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プロフェッショナルレビュー
自動車(本体) > レクサス > UX 2018年モデル > 250h Version L 4WD

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:65件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度4
エクステリア5
インテリア4
エンジン性能4
走行性能5
乗り心地5
燃費4
価格3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

試乗車のボディカラーはテレーンカーキマイカメタリック。ルーフレールはオプション

バージョンLには専用の切削&ダークメタリック加工のアルミホイールを装備

2L直噴4気筒エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせる高効率ユニットを搭載

スイッチ類は整理されて配置されるがもう少し優先度に応じて大きさに変化が欲しい

本革シートのカラーは「オーカー」。「刺し子」をモチーフに表皮部を加工しています

HV車はハイデッキタイプの荷室を採用するため積載容量はガソリン車より少なくなります

 2018年11月の発売から2年弱、レクサスの都市型(アーバン)クロスオーバーである“UX”のハイブリッドAWDモデルである「UX250h“バージョンL”」に試乗しました。

 先に言っておくと試乗時の天候等の事情で画像は2019年10月に撮影したものであることをお断りしておきます。

 レクサスブランドにおいてUXはSUVとは言っていません。実際、悪路走破性の規準のひとつとなる最低地上高も160mmとそれ程の数値ではなく、さらに言えばガソリン車のUX200にはAWDモデルの設定もありません。

 ただ、それに目くじらを立てる必要もなく、あくまでも扱いやすいサイズとレクサスがスタートしてから着実に磨き込んできた走りの性能などをこのカテゴリーに落とし込むとどうなるか、その答えを具現化したモデルとも言えます。

 小難しいことより、まずはそのボディサイズです。全長4495×全幅1840×全高1540mmは都市部などの立体駐車場への入庫も容易にします。昨今のクルマはデザインはもちろんですが、グローバルに販売することや側面からの衝突安全性能を確保するためにも一定以上の全幅が必要とメーカーの技術者からも話を聞く機会が多いです。

 ただUXに限ったことでは無く、1840mmの全幅は狭い道路でのすれ違いの際やショッピングモールなどの駐車場でピッタリと駐車しないと周りに迷惑がかかります。余談で申し訳ないのですが、個人的には元々日本の道路事情や道路運送車両法で定められた規格(かなり古いですが)からももう少し全幅は狭めてもらいたい、安全技術に関しては実際5ナンバーのSUVでも規準をクリアしているモデルもありますので1800mmを切る全幅に近づけて欲しいという気持ちもあります。

 閑話休題。そんなUXですが、レクサス車ではおなじみの「スピンドルグリル」やその下部にシルバーのフレームを配することでアンダーガードをイメージしたフロント周辺や全高を抑えながらボディサイドには数多くの造形を施すことで重厚さや力強さもうまく演出しています。

 一方、室内に乗り込むと気になるのは若干のタイト感です。視界も良く、特にインパネ周りのデザインが横方向へ幅広い感じに見えるように設計されています。その中でフロントシートより気になるのがリアシート、そしてラゲージルームの狭さです。もちろんリアシートはC-HRのような“超”が付く割り切りまではいきませんし、それなりの空間は確保できていますが、5名乗車状態でラゲージの奥行きは筆者がメジャーで図った限りは800mmを少し切る寸法、左右は950mmを少し切る位ですが、これでは9型クラスのゴルフバックを2個積載するのは難しい。実際、UXのカタログを見てもゴルフバックを積載する場合はリアシートを倒すような写真になっています。

 ゴルフをやらない人(筆者もそうです)には関係ないと思うでしょうが、別の荷物、例えば大型のスーツケースなども積載には工夫が必要です。同クラスでももう少し積載量が確保されているモデルもありますので、デザインとはいえ、購入時にはこの部分は自分のライフスタイルに適合するか確認しておいたほうが良いでしょう。

 一方走りに関しては誰にでもわかりやすく(ここ重要です)素直なハンドリングに好感が持てました。UX250hは新開発の2L直噴4気筒エンジン(UX200に搭載)をベースにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載します。試乗車はリアにモーターを組み込んだAWD(E-Four)になりますが、プリウスやC-HRなどの1.8Lハイブリッドと比較しても単純に「排気量の差」だけではなく、全域にわたってスムーズさが向上、さらに力強さも増しています。

 特に気に入ったのが静粛性の部分、元々レクサス車はこの部分にはコストもかけていますが、実際アクセルを踏み込んだ際のエンジンの振動の少なさ、そして音に関しては足元の先以上の遠くで回っているような感覚、遮音などには徹底していることもわかります。

 ハンドリング自体は昨今展開する他のレクサス車と比べると全体的に柔らかい印象を受けました。レクサスにはスポーティ仕様の“F SPORT”もありますが、他の機会に試乗した際もガリガリの走り仕様ではなく、ロール時のボディの動きが素直で、さらにコーナリング時のピークでは一本芯が通ったような接地感を味わうことができます。言い換えればどの速度域でも非常にコントロール性に優れていると感じました。

 正直、UXは前述したユーテリティの部分は別としても佇まいや走りの質感でもう少し評価されても良いと感じています。しかしここまで書いても必ずと言ってぶち当たるのが「価格」の問題です。今回の試乗車はAWDの最上位グレードということもありますが、オプションの“マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンド(23万2100円)やパノラミックビューモニター(12万1000円)などをプラスしていくと車両本体価格は軽く600万円を超えてしまいます。

 もちろんUXはガソリン車ならば最廉価で397万2222円から設定されていますが、メーカーオプションも魅力的なものが多く、必然的に価格が上昇します。理想はこれら、特に先進安全装備系は完全にパッケージ化して「全グレード標準装備」することが望ましいのですが、なかなか難しい部分でもあります。

 最後に将来のリセールバリューも考慮すると今回試乗した“バージョンL”そして“F SPORT”がオススメです。また執筆時に販売されている特別仕様車であるUX250h“Brown Edition”も全体としてコスパが高めに設定されています。UXは2021年前半にBEV(電気自動車)である「UX300e」を発売予定です。これらも含めUXの未来は面白くなりそうです。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > ランボルギーニ > ウラカン 2014年モデル > LP580-2 (左ハンドル)

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:235件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。少年期に5年間イギリス・ロンドン、スコットランド・エディンバラに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、出版社に入社。輸入車専門誌にて執筆、編集を担当…続きを読む

満足度5
エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費無評価
価格5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

エアインテークが、「LP610-4」より大きくなっている。

全長×全幅×全高=4459×1924×1165mm ホイールベース:2620mm

リアまわりではバンパーの形状が変更されている。

前245/30ZR20で、後305/30ZR20。ブレーキキャリパーのグリーンペイントはオプション。

自然吸気5.2リッターV10 エンジンは、最高出力580ps

高速道路を法定速度で流してもスーパーカーの刺激を全身で感じる

登場以来、ランボルギーニ史上ダントツに売れた「ガヤルド」をも圧倒的に上まわる勢いの売れ行きを見せているという「ウラカン」。このクルマをさらに刺激的なドライビングエクスペリエンスをもたらす後輪駆動の2WDモデル「ウラカン LP 580-2」の広報車両を試乗しました。

唯一、2WD、つまり後輪駆動のモデルです。それが『ウラカンLP580-2』で、「580」の数字は自然吸気5.2リットルV10エンジンのパワー、つまり580psを意味し、その後ろの「2」が2WDを意味しています。

前輪を駆動させる機構のない2WDモデルでは前軸荷重が小さくなります。これに対し、新設計の巨大なフロントエアインテークはより多くの走行風を取り入れることで、フロントアクスルを空気の力で押さえつける設計となっています。デザイナーとランボルギーニの空力専門家が緊密に連携を図って設計したものです。

リアもバンパーまわりのデザインが若干変更。また、より高いステアリングの正確性を追求した2WD専用設計となるOEMタイヤが装着されているのも特徴です。

このウラカンLP580-2、ミドエンジンスーパースポーツとしてのウラカンのドライビングプレジャーをよりディープに味わうべく、敢えて4WDの安定性を捨てて駆動輪を後輪のみにしたクルマです。その結果、車重も4WDモデルより33kg軽くなって1389kgという軽量を達成。0-100km/h 3.4秒の加速と320km/hの最高速を実現しています。

このクルマの設計目的は、自然吸気5.2リットルV10の絞り出す580psのパワーを後輪だけで路面に伝えることによって、4WDでは得られない軽快にしてスリリングなコーナリングを実現することなのです。そのためにサスペンションセッティングを変更すると同時に、車体の中心部分にLPIなるセンサーを搭載するなど、2WD独特のハンドリング制御に変更されています。

ステアリングホイールの下の部分に、イタリア語で「魂」を意味するというANIMAというドライビングモードスイッチを備えています。そのモードが「ストラーダ」状態では基本的に弱アンダーステアのハンドリングですが、「スポルト」および「コルサ」モードではニュートラルステアおよびオーバーステア傾向の挙動を生み出し、ドライバーの力量の自由度を与えてくれます。

ストラーダは本来、弱アンダーステア傾向を実現するモードですが、それだけにハンドリングは通常のクルマを走らせているのに近く、スロットルを閉じればアンダーステアが弱まって、ノーズを内側に向けることができます。

ANIMAモードをスポルトに切り替え、コーナーを脱出する際に深めにスロットルを踏み込んでみましたら、ウラカン580-2はありあまるパワーによりリアタイヤが簡単にスライドし始めます。ただし流れ方は穏やかで、唐突に挙動が乱れることはありません。スライドしている最中のコントロール性にも優れるので、ドリフト状態を維持しやすいです。少しウデに覚えのある人なら誰でも簡単に、かつ安全にドリフト走行が楽しめる味付けです。(あくまでサーキット走行での話です。)

