リコー GR DIGITAL II ちょこら先輩。さんのレビュー・評価

[ちょこら先輩。]

2009年9月13日 23:12 [252312-1]

満足度	5

デザイン	4
画質	3
操作性	5
バッテリー	3
携帯性	4
機能性	4
液晶	3
ホールド感	5

GR DIGITAL IIのレビュー

'06年10月に購入した初代GRDの相次ぐ不良発生により、'08年11月に買換えました。
もう生産中止になりましたが、中古購入される方の参考になればと思い、１年弱使い込んでのインプレッションを残したいと思います。

言い尽くされた感もありますが、このカメラは「GRレンズに撮影機能を持たせた製品」なのだと実感できます。歪みの少なさはもちろん、画像の隅々までシャープに写り、何より色収差がほとんど見受けられないのには驚かされます。

ところが最大の売りのこの部分に構造的なアキレス腱を抱え、初代ほどではないにせよ当たり外れがあるカメラだという定評？が確立してしまった事は、21世紀の日本メーカーとして、猛省が必要とされるところです。
さらにその優れたレンズの受け皿となるデジタル性能は、実は発売当初時点で既に「並み」のものでしかなく、他社コンパクトハイエンド機に太刀打ちできるものではありませんでした。勤め先で使用しているニコンP5100と比較使用したところ、ホワイトバランスと露出精度の不安定さには、閉口したものです。初代ではその不安定さが生み出した絵に、結果として何とも言えない味が感じられることもあったのですが、中途半端にデジタル性能が向上した2代目ではそれも感じられません。

しかし、それでもここまで多くの支持を集めているのはなぜでしょう（・ω・？

GRDは今時のデジカメとしては珍しく、メーカーお仕着せモード（顔感知・夜景・スポーツ・ポートレート、など）がないデジカメです。
それ故に、自分の手に馴染む（≒思うような写真が撮れるようになる）までに、多くの試行錯誤が必要となりますが、その過程がまた楽しい。
普通は面倒に感じるハズのその「過程」を楽しむ事ができるのは、単焦点故必然的に足で稼ぐようになるフレーミングに加え、それが全く苦にならないジャストな形状寸法と握り感、初代からさらにブラシュアップされた操作性と使い勝手など、全体としての「使い心地」が、当のリコーが意図した以上にハイバランスに仕上がったからにほかなりません。多少の失敗写真を重ねても、却って「写欲」がかき立てられるようにさえ感じられます。

ワタシはニコンD80も所有しており、これも大変なお気に入りなのですが、このデジイチ界ではロングセラーの誉れ高い同機でさえ、その「使い心地」はGRDとは較べるべくもなく、この点GRDは不世出の名機と呼んでも決して差し支えないカメラだと思います。

レビューの方は、ワタシの中の評価基準で付けたもので、デジタル性能が並みなため、通信簿的には良くすることはできません。
それでも全体としての満足度はもちろん５点、そしてもし愛着度という項目があれば６点をつけてやりたい、GRDとはそんなカメラです。