『ヤバイくらいに軽くて小回り抜群の日立の軽量スティック新製品』 日立 ラクかるスティック PV-BL2H 神野恵美さんのレビュー・評価

[神野恵美]

2020年12月30日 15:43 [1403817-1]

満足度	4

デザイン	4
使いやすさ	5
吸引力・パワー	4
静音性	4
サイズ	5
手入れのしやすさ	4
取り回し	5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ヤバイくらいに軽くて小回り抜群の日立の軽量スティック新製品

2018年発売の日立「パワーブーストサイクロン」（左）のヘッドとの比較	かなりコンパクトなヘッドで狭いすき間や家具の足元も小回りよく掃除できる	ヘッド裏面
交換パーツ一式。ハンディブラシは本体に常設可能で、パイプを外すだけですぐに使える	ストレートに配置されたダストケースはハンディ時は若干邪魔になってしまうことも	溜まったゴミはかなり圧縮され、髪の毛が円筒部分に絡みにくいのが◎

日立のコードレススティッククリーナー・軽量タイプの2020年新製品。メーカーより実機をお借りして家庭で試用。

日立のコードレススティッククリーナーは、吸引力優勢の「パワーブーストサイクロン」と重量優勢の「ラクかるスティック」の2シリーズに大別されるが、本製品は後者の新製品で上位モデル。下位モデルの「PV-BL1H」とは、本体性能は同じだが、カラーと機能が一部異なる。上位モデルである本製品は、ヘッドにLEDライトを搭載し、"シンクロフラップ"というヘッドの押し引きに合わせて後ろのフラップが同期して開閉する機構を採用し、ヘッド内の圧力を調整してヘッドが床にはりつくのを抑えるので取り回しがよく、引く動作の際にもゴミを吸い取れるのが特長だ。

新開発「ハイパワー3Dファンモーター」と、「トポロジー最適化」と呼ばれる、自動車の部品などの軽量化にも採用されている設計技術により、標準質量1.1キロを実現しながら、強力な吸力を両立させた。ちなみに、2019年2月発売の初代モデルは1.4キロ、2020年2月発売の2代目は1.3キロで、今回の1.1キロという軽さは箱から出した瞬間からその違いをすぐに実感できる。

個人的にそれ以上に好印象なのは、ヘッドの改良だ。「パワフル スマートヘッドlight」と呼ぶ新設計のヘッドは、横幅は約23センチで、縦幅が約7.5センチから6センチへと1.5センチもスマートになっており、小回りのよさは圧倒的。このコンパクトでスマートなヘッドに自走性やLEDの搭載、前述のシンクロフラップ機構まで盛り込んでいるのは、素直に感心してしまった。

本体の掃除性能に関しては、申し分はないと思う。フローリング中心の生活で、ペットなどの長い毛を吸い込む必要がなければ、十分すぎる性能だ。

一方、少々気になったのはダストケース。シームレスなデザインを実現するために、本体とまっすぐに配列されているのは見た目にとても美しいが、延長パイプを外してハンディとして使用する際には、下側の家具などに当たってしまいやすい角度で、本体の角度を縦にして使う必要があり、掃除する箇所によっては使いにくいことがある。

しかし、"からまんプレス構造"と名付けられた内部の構造は、空気の流れを利用してダストケース下部に集めたごみをしっかり圧縮でき、内筒部分のフィルターに髪の毛などが絡まりにくく、お手入れも快適。

ハンディ用の付属品は、すき間用吸口、ハンディブラシ、ほうきブラシの3点。どれも使い勝手のいいものだが、本体に常設しておけるハンディブラシは、延長パイプを外すだけで使えるので特に使い勝手がいい。欲を言うと、せっかく本体の重量が軽くなったので、高いところの掃除もしやすくなったことを活かせる交換パーツがあるとより使い勝手が広がりそう。スタンドは、足元に付属ツールをセットおける仕様に変わった。本体と一緒に収納しておけるので紛失しにくく、サッと使えるが、リビングなどに出しっぱなしにしておく場合には生活感が出てしまうので、よりスタイリッシュに収納できるようになるとありがたい。

また、使用時は毎回コードを抜き差しする必要があり、忘れてしまいがちなので、「パワーブーストサイクロン」と同様に、セットするだけでシームレスに充電できる仕様だとより使い勝手がいいので、今後の改良に期待したい。

「もう少しこうだったらいいな」というところはあるものの、いずれも細かい部分に過ぎず、小回りと軽快さ、ゴミ除去能力の高さという点で市場においては優秀な掃除機であることには違いない。掃除機の本質性能という点では不満を覚えることはほとんどないと思う。