『サソリの毒を注入された「500」 アバルト「500C」』 フィアット アバルト 500C 2010年モデル 外川 信太郎さんのレビュー・評価

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『サソリの毒を注入された「500」 アバルト「500C」』 外川 信太郎さん のレビュー・評価

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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動などを経…続きを読む

満足度4
エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地3
燃費4
価格3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

サソリの毒を注入された「500」 アバルト「500C」

1625mmとベースモデルと同サイズ。

2トンカラーは、「ピコローレ」と呼ばれる。

アバルト専用のエキゾーストエンドが左右に配される。

195/45R16のタイヤ&ホイールも専用品。

「フェラーリ」や「マセラティ」のような縮緬塗装が施される。

インテリアも「アバルト」専用品が多数。

【アバルトとは?】

1950年代から1970年初頭にかけてモータースポーツで活躍した「アバルト」。そんな名門ブランドが2007年に復活をしました。そして、第一弾となるアバルト「グランデプント」、アバルト「500」を登場。レビューの本編に入る前に「アバルトって何?」「ビーエムのMみたいなもんでしょ?」いやいや、ではカンタンにアバルトを説明しましょう。「カルロ・アバルト」氏によって1949年にアバルト社(Abarth & Co.)をイタリア・トリノ市設立。小排気量レーシングカーをプロデュースし、一時代を築きました。フィアット社とコントラクトし、エクステリア・キットパーツや高性能モデル、レース車両の開発を担当してきました。

【500Cとは】

アバルト「500」をベースにしながら、ファブリック素材による電動ソフトトップを持つモデル。アバルト「500C」の心臓は、1.4L 直4・DOHCターボエンジン。アバルト「500」よりさらに+5psアップされ140psを発揮します。スポーツモードを選択すると、最大トルクは18.4kgmから、21.0kgmへと一気に跳ね上がる機構も備えます。ちなみに試乗車はメーカーの広報車両です。

【走りはチョロQにように機敏】

実際に走り出すと、フィアット「500」の電動パワーステアリングとはまるでフィーリングが異なり、中立付近の遊びが大きなフィアット「500」と比較すると、ビシッと落ち着きがあり、手ごたえもある。試乗ルートには、時速80キロ程度で流れる高速道路からインターを降りると、まるでジムカーナコースのようなS字カーブが点在する場所がありますが、思わずオーバースピードで飛び込んでしまっても、クイッ!っと小気味よく旋回する。思わずそのクセになる旋回性能に何度も同じコースを走ってしまったほどです。下りのワインディングでは、「ミニ」同様、腕次第では、最速になるマシンだと思います。

オープンロードでは、ターボの存在を明確に感じられるエンジン。最近ではダウンサイジングエンジン化により、ターボチャージャーの需要が高まっています。例として「フォルクスワーゲン」の場合、黙っていればターボチャージャーの存在を感じさせないほどですが、このアバルト「500C」の場合、3000rpm辺りからトルクがグイグイ立ち上がり、ブースト計の指針が跳ね上がる。しかし、昔のFF“ドッカンターボ”のようにステアリングの操舵感が抜けてしまうようなことはなく、適度な刺激を味わえるものです。

1t程のボディに140psの組み合わせはやはり伊達ではありません。時速80キロ程度から追い越しレーンに飛び出し、アクセルを開けると、少々視認性に欠けるデザイン重視のメーターは驚く速度にあっさり達しています。ハイスピードのクルージングでも、乗り心地は意外なほどよく、全長3655mmという小さなクルマですが、跳ねるような挙動は皆無。極めてボディ剛性が高い事も実感できます。この小さなボディで最高速度は205km/hに達するというのも納得できます。

最初に記したとおり「アバルト」はチューンメーカーですので、退屈なクルマなど作りません。音の演出も抜かりなく、低速では「ボボッ・・・」という車両サイズからは想像も付かない重低音を響かせ、回転数が高まるにつれ、「コーン」という抜けのいい音色に変わります。シフトアップの度にブローオフバルブの「シュルルン」&スロットルを戻すとアフターバーンの「バフッ!」という音にチューニングエンジンである事を実感できます。

【足回りもチューン】

スピードライン製ガンメタリック塗装に赤枠のスコーピオンセンターキャップを装備。タイヤはコンチネンタル社製「ContiPremiumContact2」195/45R16を履く。タイヤの扁平率や口径とボディサイズを考えた場合、相当硬く、ドタバタした乗り心地を想像するかもしれませんが、どっしりと安定しています。ブレーキも強化。レッドキャリパーはフローティング式の2ピストン。軽量な車体には十分過ぎる制動力を発揮します。一見疲れそうな印象を受けますが、これなら長距離巡航も余裕でこなせます。

【インテリアはモダン&スポーティ】

元々「500」のインテリアはクラシカル・モダンです。国産車には真似のできないセンスを感じるものですが、「アバルト」の手により、イタリアの電装メーカー「マニエッティ・マレリ」社製のメータースケールは240km/hまで刻まれ、その左にはまるで“後付け”感満点のブーストゲージが鎮座しています。また、本革シートが標準装備され、さながら小さな高級車の趣です。

価格は339万円とこのサイズのクルマでは異例な高額ですが、アバルト専用の数々の装備軍、マニアックながら現代のクルマに必要な快適装備、安全装備を全て備えた「500C」。ファミリーユースでは少々キビシイですが、クルマにコダワリを忘れない大人には決して高い買い物ではないと思います。

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アバルト 500C

新車価格帯:329〜339万円

中古車価格帯:100〜309万円

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