『荒廃した米国で物資を配達する意欲作』 SIE DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT [PS5] 全ての悟りを得た全知全能の神さんのレビュー・評価

[全ての悟りを得た全知全能の神]

2022年9月15日 16:33 [1621702-1]

満足度	4

操作性	5
グラフィック	5
サウンド	5
熱中度	5
継続性	5
ゲームバランス	4

荒廃した米国で物資を配達する意欲作

MGSでお馴染みの小島監督独立後の初作品。
米国俳優ノーマン・リーダスが演じる主人公サムを操作して、荒廃したアメリカを
徒歩や乗り物で物資を配達する。岩や急斜面、川などの進行を阻害する因子を
橋や梯子を建設したり、身体機能を拡張する装備で難所を乗り越えていく。
煩雑な移動は、ファストトラベルで済ませてきた従来のオープンワールド作品とは
対照的に、移動に重点を置いた画期的な作風で依存性もある。センサーの
オドラデクで足元の安全度を青・黄・赤でリアルタイムに提示できるのは
素晴らしい。更に、他のプレイヤーが自分が建てた看板や建設物を利用すると
「いいね」が自動的に得られるシステムも面白い。監督によると、低評価の
ダメねは意図的にシステムに入れなかった。本作のテーマである繋がりを
体現するシステムによって、人が持つ他者承認欲求を喚起する事に
成功している。プレイ中、ここに建てたら役に立つだろうと他人を配慮する
意識が常在して、物資配達と調和の取れたゲームデザインとなっている。
BTとの戦闘は緊張感があり、ボス戦ではゲーマーなら笑える小ネタが多く
含有されている。ストーリーはサムが米国中を訪ね歩いてカイラル通信を
繋ぎながら進行していく。序盤から終盤まで複雑な専門用語で捲し
立てていくので理解は難しく興味も湧かない。グラフィックは
デシマエンジン製作で非常に美しく、山の遠景描写や岩肌の質感に
キャラクターの表情がリアルに作り込まれている。