『欧州で鍛えられたコンフォートスポーツタイヤ。』 ブリヂストン TURANZA ER300 215/55R16 93W 外川 信太郎さんのレビュー・評価

[外川 信太郎]

2013年12月14日 22:59 [661149-1]

満足度	4

走行性能	5
乗り心地	4
グリップ性能	5
静粛性	5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」（「満足度」含む）および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

欧州で鍛えられたコンフォートスポーツタイヤ。

TURANZA ER300 の刻印はデザインされたもので足元を引き締めてくれる。	ブリジストンのロゴに独自のトレッドパターンが似合う。	左右非対称パターンを採用している。
ウェット性能をさらに高めた結果のパターンは見た目もグッド。	45%扁平なので、ホイールを守るリムガードを装備する。	リムガードはこれだけ張り出すのでホイールの接触も安心。

知人が所有する欧州スポーツワゴンが車検前にタイヤを刷新するということで、筆者が相談にのり、選択したのが「TURANZA ER300 225/45ZR17 91W」。サイズは、225/45ZR17。これから真冬を迎える中、夏タイヤのレビューで恐縮ですが、首都圏に住む筆者にとり、雪はほぼ無縁なので、ご容赦を。

TURANZA（トランザ）とは、“TOURING・POTENZA（ツーリング・ポテンザ）”が由来です。いわずと知れたスポーツタイヤである「POTENZA」がありますが、グリップ性能を受け継ぎ、ハイスピードツーリングに求められる快適性を手に入れたのが、ブリヂストンのヨーロッパブランドであるTURANZAです。

「TURANZA ER300」の開発秘話をメーカーに聞いたことがありますが、国内でも、レクサスに代表される操縦性のよさを売りにしたハイパフォーマンスサルーンが多く登場していることで、快適性にグリップ性能をプラスして登場したものです。

街乗りでは、意外なほど乗り心地が硬く、道路の段差、マンホールなどを踏んだ際など路上の凹凸を結構拾います。時速40キロ程度で流れる幹線道路では、スポーツタイヤのような印象を受けます。ただ、ショックの吸収は早く、収まりは心地よいものです。

「TURANZA ER300」の本領が発揮される高速道路では、その静粛性に驚かされます。ロードノイズは法定速度で流している限り、ドライバーにはほとんど届かず、クルマの空力特性が向上したかのような錯覚に陥るほどです。ホント、静かです。

高速コーナーを周回してみても、タイヤの剛性は極めて高く、よじれなどはまるで感じません。ステアリングにどっしりとした安定性を伝え、欧州で鍛えられたという意味がすぐに理解できます。さらに無茶な速度で攻め込んでも、スポーツタイヤのようなグリップを得られ、スキール音も公道でのテストでは聞くことがないほどでした。

また、途中激しい降雨のなか時速100km/hで巡航するシーンもありましたが、排水性のよさもピカイチ。耐ハイドロプレーニング性能は明らかに高く、いかなるシーンでも安心して走ることができました。

ドライ路ではさほど感じられなかったブレーキング性能の向上ですが、ウェット路面では特筆。轍に雨水が溜まるほどの状態でも、張り付くように減速する感じは、改めてこのタイヤの素晴らしさを実感しました。


アウディ、メルセデス、BMWなど欧州ハイパフォーマンスサルーンをはじめ、レクサス車、クラウン、フーガなど国産プレミアムサルーンとの相性もとても良いタイヤであるといえます。