Q7 FIO-Q7

プロフィールオーディオ・ビジュアル評論家。
VGP(ビジュアルグランプリ)審査副委員長。同ライフスタイル分科会座長。
THX/ISF認定ホームシアターデザイナー。
日本オーディオ協会 諮問委員(2013-2020)。
専門誌、ネット、テレ…続きを読む
2023年3月8日 16:19 [1690479-1]
満足度 | 5 |
---|
デザイン | 5 |
---|---|
音質 | 5 |
操作性 | 4 |
機能性 | 5 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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デザインと質感のご参考に(ディスプレイ点灯時の例) |
ボリュームノブと出力端子部。 |
入力端子部 |
メーカーサンプル機(メディア用)をお借りしてのレビューです。
プレーヤーは主にFiio M17、イヤホンはDUNU EST112(φ4.4mmバランス)を組み合わせて試聴しました。
【デザイン】
デザインには好みがあると思いますので、写真などを参考にご判断頂ければと思います。
造形はM17ほか、Fiioの新世代モデルと共通する直線的で精悍な雰囲気が特徴です。小型ながらカラーディスプレイを搭載するほか、ボリュームノブ周りと筐体側面にLED照明演出機能があり、デザイン的にもアクセントになっています。
【音質】
コンセプトはM17を踏襲しつつ、プレーヤー機能を取り除いたという製品ですが、M17と比べると、DACチップは、M17がES9038PROを2基、本機は1基という違いがあり、スペック上、S/N比に差があります。
M17からの出力と本機からの出力を比較試聴しましたが、質の面では、本機からの方が好ましく感じました。高精度であろうM17からデジタル信号を受け取っているという前提ですが、キレが良く空間が澄んで見通しが良好。音色の1つ1つが音の消え際まで鮮明で立体的に浮き上がるように感じたり、ボーカルの粒立ちやクリアさも見事。物量やスペックはM17の方が上ですが、プレーヤー機能、大画面ディスプレイ、Wi-Fiなどを内蔵せずシンプルな本機には、単体機ならではのアドバンテージを感じます。低域の厚みやゴリっとした押し出し感も圧巻で、イヤホンからこのような豪級の音が聞こえるのは、あまり無い体験です。
ほか、付属ケーブルでiPhoneと接続してみましたが、YouTube(PCM/44.1kHz)も驚くべき高音質。一般的なDAC/アンプ経由では、歪や飽和感が気になる楽曲も、本機は実に気持ちよく鳴らします。録音の悪さを補正するということではなく、高性能故の懐の深さが、こうした結果に繋がっているのだと思います。
【操作性】
アプリ「FiiO Control」が利用できますが、調整できる項目は、LRバランス、Bluetoothコーデック選択、イコライザ程度と少ないです。ゲインやDACフィルターの設定変更は、ボリュームノブのプッシュと回転で行いますが、ディスプレイも小さく快適とは言えません。頻繁に変更を必要とされるものではなく、また慣れれば問題無いと思いますが、ご参考までに。
【機能性】
ヘッドホン出力端子は2.5mmバランス、3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス、6.3mmシングルエンドと豊富です。(3.5mmと4.4mmは設定でライン出力としても利用可)
また、USBに加え、同軸デジタル入力と光デジタル入力(角型)端子も搭載し、拡張性の高さも魅力です。
【総評】
音質面ではM17と比較してみて、複雑なプレーヤー機能を省くことによるメリットを感じました。もちろん、M17はオールインワンのフラッグシップ機として魅力がありますが、同等以上と思えるポテンシャンシャルを持つDAC/アンプがM17の半額以下で手に入るとなると、お値打ち感は高く感じます。商品企画的にも、消費者の心理やニーズを上手く捉えた製品に感じました。
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2023年2月10日 18:00 [1680782-2]
満足度 | 5 |
---|
デザイン | 3 |
---|---|
