『見るからにジープだが走りのフィールはフィアット風』 ジープ レネゲード 2015年モデル 松下宏さんのレビュー・評価

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『見るからにジープだが走りのフィールはフィアット風』 松下宏さん のレビュー・評価

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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

満足度3
エクステリア4
インテリア3
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地3
燃費2
価格3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

見るからにジープだが走りのフィールはフィアット風

ジープ・レネゲードはこれまでのジープとは少し違ったジープである。現在ジープブランドはフィアットとクライスラーが合併したFCAの傘下にあり、その中でフィアットとジープの共同開発したとして作られたクルマだからだ。

基本プラットホームはフィアットがGMと提携していた時代に開発されたもので、それをベースにレネゲードとフィアットの500Xが作られた。パワートレーンはフィアット系のものが使われ、生産工場も南イタリアにあるフィアット系の工場である。アメリカ以外で生産される初めてのジープ車になったのがレネゲードだ。

レネゲードにはFCAジャパンが湘南Tサイドで開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはFFのリミテッドと4WDのトレイルホークの2台だ。

フィアットとジープが共同開発といっても基本メカニズムの部分は大半がフィアット系によるものだ。そのまま姉妹車にしてしまったのではジープらしさが損なわれるため、デザインに関しては全く別に開発が進められ、ジープはアメリカでデザインされている。

結果として、日本ではSUVとして定着しているジープブランドのレネゲードが良く売れ、フィアット500Xは販売面で苦戦している状態だ。

アメリカでデザインされただけに、外観はひと目でジープと分かるものとなった。フロントグリルの7本の縦スリットと丸型ヘッドライトというジープお決まりのデザインにより、レネゲードは見紛うこともないジープである。

外観に比べると内装はフィアット系の印象が強く、ジープというよりちょっとポップな感覚が表現されている。またジープのエントリーモデルということもあって、インテリア回りの質感などは特に高いとはいえない。シートはサイズもたっぷりでホールド性にも優れていて、それなりに満足のできるものだった。

全長は4255mm(リミテッド)とさして長くないのだが、全幅は1805mmと日本では使いにくいサイズのワイドボディである。全高はSUVらしく1695mmの高さがあり、最低地上高はFFのリミテッドでも170mmが確保されている。全幅の割に最小回転半径は5.5mなので、実用上は問題がないといえる。

リミテッドに搭載されるのは直列4気筒1.4Lのマルチエア16バルブインタークーラー付きターボだ。パワー&トルクは103kW/230N・mで、まずまずの数値を得ている。SUVボディはちょっと重くてFFのリミテッドでも1430kg達するので、もう少しパワフルなエンジンが欲しいところだが、絶対的なパワーが不足しているわけではない。トルクはそれなりに確保されているので、パワーの伸びではなくトルクの余裕で走るクルマである。

ただ、吹き上がりはスムーズさに欠け、やや鈍重なイメージもあった。特に発進加速などではやや強めにアクセルを踏み込んでも、すぐに反応せずにじんわりと吹き上がっていく感じである。加速に乗ってしまえば良いが、そうなるまでに物足りなさが感じられた。

トランスミッションは6速の乾式DCT。フィアット系ではアルファロメオのジュリエッタから採用が始まったものだが、ジュリエッタのときに感じられた ギクシャク感はかなり改善されていて、違和感のない変速フィールを実現していた。

乗り心地はやや硬めでしっかりした印象。弾性に飛んだ硬いゴムの塊の上に乗っているような感覚があった。決して乗り心地が良いとはいえないが、ふらついた感じを与えることのない足回りだった。FFのリミテッドでは特に、フィアット風の走りのフィールが感じられた。


トレイルホークに搭載されるのは直列4気筒2.4L自然吸気のタイガーシャークエンジンで、129kW/230N・mのパワー&トルクを発生する。排気量の違いからパワーには明確な違いがあるが、トルクに関してはターボと自然吸気の違いが排気量の差を相殺し、同じ230N・mのトルクを得ている。

こちらは動力性能に余裕があり、滑らかかつ余裕の走りが得られる。吹き上がりのスムーズさもこちらのほうが良い印象である。組み合わされるトランスミッションも9速ATであるため、ショックの少ない滑らかな変速が可能だ。ただ、日本の道路では8速や9速にはなかなか入らないのが難点である。普通に走っていると、時速100kmのクルージングでは7速が使われている。

足回りは最低地上高が200mmと高くなるのに合わせ、リミテッドよりもさらに硬めに味付けられている。それによってコーナーでのふらつきを抑えて安定感のある走りにしている。地上高による不利は完全には解消できていないが、大きく不満を感じるようなレベルでもない。

レネゲードには、デビューした当初にはオープニングエディション、その後はロンジチュードというFFのエントリーモデルが用意されていて、これには300万円を切る価格が設定されている。ただ、装備などを考えると320万円弱のリミテッドのほうが買い得な印象もある。

さらにジープブランドのレネゲードを選ぶなら、やはり4WDのトレイルホークが良いのではないかと思う。トレイルホークは350万円弱になるが、エンジンと駆動方式の違いを考えたら、リミテッドよりも魅力的に思えるからだ。

現実の問題としては、価格的に手頃なロンジチュードやリミテッドのほうが良く売れるだろう。また最近はジープブランドでもFF車を選ぶ人が増えている。これはチェロキーなどでも顕著である。ただ、それでも、ジープなら4WDと考えるのが自然ではないか。


なお、レネゲードは随所に隠しキャラがデザインされていて、これを探すのもけっこう楽しい。また先進緊急ブレーキは設定がなく衝突警報のみの設定だが、電気式パーキングブレーキなど、最新の装備も用意されている。

