『Wズームキットはお勧めしません』 ニコン D5300 ダブルズームキット ぱぱうるふさんのレビュー・評価

[ぱぱうるふ]

2017年2月10日 16:05 [912044-2]

満足度	4

デザイン	4
画質	4
操作性	3
バッテリー	4
携帯性	3
機能性	2
液晶	5
ホールド感	4

Wズームキットはお勧めしません

【デザイン】
一目でNikon機だと分かる可もなく不可もない外観です。
バリアングル液晶ゆえにNikonの他機種とは背面のボタン類のレイアウトが大きく異なります。
筐体が樹脂系ですので質感はそれなりです。

【画質】
カメラ自体の画質は非常に優秀です。
純正80-400mmなどの性能の良いレンズで撮影した画像は条件にもよりますがフルサイズにも劣らない素晴らしいものになります。
同じレンズを使い同じ条件で撮影した画像でブラインドテストをすればD3300、D5300、D7200で見分けが付かない筈です。

ただしキットレンズは値段なりです。
18-55mmは少し解像感に劣りますが全域で素直な画像が得られます。
このクラスのカメラを初めて買う人にも普通にお勧め出来ます
問題は55-300mmです。
ライバル機対策で出してきただけの焦点距離と値段だけの劣悪なレンズです。
120mm位迄は何とか使えますがそれ以上は光学ズームである意味が殆ど無い画質になります。

2017年2月よりAF-Pレンズキットが2種類、追加されました。
レンズキットを購入するならAF-Pレンズキットが断然、お勧めです。
AF-P 70-300mmはAF-S 55-300mmと比較して画質もAFスピードも大幅に改善されており、値段の差以上の満足が得られるでしょう。
ただ使用頻度の高い50mm前後でのレンズ交換が不要な18-140mmも実際に使うと便利なレンズです。

【操作性】
ワンダイヤル機なのでマニュアル操作や自分で細かく調整しながら撮影するのは面倒です。
撮影モードもモードダイヤルに振られている分とメニューから選ぶ分と分かれている事が却って操作を解り難くしています。
オート撮影の類いはモードダイヤルに振らずにメニューから選択する方が使う側としては便利な筈です。
その分カスタムモードを複数設定出来る方が使い易かったでしょう。
ペンタプリズムでは無くペンタミラーの簡易なファインダーですのでMF撮影は絶望的ですし長時間撮影や暗所や夜間の撮影も辛いものです。
LV（ライブビュー）撮影と動画撮影は正直オマケ程度です。
操作性も機能も洗練されておらず使い物になりません。
AF-Pレンズの登場でLV時のAFスピードは劇的に改善され、動画撮影は使える場面が増えました。
しかしミラー周りの動作は一緒ですので、タイミング良くシャッターを切ることは相変わらず困難です。
LV撮影や動画撮影も重視される方はNikon以外しか選択肢がありません。

【バッテリー】
GPSと内蔵フラッシュはオフ、液晶も裏返して殆ど使わないなら最高画質＋RAWでも1000カット以上、撮影出来る容量はあります。
ただ残量表示は大雑把ですので大事な撮影では予備のバッテリーはあった方が安心出来ます。
GPSや内蔵フラッシュやLVを多用するなら予備のバッテリーが複数必要になってきます。

【携帯性】
デジイチですのでそれなりの大きさですがそれでも小さい方ですしプラスチック筐体なので軽量です。
18-55mmは縮めてロック出来るので比較的コンパクトに収まります。
いずれにせよ持ち運ぶにはそれなりの大きさバック等が必要になります。

【機能性】
GPSを内蔵しているNikonで唯一のデジイチです。
アシストデータを定期的に更新する必要があり使い勝手は良いとは言えません。
しかし撮影場所が記録される事で撮影データの管理だけでなく旅行、サイクリング、登山、野鳥観察等の記録にも重宝する機能です。
フォーカスポイントの少なさと対応する明るさがD7200とは差別化されています。
実際にフォーカスポイントを自分で切り替えて使う人には範囲の狭さとポイントの大きさに不満が出てくる事も多いでしょう。
連写性能も最高画質＋RAWですと最高で6+1コマまでに制限されます。
メディアもUHS-1対応で最上位の高速SDでも書き込み速度が不足です。
AF周りや連写性能に不満が出たらステップアップしてD7200やD500を考えるしかないようです。
お任せモードの類いもメリハリの無い絵作りが中途半端です。
リモコンは別売ですが本体自体がリモコンにも対応。外部接続も標準的な物です。
スピードライト等も純正なら入門機から高級機まで一通り対応しますしNikon用は社外品が多数あります。
但しバッテリーグリップは純正品がありません。

【液晶】
バリアングル液晶は一度使うと乗り換え時の優先事項になる位便利な物です。
チルト液晶と異なり縦アングルでも使い易い物です。

液晶自体は見易い物ですが晴天下では明るさが足りない事があります。
一方で暗所や夜間では明るすぎて撮影の邪魔になる事もあります。
簡単に明るさが調整出来ると便利なのですが。
また再生時には一段拡大しないとモヤっとした表示になる点は非常に気になります。

【ホールド感】
普通に握り易い物です。
カメラ自体の重量も軽く十分でしょう。
但し長玉を付ける場合は筐体自体の剛性の低さもあってやや不安です。

【総評】
D5300自体の素性は良いのですがセンサー性能が良すぎてもう少し高機能であって欲しいという贅沢な不満が出てきます。
D7200との棲み分けが難しいのでしょうが肩液晶は要らないので2ダイヤルでペンタプリズムだったらと思わずにはいられません。
そしてキットレンズは酷い物です。
55-300mmのここでの評価を信じてWズームキットを購入しましたが大失敗でした。
WズームキットではD5300の本来の性能を全く発揮出来ません。
AF-Pレンズキットが追加された今とはなっては絶対に手を出さない方が良いでしょう。

D5600に追加されたタイムラプスと著作権情報の記録はファームアップで対応して欲しいところです。

D5300の購入を考えている方は自分の用途に合わせてレンズキットや追加するレンズを良く考えて選びましょう。
画素数が多いため高性能なレンズでないと本来の画質が発揮出来ません。
AF-Pレンズキットは非常に魅力的ですが比較的多用する機会が多い50-70mmが抜けている点は要注意です。
D5300は旧型のレンズは使えない物が多いので確認が必要です。

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