『豪快な走りとサウンドの本格的なスポーツモデル』 ジャガー Fタイプ クーペ 2014年モデル 松下宏さんのレビュー・評価

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松下宏さん

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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

満足度4
エクステリア5
インテリア4
エンジン性能5
走行性能4
乗り心地3
燃費1
価格2

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

豪快な走りとサウンドの本格的なスポーツモデル

ジャガーの本格的なスポーツモデルであるFタイプは、2013年に先にコンバーチブルが登場し、2014年になってクーペが登場した。普通なら、クーペを先に作って後からコンバーチブルを投入するものだが、ジャガーFタイプでは異なるアプローチがとられた。

ジャガーFタイプクーペには、ジャガー・ランドローバー・ジャパンが福島県で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗したのはV型8気筒5.0Lのスーパーチャージャー仕様エンジンを搭載したFタイプ Rと、3.0Lのスーパーチャージャー仕様エンジンを搭載したFタイプ Sの2車種だ。

改めてジャガーFタイプを見ると、いかにもスポーツカーらしくてカッコ良いクルマだと思う。デザインについては個人的な好みで好き嫌いが大きく左右されるが、これくらいに素直にスポーツカーとして仕上げられたクルマは、誰がみてもカッコ良いと思うのではないか。

特にU字型のウインドーが設けられたリヤビューは、コンバーチブルにはないカッコ良さが表現されている。リヤのハッチゲートの後端の部分は車速に応じて立ち上がるスポイラーとなっている。

ただ、広い全幅と大きなドアによって狭い駐車場では乗り降りするのが大変。自宅に広い駐車場があり、狭い駐車場しかないような施設は利用しないような人が乗るクルマだと割り切って考えるしかない。

最初に試乗したのがFタイプ Rだった。2名乗車の室内空間はタイトなコクピット空間が作られている。シートの後ろに少しばかりのスペースはあるが、基本的には手荷物を置くのに困るくらいにタイトなコクピットである。このあたりも本格的なスポーツカーはこのようなものと割り切って考えるべきなのだろう。

運転席に座ってシートベルトを締め、センターコンソールに設けられたスタートボタンを押すと、ブォンと軽く空吹かしが入る。さあ走ろうという気持ちにさせるサウンドだ。

Fタイプ Rの走りは豪快そのものだ。今回の試乗コースは福島県の山の中で、信号などはほとんどなく、また道幅も比較的広い道路が選ばれていたので、とても気持ち良く走らせることかできた。

405kW(550ps)/680N・mの動力性能は、Fタイプのボディに対して余裕十分というか、あり余る余裕を持つもので、速さが相当なものというか、アクセルを踏み込んだときの後ろから押されるような加速感が凄い。なかなか味わうことのできない動力性能である。

足回りはけっこう硬めでスポーツカーらしい乗り味だが、その割にコーナーでは一定程度にロールしてしなやかに曲がっていく感じがある。このあたりの味付けもなかなか見事だ。

それ以上に印象的だったのは爆音だ。普通に走らせていても物凄い爆音を聞かせるので、これが山の中の試乗コースを選んだのかと思った。しかもFタイプ Rではコンソールに設けられたスイッチを押すと、さらに大きな爆音を響かせる。その昔に流行った“直管”という言葉を思い出させるほどの爆音である。

たとえば東京都内の一般道を、この爆音を響かせながら走るのは相当な勇気が必要だ。はっきり言って私にはその自信がない。

もう1台のFタイプ Sも相当な実力だ。動力性能は280kW(380ps)/460N・mで、しかも最大トルクを3500回転から5000回転という幅広い回転数域で発生する。Fタイプ Rには及ばないものの、一般道を走る範囲ではこちらも十分な動力性能といっていい。

Fタイプ Rにも共通する話だが、クーペはクローズドボディとなるためボディの剛性感がコンバーチブルを上回っている。オープンエアの爽快感はなくなるが、しっかりしたボディに包まれている安心感が得られるのがクーペの良いところだ。

交通量が多い日本では、コンバーチブルの爽快感を味わえるシーンがそう多くはない。一般的にはクーペのほうが魅力的といえるのではないか。

またジャガーFタイプには比較的割安な価格が設定されている。ポルシェなどの競合車を意識してそれよりも安い価格が設定されているからだ。超高級スポーツカーながら、意外なリアリティも持っている。

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