ザ・ライス RK8808JP
遠赤外線をふたから放出する5.5合炊飯器

プロフィール家電評論家。スマート家電グランプリ審査員。
主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。
過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。
また米・食味鑑定士の…続きを読む
2022年11月26日 02:07 [1649720-1]
満足度 | 4 |
---|
デザイン | 5 |
---|---|
使いやすさ | 5 |
炊き上がり | 4 |
サイズ | 5 |
手入れのしやすさ | 5 |
機能・メニュー | 4 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
![]() |
![]() |
![]() |
---|---|---|
フロントビュー。「伝統」ではなく「華麗」さが感じられる。 |
コンソール。ちょっとビジーな印象。洗練度が足らない。 |
開いたところ。極端に違う印象は受けない。 |
![]() |
![]() |
![]() |
日本メーカーに比べるとかなり平たい。銘は「本釜」。漢字を使わなくても・・・。 |
ガラスを通して、遠赤外線ヒーターが見える。 |
なんと、内ぶたは穴あき。なんと大胆な・・・。 |
フランスのブランド ティファールの炊飯器。フランス自体はパン文化だが、南アジアにも植民地を持つ国。このため宗主国として、そのエリアにきちんと対応家電を出していた。泥縄式の炊飯器開発ではなく、それまでにかなりの実績を積んできているわけだ。
しかし、南アジアと日本では米の考え方が違う。アジア広しといえども、日本ぐらいお米を重要視した国は無い。国のレベルを石高で表すのは日本独特の表現であり、日本がいかにお米に価値を求めたかがわかる。また、「主食はお米」という言い方も日本独自のものだ。
この主食に対し、2006年から、日本メーカーは高級炊飯器の市場を作り上げていった。それは家電の開発と言うにはあまりにも求道的であり、これで利益が取れるのであろうかと思う位、思い切った素材、技術が詰め込まれている。
今では、日本市場は、安い炊飯器ではなく、高級炊飯器の方が当たり前に売れる逆ピラミッド型のマーケットになっている。ここに、南アジアでの実績があるとは言え、海外ブランドが本格的に乗り込んでくるわけだ。
この「ザ・ライス」は、ティファール初の日本市場で販売する炊飯器にもかかわらず、高級炊飯器。炊飯器は、この高級市場で認められなければ、意味がないとは言え、周りは日本の有力メーカーばっかり。完全アウェイ状態。ここに乗り込むわけなので、かなりの出来が必要となってくる。
ザ・ライスを見ると、多くの日本メーカーが採用している「IH」「特殊な内釜:「圧力」の内、「圧力」が採用されていない。が、これはティファールが圧力技術を持っていないということではない。むしろ逆。圧力鍋、電気圧力鍋共に、ティファールは第一位メーカーで、特に電気圧力鍋 Cook 4 meは、世界的ベストセラー。ティファールは、あえて圧力技術を炊飯器に導入しなかったといえる。同様な例は、日本メーカーにもある。高級炊飯器を始めて作った三菱電機がそれだ。
三菱が注目したのは「強火力」。このために開発したのが、備長炭を練り込んだ特殊な内釜。この内鍋がたっぷり熱を溜め込むことにより、直火に対して、パワーのない電力をカバーします。こうして美味しく炊くわけだ。
では、一般的に「圧力」技術は、どんなところに使われているのかというと、主には吸水時の時短に使わる。ただ強制的に水を吸わせるわけなので、適度ならいいのですが、極端な場合は、べっちょりしてしまうこともある。どんなすごい技術でも、使いすぎると、過ぎたるは及ばざるが如し。特に、美味しいというのは、中に適度な水分を含んでいることが重要で、含ませすぎると美味しくないですし、含ませる過程で、お米の強度などが下がると、かみごたえのない美味しくないお米になってしまう。
ティファールが目指したのは、一粒一粒が美味しいことより、どちらかというと一塊、口に放り込む単位での美味しさです。昔は、美味しいお米をパクパク食べることを「お米をかきこむ」と表現していましたが、それです。
昔は倉庫に冷房などはなく、夏はすこぶる暑かった。そうすると中の水分が逃げてしまう。このため夏のお米はすごく美味しくない。それが新米に変わると、お米はたっぷり水分を含んでいますので、状況は変わる。お米が美味しいので食べる食べる、同じおかず量で、1.5倍くらい平気で食べていました。新米は、水分が多いので、普段通りに水を入れるとべちょべちょに炊けますが、上手く、特に適度な硬さに炊けた場合は、ものすごく食べられます。
が、今は、そこまでいきません。保存倉庫はエアコンが付けられており、きちんと湿度コントロールがなされています。むしろやばいのは、買われた後、各家庭での取り扱いです。一番いいのは、冷蔵保存。逆に悪いのは、エアコンのない部屋での保存です。私は、冷蔵保存しており、三菱の炊飯器をなんどとなくテストしていますが、水分が足らないと思ったことはありません。ちょっと硬めで、粒だちよく、美味しく炊けます。
さて、ティファールのザ・ライスはどうでしょうか? かなり三菱に似た感じに炊き上がります。そんな感じの炊き上がりです。粒状感を残しながらも、口の中で程度にほぐれます。かみごたえも十分。ただ、60歳を超えた私には、ちょっと硬い。「柔らかめ」にセットして炊くと、まさに「これこれ」という感じに炊き上がります。
ティファールが行ったのは、三菱同様、徹底した火力の増強です。内釜は、鉄系。かなり平たい。底縁は羽釜のように独特の傾斜を持たせています。そして部分的に厚い。要所要所をしっかり詰めている感じです。銘は漢字で「本釜」。どーせなら、フランス語で書いてほしいと思いましたね。
また、フタには独特の工夫がされています。ここに遠赤外線ヒーターが入れてあるのですが、なんとガラスでヒーターが見えるのです。このため内ブタは中央がくり抜かれています。初めての仕様で、ちょっとびっくりしました。
当モデル、高級炊飯器では、安価な方になります。お米に関しては、日本メーカーが一番という人もいますが、このモデル、決して負けていません。キワモノではないです。一番合うのは、歯の丈夫な、若い人でしょうか? お米たっぷり食べますという人の方だととても満足できるモデルだと思います。一度試してほしいです。
参考になった5人
「ザ・ライス RK8808JP」の新着レビュー
レビュータイトル | 満足度 | 投稿日時 |
---|---|---|
![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
2023年1月2日 18:43 |
![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
2022年11月26日 02:07 |
![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
2022年10月19日 18:08 |
炊飯器
(最近3年以内の発売・登録)






新着ピックアップリスト
-
【欲しいものリスト】家電
-
【欲しいものリスト】Panasonic Bistro
-
【欲しいものリスト】これ買うために働きます
-
【欲しいものリスト】自作PC2023
-
【おすすめリスト】PC
(炊飯器)
- コミュニティ規定の内容をご確認の上、ご利用ください
- 評価は投票された方の主観による目安であり、絶対的な評価を保証するものではありません
- 点数はリアルタイム更新です
- ユーザーレビューの使い方、よくある質問 FAQもご参照ください
価格.comマガジン
注目トピックス
