4312M II WX [ペア] レビュー・評価

2008年 3月11日 登録

4312M II WX [ペア]

  • 133mm径ピュアパルプ・ホワイトコーン・ウーハーを搭載した、ブックシェルフ型の3ウェイモニタースピーカー。
  • 中域用に、シングルプリーツ・クロスエッジ採用の50mm径ピュアパルプ・コーン・スコーカーを搭載。
  • 高域用に、タンジェンシャル・エッジ採用の19mm径テンパード・ピュアチタン・ドームツイーターを搭載。
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販売本数:2本1組 タイプ:ステレオ 形状:ブックシェルフ型 再生周波数帯域:55Hz〜50KHz インピーダンス:6Ω 4312M II WX [ペア]のスペック・仕様

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4312M II WX [ペア]JBL

最安価格(税込):¥62,000 (前週比:±0 ) 登録日:2008年 3月11日

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満足度:4.16
(カテゴリ平均:4.54
レビュー投稿数:51人 
評価項目 投票平均 カテゴリ平均 項目別ランキング
デザイン 見た目のよさ、質感 4.68 4.43 -位
高音の音質 高音部の音質の良さ 4.15 4.38 -位
中音の音質 中音部の音質の良さ 4.24 4.43 -位
低音の音質 低音部の音質の良さ 3.63 4.17 -位
サイズ 省スペース性・コンパクトさ 4.59 4.43 -位
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デスクトップ・オーディオorニアフィールド・リスニング用4312MU―― in 四畳半

   

【意匠】
 箱はウォールナット突板仕上げで、サランネットを外せばブルーバッフル・フェイスが現れる。果たして「味」を重視する人々(私も含めて)がこのたたずまいに拒否感を抱くだろうか。4312シリーズをダウンサイジングしたこのラウドスピーカーにも遥かなる「ジム・ランの息遣い」が受け継がれているのである。

【設置】
 机上に背の低いスピーカースタンドを用意して、その天板上にオヤイデ製のINS-SPとINS-USインシュレーターの三点支持で設置している。このインシュレーターと4312MUの組み合わせは思ったほど効果をあげていない。有機と無機、うまくブレンドしてくれると思ったのだが……。カーボン、ステンレスときたので次は木製のインシュレーターを試してみたい。

【高音】
 スペック上は50KHzまで出る。ハイレゾ音源にも十分に対応可能なスペックである。しかし私のように圧縮音源(MP3,320kbps)を主に鳴らしている者にとっては宝の持ち腐れ状態かもしれない。JBLと聞くとあまり高音を強調したイメージを抱くのは難しいが、思いのほか他の帯域とのバランスを崩さずに必要十分な量で鳴っている(中古で購入してさらに三か月以上エージングした結果、こなれてきたのではないかと推察される)。

【中音】
 スコーカ―を含むネットワーク・バランスが見直されたせいか、中音域を埋もれさせることなく適切に聴かせてくれる。単なるドンシャリ・スピーカーになるのを防ぐ帯域をうまく鳴らしている。高音も同様なのが"FRQ.LEVEL"つまりアッテネータ―の調整を細かくできればよいのだが、コストとのトレードオフか。ヴォーカル、特に性別問わずジャズ・ヴォーカルを上手く表現するカギはここにある。

【低音】
 4312系の30cmフルレンジ・ウーファーと比較すればこちらは13.3cmウーファーで、低音がもう少し欲しいと思わせるときもままあるが、ブックシェルフ型でありながら質量ともに不足しているとまでは言えない。このサイズのラウドスピーカーの低音としては必要にして十分である。また、アルミなど金属を用いた加工を施しているコーンが席巻しているが、パルプ・ウーファーの出す低音の質は分析的ではなく、有機的である。これが「味」の一部となっているのである。

【サイズ】
 私にとって完璧な筐体のサイズである。奥行き18cm。小さな机でもラップトップを開いて使いながら、加えて答案の添削を行うこともできる。ほとんどのブックシェルフ型のラウドスピーカーは奥行きが長くとられており(20cm以上)、現在のデスク環境(90X60)に設置してニアフィールド・リスニングすることはほぼ不可能でる。その点でも4312MUは稀有な存在である。

【総評】
 職業柄、家の中に籠り、4312MUをセッティングしたデスクで仕事をする時間が多い。foobar2000と音源ファイル用外付けHDDを使い、ほぼ毎日十時間以上音を鳴らしているが(繁忙期は徹夜続きになる機会がほとんどなので二十四時間鳴らしている)、日に日に音質が良くなっている印象がする。
 本来は大音量で鳴らすことで内包しているポテンシャルを発揮するラウドスピーカーである。だが、私の住環境においてアンプのヴォリュームを上げて大音量で音楽を聴くことは不可能である。しかしこうして小音量時にも個性を発揮するようにしつけてきたのが功を奏したのか、それほど音量を上げなくとも「無理だ」「サイズ的に強引だ」と一般的に評価されている3WAYシステムは良いバランスをとりハーモニーを奏でリスニングに堪える音を聴かせてくれる。これで仕事もはかどるというものだ。
 私のリスニング・スタイルはジャンルを問わず、様々なジャンルのアーティストの音源をとっかえひっかえ聴くような雑食リスナーだ。しかし4312MUはジャンルの変化、録音の変化、音質・音圧の変化などにしっかり追従してくれる。ジャンルによって出音が破綻することはない。特にJazzやRock系の音楽を鳴らすと、活き活きと本領を発揮してくれるみたいだ。分解能を追い求め、分析的な音を鳴らそうとするラウドスピーカーとは違う「味」のある音を聴かせてくれる。
 これ、つまり、"JBL"のラウドスピーカーであるというアイデンティティの現れである。
 おそらく4312MUをドライヴするアンプにSONYのUDA-1を使用しているからではないだろうか。このデスク上に設置可能な小さなアンプの出力段は意外にもデジタルではなくアナログで、小出力時はA級動作になるのである(筐体は半端なく熱くなるが……。基本はA/B級動作)。このコンストラクションが4312MUと相性が悪いはずがない。小音量でもこのスピーカーの持ち味を殺さないのだろう。おそらくD級アンプではこうはいかないと思われる。しかしデスク周りに鳴る音をもっとよくしたいので、これからはコーデックをFLACしようと思っている。4312MUとUDA-1のポテンシャルからいって十分対応してくれると思う。
 今、Alex Chiltonが彼のギターの音とともにエヴァ―・グリーンなフレーズとメロディを奏で、歌っている。4312MUは「味」のある鳴り方でそれを聴かせてくれる。この状態になるまでには長いエージングが必要である。そして、その時間軸に沿った変化を楽しめるかどうかがこの4312MUを魅力ある有機体にする鍵である。はじめて4312MUの出音を聴いたとき「うーん、どうしようか……」と。だが、以前使っていた4311Aや4312Aのように、4312を縮小したその体躯から、音楽を聴く楽しさや高揚感や新たな発見をもたらしてくれる。そのような「味」を発揮できるだけの能力と実力は秘めている。
 しかし、実力を発揮させるためには「ジムランの音が聴きたい……」と思いながらエージングに励むという修行を経なければならない。その長く何か待ち遠しい時間が過ぎると、4312MUはソファの前から、本棚から、あるいは、机の上から、味わいある〈音〉をあなたへ放ってくれるはずだ。

 ガタイは小さくとも、値段は安くとも、伊達や酔狂で"JBL"を冠しているのではないのである。

 porcupine6 拝

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