音質 | 5 |
操作性 | 3 |
機能性 | 5 |
【デザイン】
重く厚みもあり、薄手のレンガといった印象
【音質】
今まで複数台所有してきたDAP、DACの音とは全くの別物
地面から湧き上がる様な低音、定位感がぶれない中高音は据え置き型の高級器並と云える
ただ、電池駆動とAC電源接続では大きな差があり、上記の印象はAC電源でのもの
電池駆動だとDX 220と比べてやや優れるという印象
【操作性】
ボリュームノブでの操作だけなのでシンプルである。言語が中文と英語だけで日本語には非対応
更に専用アプリがあるが余り役に立たない印象
【機能性】
機能的にはDACなので、これ以上必要あるとは思えないが、
【総評】
圧倒的なパワー感がほぼ据え置き高級器と云えるポータブル機
ほぼ室内でしか使わないので常時AC電源で使う事になるだろう
稀に外出時にも使うかもしれないが、多分スマホ+TWSの利便性には勝てないだろう
参考になった3人(再レビュー後:2人)
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2023年1月20日 20:12 [1671688-1]
満足度 | 5 |
---|
デザイン | 2 |
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音質 | 4 |
操作性 | 4 |
機能性 | 5 |
ヘッドホン:clear mg pro
※購入から1か月。変更があれば再度レビューします。
音のバランスはフラット
線はどちらかと言えば太いと感じますが、ごく自然に仕上がっています。
激しいロックやメタルの様な情報量の多い曲でも埋もれない解像度を持ち合わせているので、ジャンルを選ばず使用できると感じました。
モニターかリスニングか、どちらかと言えばリスニング寄りには感じます。
線の太い音色には程よいリラックス感があり、誇張しない程度の解像度の高さ、このバランスが晴らしく近年少なくなってきているポタアンの中では最も万能型だと感じました。
厚みと広がりがありつつもタイトな低音域、近い距離で温かみが感じられるが原音に忠実な中音域、刺激が抑えられながらよく伸びる高音域と言った印象で、音全体の一体感はあるが刺激の少ない優等生な音色です。それでも聴きごたえがあると感じるのは、特徴的な音の押し出しの強さだと感じました。
広がりや空間を感じさせつつも、音に密度が感じられます。線が太いだけではこうはならず、前方から自分に向かって音が出ているように感じるからだと思います。スピーカーを定位置で聴いているような感覚に近いです。
SPLのPhonitor マトリックスによるクロスフィード程のスピーカー再現とまではいきませんが、フォーカスの合った音色と言えます。頭の後ろに音が回り込むような妙な空間表現ではなく、自分の視野角内に留まっているからこその聴きごたえなのでしょうね。
ただし低、中、高音のすべてが一列に揃っている為か、音量を上げ続けてもしっくりくる事が少なく、いつの間にか大音量で聴いていることが多々ありました。特に打ち込み系のような刺激的な音が押さえられてしまう気がします。これはヘッドホンやイヤホンとの組み合わせで大きく変わるので、気持ち刺激を抑える程度のチューニングにしているみたいです。モニターサウンドが好きな方は若干物足りなさを感じるかもしれません。
ちょうどいい音量を見つけづらいのは弱点と言えば弱点なのですが、普段より少し音量を下げて聴くことで、楽器の質感やボーカルの感情表現を感じ取ることに集中できるようになり、それでいて押し出しの強さが聴きごたえを与えてくれるおかげで、モニターサウンドが好きな私でも、リラックスした音楽鑑賞ができました。
音色こそ違いますがmicro iDSD Signatureもいつの間にか音量を上げすぎてしまったり、リスニング用途だったりと共通点が見られます。違う点を挙げるとすると、空間表現はiDSDの方がより広く、よりリスニング向きな為、比較すると音像がぼやけて感じる為かジャンルを選んでしまいます。
これは好みの差としか言いようが無いですが、Q7の方が私は好みです。
ただiDSDは好みさえ合えば、これ以上のポタアンは無いと断言できるほどの完成度です。独自の世界観と言えばいいのか、ハッキリとしたキャラクターが確立されており、ジャンルを選びますがポータブルでは最高峰の表現力を誇っています。