ランボルギーニとしてはあくまで4WDモデルをメインに据えていますが、本当のドライビングプレジャーに満ちた走りは2WDモデルでは?と筆者は感じました。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > 日産 > デイズ 2019年モデル > HIGHWAY STAR G Turbo ProPILOT Edition

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:65件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度4
エクステリア4
インテリア5
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費無評価
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

最上位グレードのGターボ系には165/55R15インチタイヤ&ホイールが装着される

2トーンルーフを含めた特別塗装色はプラス6万6000円のメーカーオプションとなる

落ち着いた風合いのプレミアムコンビネーションインテリア仕様はメーカーオプション

圧巻の後席スペース。足元の余裕はもちろんシートアレンジにより使い勝手も優れる

進化した「プロパイロット」はハイウェイスター系のみに標準またはオプション設定

緊急時に救急や警察などへの手配を行ってくれるSOSコールはデイズのみに設定される

日産の軽自動車ビジネスの母艦とも言える「デイズ」の新型モデルにコロナ禍の前に改めて試乗する機会を得ました。

すでに多くの情報が公開されていますが、このデイズと三菱自動車の「ek」は後に発売されたデイズルークスとekスペース系も含め、製造は二社の合弁で立ち上げたNMKV(Nissan Mitsubishi Kei Vehicle)で行われることは旧型と同じです。但し開発をメインで担当するのは日産という点が大きく異なります。後述する「プロパイロット」も元々が日産の技術ゆえにその点からも同社がクルマ作りに大きく関わってきたことがわかります。

パワートレーンなどは共通ですが、デザイン上では大きな差を設けることで個性を強調しているのは日産、三菱とも同じです。ボディカラーに関しても共通色はありますが、2トーンボディカラーの設定などでも差をつけています。

試乗したのは最上位グレードの「ハイウェイスターGプロパイロットエディション」のFF車、価格は167万7500円とライバル他車に比べると若干安く感じますが、メーカーオプション類はどれも装着したくなるようなものも多く、必然的に車両価格、ひいては総支払額も高くなりがちです。

デザインに関しては好みもありますが、日産車共通の「Vモーショングリル」を横幅が狭い軽自動車にうまく組み込んでいます。要はこのデザインだけでもワイド感を演出できている印象を受けます。

新型デイズの実力はそもそも旧型と比較はあまり意味がありません。ガンダムの世界言えばザクとザクUの関係ではなく、ザクとゲルググ、いやそれ以上なのかもしれません(ガンダム好きなので許してください)。

待望のプラットフォームの刷新でパワートレーン系を前方へ大きく移動させたことで室内空間の余裕、特に自慢の後席の居住性は視覚上も含め、体感できるほど広くなっています。何がスゴイのかと言えば、軽自動車は規格上寸法に上限がありますのでその中でこれだけの空間を作り上げたのは見事としか言いようがありません。

また室内のマテリアルなども「安っぽさ」を感じさせない素材を使ったり、よく見るとインパネの上部は前席乗員から遠くに設置されるようなデザインになっています。結果として前席でも広くスッキリした空間を感じ取ることができます。

本音の部分ではインパネ中央の空調吹き出しはナビ設置場所の下より両サイドにあったほうが夏場などでは冷風がよく顔周辺にも当たります。これに関してはインテリア全体からの判断なので良しとするしかないのですが、ナビの見やすさが向上した分、どこかにしわ寄せが来るのかもしれません。

静電タッチ式のエアコンスイッチに関しては動作レスポンスやタッチのしやすさなども旧型よりUIも含めて練り込まれています。旧型では正直「こんな部分にコストかけて・・・」と思いましたが新型ではインテリアとの調和も含め、うまく進化させています。

圧倒的なのは後席の居住性です。前述した理由によるホイールベースの拡大(+65mm)などにより後席は足元だけでなく、シートスライド機構を使い一番前方にスライドさせると荷室の広さは登録車級まで拡大します。

元々リアシート最後端での荷室の奥行きは筆者の実測で約365mmだったのですが、これを最前端にスライドさせると約540mmまで拡大します。この状態でも後席の膝周りは実用になるレベルです。この点では現在販売されているトールワゴンの中ではトップクラスと言えるでしょう。

走りに関しては軽自動車ゆえの寸法制限により高速道路での横風などの影響はもちろん受けるわけですが、それでもボディの唐突な動きなどはうまく抑えられています。

試乗したGターボとその下のXターボはタイヤサイズが1インチ異なりますが、路面からのちょっとした突き上げを気にしなければやはり15インチの方が新搭載のプロパイロットによるクルージング時も疲労が少なくしっくり来ます。

そのプロパイロットも日々進化しているようで前方車の減速に対し、こちらの減速の自然なフィーリングなど良い意味で「修正」されています。ただ、渋滞時などからの再加速時にはややもたつきを感じたのは事実、この辺はセッティングの問題であり、多くの人が間違い無くこのシステムを使いこなすためには妥当な着地点なのかもしれません。

今回改めて試乗して感じたのはデイズは同じ軽自動車の中で戦うというよりは「4名乗車」という制限だけガマンすればライバルはもはやリッタカー(登録車)なのでは、と思えるほどの完成度だったことです。もちろん乗り味などはもう少し煮詰めて欲しい部分もありますが、昨今の軽自動車がそうであるように「ファーストカー」として十分使える実力を備えています。

オススメはやはり「プロパイロット」が付いたグレードです。高速道路を少しでも乗る機会があるならやはり絶対付ける(選ぶ)べきでしょう。

この他にもメーカーオプションが多彩に用意されているのですが、前述したSOSコール(3万3000円)はekワゴンには設定がありませんのでこれもぜひ選ぶことをおすすめします。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > トヨタ > ライズ 2019年モデル > Z

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:65件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度5
エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地3
燃費3
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

写真はライズ専用色、ツートンルーフ仕様は5万5000円高のオプションとなります

最上位のZグレードのみ195/60R17インチのアルミホイールとタイヤを標準装備します

少々プラスティック感の強いインパネ周りだが操作系も含め、実用性が高いのは魅力

注目のディスプレイオーディオはメーカーオプション、普通のナビも取り付け可能

シートヒーターはZに標準装備、他のグレードはFFがオプションで4WDが標準となる

ラゲージ容量は最大369L、6:4分割のリアシ ートを倒せばほぼフラットなスペースになる

先に結論を言うと、試乗した後にじわじわとその良さが身体に染みこんできました。

開発と製造を担当するダイハツのロッキー、トヨタブランドで販売を行うライズ。いわゆる姉妹車の関係にある2台ですが、コロナ禍の前にトヨタ・ライズの最上位グレードである「Z」のFF車に試乗しました。

市場のピークは過ぎたとか色々言われますが、まだまだSUVジャンルは掘り起こせばそこに販売のチャンスは転がっています。

過去を振り返ると、トヨタはダイハツからOEM供給を受けたコンパクトSUVであるラッシュを販売していました(ダイハツはビーゴ)。

クルマとしては今回のモデル同様、都市部などの使いやすさを向上させたモデルでしたが、今ほどのSUVブームではなかったこともあり、販売面ではもうひとつ伸びなかった記憶があります。

しかしライズに至っては2020年1月の販売台数がカローラやプリウスを抑えて1位になりました。一方のロッキーは健闘しているものの、ここはやはりトヨタの販売力のよる部分が大きいわけです。

さて、クルマ本体に話を戻しましょう。このクルマの最大のポイントはボディサイズと車両重量の軽さにあると感じました。

全長3995×全幅1695×全高1620mmの寸法は取り回しのしやすい5ナンバー枠。全高は1620mmなので都市部に多い立体駐車場への入庫は難しいですが、FFと4WD車のスペックが同じという点では最近増えてきたマンションなどの1650mmまでの立体駐車場であれば駆動方式にこだわらず入庫できる点では見所があります。

そして何よりもFF車で1トンを切る車重は税金面だけでなく、実際の走りにも軽快感をプラスしてくれます。

また小回り性能の基準のひとつである最小回転半径も試乗したZグレードのみ17インチホイール&タイヤを装着しますが、それでも16インチ仕様との差はわずか0.1m。トヨタ車に限らず、ホイールサイズをアップすると最小回転半径が一気に増えてしまう車両が多い中でこの差で抑えた点は評価できます。

搭載するパワートレーンは1L直3ターボに新開発のCVTを組み合わせます。型式的にはハイト系のルーミー&タンク(ダイハツで言えばトール)などと同じ「1KR-VET型」ですが、小気味良い加速感やアクセルコントロールのし易さなど「これ同じエンジン?」と思えるほど数段レベルが上がっています。

とにかくフットワークが軽快です。接地感で言えばややフロントが浮き気味なる時もありますが、重心高の高いSUVということを考えれば十分以上、あまりにも走りが楽しいのでついついアクセルを踏んでしまったことで結果として燃費がやや落ちてしまった点は申し訳ないです。

ただこれだけ軽快、いや元気に走るならパドルシフトを入れればセーリングポイントとして十分通用するのに、と感じながらこれらの高いパフォーマンスは人気のタントから採用された新型の「D-CVT」やダイハツの新アーキテクチャーである「DNGA」による部分も大きいと感じました。

その燃費に関してはWTLCの市街地モードが14.4km/Lでしたが、実際でも13.9km/Lと少々物足りない。一方で高速道路では一気に燃費がアップ!新型CVTがエンジン回転数を低く抑えることができることもあり、流れの良い高速道路では22.3km/Lまで向上しました。正直、ちょっと差がありすぎるかな、という印象も持ちましたが、トータルでは17.7km/Lだったのでまずは及第点といった所でしょうか。

