『ダウンファイヤリング方式で低音を室内に放出する』 パイオニア TS-WX400DA 石田 功さんのレビュー・評価

[石田 功]

2022年12月2日 17:25 [1653804-1]

満足度	4

デザイン	4
音質	4
設置しやすさ	4
音のバランス	無評価

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ダウンファイヤリング方式で低音を室内に放出する

幅30cm、奥行き20cm、高さ10cmのコンパクトサイズ	ダウンファイヤリング方式で底面から低音を放出する

サイバーナビ2022年モデルのデモカー、RAV4を借りたら、パワードサブウーファーのTS-WX400DAも搭載されていたので報告しておきます。

このサブウーファーは幅30cm奥行き20cmのコンパクトサイズ。高さも10cmなので、RAV4なら助手席のシート下に設置できます。今回のデモカーは助手席のシート下に固定もせずにただ置いただけの状態でした。

この中に24cm×14cmの振動板を使ったウーファーユニットと最大出力250Wのパワーアンプが内蔵されていて、密閉型のエンクロージャーに組み込まれています。ダウンファイフャリング方式といって、下向きに搭載されたスピーカーの音が床を伝わって車内全体に広がる方式なので、効率的に量感ある低音を再生できます。上向きにユニットを搭載している時よりも最大でプラス4dBの音圧を稼ぎ出しているそうです。

その効果もあって、RAV4クラスならば、十分な低音を室内に満たしてくれます。もちろん大口径のサブウーファーに比べると音圧は出ませんし、ローエンドまでしっかり再生できるというわけではありませんが、ベースの音はフォローしているしバスドラムの重さもでます。そして中低域に厚みが増すので、音楽そのものに迫力が加わります。ヘッドユニットの内蔵アンプでフロントスピーカーを鳴らすシステムに加えるのなら、十分すぎるほどの低音です。

おそらく助手席下に置いているという設置場所にも効果があるんでしょう。これがラゲッジルームへの設置だと、低音は少し弱いなと感じるかもしれません。リスナーに近い位置に置いているからこその十分な低音であり、それが可能なコンパクトさだからこそ、この良さが生きているんだと思います。

固定をせずに置いただけなのに十分な低音を再生していましたが、スピーカー、とくに低音に関しては固定強度が重要なので、下に固定用の板を敷いてそれにTS-WX400DAをがっちりと固定すると低音の解像度はより高まると想像できます。下に板を敷くことで、プレッシャーボードの代わりになり、低音がより広がりやすくなるからです。

DSPを使ったデジタルEQも搭載していて、ワイヤードリモコンにより低音の周波数特性をDEEPとDYNAMICの2通りに切り替えられるのも特徴です。DEEPの場合はフラット気味で深みのある低音、DYNAMICは80?100Hzあたりを強調したインパクトのある低音です。DEEPはジャズやクラシック等を聴く時によく、DYNAMICはロック系に似合う印象です。

僕は、助手席足元に置けるTS-WX010Aというモデルを使っていますが、それよりも量感があり質の高い低音が楽しめます。このTS-WX400DAをシート下に置けるクルマにお乗りであれば、検討する価値はあるでしょう。