こればかりはQ7にはない強みです。万能が故の弱みのようなものです。
ですがモニターサウンドを謳った製品にありがちな、つまらない音と感じることはなく、リラックス感や聴きごたえ、モニターもこなせる事こそが強みだと感じます。
DCモードについて
音の傾向は変わることは無いのですが、低音域はよりキレが増し、音全体の土台としての安定感が増したと感じます。音の鮮烈さ、メリハリがより良く表現されており、バッテリー駆動時のバランスも崩れることはありません。電源部分を強化することも視野に入れれば、これ以上に成長が見込めるポタアンは他には思い当たりません。
バッテリー駆動の時点でいい音と思えない場合でも、DCモードでは納得できると思う人が出てくると思います。それ程のポテンシャルを秘めており、わざわざ搭載しているだけはあります。
私自身も、micro iDSD Signatureはあまり好みでは無かったのですがpro iDSD Signatureはメインとして使うほど好きだったりします。
バランス、アンバランスの違いで言えば音像の見え方が変わる程度です。よりモニターよりの音が聴きたい場合はバランスが向いています。
感想
全体的に音が近く、聴きごたえがありつつ落ち着いたサウンドと、慎重にチューニングを重ねてきた音だと感じます。自身の好みの音が分かる方にとっては若干物足りなさを感じるかもしれませんが、よくできた万人向けサウンドだと思います。ただ鳴り方に癖があるので、そこをどう捉えるかで好みは分かれるかもしれません。
参考になった10人
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2022年11月27日 16:30 [1650429-1]
満足度 | 5 |
---|
デザイン | 3 |
---|---|
音質 | 5 |
操作性 | 4 |
機能性 | 5 |
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---|---|---|
【デザイン】
デザインはサイズがとても大きく良いとは言えません。
【音質】
内蔵バッテリー使用時は最高音質とは言えませんが、「M17」の販売価格となる30万円以下のDAPの音質の水準は満たしているとは思います。
DC電源接続時の音質が素晴らしいです。
Androidスマホと接続した際は本来の実力を発揮出来ないようです。
「M15」からUSB接続した際もAndroidモードではなく、Pure Musicモードを利用すると、グッと音質が改善します。
ここら辺の音質変化は、「M17」や「M15」で音楽再生するのと同等です。
直接比較した訳では有りませんが、「M15」→「Q7」でDC電源使用時の再生音は、「M17」で再生した際の音質に全く見劣りしない印象です。
【操作性】
機能がシンプルとはいえ、操作性は悪いです。
ここら辺に他社高級機との比較では物足りなさを感じます。
とはいえ楽曲再生コントロールはプレーヤー側なので特に問題無く利用可能です。
【機能性】
機能はとても豊富です。
ヘッドホン出力端子は4.4mmと2.5mmバランス、3.5mmと6.3mmアンバランスの4系統で抜群の汎用性の高さです。
入力はUSB、光デジタル、同軸デジタル入力の3系統です。
Bluetooth入力にも対応しています。
【総評】
「M17」のDC電源利用時の音質は今まで聴いたDAPの中で最も好みな音質でした。
一般的に見れば、AC電源接続での利用がDAPとして許されるのかは疑問が残る所では有るのでしょうが、もしも「M17」を購入するなら、AC電源で使いたいとは思っていましたし、それだけ価値のあるサウンドだとは思います。
とは言え「M17」に手を出せなかったのは、やはりサイズによる汎用性の問題なので、普通のヘッドホンアンプでも良いとは思いました。
そこで登場したのは「Q7」です。
最近の価格設定から、当然20万円クラスの製品だろうと考えていたので、購入機会は無いだろうと思っていました。
それがまさかの749ドル、この円安でも10万円程度と予想の半額程度でした。
もう購入必須だろうと言うことで、国内販売開始を待てずに、海外通販購入してしまいました。