一方、コンパクトなボディからは想像できないほどので室内空間や収納など実用的な部分が多いと感じました。

乗降性のし易さはもちろん、何よりも2525mmのホイールベースとは思えない程、後席の足元を含めた居住性が高い。リアシートにはスライド機構も無いし、リクライニングも2段階しか動きませんが、それを補って余りある程、空間の使い方が上手い。

また荷室に関しても容量だけでなく左右の出っ張りの少なさや十分な奥行き、そしてFF車の場合80Lのサブトランク(4WD車はそれでも38Lもあるので高評価)などの使い勝手も非常に優れています。

オススメグレードに関してですが、高速道路を走る機会があるならば、今回試乗した最上級グレードの「Z」一択になります。

その最大の理由が先進安全装備のひとつであるACC(アダプティブクルーズコントロール)が搭載されているのはこのZだけだからです。

EPB(電動パーキングブレーキ)は持っていないライズですが、ACC自体は「全車速対応」、もちろん停止保持機能はありませんが、前述した高速道路の燃費の良さもACCに頼っていた部分もあり、快適性やドライバーの疲労軽減を考えたらACCはもはや必需です。

また新型カローラから採用されたDA(ディスプレイオーディオ)に関しても「ディスプレイオーディオパッケージ(9万7900円)」として全グレードにメーカーオプションとなります。

もちろんこの中には9インチの大画面ディスプレイやBluetooth接続、地デジTV、「Apple CarPlay」や「Android Auto」にも対応しており、内容は充実しているのですが、これにパノラミックビュー機能をプラスした上位オプションはこれもまた「Z」しか選ぶことができません。

要は車両本体価格はかなり抑えているライズでもオプションをうまく選ばないと結果として総支払金額が高くなってしまいます。

それでもサイズやコスパ等を考えると現在販売されているコンパクトSUVの中ではイチ押しと言えると思います。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > スマート > フォーツー クーペ 2015年モデル > BRABUS Xclusive limited

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:235件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。少年期に5年間イギリス・ロンドン、スコットランド・エディンバラに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、出版社に入社。輸入車専門誌にて執筆、編集を担当…続きを読む

満足度4
エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費5
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

エアロエフェクトが考慮されたバンパーを装備

ボディーサイズは全長×全幅×全高=3550×1665×1545mm、ホイールベースは2495mm

(前)185/50R16 81H/(後)205/40R17 80Hの大口径ホイールを装備

専用のリアディフューザーや専用マフラーエンドが装着される

シートにはBRABUSエクスクルーシブ本革スポーツシートを採用

最高出力109psだが、背中を押されるような加速感はキレがいい

最近、筆者自身が初代のスマートフォーツーC450型を購入し、その利便性の高さに感銘を受け、すっかりハマってしまいました。

今回は、現行モデルで3代目にあたるC453型フォーツに試乗しました。シリーズの中でも期間限定販売だった「スマートBRABUSフォーツー エクスクルーシブ リミテッド」です。

全幅は1665mmとなって、旧型より一気拡大しました。何とかすれば軽自動車枠に収まった旧型とは大違いです。因みに3サイズは、全長×全幅×全高=2785×1665×1545mm。ホイールベースは1875mm。最小回転半径は驚異的な3.3mを実現。(これは最も小さい初代C450型より小回りが効きます。)

BRABUS仕様ですが、エクステリアには派手な宝飾はなく、目につくのは8スポークの前16、後17インチの幅広な8スポークホイールと2本出しの専用エキゾーストシステム、そして、独自のエアロエフェクトが考慮された前後バンパーといったところです。

インテリアは、BRABUSエクスクルーシブ専用のダッシュボードやメーターパネル、スポーツステアリングなどが備わり、硬派な印象。ダッシュボード右手には、BRABUS専用コックピットクロック&レブカウンターが、走りを感じさせます。

搭載されるエンジンは、0.9リッターの直噴3気筒にターボを組み合わせたものでRRレイアウトは初代から継承。フォーツー ターボに対して吸排気系の容量拡大やブーストアップなどを行い、90psからさらに19ps増しの109ps。トルクは35Nm増しの170Nmとスマートでは最強のパワーを誇ります。

トランスミッションは「ツイナミック」と呼ばれる6段DCTで、こちらもBRABUS専用プログラムに変更され、変速速度は最大40%の短縮がされました。最高速度は、165Km/hで電子リミッターが作動しますが、さらなる動力性能を秘めています。0-100km/h加速は9.5秒と十分ホットハッチと呼べるほどのパフォーマンスを備えています。

実際、BRABUSフォーツーの動力性能は日本の道路上でも十分にパワフルです。むしろ感心させられたのは、その力強さをいかなる回転でもアクセル一踏みで引き出せることです。

0.9リッターエンジンという小排気量ゆえのターボラグを極力感じさせないようにセッティングされており、街中から高速巡航まで多用する1500rpm〜3500rpmあたりのレスポンスは気持ちよく、6段DCTと相まって、背中を押されるような加速が印象的です。

6段DCTトランスミッションの変速マナーはフォルクスワーゲンのDSGのような電光石火とは大きく異なり、相変わらずもっさり感がありますが、分厚い中速でのトルクがうまくフォローしてくれます。

相変わらず小さなボディは、スマートフォーツーならではですが、見事なフットワークには感心しました。サスはダンパーとスプリングを見直し20%ほどレートが高められるほか、フロントスタビのレート向上により車体のロール量は9%抑えられています。そこに前16インチ、リア17インチの低偏平の幅広タイヤが組み合わされるわけですから、乗り心地は、突き上げなどを覚悟しましたが、拍子抜けするほどにフラットです。

さすがに大きめのうねりには左右のロールが抑えきれない場面もありますが、凹凸や高速道路の段差などは、見事に抑え込んでくれます。これほどの極端なホイールベースを持つ比較車といえば、同じスマートの歴代フォーツーくらいですが、その上質感は大きな進化を感じます。

とにかく小さいクルマの同車ですが、パートナーとの2名乗車なら不満は見つかりません。ラゲッジ容量は通常時で260リッターと十分な積載量を確保していますし、2シーターのシートに身を収めれば、むしろそのあたりのクルマより圧倒的に広いと感じます。

BRABUSフォーツーは、マニアックで高価ですが、ベース車両でも所有する満足感は、ボディとは反面大変大きなものです。




レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > トヨタ > RAV4 2019年モデル > Adventure

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:65件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度4
エクステリア4
インテリア3
エンジン性能4
走行性能5
乗り心地4
燃費3
価格3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

アドベンチャーのみに設定されているツートンボディカラーは5万5000円のオプション

専用デザインの19インチアルミホイールはアドベンチャーのみに標準装備されます

インテリアのオレンジコーディネートは好みですが、機能面はしっかり担保されています

AWDのマルチテレインセレクトスイッチはダイヤル式で確実な操作を可能にします

快適温熱シートにオプションで設定できる「シートベンチレーション」がオススメです

ラゲージ容量は580L、左右方向の張り出しも少なく奥行きも1015mmと使えるサイズです

2019年4月に発売を開始して今年3月末までの販売台数も7万1539台とSUVジャンルでトップとなったトヨタRAV4のガソリンモデルである「アドベンチャー」にコロナ禍が発生する前に試乗しました。

新型RAV4には2.5L直4ハイブリッドと2L直4のガソリン車をラインナップします。特にその中でもアドベンチャーはガソリンのみの設定で年齢を問わずアクティブ志向のユーザーをターゲットしたことで売れ線グレードとなっています。

先に結論を言ってしまうと、アドベンチャーと他グレードは特にエクステリア周辺のデザインに大きな違いがあります。好みはあるとはいえ、ハイブリッド車でこのエクテリアが欲しいと感じている人もディーラーで話を聞くと一定数いることがわかります。

もちろんいずれは(マイナーチェンジ時期?)そのような設定も追加されるかもしれませんがクルマの個性を際立たせるためにも初期導入はこのような形でラインナップしてきたと推察できます(トヨタの担当者の一部からもそのような意見はあったと聞いています)。

ボディサイズは全長4610×全幅1865×全高1690mmと堂々としたものです。個人的には全幅が1800mmを超えるクルマは日本の道路事情を考えると積極的には購入しようと思いません。クルマの取り回し性能はボディサイズだけでなく、ステアリングの切れ角も含めた「最小回転半径」や運転席からの視界などトータルで判断すべきですが、それでも19インチアルミホイールを装着するグレードが5.7m、その他が5.5mに何とか抑えている点、また特に前方の見切りの良さも手伝って実用上に大きな問題はありません。

新型RAV4の大きな特徴はグローバル環境で対応できる(特に北米市場)3種類のAWDシステムをグレードに応じて設定している点です。

その中でもトヨタが結構プッシュしてきたのがこのアドベンチャーとG“Zパッケージ”(つまり19インチ仕様車)にのみ搭載される「ダイナミックトルクベクタリングAWD」です。

簡単に言えば前後だけでなく後輪の左右間のトルク配分もコントロールできることでAWD車(特にFFベース)特有のコーナリング時のアンダーステアを抑える効果があります。

またこのシステムの優れている点は「特にAWDは必要ない」と車両側が判断した際にプロペラシャフト前後の動力伝達をカットする「ディスコネクト機構」を装備している点です。これにより実用燃費を高める効果もあります。

実は車両導入時にこの3種類のAWDの違いを専用のテストコースで試す機会に恵まれました。トヨタの開発陣が「それぞれのシステムの違いがわかりやすい」ということで設定したコースですからその差は顕著でした。

アドベンチャーの場合は少しオーバースピードでコーナーに侵入した際にリア側から押されるような感覚でフロントがインにグイっと入ってきます。その分ややコントロール性は求められますが決して運転技量が高いとは言えない筆者でも少しだけリアを滑らすような感覚を保ちながら車両の動きは把握できる。そんな走りを楽しむことができます。

