『軽くてパワフルなのに音も静か！シャープの本気を感じる新製品』 シャープ RACTIVE Air POWER EC-SR8-W [ホワイト系] 神野恵美さんのレビュー・評価

[神野恵美]

2022年9月28日 15:14 [1625766-1]

満足度	4

デザイン	5
使いやすさ	5
吸引力・パワー	5
静音性	5
サイズ	5
手入れのしやすさ	4
取り回し	4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

軽くてパワフルなのに音も静か！シャープの本気を感じる新製品

内部構造のカットモデルと「ファンネルサイレンサー」	旧モデル（右）とのヘッドブラシの比較。新モデルの片側は端までブラシが配備	パイプ下が自立するように進化した「スグトル構造」
ネコ砂も問題なく吸い取る吸引力	フロアの隅に巻いた重曹もしっかり吸い取れる	シリーズの他のラインナップとのサイズや外観上のデザインも若干異なっている

シャープのコードレススティッククリーナー「RACTIVE Air」シリーズの2022年モデルフラッグシップ。8月中旬に行われたメーカー主催の発表会でチェックした。

シャープが2016年から展開している、コードレス・スティッククリーナーのシリーズ。初代モデルの発売当初は、吸引力を謳った掃除機が全盛の当時の市場において、パワーよりも圧倒的な軽さと、それによる機動力のよさでインパクトを与え、その後、市場全体が軽量化へシフトしていく布石となったシリーズでもある。その後も毎年進化を続けて、ラインナップの拡充が図られてきたが、新製品は大幅なモデルチェンジとなった。

シャープが新モデルで取り組んだ先進性への挑戦は、"静音化"。"ノイズリダクション設計"と謳い、本体内部に新たなパーツを採り入れた。

その1つが「ファンネルサイレンサー」で、掃除機のおもな騒音源となるモーターを覆う遮音カバーと防振材でモーター音を低減するとともに、ファンネル（円錐）形状の遮音カバーで排気を集約し、格子状の出口で整流することで、排気音を低減する。

もう1つが吸込口に備えた「ダンピングコントロール」。振動源となる吸込口に防振材を配置することで、振動を抑え、駆動音を低減している。

これらの独自の低騒音化構造により、「RACTIVE Air」史上最強の吸引力を維持しつつも、運転時の実感音を従来機比で約36％低減。英国の騒音防止団体が発行する低騒音化技術の証である「QUIET MARK」を、国内の掃除機において初めて取得しているそうだ。

ヘッドブラシも大幅に改良。「端までブラシ」と呼ぶ、吸込口の端までブラシが届く新構造と、壁際などのホコリを掻き取ることのできる回転ブラシにより、部屋の隅の清掃効率がアップしている。

従来から採用されているヘッドブラシを屈まず着脱できる「スグトル構造」も進化している。吸込口にパイプを装着した状態でも自立する構造となり、パイプ下のパーツの着脱も屈まず、ワンタッチで行えるようになり、よりスムーズにハンディ掃除機に切り替えられるようになっている。

ヘッドブラシだけでなく、ダストカップの内部も髪の毛が絡みにくい構造を採用し、ワンタッチでゴミ捨ても行える。着脱可能で、デジカメのように本体とは別に充電できるバッテリー方式など従来から好評の機能もちろん引き続き採用されている。

アタッチメントは、ハンディノズル、すき間ノズル、はたきノズル、ふとんやソファの掃除に便利なコンパクトふとん掃除ヘッドが付属する。スタンド台にはツールをセットしておくことはできないが、すき間ノズルは「ツールホルダー」により、本体パイプ部に常設しておける。

スティッククリーナー全盛の掃除機市場において、パワーや軽さを謳う製品は増えているが、静音化にこれだけ本格的に取り組んだ製品は初めて。今後各社がトレンドを追いかけるかもしれないが、現状では独自性の高い製品と言える。かつ、性能やその他の機能、操作性などどれを取っても優秀で、不満を覚える部分はほとんどない。スタート価格がおよそ10万円というのはさすがにお高いが、市場全体が価格が高騰していることもあり、やむを得ない部分も。