『ボーカルが引き立つ重低音サウンド』 オーディオテクニカ SOLID BASS ATH-CKS990BT 鴻池賢三さんのレビュー・評価

[鴻池賢三]

2017年5月26日 14:50 [1031759-1]

満足度	4

デザイン	4
高音の音質	3
低音の音質	4
フィット感	4
外音遮断性	4
音漏れ防止	4
携帯性	4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ボーカルが引き立つ重低音サウンド

デザインのご参考に	デザインと質感のご参考に。	操作部はネックバンド前方の内側に集約

メーカーからサンプル機（メディア用）をお借りしてのレビューです。
iPhone7と組み合わせて確認しました。

【デザイン】
デザインには好みがあると思いますので、写真などを参考にご判断頂ければと思います。
操作部はネックバンドの前方の内側に集約され、外観をスッキリ見せる効果があります。
本体部（耳に装着する部分）には金属パーツが使用され、質感は価格に見合う良好なものです。

【高音の音質】
基本、音楽の鑑賞に適する高音質です。
傾向としては、ATH-CKS550BTに比べると解像度が高く、キラキラ感が楽しめる反面、わずかですが子音の刺さりを感じます。
マイルドな高域ならATH-CKS550BT、解像感を求めるなら本機、という選び方でも良いでしょう。

【低音の音質】
重低音サウンドを謳いつつも、バランスを考えた上品な低音です。
音源に含まれていない低域を作り出したり、無理に強調するような派手さはありません。
楽曲によっては、「これって重低音サウンド？」と感じるケースがあると思いますが、音源にしっかり低域が収録されている場合は、ディープな重低音が楽しめます。
高域のキラキラ感を抑えようと音量を小さく設定すると、相対的に低域も痩せてしまいます。
本機が本領を発揮するのは、しっかりエージングをして高域が落ち着いた後でしょう。少し大きめの音量なら、より大迫力で楽しめるはずです。

【フィット感】
ネックハンド部にバッテリーなど重量物を搭載。本体部は軽量で、装着による負担感は皆無です。
イヤーピースは2ポジション（深さが2段階から選べる）で、当方の場合、浅め（イヤーピースがより耳穴の奥）で、高いフィット感が得られました。低域の量感にも関わりますので、試聴時はご注意を。
イヤーピースは4サイズ付属していています。

【外音遮断性】【音漏れ防止】
カナル型としては一般的な範疇です。
イヤーピースのサイズとポジションを最適化すると、より高い遮音性能を引き出すことができます。

【携帯性】
ネックバンドタイプでポケットへの収納はやや不利ですが、首に巻いておくことができます。
用途や好みで評価は分かれそうです。

【総評】
イヤーチップのサイズとポジションで、遮音性と低音の量感に少なく無い違いが現れ、相対的に高域の聞こえ方や全体の印象も変わります。試聴時は、フィッティングにご注意を。
高域と低域の話しが中心になりましたが、本機の基本音質性能は高く、ボーカルが肉厚でテクスチャも感じられ、気持ち良く聴けるのは何よりです。ボーカルものであれば、アーティストをより近く感じられるでしょう。
価格はお安くありませんが、音質重視の方に試聴をお勧めしたい製品です。