一方で今回は触れませんがハイブリッド車の電気式AWDである「E-Four」もパワーと制御のバランスは抜群です。車両価格が異なりますので比較はしづらいのですが、安定志向であればこちらも候補に挙がります。

一般道では一番感じたのが静粛性の高さ、そして接地性の確かさです。今やトヨタが誇る「TNGA」による新型プラットフォームが生み出す走りの質感向上に対して説明は不要ですが、街中の交差点を曲がる際でもステアリング操作に対しクルマの動きが素直です。最低地上高が200mm(19インチ仕様)あるSUVでも一拍遅れてグラッと来るようなロール感が本当に少ないのです。

一方ステージが変わって高速道路を走ると静粛性の高さには驚かされます。前述したクルマの動きにプラスして後席にカメラマンを乗せた状態でも会話明瞭度が高いことがわかります。今後のトヨタ車は皆、こうなるはずですが、初代RAV4や他社のSUVを数台乗ってきた筆者からすれば「SUVの静粛性は大体こんなもの」と思っていたのを根底からくつがえされる程の進化を遂げています。

エンジンに関しては必要十分の性能とは思いますが、ここ一発の追い越しなどは2Lエンジンではややツラい部分もあります。理想は2.5LのNAエンジンが欲しいところですが、そこは無い物ねだりなのと不足部分は「Direct Shift-CVT+10速シーケンシャルシフトマチック」がフォローしてくれます。このシーケンシャルシフトはレクサスUXのガソリン車に搭載された機構ですがトヨタブランドではRAV4が初、実用燃費をキープしつつ、いざという時にはダイレクトな変速フィーリングや走りを楽しむことが出来ます。

冒頭に触れたようにアドベンチャーにはガソリン車しかありません。しかし専用の内外装のほか、先進安全装備も基本的なものは装備されているのでその点でもイチ押しグレードであることは間違いないでしょう。

ただ購入時には上位グレードに設定されている「インテリジェントクリアランスソナー(2万8600円)」「リアクロストラフィックオートブレーキ+ブラインドスポットモニター(6万8200円)」は安全性の観点からも装着すべきでしょう。

また快適装備としては大型の「パノラマムーンルーフ(14万3000円)」「快適温熱シート+運転席・助手席シートベンチレーション(他装備と一緒で8万1400円)」は将来のリセールバリューにもプラスに働くので少々高めでもオプション候補に残しておくことをオススメします。

今後はハリアーや2020年秋にはヤリスクロス、そしてこのRAV4にも時期未定とはいえPHEVが導入されることでトヨタのSUVラインナップはさらに充実します。価格差や車格の違いはあるとはいえ、選択肢が増えることはユーザーにとってのメリットも増えることになります。これらの動向を見ながらSUV選びを楽しんで下さい。

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自動車(本体) > プジョー > 508 セダン 2018年モデル > GT Line

高山正寛さん

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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度4
エクステリア5
インテリア5
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地5
燃費無評価
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

取材時のGTラインの価格は467万5000円。試乗車の「ダークブルー」はオプションです

全長4750mm×全幅1860mm×全高1420mm。写真以上に低くシャープなデザインが目立ちます

「i-Cockpit」は少し慣れが必要ですが、UI自体は洗練されてきました

最高出力133kW、最大トルク250Nmを発生する1.6L直4直噴ターボエンジンを搭載します

デザインからイメージするより後席の圧迫感は少ないと感じました

荷室容量は477L、高さは無くても奥行きがあるのでワゴン的に使いこなすこともできます

プジョーのフラッグシップサルーンである「508」。全3グレードのうち、ガソリン仕様の上位モデルにあたる「508GT Line」に試乗しました。

今回のモデルは2代目となりますが、初代と比べるとかなりスポーティな路線に切り替えてきたことがエクステリアデザインからも読み取れます。

特に508はカテゴリー上は4ドアですが、正確にはリアゲートを持つ5ドア(ハッチバック)です。これを4ドアファストバックと呼ぶことでクーペ的なイメージを持たせることにも成功しています。

ゆえにフラッグシップモデルと言っても、他の欧州車などと比較しても重厚というよりはエッジの利いたオシャレ感も持ったデザイン、性別年齢を問わず同カテゴリーのライバル車と“差別化”も行える雰囲気をまとっています。

インテリアも現在プジョーが採用する「i-Cockpit」、ひと目見ただけで先進感が伝わってきます。

この「i-Cockpit」ですが、12.3インチのデジタルヘッドアップインストルメントパネルと8インチのタッチスクリーン、そしてその下に配置された7つのトグルスイッチを操作することで各機能を効率良く表示、操作することができます。

ただ最初は少し慣れが必要でしょう。特に小径のステアリングホイールの上に配置される12.3インチのディスプレイは多くのクルマに採用される「ステアリングの間から覗く」という配置ではなく、「上から見る」ような感覚です。もちろんステアリング自体は干渉しづらいので感覚さえ掴めば視認性自体は高いと感じました。

また8インチのタッチスクリーンは昨今のプジョー車やシトロエン車を始め、国産車でも採用が拡大している「ディスプレイオーディオ」タイプです。プジョーでは「Peugeotミラースクリーン」と呼んでいますがスマホの画面自体を表示する「ミラーリンク機構」のほか、「Apple CarPlay」や「Android Auto」にも対応しています。

ユニット自体はスマホなどを接続するためのUSB端子のほか、Bluetoothも搭載しているのでハンズフリー通話にも対応します。正直に言えば、過去プジョー車にディーラーオプションで対応していたカーナビは価格が高く、自車位置の精度も含め、もう少しレベルアップを期待したかった部分もありました。

その点でも実は508にはこのタッチスクリーンにプラスしてSDカーナビゲーション自体も標準装備されています。ユニットとしてはカロッツェリア(パイオニア)のものと推測できますが、このほかにもETC2.0やTVチューナーも装着されます。自車位置精度に優れたSDカーナビが標準装備化されることでユーザーの好みに応じてインフォテインメントシステムを活用できる点は非常に優れていると感じました。

また前述したトグルスイッチは特に好感を持ちました。昨今ではUI(ユーザーインターフェース)の革新とばかりにタッチパネルや音声認識、さらに独自の操作デバイスを各社が採用していますが、508の場合はタッチパネルも採用しつつ、カーナビやAV機能、さらにハンズフリー通話などをダイレクトにキーを押すことで使うことができます。これが慣れてくると非常に快適で「右から3番目のキーは電話」と覚えておけば、キー自体を目視することなく手元で操作が可能、さらに言えば「押した」という節度感も安心に繋がります。

どれが優れているというのではなく、UI自体はユーザーごと使う機能の好みや差も発生します。その中でタッチパネルやハードキーを並列して使うことができるこのシステムはユーザーの間口を拡げる仕掛けとしても優れています。

室内に関してはフロントシートのできの良さにすっかり魅了されました。シート自体は少し硬めの印象ですが、流行りの“体幹”風に言うと座骨や背骨の部分をしっかりとサポートしてくれることがわかります。またリアシートはフロントに比べるとやや平板な印象を持ちましたが、着座感は良好です。ヘッドクリアランスに関してはやはりデザイン上の制約から圧迫感を感じる人もいるかもしれませんが、クルマの外から見た印象よりは空間としての余裕を感じました。

走りに関しては搭載する1.6L直4ターボの性能はもちろんですが、新たに搭載されるアイシンエイダブリュ製の8速ATが非常にいい仕事をしています。特に変速のショックが少なく、加速&減速時のフィーリングも上々、プジョー初となるアクティブサスペンションの切り替えにより4種類のドライビングモードを選択できますが、個人的は“コンフォート”が軽快さと路面からの入力をスムーズにいなしてくれる点など、上級サルーンとしての味付けも上手いと思います。

冒頭に書いたように508はガソリン車が2つ、クリーンディーゼルが1つというグレード構成となっています。

今回試乗した508GT Lineは467万5000円、クリーンディーゼルを搭載する「508GT BlueHDi」は501万1000円です。その価格差は33万6000円ですが、長距離を乗る頻度が低い人であればガソリンで十分(以上)と考えます。

特に両グレードに設定されているメーカーオプションの「フルパッケージ」は66万2200円と高額、ナッパレザーシートやパノラミックサンルーフ、そして夜間運転時には非常に心強いプジョー初の「ナイトビジョン」などが装着されます。内容から考えると非常に買い得感もあるのですが、単体で選択できないことで結果として乗り出し時の価格が上昇してしまいます。

あくまでも予算に余裕があれば、という注釈付きですが、やはりこのオプションを選んだ方が将来のリセールバリューもプラスに働くはずです。ガソリンとディーゼルの価格差をこのオプション代に充当することで少し出費も抑えられます。

もちろんこの手のクルマを購入する人はその辺の予算は含んでいるとは思いますが、メルセデスやBMWなど日本でも多く流通するクルマではなく、自己主張も含め、人とはちょっと違ったカーライフを送りたい人には魅力的な1台としてオススメできます。

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自動車(本体) > ポルシェ > 911カレラ 2011年モデル > 4S (左ハンドル)

外川 信太郎さん

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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。少年期に5年間イギリス・ロンドン、スコットランド・エディンバラに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、出版社に入社。輸入車専門誌にて執筆、編集を担当…続きを読む

満足度5
エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費5
価格5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

