『素晴らしい資質を持つエントリーモデルなのだが』 富士フイルム FUJIFILM X-A1 ダブルズームレンズキット [レッド] こうちこうちさんのレビュー・評価

[こうちこうち]

2014年1月22日 15:33 [675552-2]

満足度	4

デザイン	5
画質	5
操作性	3
バッテリー	無評価
携帯性	5
機能性	5
液晶	5
ホールド感	5

素晴らしい資質を持つエントリーモデルなのだが

撮って出しでもjpegの残存データが豊かなのでこういった加工遊びにも余裕で耐えます。	X-A1＋Carl Zeiss Distagon28mm/f1.4	X-A1＋Carl Zeiss Planar 50mm/f1.4

2度めのレビューです

公私ともに別メーカーの一眼レフを使ってきましたが、
コンパクトは独特の発色に惹かれて長年富士フイルムの
モデルを愛用してきました。その富士フイルムがミラーレスで
攻勢を強めるなか、ベイヤーセンサーのエントリーモデルを
格安で出すと聞き、マウントアダプタをかませれば
ヤシカコンタックスのレンズも使えるしと、試しに
買ってみました。初ミラーレスです。

手にしてまだ数日。仕事での撮影の合間に試運転してみた
印象です。

【デザイン】
個人的には大好きです。最初から赤狙いでした。
人工皮革の赤はカラーデザイナーが頑張った感じで、
派手やかながらいやらしい感じがしません。
背面の赤メタリックを何とかすれば、もっと品が良くなる
ような気がしました。

【画質】
エントリーモデルとして、これ以上は望まなくてもいいと
思うくらい良いです。まだ機能を全部チェックしておらず、
全然つかいこなせていませんが、ベイヤーセンサーでも
富士フイルムらしい描画です。

高感度が優れていることが話題になっていますが、高感度で
輝度の高いものを撮ると光が変ににじむなど、フジらしいクセも
健在。EXRの特徴かと思っていましたが、ベイヤーセンサーでも
そうだということは、画像処理の特徴なのでしょう。

豊かな階調やコントラスト、色再現などは低感度が圧倒的に
良いです。高感度が悪いというのではなく、低感度が良いという
意味で、とくに三脚を立てられる環境で静物や風景を撮るなら、
光量が厳しめの環境でもISO200にこだわりたくなるところです。

ダイナミックレンジ拡張機能はコンデジに採用された
第1世代の頃とは比べ物にならないほど自然になりました。

RAWではまだ撮っていませんが、撮って出しのJPEGの描画は
同社のコンデジとよく似た特性で、FinePix使いだった人は
ほとんど同じ感覚で良いショットをモノにできそうな気がします。

キットレンズは今のところXC16-50しか使っていません。
等倍で見ると周辺部のアラがかなり目立ちますが、中心に
近いところではかなり頑張っているように思いました。
上位レンズのような艶っぽさは期待できませんが、
リバーサルフィルムのようなメリハリのついた描写
というフジノンレンズの特色は守られています。

欠点は、コンパクトデジタルと同じコントラストAFで
あることを考慮しても、ちょっとAFが弱いかなということ。
被写体検出やピーク算出のアルゴリズムがちょっと
古い感じがします。

ちなみにデフォルト設定の場合、撮って出しのjpegが
最初からアンシャープマスクをかけたような、若干不自然な
描写になりますが、シャープネスを少し低めにすることで
俄然自然になります。

【操作性】
当初、細かい補正を加えながら撮る場合、メニュー操作が多少
面倒な気がしていましたが、独特のメニュー構成に慣れるにつれて、
シャッターを押すだけということを念頭に置いたローエンドモデルに
しては結構機動的に撮影できると思うようになりました。

【バッテリー】
容量は大きくなく、また撮影可能枚数の公称値もそんなに
多くはありません。使い切るまで撮っていないので不明です。

【携帯性】
もっと小さいミラーレスカメラもありますが、一定水準以上の
性能を持つカメラがこれだけ小さければ十分でしょう。

【機能性】
今日における標準的な機能はほぼ網羅されているようです。
使い込んでいませんが、不要なくらいいろいろあります。

【液晶】
屋外の晴天では見にくくなることもありますが、不満は感じません。
試していませんが、屋外晴天時に増光するコマンドもあるようでした。

【ホールド感】
ボディがある程度大きく、厚さもあるため、ホールド感は良好でした。
人工皮革は滑るかと思いましたが、むしろフリクション保持に
効果を発揮するくらいでした。

【満足度】
2回連続で初期不良機が回ってきたのに加え、サポートや
お客様センターの対応が5年前に比べて著しく劣化していた
ことで気分を悪くしていましたが、3個めでようやく
瑕疵のないカメラを手にすることができ、状況は
落ち着きました。

カメラ自体の完成度は、エントリー機としては望外に
優れていると思います。もちろんRAWも使えますが、
一発勝負のjpegでどう記録されるかを楽しめるような、
個性豊かな発色、階調を持っています。

3個目のカメラがやってきてから、マウントアダプターを
介して手持ちのコンタックス用オールドレンズをつけて
遊んだりしています。APS-Cなので画角は換算1.5倍になって
しまいますが、フォーサーズの2倍にくらべると穏やかです。
16メガピクセルという今日の水準ではやや控えめの画素数で
あるぶんアトリウム構造を持つようなオールドレンズの
特性にも寛容で、なかなか綺麗に撮れます。
RGB、B/Wの両方で十分に楽しめます。

ダブルズームキットで手軽に楽しむのが基本のカメラ
でしょうが、上級レンズやオールドレンズを
つけても、それに十分応える潜在能力を有しているように
思われました。マニュアルフォーカスレンズを使う
場合、背面液晶のフレームレートがあまり高くないので、
低いのでピント合わせに慣れを要しますが、
数を打つうちにフィーリングでバシバシ合わせられる
ようになるので、あまり気にしなくていいようです。
低価格でいろいろ遊べるカメラです。
サポート、お客様センターのぶんを1ポイント差し引いて
☆4つに修正します。

レベル

ハイアマチュア

主な被写体

風景

室内

報道

その他