『弟モデルに対して圧倒的高音質、リアルさを持つサウンド』 final A4000 FI-A4DPLDN 野村ケンジさんのレビュー・評価

[野村ケンジ]

2023年3月31日 23:59 [1698819-1]

満足度	5

デザイン	5
高音の音質	4
低音の音質	4
フィット感	5
外音遮断性	4
音漏れ防止	4
携帯性	4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

弟モデルに対して圧倒的高音質、リアルさを持つサウンド

フィット感の高い筐体。カラーはマッド調のネイビー	シリコンケースが付属。イヤーピースは自社製で5サイズ同梱されている	2pin着脱式ケーブルは柔らかで扱い易い

メーカーからAシリーズ有線イヤホン３製品をお借りしましたので、これをいい機会にと聴き比べてみました。プレーヤーはA&ultima SP3000をメインに使用し、USB DACアンプのQuestyle「M15」でもちらっと確認してみました。試聴はハイレゾ音源メインです。

【デザイン】
フラッグシップモデル「A8000」は金属製筐体ですが、こちらは樹脂。マッド調ということもあってシックな印象です。ただし、A3000のようなブラックではなくネイビーに菜食されているので、寄り上品な印象です。いっぽう、ケーブルは価格相応、ごくごく普通な太さと外観ですが、豪華な見た目のケーブル部付属するイヤホンが増えた昨今ではやや頼りなく見えるかもしれません。いっぽうで、柔らかく取り回しがよいため、扱い易さについてはなかなか好印象でした。

【高音の音質】
A3000と共通するクッキリハッキリした表現ですが、音のダイレクトさ、高域の伸びやかさ、分離感のよさ、音数の多さなど全ての面においてクオリティアップしています。また、フロントラインの距離感が近く、ギターやヴァイオリンの演奏も印象的で聴き応えがあります。女性ヴォーカルもエネルギッシュで闊達な、とても魅力的な表現に生まれ変わっています。ずっとと聴いていたくなる、魅力的な音です。

【低音の音質】
量感は充分、A3000寄りも増えていますが、それよりも塊感、エネルギー感の高さが好ましく、より迫力のあるサウンドに生まれ変わりました。

【フィット感】
ノズル部分のみに頼らず全体で支えるAシリーズならではの構造によって、良好な装着感を持ち合わせています。耳掛け型タイプということもあり、フィット感については大満足です。イヤーピースが5サイズ付属していることも嬉しいポイントです。

【外音遮性】
カナル型ということもありますが、なかなか良好だと思います。

【音漏れ防止】
音漏れは特に気になりませんでした。

【携帯性】
ケーブルが細く柔軟なためコンパクトに纏まってくれ、持ち運びはし易いです。付属のシリコン製ケースを使うことで手軽に持ち運びできます。

【総評】
A3000単体を聴いていると“これなかなかいいじゃないか”と思いますが、A4000ならではの音質のよさによって、圧倒的に音楽が魅力的になってくれます。Eシリーズを引きづらない、フラッグシップモデルA8000のハイコスパモデルといった位置づけの製品となっています。そのため、抑揚表現は幅広く、音色も多彩。クラシックなどでは表現力に圧倒的な差が生まれていますが、Jポップやアニソンでも良好な相性を見せてくれますので、どうせ買うならA4000のほうを、と思ってしまいます。ながら聴きや小音量で楽しみたい人、高域は抑えめのほうがいい人はA3000も悪くない選択肢ですが、この価格でこの音を楽しめるのは希有。とても良好なコストパフォーマンスだと思います。