レビュー対象車
試乗

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満足度3
エクステリア4
インテリア3
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地3
燃費2
価格3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

見るからにジープだが走りのフィールはフィアット風

ジープ・レネゲードはこれまでのジープとは少し違ったジープである。現在ジープブランドはフィアットとクライスラーが合併したFCAの傘下にあり、その中でフィアットとジープの共同開発したとして作られたクルマだからだ。

基本プラットホームはフィアットがGMと提携していた時代に開発されたもので、それをベースにレネゲードとフィアットの500Xが作られた。パワートレーンはフィアット系のものが使われ、生産工場も南イタリアにあるフィアット系の工場である。アメリカ以外で生産される初めてのジープ車になったのがレネゲードだ。

レネゲードにはFCAジャパンが湘南Tサイドで開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはFFのリミテッドと4WDのトレイルホークの2台だ。

フィアットとジープが共同開発といっても基本メカニズムの部分は大半がフィアット系によるものだ。そのまま姉妹車にしてしまったのではジープらしさが損なわれるため、デザインに関しては全く別に開発が進められ、ジープはアメリカでデザインされている。

結果として、日本ではSUVとして定着しているジープブランドのレネゲードが良く売れ、フィアット500Xは販売面で苦戦している状態だ。

アメリカでデザインされただけに、外観はひと目でジープと分かるものとなった。フロントグリルの7本の縦スリットと丸型ヘッドライトというジープお決まりのデザインにより、見紛うこともないジープである。

外観に比べると内装はフィアット系の印象が強く、ジープというよりちょっとポップな感覚が表現されている。またジープのエントリーモデルということもあって、インテリア回りの質感などは特に高いとはいえない。シートはサイズもたっぷりでホールド性にも優れていて、それなりに満足のできるものだった。

全長は4255mm(リミテッド)とさして長くないのだが、全幅は1805mmと日本では使いにくいサイズのワイドボディである。全高はSUVらしく1695mmの高さがあり、最低地上高はFFのリミテッドでも170mmが確保されている。全幅の割に最小回転半径は5.5mなので、実用上は問題がないといえる。

リミテッドに搭載されるのは直列4気筒1.4Lのマルチエア16バルブインタークーラー付きターボだ。パワー&トルクは103kW/230N・mで、まずまずの数値を得ている。SUVボディはちょっと重くてFFのリミテッドでも1430kmに達するので、もう少しパワフルなエンジンが欲しいところだが、絶対的なパワーが不足しているわけではない。トルクはそれなりに確保されているので、パワーの伸びではなくトルクの余裕で走るクルマである。

ただ、吹き上がりはスムーズさに欠け、やや鈍重なイメージもあった。特に発進加速などではやや強めにアクセルを踏み込んでも、すぐに反応せずにじんわりと吹き上がっていく感じである。加速に乗ってしまえば良いが、そうなるまでに物足りなさが感じられた。

トランスミッションは6速の乾式DCT。フィアット系ではアルファロメオのジュリエッタから採用が始まったものだが、ジュリエッタのときに感じられた ギクシャク感はかなり改善されていて、違和感のない変速フィールを実現していた。

乗り心地はやや硬めでしっかりした印象。弾性に飛んだ硬いゴムの塊の上に乗っているような感覚があった。決して乗り心地が良いとはいえないが、ふらついた感じを与えることのない足回りだった。FFのリミテッドでは特に、フィアット風の走りのフィールが感じられた。


トレイルホークに搭載されるのは直列4気筒2.4L自然吸気のタイガーシャークエンジンで、129kW/230N・mのパワー&トルクを発生する。排気量の違いからパワーには明確な違いがあるが、トルクに関してはターボと自然吸気の違いが排気量の差を相殺し、同じ230N・mのトルクを得ている。

こちらは動力性能に余裕があり、滑らかかつ余裕の走りが得られる。吹き上がりのスムーズさもこちらのほうが良い印象である。組み合わされるトランスミッションも9速ATであるため、ショックの少ない滑らかな変速が可能だ。ただ、日本の道路では8速や9速にはなかなか入らないのが難点である。普通に走っていると、時速100kmのクルージングでは7速が使われている。

足回りは最低地上高が200mmと高くなるのに合わせ、リミテッドよりもさらに硬めに味付けられている。それによってコーナーでのふらつきを抑えて安定感のある走りにしている。地上高による不利は完全には解消できていないが、大きく不満を感じるようなレベルでもない。

レネゲードには、デビューした当初にはオープニングエディション、その後はロンジチュードというFFのエントリーモデルが用意されていて、これには300万円を切る価格が設定されている。ただ、装備などを考えると320万円弱のリミテッドのほうが買い得な印象もある。

さらにジープブランドのレネゲードを選ぶなら、やはり4WDのトレイルホークが良いのではないかと思う。トレイルホークは350万円弱になるが、エンジンと駆動方式の違いを考えたら、リミテッドよりも魅力的に思えるからだ。

現実の問題としては、価格的に手頃なロンジチュードやリミテッドのほうが良く売れるだろう。また最近はジープブランドでもFF車を選ぶ人が増えている。これはチェロキーなどでも顕著である。ただ、それでも、ジープなら4WDと考えるのが自然ではないか。


なお、レネゲードは随所に隠しキャラがデザインされていて、これを探すのもけっこう楽しい。また先進緊急ブレーキは設定がなく衝突警報のみの設定だが、電気式パーキングブレーキなど、最新の装備も用意されている。

レビュー対象車
試乗

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レネゲード 2015年モデルのレビューを見る(レビュアー数:7人)

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レネゲード
ジープ

レネゲード

新車価格帯:279〜376万円

中古車価格帯:158〜357万円

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