フォルクスワーゲン ビートルレビュー・評価

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ビートル のユーザーレビュー・評価

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ビートル 2000年以前のモデルの評価

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  5. 1 0%
評価項目 投票平均 カテゴリ平均 項目別ランキング
エクステリア 外観などのデザイン及び機能性 無評価 4.32 -位
インテリア 内装のデザイン及び機能性 無評価 3.92 -位
エンジン性能 トルクやパワー、滑らかさ、技術など 無評価 4.11 -位
走行性能 走りのフィーリング及び操作性 無評価 4.19 -位
乗り心地 乗り心地のフィーリング 無評価 4.02 -位
燃費 燃費の満足度 無評価 3.87 -位
価格 総合的な価格の妥当性 無評価 3.85 -位
  • ※プロレビュー・モニターレビューは集計対象から除外しています
  • ※「カテゴリ平均」より「投票平均」が高い項目を黄色背景にしています

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外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:238件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。少年期に5年間イギリス・ロンドン、スコットランド・エディンバラに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、出版社に入社。輸入車専門誌にて執筆、編集を担当…続きを読む

満足度5
エクステリア5
インテリア4
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地3
燃費3
価格無評価

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

1977製造の最終モデル。眺めるだけで幸せになれるクルマである。

これぞ「ビートル」の原点といえるキュートなデザイン。

最新の「ザ・ビートル」と並べるとその大きさの違いに驚くことだろう。

1.6L水平対抗4気筒エンジンを後方に搭載する。

シンプルであるが、大人がくつろげる広さを確保している。

ハイウェイでも十分通用する性能。さすがに最新型には付いていけないが。

フォルクスワーゲン「ビートル」の原型といえば、いわずと知れた「タイプT」です。このクルマのうんちくを書き始めますと、何文字あっても足りませんが、1938年の生産開始以来、2003年まで半世紀以上もの間、生産され、世界最高生産台数である累計2152万9464台が世に送り出されました。

今回は、フォルクスワーゲンを愛する友人が、1977年製「タイプT」(ヤナセ輸入車両では、最終モデルに近いモデル)を購入しましたので、早速、2013年モデルの「ザ・ビートル」(メーカー広報車)を連れ出し取材を敢行しました。

■エクステリア■

その昔、黄色のビートルを一日3台見ればいいことが起きるといわれただけの事はあり、その姿は、殺伐としたこの世の中に佇む姿は“ほっと”させられます。しかし、この「タイプT」の開発にあたっては、かわいいといったものではなく、まさに「国民車」の基準を満たすためのものであり、流線型のボディは空力の向上、丈夫なボディは、長年の使用にも耐えうるものなど多くの課題が課せられた結果、出来上がったものなのです。

■インテリア■

取材車両のオーナーはあえて、手を加えていないオリジナルを選択したため、インテリアも当時のままです。パワーステアリングを持たないステアリングは、大口径。その奥には、160km/hまで刻まれた、独「VDO」社製の円形メーターがひとつあるのみ。当時のオプションであったエアコンではなく「クーラー」が設置されますが、これが寒いほど冷えるのには驚きました。オーディオは純正のラジオが装備されてますが、あえて最新モノをつける必要がないのです。それは、「バタバタ…」と後方から聞こえるフラット4の奏でるサウンドが、最高の音楽だからです。

■インプレッション■

筆者が別媒体の取材で、長期借用しているフォルクスワーゲン「ザ・ビートル」と終始ランデブー走行を行いました。初代「タイプT」と最新の「ザ・ビートル」の競演ですから、周囲の目は痛いほどの注目・・・。特に年配の方が、興味深そうに眺めていたのは、いうまでもありません。

この1977年の「タイプT」は、ボッシュ「Dジェトロニック」というインジェクションを採用しているため、エンジン始動にも特に気を使うことはありません。エンジンを冷やす冷却水もありませんから、暖機運転も必要なく、そのまま走り出すことができます。クラッチワークにも特に気を使うことは皆無。有り余る低速トルクの恩恵で、アクセルに足を置かなくても、クラッチから足を浮かせば、「バタバタ」と走り出してしまいます。

市街地でも旧車にありがちな“我慢”を強いられることは皆無で、意外なほど快適。クッションの効いたシートも掛け心地がよく、ラフに腰を掛け、エンジンの音が高まったらシフトアップ。このリズムを掴むのにさほど時間はかかりません。
シグナルスタートも有り余るトルクで、背後から押し出される感覚は、パワフルに感じるほどでした。

ハイウェイでも、日本の法律の定めた速度での巡航は難なくこなし、たとえそれが数百キロの長距離でも、オイルの管理さえしておけば、まるで問題ありません。
4速までのマニュアルトランスミッションを全開で引っ張れば、130km/hあたりまでメーターの指針は届きます。排気量は、最終モデルのため1.6L。背後から迫る「ザ・ビートル」は1.2Lしかありませんが、シューンと一瞬で置き去りにされてしまいます。(36年前の旧車ですので、当たり前ですが。)

旧くても“普通”に乗れてしまうのが、「タイプT」の魅力です。街中、ハイウェイと現代のレベルと比較しても、不便は特に感じません。ただ、4輪がドラムブレーキのため、とっさの時の制動は、現代のクルマのように迅速な減速ができませんから、ゆとりをもった運転を心がけたいものです。

あと、あえて挙げるとすれば、後方に詰まれた水平対抗エンジンが奏でる「バタバタ」というサウンド。気分は空冷時代のポルシェですが、(ポルシェが開発したので当然ですが。)やはり、夜間の外出や、帰宅はご近所に気を使うことは否定できません。


今回は初代「タイプT」と最新の「ザ・ビートル」を同時に乗りました。メカニカル面では、まるで違う一台ですが、一緒に走れば、やはり、お互い「ビートルなんだよな」と感じさせる部分は多々ありました。
自動車を走らせる楽しみを教えてくれた初代「タイプT」。そのコンセプトを現代に受け継いだ「ザ・ビートル」。

「タイプT」に関していえば、現代でも気を使わないで乗れる旧車とでもいいましょか。マニュアル免許をお持ちの若者にぜひ、乗っていただきたいと感じました。


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