まさにポルシェ911というエクステリア。何年経過しても色褪せることはない

このラインは新型になっても踏襲される。世界で唯一のオンリーワンデザインだろう

好みの問題であるが、992型の一体型LEDラインよりこのヒップがらしいという意見も多い

ブレーキのフィーリングはポルシェ以上のものを筆者は知らない

インテリアはGTカー的な甘美な空間

ポルシェにしか味わえない世界がそこには存在する

ポルシェ911の最新モデルはデビュー間もないタイプ992型ですが、筆者周囲のポルシェ乗りの中では、いまだに先代の991型に魅力を覚える方も多いのは事実です。

991型は筆者も短期間所有していたことがありますが、機械臭さの魅力と圧倒的な動力性能は最新モデルに負けていないと思います。

今回は、以前試乗した先代911 タイプ991型の魅力をお届け致します。

ポルシェが渾身の力を込めた一作ともいわれる991型。さらに先代のタイプ997型からパーツ数にして95%が新しいというのがこの991型というモデル。具体的には、従来型のモデルライフ半ばで刷新されたエンジンとデュアルクラッチ式2ペダル・トランスミッション「PDK」を除けば、「すべてが変わった」とも言えます。

この先代991型の魅力の一つには、911の歴史の中で、これほどまでに白紙からの開発が許されたモデルはなかったといわれるほどで、完全に一新されたボディー骨格構造はアルミ&スチール製であり、フロントセクションの多くの部分に軽量化を狙いとしたアルミ材を採用しています。

さて、筆者が試乗した991型は、2015年式四輪駆動モデルの「911カレラ4」。
ベースとなる911カレラよりも44mm拡大されたカレラ4のワイドボディはマッチョでカッコイイ。乗り込むとサイドミラーに盛り上がったマッチョなリアフェンダーが映り込んで、これまたニンマリできます。

カレラ4に搭載されている四輪駆動はPTM(ポルシェ・トラクション・マネージメント・システム)と名付けられ、走行状況に合わせて自動的に駆動配分をします。最大で50:50に可変しますが、加速や高速巡航時にはリアにトルクがかかり、場合によっては0:100になるときもあります。走行状況を常に最適化しているのは素晴らしい技術です。そのロジックは、コクピットのグラフィック式トルク配分メーターで目視することが出来ます。
991型では、物理メーターが5連並ぶ最後の911になりました。最新の992型では、中央のレブカウンターを残し、それを取り囲むものは液晶ディスプレイ式です。

ドライビングモードは『ノーマル』と『スポーツ』があり、クルマの性格を2分化しています。
ノーマルでは、あくまでGTカー的な上質な走行感覚ですが、スポーツモードでは、背後のフラット6が吠え、貴重になってしまった自然吸気エンジンが人間の運動神経すらついていけない程のシャープな吹け上りを演じ、5000回転からの官能的な咆哮と押し出されるようなトルク感に酔いしれてしまいます。

現在ではターボエンジンが標準化してしまった911ですが、自然吸気エンジンを備え、ポルシェの濃厚さを味わえるのは先代991型ではないでしょうか。
911の原型であるポルシェ356と長年過ごした筆者が断言できます。


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試乗

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自動車(本体) > BMW > 1シリーズ 2019年モデル > 118i M Sport

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:65件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度4
エクステリア4
インテリア5
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地5
燃費無評価
価格3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

試乗した「Play」の価格は7速DCT&FFのみの設定で車両本体価格は375万円です

全長4335mm×全幅1800mm×全高1465mm。全幅を何とか1800mmに収めた点は評価できます

最新のテクノロジーと視認性に優れたインパネ周り。電動パーキングブレーキも装備

ヒーター付きの電動フロントシートはハイラインパッケージとして25万円で設定されます

最新のインフォテイメントシステムは118iの場合、24万9000円のメーカーオプションです

40:20:40の分割リアシート。荷室下にもサブトランクを設定することで使い勝手も向上

2019年8月に発表・発売を開始したBMWのエントリーモデルである1シリーズ。今回販売の中心になるであろう「118i Play」に試乗しました。

3世代目となる新型ですが、最大のニュースはこれまで頑なに守ってきた駆動方式をFRからFFに切り替えたことにあります。

「駆け抜ける歓び」を標榜するBMWにおいて、旧型までの1シリーズのハンドリングの素直さはファンだけでなく多くの人からも評価されてきました。実際、新型が出る前に旧型のラストとなる在庫を狙って購入する人も見かけたほどです。

FFに変更した理由はこのクラスに求められる居住性や快適性を重視するとFF化は最も速効性があるからでしょう。またFFに関してはMINIからのパワートレーン他をキャリーオーバーできるので、その点でも圧倒的に生産効率を上げることができます。

それでもFFのネガが気になる人も多いはず。筆者も事前に最後のFR(F20型)となる118dに試乗し、改めてその素直なハンドリングに惚れ惚れしてしまったほどです。

その前にFF化によって得られたメリットをおさらいしてきましょう。

基本的なサイズに大きな差はありません。個人的には日本の道路事情を鑑(かんが)みると全幅はなるべく短い方が良いと考えています。

旧型の1765mmに対し、新型は1800mmまで拡大してしまいましたが自分の中ではギリギリ許容できるサイズです。最小回転半径も旧型より数値的には増えましたが実際の取り回しではそれほど目くじらを立てるレベルではなく及第点というところです。

その分というわけではありませんが、後席の乗降性や足元の余裕、さらにラゲージの容量増大やサブトランクの設定など使い勝手は向上しています。本来ホイールベースが20mm短くなったので居住性の点ではどうかと思いましたが、その点ではパワートレーンの配置位置やドライブシャフトを持たないFF化のメリットも出ています。

試乗グレードの118iには旧型にも設定していた1.5L直3DOHCターボをリファインして搭載します。旧型とは駆動方式が異なりますし、8速ATから7速DCTに切り替えたことはそれほど気にしなくて良いと思います。

全体的な乗り心地はマイルドで誰もが快適に走れるセッテイングとなっています。もちろんよりスポーティな仕様を求めるのであれば同じ118iでも「M Sport(413万円)」も設定されています。

ただ今後BMWがこのクラスを拡販していくのであれば、従来のハンドリングに強いこだわりがある層だけでなく、女性層やファミリー層も取り込んでいかなければなりません。その点ではこの「Play」の足回りは誰もが満足できる万能とも言るセッティングです。

パワー的にも決して速いというよりは必要十分+αと言った感触です。この辺のスムーズな加減速フィールはDCTによる部分も大きいでしょう。

そして何より気になる駆動方式の違いによるハンドリングですが、ことアンダーステアに関しては新搭載の「ARB」が効果的に利いているようです。ARB自体は日本のBMWとしては初の搭載になりますが、従来のDSCに頼らずエンジンコントロールユニット側でスリップ状況を検知する機能です。要はドライバーが電子デバイスの恩恵にあずかっていることすら気がつかないほどにスムーズにコーナーを走ることができます。

純粋なFRと電子制御化されたFF、前述したようにこだわりの強い人であればそれでも気になるかもしれません。ただ基本的にクルマを動かすという考えに関してBMW側のブレはないと思います。多くの人がより楽しく走ることができる環境を手に入れられた点は評価していいと思います。

またBMWと言えばオプションが豊富で何でも付けてしまうと車両価格もそれなりに上がってしまいますのでその点では注意が必要です。

それでもカーナビを含めた最先端のテレマティクスサービスである「iDriveナビゲーションパッケージ」はまず必ずチョイスすることをオススメします。この中には10.25インチのディスプレイを2つ備えた「BMWライブコックピット」やテレマティクス機能である「BMWコネクテッドドライブプロフェッショナル」などが満載です。内容から考えてもこれを選ばないというのはあり得ないでしょう。

ただ昨今話題になっている音声認識によるコントロールですが、過大な期待は禁物です。1シリーズの場合も「OK、BMW」が発話トリガーになっていますが、何でもできるわけがなく、また個人差によって反応は異なりますのでこれはディーラーで実車で試してみることをオススメします。

最後にこの原稿を書いている間に欧州ではディーゼルモデルの最上位である「120d」が3月に発売されることが発表されています。もし日本にディーゼルモデルが導入されればそれなりの売り上げも見込めますし、旧型のディーゼルオーナーからの乗り換えやダウンサイザーへの取り込みにも有利になります。

日本は全くの未定ですし、もし導入するとしても1年はかかるはずですので、ただ「待ち」というのも無責任ですが興味のある人は追いかけてみる価値はあると思います。

メルセデス・ベンツAクラスやVWゴルフなども含めこのセグメントのハッチバックモデルはまた活気づいてきました。その点でも最新先進装備も含む1シリーズのベストグレードはこの「Play」です。

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試乗

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自動車(本体) > プジョー > 5008 2017年モデル > GT BlueHDi

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:235件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。少年期に5年間イギリス・ロンドン、スコットランド・エディンバラに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、出版社に入社。輸入車専門誌にて執筆、編集を担当…続きを読む

満足度4
エクステリア4
インテリア5
エンジン性能4
走行性能5
乗り心地4
燃費4
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

3008の兄貴分とわかる前衛的なフロントマスク

全長は3008の4450mmから4640mmと190mm長くなっている

リアドアは大きく開き積載性も良好。樹脂パーツを多用しSUVらしさ満載

2リッター直列4気筒ターボディーゼルを搭載。最高出力は180ps、最大トルクは400Nm

新世代i-Cockpitはフル液晶表示。メーターデザインも変更可能

ディーゼルエンジンの強大なトルクでグイグイ押し出す加速は迅速

プジョーのフラッグシップ7シーターと位置付けられる新型「5008」の広報車両をお借りして、試乗してきました。

先代に比べよりSUVらしくなったエクステリアデザインは、「3008」と基本的に共通な部分も多いのですが、全長は3008の4450mmから4640mmと190mm長くなり、ホイールベースは2675mmから2840mmと165mm延長されています。そのため5008は3列シートを実現しています。

