『見た目は普通。中身は非凡。しかし安い。超推しモデル。』 シロカ すばやき ST-2D451(K) [ブラック] 多賀一晃さんのレビュー・評価

[多賀一晃]

2023年1月31日 16:12 [1675844-1]

満足度	5

デザイン	5
使いやすさ	5
焼き上がり	5
手入れのしやすさ	5
サイズ	5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

見た目は普通。中身は非凡。しかし安い。超推しモデル。

本体。二重ガラスに、ミラーコーティング。しっかり高熱防御。	庫内、上面。ヒーターは余熱不要のカーボンヒーター。熱を均一にする工夫もみられる	庫内、下面。カーボンヒーター2本。風など誓えないが、その分、近い。
コンソール。表示も含め、セットし易い。	本体天面に印字されたメニュー表。	パンくずトレー。油に強くは・・・ない。

ロシアのウクライナ侵略戦争以降、日本政府の対応の下手さも重なり、物価はあがる一方。家電も例外ではない。今までより、一万円高、二万円高で販売される様になった。これも時節柄仕方がないこととは言え、自炊用の家電を買うのも一苦労だ。使い勝手の悪い家電を買うと、自炊自体がいやになったりする。結果、使わない家電がある台所は放置。外食にひた走ることになる。では、今、安くてモノがいいメーカーはどこかというと、真っ先に名前が上がるのは、「シロカ」だろう。
本音を言うと、あるべき価格より、一万円引きで販売している様なモノ。お買い得がずらりと並ぶ。中でも、シロカの調理家電はすこぶる性能がいい。ほぼどれを取ってもお買い得。

このため、シロカは中国生産。そして設備、金型なども、現地にあるものを極力利用するそうだ。こう書くと品質などを懸念される人もいるかも知れませんが、そこは先刻ご承知。しっかり対応しています。そう言った、今や大手が追及しなくなった、あるいはできなくなった、「安くて、いいもの」にこだわったユーザー本位のスタンスを持ち続けているのは、やはりすごい。

そして、オーブントースターは、同社の得手家電。参入時より、良いものを作り続けてきた。まぁ細部、例えば焼き網の取り付け方などに迷いがあった時期もあるが、今では、「私こそが王道」と言う雰囲気を持っている。

今回、最新モデルをメーカーから貸し出ししてもらい、テストした。

【デザイン】
オーソドックスな汎用デザイン。このため、誰でも使えてしまう様な、雰囲気を醸し出す。それを具現化すべく、細部にまで気を配りデザイン（設計）されている。
一方、内部は、熱効率を考慮し、三角の凹凸を配置してある。外側に比べ、ただものでない印象を与える。

【使いやすさ】
コントロールボタンは、回して押すタイプ。職業柄、色々なスィッチに触ってきたが、セレクトする項目が多い場合、これが最も使いよく、早く対応できる。また、メニュー一覧もボディに記載されている。字の大きさも適度。使いいい。

【焼き上がり】
カーボンヒーターで、1400W。名前に「すばやき」とある通り、「速く、確実に」焼ける。特に、急いでいる朝は便利。
また、これは昨今ブームの、少量の水を入れて、食材から出ていく水分を調整する方式を取らない。水分がパンの外へ逃げ出す前に焼いて、水分をパン内に閉じ込める。しかし、パンの上にいろいろ載せると時間がかかる。この時の水分調整を兼ね、冷凍したパンを前提としているメニューも多い。冷凍パンは、時間がある時に、作りだめしておくことができ、忙しい朝でも、手間のかかったトーストを食せる。使わなければ損という思いに陥る。
こういう細かな配慮が、シロカはできており、嬉しくなってしまう。

【手入れのしやすさ】
普通。コーティングがしてあり、油汚れが落ちやすいなどということはない。ただし、庫内はサイズの割に、手を中に入れて動かしやすい設計にはなっている。よりよくするために、努力しているのが伝わってくる。

【サイズ】
普通。大きくもなければ、小型でもない。

【総評】
当モデルの正式名称は「すばやきトースター」。「オーブン」の文字がどこにもない。日本人の場合、主食（米、パン）の香りに敏感な人が多く、おかず系を同じ調理家電で作りたくない人も多い。それを踏まえてなのだろうが、シロカのオーブントースターは、「すばやきトースター」「ノンフライオーブン」「オーブントースター」に分かれる。
「すばやきトースター」はあくまでも「トースター」が主だ。おかず中心なら「ノンフライオーブン」を、どちらも作りますというなら、「オーブントースター」を勧めたい。
逆に言うと、トースト系で、「すばやき」ができないメニューはないのではと言っても過言ではない。西洋人は今でも、ポップアップ・トースターを多用する。トースターは近距離で一気に焼くのが基本だからだ。ただ、ポップアップ・トースターは上に具材をのせることはできない。このため日本では、オーブントースターが発達することになる。「すばやき」は、その最先端モデル。時に、朝は時間が取れない。が、ある程度はしっかり食べたいなど、あれもこれも欲しいユーザーニーズに真摯に向かい合ったモデルと言える。
確かに、外見は凡庸かもしれないが、その心遣いは素晴らしい。使うのが嬉しい逸品。コストパフォーマンスもよく、全員に推したいモデルだ。