私の場合、据置用真空管ヘッドホンアンプを2台所有していますが、設置場所固定だと不便に思う機会も多いので、ある程度は可搬性のある高音質システムが希望でした。
特にイヤホン使用時はバランス接続が有効なので、バランス接続可能で「M15」よりも高音質なモデルが望ましいのです。
DC電源で利用するなら「K9 Pro ESS」で良いのでは?と思いますが、それでも「Q7」を選択した理由は、こちらの方が面白そうだからと言う単純な理由です。
「K9 Pro ESS」のメリットは大型な電源トランスを利用していることです。
「Q7」はDC12VのACアダプターの接続と電源部の品質があまりにも脆弱です。
ここは手持ちのRコアトランスの電源を用意しました。
これで「K9 Pro ESS」との比較では電源部に見劣りする要素無くなります。
ヘッドホン出力の大小で音質は決まりませんが、バランス接続時に低インピーダンス接続時は見劣りしない、高インピーダンス接続は保証されていないと言うことが分かります。
◎Q7
最大出力(DC電源駆動時)バランス:3,000mW (32Ω,THD+N<1%)
アンバランス:1,100mW (32Ω,THD+N<1%)
◎K9 Pro ESS
ヘッドホン出力32Ω:≥2100mW(バランス、アンバランス)
300Ω:≥1,100mW(バランス)、≥281mW(アンバランス)
手持ちのHD600でも十分に高音質で鳴らせますので、実情としては300Ωでも問題無く利用可能だとは思います。
電源部はこれで固まったとして、次の課題はプレーヤー部です。
先ずはスマホと接続を試しました。
「Q7」を接続するとUSB DACとして認識され、問題無く利用可能です。
最初はバッテリー駆動での音出しです。
エージング不足とは言え、正直言って「M15」と比較しても同程度なクオリティとの印象を受けました。
次に付属のACアダプターでDC電源を利用します。
正直言って、「M17」で試聴した際の驚きが感じられません。
次に比較試聴していた「M15」を接続しましたが、Androidモードではスマホでの再生とはあまり変わらない印象です。
次に標準プレーヤーでの再生です。
良い音質では有りますが、「M17」を聴いた時の驚きが感じられません。
そしてPure Musicモードに変更すると音質は激変しました。
「M15」や「M17」を聴いていれば分かると思いますが、Pure Musicモードを聴いたときと同様な変化です。
ようやく「M17」を試聴した際と同様に、満足感が得られるサウンドを聴けました。
色々試して分かった結果ですが、標準のミュージックアプリからのUSB出力からはDSD出力が出来ないと言う問題が発生しています。
これが仕様なのかは未確認ですが、Pure Musicモードからの出力ではDSD音源が再生されません。
もちろんDSD変換モードで再生しても出力されません。
PCM音源であれば全ての音源は再生可能です。
DSDをUSB出力するのであれば、HF Player等のUSB DAC出力ドライバーを備えたアプリを利用することで可能です。
DSDはASIO Naiveで出力可能なので、音質低下は無いだろうと考えますし、ここは「M17」 > 「Q7」となる明確なポイントだとは思いますが、実際にはDSD256のサウンドは素晴らしいです。
Rコアトランスの外部電源とACアダプターの音質を比較するとやはり外部電源の効果は大きいです。
「Q7」は12V 2AのACアダプターを利用しているので比較的低出力です。
12V出力可能なモバイルバッテリーや、ニッケル水素の単3バッテリー10本で出力可能なアダプターなど、AC電源ノイズを回避しながらDC電源駆動が可能な方法も有ります。
USBケーブルもオーディオグレードのものを用意すると良いです。
「Q7」の残念なポイントはDACチップがES9038PROのシングルです。
ここは差別化して欲しくなかったのですが、販売価格を下げるポイントだとは思います。
それでもコストパフォーマンスの高さは他に無いモデルなので満足度は文句なしの満点です。
参考になった13人
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ヘッドホンアンプ・DAC
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