今回テストしたのは5008 GT BlueHDiで、2リッター直列4気筒ターボディーゼルを搭載。最高出力は180ps、最大トルクは400Nmを発揮し、8速ATが組み合わされます。これらエンジンやトランスミッションは、EMP2と呼ばれるプラットフォームを含め、3008と共通な部分が多いモデルです。
そのため、SUV感満載のエクステリアながら駆動方式はFFで、5008 GT BlueHDiには砂や泥など様々な路面に対して最適なトラクション制御を行なうアドバンストグリップコントロール(5 モードでヒルディセント機能含む)が搭載され、タイヤもマッド&スノーのオールシーズンタイヤが装着されています。

荷室容量は5名乗車時では762リットル(VDA法)で、2列目シートを畳んだ2名乗車では1862リットルと広大です。またパセンジャーシートバックまで倒すと、約3.2mの長尺物を載せることが可能です。長距離の旅行などを考慮したクルマといえます。

5008 GT BlueHDiに乗り込んでみると、インテリアは、昨今のプジョーに漏れず非常に個性的。
センターコンソールにあるシルバーのスターターボタンを長めに押し続けると、カラカラというディーゼルの音とともにエンジンは目覚めました。その音はオブラートに包まれたような印象で自然とディーゼルエンジンということを忘れてしまいます。アイドリングストップからの再始動も非常にスムーズでショックは皆無。

新世代i-Cockpitは、近未来的なセンターコンソールとシフト回りで構成されており、デザインは斬新です。SUVとは思えない小径ステアリングとその上から見るメーターディスプレイは、視認性も高いです。

近未来的な形状のシフトレバーは最初慣れが必要でした。手前に引くとDレンジ。そこから前方に押すとNやRレンジにシフトできますが、力加減ではNレンジのままといったことが何度かありました。

センターコンソールに整然と並ぶスイッチは美しいのですが、デザイン優先の感があり、用途が目視でないと分からない事です。そのため、走行中のブラインドタッチは長時間相棒として付き合わないと厳しいです。

高速道路では、このクルマの良さが際立ってきます。3008と同様に抜群の直進安定性と、フランス車伝統の適度なサイズと柔らかいながらも芯があり、ホールド感を持つシートは長距離を走っても疲労を感じさせないもので国産SUVでは真似のできないものです。またミディアムサイズのSUVにも関わらず重心が低くとられているため、高速でのコーナーも安心で、小径ステアリングと相まって機敏なハンドリングが味わえます。

最大トルク400Nmを発生するディーゼルエンジンのパワーは十分パワフルです。必要とする速度には、回転数を上げなくても、スルスルと速度を持ち上げます。8速ATは比較的ハイギヤードで、時速90キロくらいでトップギアの8速に入り、高速での燃費は非常に良好。様々な情報を得られるモニターでも18km/Lを表示。無給油で相当な距離を稼げるでしょう。

一昔前のフランス車(筆者も20年以上前、シトロエン、プジョーには何台も乗り継ぎました。)では想像もできない完成度の高さ、各部の質感はドイツ車並みです。
昨今のフランス車の素晴らしさを凝縮した5008。似たようなデザインが多い中、このクルマは、個性満載のSUVです。
長年の相棒になってくれることでしょう。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > フォルクスワーゲン > T-Cross 2019年モデル > TSI 1st Plus

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:65件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度4
エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地3
燃費無評価
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

「T-Cross TSI 1st Plus」には専用18インチアルミホイールなど装備面を充実

純正インフォテインメントシステムである“Discover Pro”とETC2.0車載器は標準装備

リアシートには140mmの一体型スライド機構が付き荷物の量に応じてアレンジが可能です

基本設計はポロと同じですが、チューニングによって出力/トルク共向上しています

標準状態で385Lの容量ですがリアシートを最前端まで動かせば455Lまで拡大します

全長4115mm×全幅1760mm×全高1580mm。ポロとは異なる堂々たるSUVテイスト満載です

今後益々人気が出そうなコンパクトSUVというカテゴリー。フォルクスワーゲンがポロをベースに開発した「T-Cross(クロス)」はまさに日本市場でもヒット間違い無しの仕上がりを持っています。

今回の導入に関してはまず最初に特別仕様車である「T-Cross TSI 1st」と装備の充実を図った「T-Cross TSI 1st Plus(プラス)」を用意しました。発表自体は2019年11月27日でしたが、発売は2020年1月28日から開始されました。

まだまだ販売が期待できるSUVマーケットにおいて、特にコンパクトSUVの領域は重要です。実際のライバルではありませんが、現在国産でもダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ、そしてスズキ・クロスビーなども販売は堅調です。

視界が広く、取り回しのしやすいコンパクトボディを持ち、昨今のクルマに習い、先進安全装備も充実しています。

その中で登場した新型SUVである「T-Cross」はフォルクスワーゲンの持つ、生産モジュールである「MQB」を使い、ポロをベースに開発されました。

もちろんポロがベースと言っても、全長は55mm、全幅は10mm拡大、そして何よりも全高は130mm高くなっていることで堂々としたSUVルックをまといます。

最低地上高は試乗時には発表されていませんが見るだけでポロよりはクリアランスが確保されていることがわかります。

搭載するパワートレーンはポロと同じ直列3気筒1Lターボエンジンで最高出力は85kW(116PS)/5000-5500rpm、最大トルクは200N・m(20.4kgf-m)/2000-3500rpmとポロに比べると重量増をカバーする意味でもチューニングされていることがわかります。これに7速のDSGを組み合わせます。駆動方式はFFのみ、4WDモデルを設定していないのはクルマのコンセプトが街乗りをメインにしているからです。

それでは最低地上高を上げる必要は無いのでは?と考えるかもしれませんが、実際地上からシートまでのヒップポイント自体もフロントで約600mm(597mm)、リアが652mmに設定されていることでスッとお尻を落とすような感覚で乗降できる点は魅力的です。

ホイールベース自体はポロと同じ2550mm、元々ポロが新型になった際にこのホイールベースのおかげで、後席の居住性は大幅に向上しました。「T-Cross」の場合は同じホイールベースでも少しアップライトに座らせるような感覚があり、頭上周りの余裕と相まって後席でも快適です。

さらに言えば、今回リアシートにスライド機構を設けることで、荷物と乗員の状況に応じてフレキシブルな使いこなせる仕様となっている点も魅力です。

このシートスライド機構、最もリアシートを後端に下げた状態では385Lとこのクラスでは十分なラゲージ容量です。この状態で奥行きは約60cm、現在売れているロッキー&ライズの場合、容量は369Lですが、その分奥行きは75.5cmとなります。

ここで「T-Cross」のシートスライド機構が生きてきます。リアシート最前端にスライドさせた場合、奥行きはロッキー&ライズと同様の75cm、しかし容量自体は455Lまで一気に拡大します。容量自体は奥行きだけで無く左右の幅や高さも影響しますが、ほぼ同等のホイールベース(2525mm)を持つライバル車と比較しても使い勝手という点ではアドバンテージがあります。

一方走りのほうですが、チューニングすることでポロに対しての重量増をカバーしていますが、それでも出だしは俊敏というわけではなく、全体的にゆったりとした加速フィーリングです。これが悪いというのではなく「T-Cross」というクルマの性格には合っている印象です。

3気筒だな、と感じるのはアイドリング時などで少しだけ振動が出ている時くらい、走り始めれば問題はないと感じました。それよりも7速DSGとのマッチングも良く、高速走行時の追い越し加速などではキレの良いシフトと加速フィーリングを味わうことができます。

乗り心地に関しては試乗車の「T-Cross TSI 1st Plus(プラス)」が18インチタイヤを装着していた影響か、路面からの小さな振動を拾いやすい傾向にあります。これも高速走行になると継ぎ目などの入力に対してもピシッと収まりが良くなるのですが、街中をメインに走るのであれば16インチ仕様のほうが良さが出ると思います。

今回発売を開始した2種類の「導入記念特別仕様車」ですがその価格差は36万9000円あります。もちろん、エクステリアではシルバールーフレールや18インチアルミホイール、インテリアでは専用のスポーツシートやパドルシフトなどの装備も搭載されています。何よりも上位グレードはエクステリアカラーに応じてインテリアのカラーを3種類の中から選べる「デザインパッケージ」が付いてきます。

全8色のボディカラーは共通ですが、このパッケージを選ぶと見た目の印象も大分華やかになります。特にそういうものはいらない、必要十分な走りと充実装備があれば良い、というのであれば299万円の「T-Cross TSI 1st」のほうがコスパは高いと言えるでしょう。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > フォルクスワーゲン > T-Cross 2019年モデル > TSI 1st Plus

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:235件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。少年期に5年間イギリス・ロンドン、スコットランド・エディンバラに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、出版社に入社。輸入車専門誌にて執筆、編集を担当…続きを読む

満足度4
エクステリア5
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地3
燃費5
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

両端にヘッドライトを配置。ワイドなグリルも存在感満点だ

全長4115mmとコンパクトサイズ。日本国内での取り回しも良好

横一文字のテールランプはLED。車名もセンターに配置される

TSI 1st Plusは、18インチホイールを装備。カラーは3色から選択可能

直列3気筒1.0リッター直噴ターボエンジンは、最高出力115PSを発生

見晴らしのよい視認性とやや硬めの足回りは爽快感がある

世界的に人気を博しているSUVですが、フォルクスワーゲンの最新モデルがコンパクトSUV「T-Cross」です。

フォルクスワーゲンのSUVラインナップの末っ子となる同車は、ハッチバックモデルである「ポロ」の美点を伸ばした発展版といえる部分もありますが、それとはまったく違ったクルマでした。

