『ベトナム戦争と女性を描いた、波乱万丈の実話です』 洋画 天と地 特別版[1000255680][DVD] 高山巌さんのレビュー・評価

[高山巌]

2012年3月30日 15:46 [493568-1]

満足度	4

笑える	1
泣ける	3
ほのぼの	2
迫力	4
怖さ	4
感動	4
やみつき	4

ベトナム戦争と女性を描いた、波乱万丈の実話です

主人公のレ・リー（左）と、スティーブ（T・L・ジョーンズ）

ベトナム戦争とその時代の作品に拘りを持つ、オリバー・ストーン監督のベトナム三部作の最後「天と地」です。　この作品は、実在するベトナム女性「レ・リー・ヘイスリップ」の半生を基に描かれた「女性ドラマ」です。　主演はベトナム女性レ・リー役に「ヘップ・ティ・リー」（この映画が初仕事）、後にレ・リーと結婚する米国軍人役に「トミー・リー・ジョーンズ」レ・リーの母親役に「ジョアン・チェン」が出てます。

・簡単なあらすじ
レ・リーはベトナムがフランスの支配下にある時、南ベトナムと北ベトナムの境の穏やかな農村キーラに生まれたが、ベトナム戦争が起こると、南北ベトナムの境にあるキーラ村は、「ベトコン」（ベトナム共産党）と南ベトナム政府軍（後に米軍も含む）の闘いの場に晒されてしまった。しかし農村はベトコンの思想に感化され、レ・リーの兄二人はベトコンに参加してしまった。レ・リーもベトコンの工作員になり、政府軍攻撃に加担をしてしまう。それで政府軍に逮捕されたレ・リーは、日夜厳しい拷問にあうが、母親がレ・リーの結婚資金にと貯めたお金を政府軍の高官に賄賂したお陰で、レ・リーは釈放してもらった。しかし村に帰ると、今度はベトコンの連中が釈放されたレ・リーを見て「お前、裏切ったな」と決め付けられ、拉致され村外れに連れて行かれ、銃殺刑に。しかし窮地の所で銃殺は免れたが、今度はあろうことに偉そうなことを説くベトコンの男にレイプされた。　レ・リーはベトコンの工作員になって政府に逮捕されたのに、今度はベトコンにレイプされる・・・。おまけに、村人の冷たい視線を浴びる羽目になり、レ・リーは村に住めず母親と二人で村を出ることになった・・・


レ・リーは、この後も生きる為に様々なことをします。　しまいに止むに止まれず娼婦まで・・・米国海兵隊員と結婚してアメリカに行きますが、旦那は戦争当時ベトナム人を殺しまくったためにPTSDを患ってしまい、夫婦喧嘩も絶えない。そして、最後は自殺してしまいます。

ベトナム戦争に巻き込まれ、波乱万丈の人生を来ることになった女性のドラマ。男が見ても色々と感じることが多かったです。　娯楽映画の類ではありませんが、家族でも見られる映画です。機会があれば是非見て下さい。