『お手頃価格で本物志向のナチュラルな高音質！』 DENON AH-C840NCW 鴻池賢三さんのレビュー・評価

[鴻池賢三]

2025年6月20日 16:05 [1969872-1]

満足度	5

デザイン	5
高音の音質	5
低音の音質	5
フィット感	5
外音遮断性	5
音漏れ防止	5
携帯性	5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

お手頃価格で本物志向のナチュラルな高音質！

iPhone14 Pro(ケース付き)と大きさ比較。サイズ感のご参考に。	形状と質感のご参考に。	充電ケースに収めた状態

この投稿とは無関係に、メーカーから提供を受けたサンプル機（メディア用）によるレビューです。iPhoneと組み合わせて確認しました。

【デザイン】
デザインには好みがあると思いますので、写真などを参考にご判断頂ければと思います。
質感ですが、AH-C500Wと同様、充電ケースもイヤホンも樹脂素材そのものながら、充電ケースはマット調で表面の状態も良好。イヤホンはステムの部分が艶有りタイプですが、表面がフラットで光沢が美しく感じます。色味はオフホワイトで違和感を覚えず、同じ白色でも配慮が感じられます。格安製品との差は確実に存在します。

【高音の音質】
歪感が抑えられていてサラッと聴き易いサウンド。近年は解像感重視で高域を少し強調する製品も多いですが、多くは歪成分が刺激となって耳に残りがち。それらに比べると本機のサウンドは印象に残り難いかもしれませんが、「良い音=ナチュラルな音」とするならば、正統派の高音質として気に入られる方は多いと思います。振動板とエッジにそれぞれに適した素材を使用する「フリーエッジ」構造の恩恵を感じます。

【低音の音質】
歪感が極めて少なく、暴れを感じない精密でクリーンなサウンドが好印象です。バストラムの音色はアタックに付帯音を感じずスッとシャープに切れ込み、量感がたっぷりで収束も静か。AH-C500Wと同様、振動板自体の歪が少なく、また振動板のストロークを長くとれる「フリーエッジ」構造の恩恵を感じます。本機はカナル型なので、AH-C500Wと比べるとどなたも本来の製品を安定して発揮させることができ、デノンの実力を体感し易いと思います。

【フィット感】
ノイズキャンセリング機能を搭載していますが、ステムタイプで耳の窪みに乗せる本体部分はコンパクト。フィット感は良好です。

【外音遮断性】【音漏れ防止】
ANC機能を搭載しています。
大型スピーカーから各種騒音を鳴らして疑似的に確認しました。
当方の聴感では、航空機内のゴーッという騒音は装着した時点で約2割減、ANCをオンにするとさらに5割減の印象。「適応型」とのことですが、周囲の騒音に合わせて最適化が行われるようで、効果も分かり易いです。カフェ内のような雑然とした騒音は、イヤホンを装着した時点で約3割減、ANCをオンにすると低域を中心にさらに3割減といった印象。低域騒音がキャンセリングされることで相対的にヒトの声が聞こえ易く感じます。
超強力とは言えませんが、適応型で不要な時はANCの効きめを自動で弱くしてくれるので、音質面でもプラスに感じます。

【携帯性】
充電ケースはAH-C500Wより少し厚みがありますが、まずまず薄型設計でポケットなどにも収めやすいと思います。イヤホンの取り出しは、ステム部分を指でズラすと簡単に行えるよう工夫されています。地味ながら使い勝手が良く、機能美を感じます。

【総評】
AH-C500Wと同様、本製品は手頃な価格を維持しつつ、「フリーエッジ」構造の独自ドライバーを採用するなど、音質面でのこだわりが特徴です。AH-C500Wと比べるとカナル型なので音の聞こえ方に安定感があり、3,000円程度の値差でANCが利用できるのも魅力と言えます。特にオープンタイプに拘らず音質や音楽体験を重視される方なら、本機を選ばれると良いでしょう。