筆者が試乗を行ったのは、インポーターの広報車両。偶然にも、報道関係者記者会見会場でお披露目されたクルマそのもので、カラーは「マケタナ―コイズメタリック」。TSI 1st Plusは、3色の18インチホイールが選択可能ですが、取材車にはブラックが装着されており、ボディ下部をピリッと引き締めています。

T-Crossを停めてエクステリア/インテリアを細部まで観察すると、前部にアンダーカバーを思わせるデザイン処理を施し、ボディ下端にはホイールアーチに至るまで樹脂モールで覆うなど、よくあるシティユースSUVにみえます。

このクルマは、悪路を走破するような泥臭いシーンを匂わすところが皆無。カジュアルでさらりと着こなせそうな気軽さがあります。さらにベースとなったポロの美点、たとえば兄貴分の「ゴルフ」と基本骨格であるMQBプラットフォームを共有したことによる不安のない走行性能は、既存のシティユースSUVよりも信頼度が高といえます。
力強いボンネットと両サイドにLEDヘッドライトが組み込まれた幅広いラジエーターグリルを特徴とするとともに、リアエンドでは横幅一杯に広がる帯状のリフレクターがT-Crossの幅を視覚的に幅広く見せています。

計器回りはAW型ポロのデザインとほぼ同じですが、DSGのシフトレバーは、刷新されました。握り手部分にシフトポジションが表示され、常にレッドの透過照明が輝きます。後席では140mmの前後スライド機構を持ち、身長170センチの筆者では、脚が組めるほどの広さです。ラゲッジスペース容量は385L〜455L。後席シートバックを倒せば1281Lまで拡大できるのもコンパクトなボディからは想像もつかないものでした。(全長×全幅×全高:4115×1760×1580mm)

搭載エンジンはー直噴直列3気筒1.0リッターターボ。最高出力115PS/5500rpm、最大トルク200Nm/2000-3500rpmのエンジンパワーは7速DSGを介して前輪を駆動します。
小排気量ターボにありがちな「踏み込んでも加速が得られず、回転が上がるまで待つ必要がある」とか「アクセスを床まで踏み込んで、キックダウン。エンジン回転が急に上がって・・・」といったストレスや安っぽさがなく、限りあるパワーを余すところなく使い切ることができます。

ボタン式スターターを押しエンジンを始動。直列3気筒1.0リッターターボエンジンは、非常に静粛性が高いのには驚きました。
街中では、早めにシフトアップを繰り返す7速DSGにより、巡航時はおおよそ1500rpm程度で事が足りています。AW型ポロと同じエンジンですが、T-Crossはパワー&トルクともに最大値だけでなく常用域も力強く爽快です。しかし、カジュアルなルックスとは裏腹に乗り味はシャキッとしていて俊敏。正直、脚はかなり硬め。ポロの味付けとはまるで異なります。(ポロGTIと同等?と思ったほどですから。)

空いた郊外に出て、60Km/h程度で流しました。場所によってアップダウンが激しく路面もところどころ荒れていて、タイとコーナーが連続する区間もありました。ここでは硬い、いや、減衰特性に優れたサスペンションに助けられ、コーナーでは外側にしっかりと荷重をのせながら控えめなロール量でクリアしていきます。

高速道路では、減衰力が高めのサスペンションがフラットな乗り心地を提供してくれます。80Km/hからの追い越し加速でもマニュアルシフト操作でダウンシフトさせることで、アクセル操作に対してイメージ通りのタイミングで加速力を高めることも可能でした。
急勾配でもパワー不足を感じることはなく、適切なギヤ比で振り分けられた7速DSGに助けられ、日本国内では、ゆとりさえ感じます。(当日の試乗は筆者とカメラマン+機材)

100Km/hでの静粛性の高さは特筆もの。巡行時のエンジン回転数は7速で、2300rpm。ドイツ本国では150Km/h以上の巡行も当たり前のため、日本国内では、ドライバーに速度感もなく、安楽にどこまでも走っていけそうな気分にさせてくれます。

燃費も素晴らしく、街乗り10%、郊外70%、高速道路20%の試乗でも計器が示す平均燃費は16.5キロでした。


飽和状態の国内コンパクトSUV市場に対して、ゴルフ譲りのMQBプラットフォームの高い安全性と俊敏なハンドリング、クラス最大のリアシート、455Lを誇るラゲッジルームと魅力満載のT-Cross。これは一石を投じる一台になりそうです。





レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > ホンダ > インサイト 2018年モデル > EX

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:65件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度4
エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費5
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

左右に拡がるクロームバーと刀身をイメージしたフロントグリルが精悍さを引き立てます

全長4675mm×全幅1820mm×全高1410mmの堂々たるセダンボディに最先端技術を搭載します

8インチの通信対応ナビや8スピーカーを標準装備、インテリアの質感が高いのも特徴です

NSXなどでも採用されているエレクトリックギアセレクター。慣れれば扱いやすいです

シートヒーターは全グレード標準装備、運転席と助手席のパワーシートはEX以上に装備

トランク容量は519Lと大きく、さらにトランクスルー機構により長尺物の積載も可能です

2018年12月にフルモデルチェンジを行った3代目となるホンダ・インサイト、発売から約1年経った現在を知る機会も含め、試乗してみました。

インサイトはホンダの中で良い意味で“異端”の存在です。その時代ごとに要求される技術やコンセプトを具現化することは容易なことではありません。特に歴史あるブランドを持つモデルはそう簡単に冒険することはビジネスの観点からも難しいわけです。

初代は2人乗りの3ドアのクーペ形状、2代目はあからさまといっては失礼ですがライバルであるトヨタ・プリウスに対抗した5ドアハッチバック、そして今回の3代目は4ドアセダンとして生まれ変わりました。

インサイトという単語は直訳すると「洞察」「物事を見抜く力」ですが、まさに未来のモビリティに対して現在のクルマ社会で何ができるのか、そんな意味を込めて主力市場である北米ではアコードとシビックの間を埋める重要なポジションとして位置しています。

ただこれだけボディ形状が変わってもブレずにあるのが「高い環境性能」、言い換えれば「低燃費」そしてそれだけはなく車格に見合った走りです。そのためにインサイトはアコードなどに搭載され高い評価を受けてきた「SPORT HYBRID i-MMD」を採用、搭載するエンジンは1.5Lのi-VTECエンジンと組み合わせることでさらなる燃費性能の向上を目指しています。

今回あえて試乗したのも2020年2月に発売予定の新型フィットに興味があったからです。新型フィットには「e:HEV」と呼ばれる新型のハイブリッドシステムが搭載されることは公開されていますが、このシステム自体も2モーター方式ということ。つまり最新の2モーターハイブリッドシステムであり排気量も1.5Lというインサイトに乗ることは新型フィットという“未来”を相似形的に体感できると感じたからです。

ボディサイズは前述したようにアコードとシビックの間ですが、やはり日本の道路事情では少しだけ大きく感じます。一方そのデザインはやはり“攻め”を感じる物でワイド感あるフロント周りやリア周辺の接地感を強調したようなデザインは単純な“上質系”というよりはスポーティな印象も併せ持ちます。

インテリアは全体的にシンプルです。北米市場を意識するとそれほど「ごちゃごちゃ」した内装はあまりウケません。視認性が高く、使用頻度の高いスイッチ類などはより使いやすい位置に配置されています。カーナビは通信機能を搭載する「インターナビ」で通信料無料のリンクアップフリーに対応、これにETC2.0車載器も標準装備します。

画面サイズも8インチで何よりも液晶パネルがHD仕様になっているので実際の地図表示や発色なども優れています。これに8スピーカーシステムを搭載しますが、音自体はデジタルのくせも少なく自然な聞こえ方です。つまりインサイトは元々静粛性が高いのでそれに見合った音質のチューニングが求められます。上級とまではいきませんが、インサイトが演出する「静寂」な世界には非常に向いていると感じました。

人を乗せる機会も多い4ドアセダンとはいえ、もちろん空力を意識した造形により頭上周りの圧迫感は若干ありますが左右方向、足元にはかなり余裕があり、ゆったりとした座り心地の良いシートと相まって快適性は優れています。特に前後シートとの会話明瞭度の高さは際立っており、このカテゴリーではかなり上位の静粛性と言えるでしょう。

走りに関しても静粛性だけでなく、電動領域(モーター)を積極的に活用しようというフィーリングが味わえます。北米仕様とはセッティングが異なる点は日本の道路事情を加味した結果ですが、出だしはアコードに比べるとアクセルを大きめに踏み込んだ際には少しだけエンジンのフィーリングが強い感覚を受けました。これ自体が悪いわけではなく、モーター駆動の独特なクセをうまく消すことで特にそこから加速をしていく際のスムーズなフィーリングにつながります。

全体のロールなども穏やかな部分はありますが、ステアリング自体の正確性は高い部類と感じました。昨今のホンダ車に多く搭載されている「アジャイルハンドリングアシスト」もドライバーにシステムが作動している感じを極力抑えています。

気になる燃費は約500km走って23.1km/Lでした。内訳は高速道路が約250km、一般道が250kmでしたが、一般道では約4割が渋滞という中での満タン法のデータです。試乗したEXのWLTCモードは25.6km/Lですから十分な結果だと思います。これまでこの2モーター式ハイブリッドはどのクルマでも優秀でしたがアコードが常時20km/L超えという点から見てもインサイトはアコードなどより小排気量のエンジンを搭載する点や最新の制御ロジックなどにより実用燃費も高いと感じました。

