『PCゲーマー歓喜。PCとUSB接続で7.1chサウンドデバイスとして認識』 パイオニア SOUND TECTOR TQ-FG3000 西川善司さんのレビュー・評価

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SOUND TECTOR TQ-FG3000パイオニア

最安価格(税込):価格情報の登録がありません 発売日:2024年12月中旬

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『PCゲーマー歓喜。PCとUSB接続で7.1chサウンドデバイスとして認識』 西川善司さん のレビュー・評価

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西川善司さん

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プロフィールテクニカルジャーナリストの西川善司です。
パソコン、IT全般、半導体技術、グラフィックス技術、ゲーム開発技術、ゲームそのもの、映像技術、映画コンテンツ、自動車とその関連技術、家電製品など、幅広く取材して各メディアに記事を寄稿しています。…続きを読む

満足度4
デザイン5
品質5
音質5
通信の安定性3
操作性5
サイズ・携帯性5

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PCゲーマー歓喜。PCとUSB接続で7.1chサウンドデバイスとして認識

再生する

製品紹介・使用例
動作時の本体フロント。左右の青ゲージがメインLRチャンネル。下部左右がリアLRチャンネル

製品フロント部

HDMIはeARC専用。USB-CはUSB2.0相当。サブウーファー端子とリア端子は拡張機器専用

動作時のイメージ

PCに接続すれば7.1chサウンド機器として認識される。画面はHorizon Forbidden West

プレイヤー機器ではDolby形式やDTS形式をPCM変換すれば本機でもサラウンドで楽しめる

テレビ/モニターのeARC HDMI設定は「ビッストリーム」「デジタルスルー」設定が必要

 ゲーム向けのオーディオ関連ミドルウェア「ADX」などで有名なCRIミドルウェアと、オーディオ機器メーカーの老舗のパイオニアがユニークなオーディオ機器を発売した…と言うことで、評価した。
 開封の様子は、筆者のYouTubeで紹介している。
https://youtube.com/live/E5aRPJorzOM?feature=share

▼クロストークキャンセリング技術とは?
 Sound Tectorの基盤技術となっているクロストークキャンセリング技術を最初に軽く紹介しておきたい。

 本来、2台のスピーカーを室内に設置してその左右から、左耳用音像、右耳用音像を鳴らしたところで、我々の左右の耳は、左耳でも右スピーカーからの音を聞いてしまうし、右耳でも左スピーカーからの音を聞いてしまう。
 これがクロストーク現象で、本来、その耳で聞くべきではない音像を聞こえないようにする(キャンセルする)技術をクロストークキャンセリング技術という。
 で、この技術を用いると何が嬉しいといえば、これまで、ヘッドフォン向けに想定されていた音響技術を、実体スピーカーを用いたサウンドシステムにおいて、適用できるようになるところ。
 そう、実体スピーカーのサウンドシステムで、バイノーラル音響技術やバーチャルサラウンドヘッドフォン技術を活用して、サラウンド表現が出来ると言うことなのだ。

▼Sound Tectorとはどんな製品なのか
 続いて、本機そのものについての紹介をしよう。
 大枠としては、この製品は、最大で7.1chのバーチャルサラウンド再生に対応したものということになる。
 バーチャルサラウンド製品といっても、ヘッドフォンタイプではなく、見ての通り、Sound Tectorはスピーカータイプの製品となる。なお、ヘッドフォンへの接続には対応していない。使用時には、必ず部屋に音が出ることになるタイプの機器だ。つまり、周囲に使っていることがバレたくない…という状況では使いにくい。

 そして、想定ユーザーは、Sound Tectorの正面前に着座した一人のみ。
 この制約はクロストークキャンセリング技術の特性から来ている。
 室内に音が出るので、同室内にいれば、音自体は聞こえるが、サラウンド感のない、ほぼモノラルサウンドとして聞こえてしまう。つまり、Sound Tectorは、パーソナルユースのバーチャルサラウンドシステムということになる。

