『街乗りベストと言える「地に足の着いた完成度」』 スズキ アルト 2021年モデル 高山正寛さんのレビュー・評価

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高山正寛さん

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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

満足度4
エクステリア4
インテリア4
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地3
燃費4
価格4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

街乗りベストと言える「地に足の着いた完成度」

ストップ&ゴーの多い市街地でこそ、走りの良さやバランスを感じることができます

ホワイト2トーンルーフは4万4000円のオプション。オシャレ演出には“有り”の装備です

他のスズキ車からの流用も目立ちますが、空調吹き出し部の位置はよく考えられています

シートの座り心地は十分なレベル。シートリフターも標準装備されます

ステレオカメラを使った先進運転支援システムは全グレード標準装備されます

荷室は広くありませんが一体可倒式シートを倒せば奥行きは1225mmと大きく拡がります

2021年12月10日に発表された9代目となる新型アルトにかなり遅いタイミングになりましたが、しっかり乗ることができました。

旧型はデザインの好みで評価が分かれた(個人的には気に入っていました)のに対し、新型のデザインはベーシックかつ飽きの来ないもので、室内からの視界も良好です。ボディ前端部の位置も把握しやすくなっている点は旧型より向上した点と言えます。

それでもアルトが提唱する“実用車”としてのコンセプト自体にはブレが全く無く、時代に合わせた環境&安全性能を磨き込み、さらに価格を極力抑えている点は見事と言えます。

昨今流行りの2トーンルーフも設定されていますが、これは好みで選んで良いと思います。当然車両価格も上がりますし、ベーシックカーとしての立ち位置を考えるとこの部分ではなく、他の快適性能などにお金を払った方が賢い部分もあります。それでも登録車からダウンサイズしてきたり、これ1台で日々の生活を完結させたい人には「少し位、オシャレ感出したいよね」って部分もあるはずです。

今回の試乗車は最上位グレードの「ハイブリッドX(FF:125万9500円、本体のみ)」でしたが、価格差には当然装備の違いが反映されます。全体のデザインは共通で後にディーラーで見た下位グレードでも基本は大きな違いはありません。ただ、このグレードのみ「チルトステアリング」が標準装備、また運転席シートリフターもこのグレードと「Lグレード」のアップグレードパッケージにしか設定がありません。ベストなドライビングポジションは安全にも寄与します。後述する先進安全装備を標準装備化することはもちろん大事ですが、原点である基本装備はコストを惜しまずに装備化してほしいと感じました。

インパネを見ると他のスズキ車からのパーツ流用が目立ちますが、それはそれでコストを抑えるという点では肯定できます。良い、と感じたのは空調の吹き出し部がオーディオスペース(ワイド2DIN)の両脇に配置されている点です。最近はカーナビを含めた装備によって吹き出し口があまりにも下過ぎたりすると夏場などはエアコンからの風が腕に当たってしまい、効率が良くありません。もちろん体格による感じ方はありますが筆者的には高く評価しています。

走りに関してはアルトとしては初の「マイルドハイブリッド」を搭載しています。ISGと呼ばれるモーター付きの発電機にリチウムイオンバッテリーを組み合わせることで燃費や走行フィーリングを向上させる狙いはありますが、従来かつ下位モデルに設定されている「エネチャージ」に比べれば、ストップ&ゴーの多い街中などでの滑らかな発進フィーリングなどその差を誰もが感じることができます。

ただハイブリッドとはいえ、あくまでも簡易的(マイルド)ですからフルハイブリッドのようなEVのみの走行も出来ませんし、過剰な期待はしない方が良いでしょう。

カタログスペック上はFF車で2.5km/Lの差がありますが、単純に数値だけでなく前述したフィーリングでもこの差を感じ取れますから、購入時はまずマイルドハイブリッドが候補に挙がってきます。

実燃費としてはエアコンONの状態で市街地メインで21.3km/Lでした。特に燃費を意識した走行はしていませんが、まだまだ燃費自体は伸ばせるかな、という感触があったことはお伝えしておきます。

乗り味に対してはフットワークはイメージしていたより軽快で低燃費タイヤを装着している割にはロールも上手く抑えていると感じました。路面からの突き上げはそれなりにありますが、許容できるものです。ただスズキ車によく感じる加減速時に起きる前後方向のボディの揺れのような感覚は相変わらずです。

あと、ここはどうなのか?というのがステアリングのフィーリングです。当然電動パワステは装着していますが、小回りが利くのにロックtoロックが約4.4回転と昨今のクルマの中ではかなり数値的には大きいです。

運転慣れしていない人が急なステアリング操作を行った時には全体に挙動もゆるいので、それはそれで良いですが、実際街中やスーパーの駐車場などではステアリング操作が多くなってしまうのがどうでしても納得できない部分でもありました。

安全装備に関してはステレオカメラを使った「デュアルカメラブレーキサポート」を全グレードに標準装備します。法制化されたこともあり、当然と言えば当然なのですが、やはり安全装備に関してはグレードによる差を付けるのは言語道断ですし、誤発進抑制機能(後退時も)やリアのパーキングセンサーも日々の生活には欠かせないものと言えます。

またライバル車と想定される「ダイハツ・ミライース」も同様ですが、パーキングブレーキが足踏み式ではなく左腕で引き上げるレバー式を使っている点は隠れた利点と感じました。

興味深かったのはスズキもダイハツも市場調査を行うとこれらのクルマに乗られる方、特に高い年齢層の方が誤動作等を行わないように「確実にブレーキをかける(引く)」ためにはレバー式は理にかなっているとのこと。昨今では軽自動車にもEPB(電動パーキングブレーキ)を装着したモデルも増えてきていますが、実用車とのしてのアルトはコストダウンも含め、この方式が良いと思います。

最後に買いのグレードですが、ナビなどのインフォテインメント系装備を抜きにして考えると、冒頭に述べたようにチルトステアリング付きの「ハイブリッドX」がオススメです。

アルトには前述したエネチャージ搭載の「L(FF:99万8800円」があり、こちらもコスパはかなり高いのですが装備がかなり劣ります。そのために「アップグレードパッケージ」を設定(FF:113万800円)しています、これにより装備はかなり「ハイブリッドX」に近づくとはいえ、当然価格差も小さくなってしまいます。「毎日の足として乗るから先進安全装備がしっかり付いていれば十分」という人には「L」を、そうでない人は「ハイブリッドX」をオススメします。

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アルト 2021年モデル

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