バッテリー容量はアコードより少し少ないですが(60セル)ほとんど発電に活用されるエンジンの音や振動もうまく抑えられています(聞こえないわけではありません)。

販売台数は正直苦戦している印象ですが、昨今のSUV&軽自動車トレンドの中では4ドアセダンというカテゴリー自体が不利な部分は否めません。しかしインサイトの場合は普段乗りから長距離までどの領域でも燃費性能に優れているのが特徴です。つまり使用頻度の高いユーザーほどこのクルマに乗るメリットは大きくなります。メーカーオプションも本革シート以外はほぼフル装備、既存のミディアムセダンでは飽きてしまいそうな人には中々魅力的です。今回2モーター式ハイブリッドの実力を再認識できたことで次期型フィットへの期待も大きく高まってきました。

レビュー対象車
試乗

参考になった45

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自動車(本体) > アウディ > TT RS クーペ 2017年モデル > ベースグレード

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:235件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。少年期に5年間イギリス・ロンドン、スコットランド・エディンバラに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、出版社に入社。輸入車専門誌にて執筆、編集を担当…続きを読む

満足度5
エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費無評価
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

フロントグリル下部には大きくクアトロの刻印が入った迫力満点のエクステリア

全長4.2メートルに満たないコンパクトなボディであるが、美しい曲線は相変わらず

取材車には、OLED(有機発光ダイオード)テールランプが装備されていた

直列5気筒DOHC 2.5リッター直噴+ポート噴射ターボエンジン

サーキット走行も考慮されたホールド性の高いシートが印象的

アウディバーチャルコクピットは車両の様々な情報を表示可能

Audi Sportが放つTTのハイパフォーマンスモデル「Audi TT RS Coupe」の広報車両を試乗しました。
今年の初夏でカタログモデルより外れてしまいましたが、その並外れた性能をチェック。

Audi Sport GmbH(アウディ スポーツ社)が手がけるビジネスには、「Audi R8 LMS」や「Audi RS 3 LMS」といったカスタマーレーシングカーの制作や「Audi exclusive」と呼ばれる車両のカスタマイズプログラム、そして、「Audi R8」やRSモデルの企画・制作があります。いずれも前身であるquattro GmbH(クワトロ社)から受け継ぐもので、なかでもその中核となるのがR8/RSモデルなのです。

RSモデルのなかで、コンパクトスポーツとして生まれたAudi TTに、Audi Sport伝統の直列5気筒ターボを与えたAudi TT RSは、ひときわ強い存在感を示しているモデルです。

Audi TT RS Coupeには、そのエクステリアからしてただならぬオーラを感じることができます。シングルフレームグリルにはハニカムメッシュが施され、また、マットシルバーのフレームにはquattroのデカール。リヤスポイラーは可動式から固定式のウイングタイプに改めら一気に迫力が増しました。

もちろん、一番の見どころはボンネット下に潜む2.5 TFSIエンジン。横置きエンジンのRSモデルにのみ許される珠玉の2.5L直列5気筒ターボエンジンは、最高出力400ps/5850-7000rpm、最大トルク480Nm(48.9kgm)/1700-5850rpmを誇り、これは旧型Audi TT RSに対して60psのパワーアップとなります。

組み合わされるトランスミッションは7速Sトロニックのみで、ハルデックスカップリングを用いるquattroにより、2.5 TFSIのトルクを余すところなく4輪に伝えます。0-100km/h加速は、わずかに3.7秒とまさにスーパーカー級。なにしろ1440kgの重量に400PSエンジンの組み合わせだから、ウェイト・パワーレシオは3.6kg/PSと、こちらも見事にスーパーカー級なのです。

ドアを開けると、Audi R8同様、2つのサテライトスイッチを備えるステアリングホイールがドライバーを迎え入れてくれます。右下の赤いボタンでエンジンをスタート/ストップ、左下はドライブセレクトのスイッチです。

赤のボタンを押すと、2.5 TFSIエンジンが、腹に響く野太い咆哮で目覚めます。

ドライブセレクトでAUTOモード選び街中を60km/hで走る状況では、エンジン回転はわずか1300rpmほど。この領域では思いのほかジェントルな2.5 TFSIですが、アクセルペダルに載せた足に軽く力を加えるだけでスッと加速する感じは、まるで6気筒あるいは8気筒エンジンを操るような滑らかな感覚です。その一方で、多少ザラッとした感触がなんとも5気筒らしいです。(筆者もその昔アウディ90クアトロに乗っていましたので5気筒エンジンの懐かしさを感じました。)

高速道路に入ったところでアクセルペダルを深く踏み込むと、Audi TT RS Coupeはその本性を現します。密閉性の高いキャビンに腹に響く野太いエキゾーストノートと不協和音と例えられる独特のエンジンサウンドを放ちながら、一気にスピードを上げていく様はまさにスーパーカー。カタログ上は1700rpmから5850rpmまで、480Nmの最大トルクを発揮する2.5 TFSIエンジン。その強大なトルクをquattroがしっかりと受け止めるためか、恐怖感とは無縁ですが、瞬きをしている間に制限速度に到達してしまうので、グラフィカルなスピードメーターから目を離すのは禁物です。

100km/h巡航時のエンジン回転は7速で1750rpm。20インチのタイヤを履いていながらも乗り心地は良好で、GTカー的な要素も持ち合わせてします。

ワインディンぐでは、鋭い切れ味のハンドリング特性を示すAudi TT RS Coupeは、quattroによる絶大なトラクション性能を味方にコーナーからの素早い立ち上がりが可能で、5気筒エンジンの息づかいを感じながらコーナーを抜けるのが楽しくてならないです。


スーパーカーレベルの性能を持ち合わせながらも、新車時で1000万円を切り、現在では700万円代から手に入る同車はリーズナブルといっても過言ではありません。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > フォルクスワーゲン > ポロ 2018年モデル > TSI R-Line

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:65件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度5
エクステリア5
インテリア4
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費4
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

エクステリアは専用のフロントバンパーやリップスポイラーを装着し差別化を図ります

リア側もブラックのリアスポイラーやサイドスカート、ツインエキゾーストを装着します

新世代エンジンとなる1.5L直4エンジンには気筒休止システムなど燃費向上技術を搭載

ボディカラーによってはインパネやセンターコンソールが同色でコーディネイトされます

スポーツコンフォートシートはその名の通り、着座感とホールド性のバランスが高いです

タイヤはコンチネンタルのコンチ・スポーツコンタクト5で215/45R17 91Wを装着します

2018年3月から発売を開始した6代目となるフォルクスワーゲン・ポロ。先進安全装備の充実や居住性の向上なども評価され、発売後その年の年末まで累計で約1万台を販売しています。

ポロ自体はその後、2018年7月に最もハイパフォーマンスとなるGTIを追加するなどラインナップの充実を図ってきましたが、2019年1月に投入したのが今回改めて試乗した「TSI R-Line」です。

単純にエンジンの排気量で判断するのは軽率ですが、新型が導入された際に搭載されていた1L 直3ターボエンジン、そしてGTIの2L 直4ターボエンジンは燃費性能やドライバビリティなどそれぞれ特徴を持っていましたが、やや「帯に短したすきに長し」といった印象も持っていました。

そこに投入されたのが新しい1.5L 直4ターボエンジンです。単純に真ん中という位置づけではなく、このエンジンは過去のポロやパサートなどにも搭載された気筒休止機構である「アクティブシリンダーマネージメント(ACT)」を始め、今回量産ガソリンエンジン初となるVTG(可変ノズル)ターボ、コモンレール燃料システムをなどを搭載した新世代“Evo”エンジンなのです。

最高出力は150ps(110kw)/5000〜6000rpm、最大トルクは250Nm/1500〜3500rpmを発生、これに7速DSGを組み合わせますが、走り出しから素性の良さを感じ取ることができます。前述したように1L 直3エンジンもターボは装着されているものの、市街地などでは十分以上の性能を発揮しますが、ワインディングではどうしても力不足を感じてしまいます。

それに比べこのエンジンはまさにオールラウンドに使いこなすことができる極めてバランスの良い、言い換えれば日本の道路事情にもマッチしていることが体感できます。

ACTに関しては先代ポロの「Blue GT」にも搭載されていましたが、まず気筒休止、つまり4気筒中2気筒が停止していることはわかりません。逆に4気筒に復帰した際も同様で、ACTがどの作動しているかはインパネ内部に点灯する“eco”マークでしか確認できません。それだけドライバーが特に気にせず走ることができるわけです。

またハンドリングに関してもコーナリング性能を向上させる“XDS(電子制御ディファレンシャルロック”や4種類の走行モードが選択できる“ドライビングプロファイル機能”も搭載しています。

これらのシステム、特にドライビングプロファイル機能はエンジンだけでなく、ダンピング特性なども変更されるのですが、個人的には「エコ」モードが気に入りました。

このモードを選択すると気筒休止と同時にコースティング機能が働くことで実用燃費が向上します。もちろんエコだから走りが緩慢になるわけはく、実用性もきっちりキープした上での機能なので、普段使いでも十分活用できると感じました。

専用のエクステリア等をまとった「TSI R-Line」の価格は増税後、304万1000円となりました。このクルマの良さをより味わうためにはブラインドスポットディテクション(後方死角検知機能)などを搭載する「セーフティパック(9万9000円)」や純正インフォテイメントシステムである“Discover Pro”を中核にETC2.0やモバイルオンラインサービスである“Volkswagen Car-Net”などをセットにした「“Discover Pro”パッケージ(23万1000円)」をオススメします。ちなみにセーフティパックは単独装着ができず、“ Discover Pro”パッケージとのセットオプションになってしまうことで車両価格が上がってしまう点がネックになりますが、やはりこのクルマを味わい尽くしたいのであれば装着しないのは逆にもったいない位です。

この他にも先進安全装備の充実なども現在求められる基準は十分以上満たしており、このクラスのモデルとしては改めてハンドリング、安全性、環境性能などをハイレベルでバランスさせた1台と言えるでしょう。

レビュー対象車
試乗

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