『密閉度を高めた平面磁界タイプ』 Meze Audio LIRIC LIR-BC 鴻池賢三さんのレビュー・評価

[鴻池賢三]

2022年1月21日 10:33 [1541621-1]

満足度	4

デザイン	4
高音の音質	4
低音の音質	4
フィット感	5
外音遮断性	5
音漏れ防止	5
携帯性	4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

密閉度を高めた平面磁界タイプ

装着イメージ	デザインと質感のご参考に	平面磁界ドライバー。見た目にもカッコイイ！

メーカー試聴機（メディア用）をお借りしてのレビューです。
いくつかの据置型DAC内蔵アンプと組み合わせ、ハイレゾ音源で確認しました。

【デザイン】
デザインには好みがあると思いますので、写真などを参考にご判断頂ければと思います。
質感ですが、細部まで作り込まれ、Meze Audioのテイストが感じられるもの。価格相応か否かはユーザーの感覚にもよると思いますが、高級感があります。

【高音の音質】
線がやや細く金属的な雰囲気ですが、フォーカスがビジッと定まった印象。突き抜けるような伸びと空間の広さは特筆に値します。カメラに例えると、明るい単焦点の広角レンズといったところでしょうか。隅々までディテールが濃く、全体として情報量の多いサウンドです。アンプが非力だとドライに感じますが、充分なパワーを与えると艶が出てきます。歪を少なく再生できると、音量を大き目にしてもうるさく感じません。
音質としては、好みで賛否が分かれそうです。温かみよりもクールなサウンドを求める方に好まれると思います。

【低音の音質】
平面磁界タイプは原理上、低音の量感を得にくいとされています。本機は密閉型で、イヤーパッドにもこだわりが感じられますが、これらは、低域の量感を保持するのが目的だと思います。
試聴感ですが、量感は薄めながら漏れが少なく頑張っている印象。何より、解像度が高く、ダイナミック型とは異なった質感表現により、同じ音源でも新しい発見があるのが妙味。ヘッドホンサウンドを追求される方にとって、新しい楽しみを見出せる可能性が有ると思います。

【フィット感】
重量は390gです。軽量ではありませんが、ヘッドバンドの幅が広くクッションも上質で、負担感はそれほど感じません。イヤーパッドは柔らかくボリュームもあり、包み込まれるような快適な装着感です。

【外音遮断性】【音漏れ防止】
密閉性が高く、大音量で鳴らしても漏れは非常に小さいです。
大音量で鳴らすと低域も付いてきますので、そうした使い方を想定しているのかもしれません。

【携帯性】
立派なセミハードケースが付属して、安全に持ち運びできると思います。

【総評】
平面磁界タイプ共通のポイントですが、実力を発揮させるにはパワフルなアンプが必要です。ポータブルプレーヤーとの組み合わせは難しく、ヘッドホンアンプの利用を前提に検討されると良いと思います。
平面磁界タイプのサウンドに興味を持たれ、低域の再現性も考慮した密閉型をお探しの方にとって、注目に値する製品だと思います。