プロフィールテクニカルジャーナリストの西川善司です。
パソコン、IT全般、半導体技術、グラフィックス技術、ゲーム開発技術、ゲームそのもの、映像技術、映画コンテンツ、自動車とその関連技術、家電製品など、幅広く取材して各メディアに記事を寄稿しています。…続きを読む
2025年2月20日 23:56 [1938070-1]
| 満足度 | 4 |
|---|
| デザイン | 5 |
|---|---|
| 品質 | 5 |
| 音質 | 5 |
| 通信の安定性 | 3 |
| 操作性 | 5 |
| サイズ・携帯性 | 5 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
|
ゲーム向けのオーディオ関連ミドルウェア「ADX」などで有名なCRIミドルウェアと、オーディオ機器メーカーの老舗のパイオニアがユニークなオーディオ機器を発売した…と言うことで、評価した。
開封の様子は、筆者のYouTubeで紹介している。
https://youtube.com/live/E5aRPJorzOM?feature=share
▼クロストークキャンセリング技術とは?
Sound Tectorの基盤技術となっているクロストークキャンセリング技術を最初に軽く紹介しておきたい。
本来、2台のスピーカーを室内に設置してその左右から、左耳用音像、右耳用音像を鳴らしたところで、我々の左右の耳は、左耳でも右スピーカーからの音を聞いてしまうし、右耳でも左スピーカーからの音を聞いてしまう。
これがクロストーク現象で、本来、その耳で聞くべきではない音像を聞こえないようにする(キャンセルする)技術をクロストークキャンセリング技術という。
で、この技術を用いると何が嬉しいといえば、これまで、ヘッドフォン向けに想定されていた音響技術を、実体スピーカーを用いたサウンドシステムにおいて、適用できるようになるところ。
そう、実体スピーカーのサウンドシステムで、バイノーラル音響技術やバーチャルサラウンドヘッドフォン技術を活用して、サラウンド表現が出来ると言うことなのだ。
▼Sound Tectorとはどんな製品なのか
続いて、本機そのものについての紹介をしよう。
大枠としては、この製品は、最大で7.1chのバーチャルサラウンド再生に対応したものということになる。
バーチャルサラウンド製品といっても、ヘッドフォンタイプではなく、見ての通り、Sound Tectorはスピーカータイプの製品となる。なお、ヘッドフォンへの接続には対応していない。使用時には、必ず部屋に音が出ることになるタイプの機器だ。つまり、周囲に使っていることがバレたくない…という状況では使いにくい。
そして、想定ユーザーは、Sound Tectorの正面前に着座した一人のみ。
この制約はクロストークキャンセリング技術の特性から来ている。
室内に音が出るので、同室内にいれば、音自体は聞こえるが、サラウンド感のない、ほぼモノラルサウンドとして聞こえてしまう。つまり、Sound Tectorは、パーソナルユースのバーチャルサラウンドシステムということになる。
では、最大のユーザーメリットはどこにあるのか。それは、聴者を中心とした全周360度に音像が定位する、迫力たっぷりの没入サラウンドサウンドを、省スペースで楽しめるところにある。
たしかにバーチャルサラウンドはヘッドフォンやイヤフォンで聞けばいいという指摘はあるが、耳に何も付けずに実音を聞く方式は、耳穴、耳殻、頭部への圧迫ストレスが少ないため、長時間、自然にサラウンドサウンドを楽しめるという利点がある
▼接続端子について
接続端子はUSB-CとHDMI端子の2系統を装備。
USB-Cは、PS4/PS5と接続した場合は2CHステレオスピーカーとして機能する。本命はWindows PCと接続したときで、なんとWindowsシステムからは、7.1ch出力可能なリニアPCMサウンドデバイスとして認識される。
大作PCゲームでサラウンド対応の作品は、そのほとんどが5.1chなり、7.1chのリニアPCM出力に対応しているので、ディスクリートなサラウンドサウンドを、そのままSound Tectorに入力させてバーチャルサラウンド再生ができる。
残響効果を与えただけの「なんちゃってサラウンド」ではないのだ。
USB接続時、時々、オートパワーオフが聞いてしまうことがある。
筆者の環境では、本製品を、常時接続スピーカーとしてではなく、ゲームや映画を楽しむ時にしか使わない…と割り切ることで、この特性に対処した。
とはいえ、煩わしい仕様ではあるので、ファームウェアアップデートなどで対策してほしいところ。
HDMI端子は、eARC対応のHDMI端子を備えたテレビ/モニターとHDMIケーブルで接続して使うことになる。ここにHDMIオーディオ機器やゲーム機を直結しても音は鳴らない。
eARC接続時は、Windows PC、任天堂Switch、PS4/PS5、Xbox Series X|Sの全てで、リニアPCMによる7.1chサラウンドサウンドが楽しめる。
なお、Bluetoothオーディオ接続にも対応しているが、この場合はステレオ2CH再生に限定される。
▼使用しての雑感
筆者は、今回、このSoundTectorで、サラウンド対応のPCゲームをプレイしてみたのだが、目の前に置かれたコンパクトなメインユニットから出力されているとは思えない、強いワイド巻がありながらも、ちゃんとディスクリート感のあるバーチャルサラウンド再生ができていることを確認できた。「なんちゃってサラウンド」では到底気がつくのが難しい、背後からの敵の接近音もちゃんと気がつけるレベルだ。
eARC対応のHDMI端子を持つテレビ/モニターであれば、ブルーレイや配信系の映画コンテンツもサラウンドで楽しめる。
筆者は今回の評価ではホラー映画やアクション映画を多く視聴したのだが、室内全体に広がるような聞こえ方の環境音と、自分を中心にした各所から鳴る指向性の強い効果音やセリフ音声達が分離して聞こえる聴感が新鮮だと感じた。
一般的に、バーチャルサラウンドの聴感特性として、後方からの音像は、やや弱く曖昧となる傾向がある。これは本機においてもそうなのだが、それを補うシステムアップデバイスとして 「リアサウンドエンハンサー:TQ-RG3000」(実勢価格13480円)がオプション設定されている。後方サウンドの増強は、ゲームプレイにおいては、背後から迫る敵に対する警戒増強にもなるので便利だ。
この他、爆発音などの重低音を増強して、空に臨場感を増すためのオプション、「スリムパワードサブウーファー:TQ-WG3000」(実勢価格43980円)も設定されている。
音響機器メーカーのパイオニアが作っているだけあり、普通のステレオ楽曲を聴いた場合の音質も良かった。興味がある人は、一度、体験してみることをお勧めする。
参考になった21人
「SOUND TECTOR TQ-FG3000」の新着レビュー
| レビュータイトル | 満足度 | 投稿日時 |
|---|---|---|
| 2025年2月20日 23:56 | ||
| 2025年2月9日 16:27 |
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5
鴻池賢三 さん
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