 では、最大のユーザーメリットはどこにあるのか。それは、聴者を中心とした全周360度に音像が定位する、迫力たっぷりの没入サラウンドサウンドを、省スペースで楽しめるところにある。
 たしかにバーチャルサラウンドはヘッドフォンやイヤフォンで聞けばいいという指摘はあるが、耳に何も付けずに実音を聞く方式は、耳穴、耳殻、頭部への圧迫ストレスが少ないため、長時間、自然にサラウンドサウンドを楽しめるという利点がある

▼接続端子について
 接続端子はUSB-CとHDMI端子の2系統を装備。

 USB-Cは、PS4/PS5と接続した場合は2CHステレオスピーカーとして機能する。本命はWindows PCと接続したときで、なんとWindowsシステムからは、7.1ch出力可能なリニアPCMサウンドデバイスとして認識される。
 大作PCゲームでサラウンド対応の作品は、そのほとんどが5.1chなり、7.1chのリニアPCM出力に対応しているので、ディスクリートなサラウンドサウンドを、そのままSound Tectorに入力させてバーチャルサラウンド再生ができる。
 残響効果を与えただけの「なんちゃってサラウンド」ではないのだ。

 USB接続時、時々、オートパワーオフが聞いてしまうことがある。
 筆者の環境では、本製品を、常時接続スピーカーとしてではなく、ゲームや映画を楽しむ時にしか使わない…と割り切ることで、この特性に対処した。
 とはいえ、煩わしい仕様ではあるので、ファームウェアアップデートなどで対策してほしいところ。

 HDMI端子は、eARC対応のHDMI端子を備えたテレビ/モニターとHDMIケーブルで接続して使うことになる。ここにHDMIオーディオ機器やゲーム機を直結しても音は鳴らない。

 eARC接続時は、Windows PC、任天堂Switch、PS4/PS5、Xbox Series X|Sの全てで、リニアPCMによる7.1chサラウンドサウンドが楽しめる。
 なお、Bluetoothオーディオ接続にも対応しているが、この場合はステレオ2CH再生に限定される。

▼使用しての雑感
 筆者は、今回、このSoundTectorで、サラウンド対応のPCゲームをプレイしてみたのだが、目の前に置かれたコンパクトなメインユニットから出力されているとは思えない、強いワイド巻がありながらも、ちゃんとディスクリート感のあるバーチャルサラウンド再生ができていることを確認できた。「なんちゃってサラウンド」では到底気がつくのが難しい、背後からの敵の接近音もちゃんと気がつけるレベルだ。

 eARC対応のHDMI端子を持つテレビ/モニターであれば、ブルーレイや配信系の映画コンテンツもサラウンドで楽しめる。
筆者は今回の評価ではホラー映画やアクション映画を多く視聴したのだが、室内全体に広がるような聞こえ方の環境音と、自分を中心にした各所から鳴る指向性の強い効果音やセリフ音声達が分離して聞こえる聴感が新鮮だと感じた。

 一般的に、バーチャルサラウンドの聴感特性として、後方からの音像は、やや弱く曖昧となる傾向がある。これは本機においてもそうなのだが、それを補うシステムアップデバイスとして 「リアサウンドエンハンサー:TQ-RG3000」(実勢価格13480円)がオプション設定されている。後方サウンドの増強は、ゲームプレイにおいては、背後から迫る敵に対する警戒増強にもなるので便利だ。

 この他、爆発音などの重低音を増強して、空に臨場感を増すためのオプション、「スリムパワードサブウーファー:TQ-WG3000」(実勢価格43980円)も設定されている。

 音響機器メーカーのパイオニアが作っているだけあり、普通のステレオ楽曲を聴いた場合の音質も良かった。興味がある人は、一度、体験してみることをお勧めする。

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SOUND TECTOR TQ-FG3000

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