
プロフィール家電評論家。スマート家電グランプリ審査員。
主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。
過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。
また米・食味鑑定士の…続きを読む
2025年8月16日 08:35 [1980594-1]
満足度 | 5 |
---|
デザイン | 5 |
---|---|
使いやすさ | 5 |
炊き上がり | 5 |
サイズ | 4 |
手入れのしやすさ | 5 |
機能・メニュー | 5 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
炎舞炊きが世にでたのは、2018年。以降、4年後の22年には、累計50万台を売り上げている。これはかなりの凄い。象印だからということもあるが、2017年までのモデルより圧倒的に良くなった。
2006年に三菱電機が、高級炊飯器というカテゴリーを作って以降、全メーカーが内釜の素材見直しを行った。単純に火力を比べると、電気は火に劣る。逆に言うと、力が弱い分だけ扱いやすい。今の世、電気製品が溢れかえっているのは、そのためだ。
高級炊飯器は、お米を美味しく炊けなければ成り立たないカテゴリー。全メーカー、その目標に「かまど炊き」を掲げる。釜を火に晒す炊きかた。非常にパワフル。「はじめちょろちょろ」から始まる炊飯の歌は、火力の調整タイミングを教える。これを電気で再現するには、まず電気で近しい火力を作り出す必要がある。このため、各メーカーが新しい素材で内釜にアプローチをかけた。そうして生まれたのが三菱の本炭釜であり、タイガーの本土鍋。カーボンと焼き物。まったく凄い技術。このカテゴリーが並でないと宣言している様なモデルだ。
象印は、それを「鉄」で行おうとした。使用する鉄は「南部鉄器」。が、先の2つに比べると欠点があった。重いのだ。とにかく、内釜だけで重く、中に米、水を入れると、女性が持ち上げるのは一苦労。いくら美味しくても、毎日フウフウ言いながら作るのは、どうであろうか。「炊飯はダンベルだ」と言い切る様な筋肉バカはともかく、世界でも華奢な大和撫子にはちょっと厳しい。
こう言った時の知恵者は、パナソニック。圧力機構を入れ、強沸騰できるようにすると共に、内釜を軽くした。総合力で美味しく炊ければ良いとして、内釜以外の要素に着目した。こうしてできあがったのが「おどりだき」だ。要するに、美味しさはそのままに、内釜の負担割合を減らした。美味しい上に、使いやすい。
ここで象印も飛ぶ。それまでの「南部鉄器」の内釜を、アルミとステンレスを重ねるなどして、そこまで重くない「鉄」の内釜変え、火力を送るIHのあり方を見直したのだ。それまでの、底に大きなIHコイルを用いていたものを、小さなIHコイル数個で代用。設置の自由度を確保。かまどの様に、内釜を包む様に発熱させる様にしたのだ。IHコイルをローテーションで使うことにより、かまど内でゆらぐ炎のように強弱を付け、使用する。その強弱を炎に見立てて「炎舞炊き」と名付けられた。
象印は、内釜に頼る比率を、IHと分けることにより、トータルで美味しくするようにしたわけだ。結果、軽い内釜で扱いやすくなった上に、効率の良い加熱で、自在な対流と強沸騰をモノにした。それが炎舞炊きだ。
今年のモデルは、IHに大幅に手が加えられている。まずIHコイルは更に小さくし、数を増やした。対流させることが必要な炊飯には有利だが、小さくてもパワーがある様にするのに苦労したと言う。今まで、消費電力も今まで1200Wだったものが、1400W。はじめパワーを聞いた時は、正直炊飯器にそこまで必要?、と言うふうにも思ったが、食べると納得がいった。
今回メーカーより新モデルを貸し出してもらいテストした。
【デザイン】
古くからある安定したデザイン。ルンバもそうだったが、開発が落ち着くまで外観デザインはいじらない方がよい。理由は、外観が同じということは、中の寸法が決まっているため、いじりやすいのだ。
今回はIHをかなりいじっているが、そんな時、デザインを変えないことはプラスに働く。
が、デザイン自体は、突飛ではない分、今までそこにあったかの様に馴染む。
【使いやすさ】
軽いとは言えないが、使いにくさのない内釜。
が、使いやすさで一番驚いたのは、カラー液晶になったこと。ただ、まだ十分に使いこなしているとは言えないように思う。カラー液晶化が進むオーブンレンジは、細々した設定他があるので、カラー化は必須であり、初めから積極的に使うこなしていたが、炊飯器はどうだろうか。
設定を使うことは少なく、メニュー数もオーブンレンジに比べると少ない。
だからこそ、カラー化するのかと驚いたわけだ。が、カラー化は使える技術。使いこなしを期待したい。
【炊き上がり】
見るからに美味そうに、炊き上がる。見た目は裏切らず、食べると実に美味い。ただ今までより、火力が強いためであろうか、中まで水分は見事に入っており、中はもちもちだが、歯応えは少々柔らかい。1200W時と中央値が変わった感じ。ただし炊飯器の持っている微調整機能で、1200Wと同等の硬さにできる。その時は、粒だちもよく、中はもちもちとなる。
大した炊飯器である。
【サイズ】
サイズは、普通だが、正直、IHをいじったためか、総重量:8kgとそれなりに重い。どこにでも置けるサイズだが、重いので、一度置いたら場所を変える気にはならない。
【手入れのしやすさ】
毎日洗うべきは、内ぶたと内釜の2つ。残り粒も取れやすいし、カスも取れやすい。手入れしやすい。
【機能・メニュー】
炎舞炊きのメニューは、どんなご飯を食べたいかを設定する様にできている。コシヒカリだから、ササニシキだからという品種でなく、自分がどうありたいかで設定する様になっている。
【総評】
できて7年目の炎舞炊き。今までも良いモデルだったが、1400Wのこのモデルは象印の意欲作。今までの炎舞炊きよりワンランク上を行くモデルと言える。
参考になった5人
「炎舞炊き NX-AA10-BZ [黒]」の新着レビュー
レビュータイトル | 満足度 | 投稿日時 |
---|---|---|
![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
2025年8月16日 08:35 |
![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
2025年6月30日 23:26 |
炊飯器
(最近3年以内の発売・登録)






新着ピックアップリスト
いろいろな要素を盛り込んだ美味しいお米を楽しめる炊飯器
(炊飯器 > 真空圧力IH RC-10ZWX(K) [グランブラック])5
多賀一晃 さん
(炊飯器)
- コミュニティ規定の内容をご確認の上、ご利用ください
- 評価は投票された方の主観による目安であり、絶対的な評価を保証するものではありません
- 点数はリアルタイム更新です
- ユーザーレビューの使い方、よくある質問 FAQもご参照ください
価格.comマガジン
注目トピックス
