『ウォークマンとしての原点回帰か』 SONY NW-ZX300 (B) [64GB ブラック] デジタル一筋さんのレビュー・評価

[デジタル一筋]

2022年12月30日 09:06 [1663342-1]

満足度	5

デザイン	5
携帯性	5
バッテリ	4
音質	5
操作性	5
付属ソフト	3
拡張性	5

ウォークマンとしての原点回帰か

【デザイン】
　正面から眺めると縦長の長方形、断面は長円形という、いたってシンプルかつオーソドックスなデザイン。購入したのはシルバーモデルですが、光沢をやや抑えたザラザラした仕上げで、製品画像を見るとブラックの方が高級感がありそうですが、シルバーモデルのカジュアルな雰囲気も悪くないと思います。
液晶パネル右下にさりげなくあしらわれたウォークマンロゴも良い感じ。上下断面部分はアルミ切削のヘアライン仕上げで上質感を演出。背面は滑り止めのラバーが貼られ全体として値段相応の質感の高さは感じられます。
ただし、デザインそのものは平凡なため、WM1Aのような存在感はありません。

【携帯性】
　WM1A比では当然圧勝です。
購入の目的の一つがここですので、この点は大満足。

【バッテリ】
　中古という点を割り引いてもWM1Aほどは持たない印象です。
とはいえ長時間の汽車旅でも２泊３日程度なら、充電は全く不要でしたので不満はありません。

【音質】
　アンバランス接続でオーディオテクニカATH-MSR7SE、バランス接続で同社ATH-ESW950（HDC114Aにリケーブル）にて聴いていますが、アンバランス接続ではすでに所有していたNW-A55がエントリー機の割に高性能ということもあってか、それほどの音質差は感じられませんでした。
バランス接続では直接の比較はできない(A55は3.5mm端子のみ）ものの、ぱっと聴いただけで音像の確かさ、楽器のアタック感の強さの向上が感じられ、上位機種としての面目は保った感じです。
ただ、さらに上級機のWM1Aとは思った以上に音質差があると感じられました。（音が鳴った直後の感じや音場の広さ、全体的な立体感等）

【操作性】
　メモリータイプウォークマン共通のGUIなので同シリーズユーザーは困らないでしょう。
新たに採用されたマットガラスのパネルカバーは、メーカーの説明通り操作性・触感ともに良好です。

【付属ソフト】
　個人的にはかつてのMedia Goの方が使いやすかった気がしますが、まあ不満は無いです。

【拡張性】
　保護ガラス・フィルム、ストラップ、ケースなどは社外品も含めると豊富にあります。
WM1Aにも使用していた純正本革ケースは質感が高く、上開きで使いにくかったWM1A用とは違って横開きで良さそうなのですが、新品ではもう入手できないようです。

【総評】
　いわゆる「おうち時間」の増加で、ここ数年オーディオにいくらか投資し、WM1A,MDR-Z7m2（他にもUSB DACやヤマハ製パワードスピーカー等）を愛用していました。
音質や筐体の質感には惚れ惚れしましたが、いかんせん大きく重く、屋外へ持ち出す気にはならない代物でした。
据え置きなら同程度の音質でもより安価なもの（ZEN DAC等）がありますし、音質と携帯性のバランスを期待して、本機ZX300を購入しました。
新品はAmazonなどでも入手可能でしたが、発売当初よりも高値だったため、ちょくちょく利用しているフジヤエービックにて「美品、付属品完備」という物件を3万円弱で購入。
結果的に全く傷の見当たらない、新品同様の個体が半額以下で入手でき満足です。
携帯性はAシリーズ並みと言っても過言ではなく、バランス接続では上位機ならではの高音質とあって有意義な買い物だったと実感できました。
ただ、やはりというべきか絶対的な音質ではWM1Aには及ばず、その差も思ったよりは大きかったというのが率直な感想です。
また、WM1Aの独特な形状は存在感抜群で、細部の仕上げもさすが高級機という感じでしたが、本機はそこまでの特別感はなく「Aシリーズの高級版」といった印象です。
とは言え騒音飛び交う旅先での使用条件下ではこの程度の音質でも十分満足ですし、ポケットに入れて持ち歩く気にはなれないWM1Aと直接比較するのも意味がないとも思えます。
そもそも「音楽を持ち出す」というのがウォークマンの源流であるとすれば、音質と筐体の質感・携帯性を高次元で両立した本機こそが正統進化形であるとも思え、正しい買い物であったと個人的には結論付けました。

余談ですが、完全ワイヤレスイヤホンのBEOPLAY　EQも連れて行きましたが、接続が途切れることもなく、自宅同様に終始安定して高音質が楽しめたことも追記しておきます。

ジャンル

クラシック・オペラ

ロック

その他