しカメラマンが撮影中に自然な流れの中で操作していけるような、もしくはもう一歩踏み込んでカメラの側が自然な流れの中でカメラマンの操作をアシストしていけるような操作系を完成させていってほしいと思います。

他社のミラーレスでは当たり前にできていることが、なんでＯＭ−Ｄはこうなの？と指摘されることは、あながち慣れの問題だけでは説明できないことも含まれていると思います。

絵づくりについては、まず色が不自然です。
オリンパス機はパナ製センサーの時代から暖色系の温かみのある発色が特徴だと思います。そのこと自体は個性として歓迎できることであり、個人的にはＣ社やＮ社の色づくりよりは好みです。ただ、アンバーが強く出ることがあり、特に自然界の緑の発色に濁りがあると思います。アンバーが入っている方が落ち着いた緑にはなるのですが、新緑の新鮮さや緑の多様性を表現するのはかなり苦手なのではないかと思います。

気に入らないなら画像処理で何とでもなるじゃないかとおっしゃる方もいますが、実際はRAW段階から追い込んで行ってもどうしても乗り越えられないメーカーや機種ごとの壁があるのも事実で、色に敏感な方なら何とかしてほしいと感じているのではないでしょうか。

また、デフォルトではコントラストやシャープネスを強めにして一見見栄えのある絵にしているようですが、商業的にはある程度仕方がないとしても、本来持っている優れた解像感や階調の豊かさ、ダイナミックレンジの広さなどを十分に生かし切れていないような気がします。シャープネスは弱めの方が自然な質感表現を確保できるのではないでしょうか。ポートレートで撮影した時など、解像しすぎて肌のしっとり感よりも化粧の浮きの方が目立ってしまいます。JPEG撮って出しでも長年写真を撮ってきた方から支持をしてもらえるような絵づくりに期待したいです。

いろいろと今後の要望を書きましたが、今後に期待してのことです。フルサイズやAPSは自分の中ではほとんど必要性がなくなってきています。Mフォーサーズが弱点を強化して、すべてのシーンにおいて完璧なパフォーマンスを発揮できる時代が来ることを楽しみにしています。

レベル

アマチュア

主な被写体

人物

風景