『コンセプトキープで改良した二代目モデル。推せる掃除機に。』 バルミューダ BALMUDA The Cleaner Lite C02A-WH [ホワイト] 多賀一晃さんのレビュー・評価

[多賀一晃]

2022年5月29日 16:07 [1586151-1]

満足度	5

デザイン	5
使いやすさ	5
吸引力・パワー	5
静音性	4
サイズ	5
手入れのしやすさ	5
取り回し	5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

コンセプトキープで改良した二代目モデル。推せる掃除機に。

掃除機正面。スタンド横にツールボックスがある。中にすきまノズル、ハンドルがある。	ヘッドコネクト部。360°どの方向へも対応できるように設計されている。	ヘッド裏側。２つのローラーブラシの回転方向が逆なため、ヘッドが自在に動く。
コンソールはボタン一つだけ。すごく動かし易い。	ハンディ掃除機。ノズルとハンドルを装着したところ。	専用ノズルセット。多種多彩。

2021年4月、「BALMUDA The Cleaner Lite C02A-WH」 のオリジナルモデル、「BALMUDA The Cleaner C01A-WH 」をテストした時、「コンセプトは秀逸。しかし技術が追いついていない残念モデル。」で、総合評価 ☆☆☆ とさせてもらった。重く、大きく、自在に動かせる設計のヘッドですら、重かったからだ。

掃除機の操作、使いやすさは、全体のバランスで決まるので、ある部分だけ良くしても、素晴らしい掃除機にはならないのだ。また、人には扱いやすい重さと言うものがあり、理論的にいいとされても、使いにくいモノになってしまう。C01Aはホバーヘッドを重視しすぎて大きめに作ったため、大きく重く、小回りができないモデルになってしまった。自重のほとんどを床が受けるタイプの掃除機にも関わらず、ヘッドが前後だけでなく、横に自在に動くタイプであるのにも関わらずである。

BALMUDAは、設計を作り直すことは、ほぼしない。一般家電メーカーなら、毎年のようにモデルチェンジを繰り返すことができないこともあるが、設計にはかなりの自信を持っているからだろう。正、それはBALMUDAが思っているだけ、変更なしに売れているのは、扇風機とオーブントースター。双方とも、風、味という明確な目的を持っているので、アプローチしやすい。掃除機の目的は、床面を手早くきれいにすることだが、それに必要な要素が膨大であり、トースターのように、美味しければ許される世界ではない。

このため、多分初めて、コンセプトキープで設計し直したのが、「BALMUDA The Cleaner Lite C02A-WH」。名は体を表すとの喩え通り、「Lite」。軽いことに集約される。

2.2kgまで全体を軽くした上に、ヘッドで自重を支えるタイプなので、実に自在に操ることができる。ワルツのようにくるくるヘッドを回転させることも楽々できる。その位軽い。こうなると、搭載した機能が全部プラスに活きてくる。特にいいのはヘッドの小回りさ加減。掃除機のヘッドは前後運動が基本。しかし、BALMUDA The Cleanerはヘッドが自由に動くのが一つの特徴。C01Aでは、全体が重く扱いにくかったため、その良さがほとんど出てこなかったが、C02Aは違う。自在に操ることができる小ぶりにヘッドが自在に動き込みを吸い取る。パイプ椅子の脚元でも巧みにヘッドを動かし吸い取ることができる。このヘッドの自在さがこのモデルの真骨頂だ。

吸引力も目に見えるレベルでは合格。かなり高レベルに仕上がったと言える。問題視されるのは、ダストボックスの容量だろうか、かなり小さく１回１回、捨てた方がいい感じ。考えてみるとサイクロンは込みを掃除機本体が保持し続ける。となると、毎回込みを捨てる方が利にかなっていると考えるのは、私だけだろうか？　ここは毎回ゴミを捨てるという生活習慣を身につける乗り切りたい。

デザインに煩いBALMUDAは、本体を実にシンプルに設計している。持ち手もなければ、ノイズに対する工夫もいない。このため、本体をハンディ掃除機として使うときは、専用のすきまノズル、ハンディハンドルを付けて使う。このため、この２点のためのツールボックスが設けられている。また専用ノズルセットも実に多彩。「延長ホース」「マイクロノズル」「フラットノズル」「ブラシノズル」「ファブリックノズル」からなるが、収納用の専用バッグも付属する。使わない収納時のことも、実にきちんと考えられている。

前回の総合星３つから、今回は推しの星５つ。モデル修正により、コンセプトが活きた結果だ。