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自動車(本体) > アウディ > Q2(Audi) 2017年モデル > 1.0 TFSI Sport

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:215件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費5
価格4
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

フロントのシングルフレームグリルが8角形なのも特徴

全長は4200mmとコンパクトだが奇抜なデザインで存在感満点

アウディらしくリアコンビネーションランプもフルLED化されている

直列3気筒DOHC 1.0リッター直噴ターボエンジンを搭載

リアシートの掛け心地、居住性は特筆に値するもの

高い視認性を誇るアウディバーチャルコクピットを採用

筆者が最初に乗ったクルマはアウディ「90クアトロ」(左ハンドル、5MT)バルブ真っ盛りの1989年でした。それからアウディは自らのクルマとしては所有していませんが、(仕事がら常にラインナップは全て試乗はしております。)この 「Q2」に関しては、報道発表会で目にしてから本気で欲しいと思っているクルマです。

特に直列3気筒DOHC 1.0リッターモデルがまさにツボです。筆者が初めて所有したアウディ「90クアトロ」は直列5気筒SOHC 2.3リッターエンジンでしたから、30年近くの時を経て、このモダンなクルマがリッターカーとは当時の常識では想像もつきませんでした。

さて、メーカーの広報車であるこの「Q2」。ボディサイズは4200×1795×1530mm(全長×全幅×全高)とコンパクト。日本での取り回しも良好です。もちろん立体駐車場にもどうにか収まるサイズです。

アウディが今回初めて採用したこの奇抜なエクステリアデザインは、「ポリゴン」と呼ばれる多角形をモチーフとしたものです。一枚目の写真を参照して頂ければ分かるようにフロントのシングルフレームグリルが8角形なのも特徴的です。また、サイドにもベルトライン下部に「ポリゴン」が見られ、エクステリア全体にエッジの効いたスタイリッシュなデザインとなっています。
さらに特徴的なのは、Cピラーにアイスシルバー(ボディ色がグレイシアホワイトではマットチタングレー)のブレードが大きく装着されており、(ベースモデルの1.0 TFSIは未装備)従来のアウディの印象とは違うカジュアルな感を受けました。

「Q2」はSUVというカテゴリーですが、アウディ自慢のクアトロシステムを搭載しておらず、現在のところFFのみです。ライバルであるフォルクスワーゲン「ティグアン」やルノー「キャプチャー」、プジョー「2008」もFFであることを考えると、これもトレンドでしょう。

筆者は、上級モデルの1.4リッターではなくこの1.0リッターエンジンに大変興味を持っていました。試乗をしたのは、「1.0 TFSI sport」。ベースモデルの16インチから17インチとなり、LEDヘッドライトも標準装備。エンジン以外では、1.4リッターモデルと大きな差はありません。

インテリアは、アウディ車の流れを組むもので、エクステリアに比べ奇抜さはありませんが、バーチャルコクピットなど先進性を感じ取れるものです。また、スポーツシートは、タイトというよりしっかりといった感じで、掛け心地も柔らかめな印象です。リアシートのレッグスペースの広さも特質で、大人4人がゆったり快適に移動できます。

エンジンを始動させると3気筒エンジンであることを忘れさせてくれます。アイドリングでは、エンジンの振動は皆無。空調以外の音はキャビンに入ってきません。
直列3気筒DOHC 1.0リッター直噴ターボエンジン+7速Sトロニックの組み合わせですが、スタートからグイッとパワフルに加速。最高出力116PS/5000-5500rpm、最大トルク200Nm(20.4kgm)/2000-3500rpmとは思えないものです。2000rpmから最大トルク200Nmを発生することもあり、トルクフル。7速Sトロニックもトルクコンバーター式を思わせるほど滑らかで、街中では、常にパワフルという印象でした。

高速道路の合流地点でスロットルを深めに開け加速しても、3気筒エンジンの雑味など皆無で、上質かつ迅速に速度を上げてくれます。また、その音も見事にチューンされ、4気筒エンジンと区別するのが難しいほど心地のよいサウンドを響かせます。
追い越し加速などでもパワー不足の心配はご無用。7速Sトロニックの制御が実に優秀で、シャカリキになることはなく、軽くスロットルを開ければ、バーチャルメーターの指針がスムーズに上昇していきます。

直進安定性もよく、17インチタイヤでもダンピングは抑え込まれ、市街地、高速巡行でも乗り心地は良好です。

最近の高級志向のアウディとはまた違ったカジュアルな路線をいく「Q2」。ドイツ車らしいしっかり感はもちろん、1.0リッターエンジンでも、それをまるで感じさせない技術、日本の道でもちょうどいいサイズは、一度乗ってみれば、虜になること間違いなしです。



レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > マツダ > CX-5 2017年モデル > 25S PROACTIVE

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能4
乗り心地4
燃費4
価格4
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

エクステリアではフロントグリルの下に360°モニター用のカメラが装着されています

ガソリン車にもパワーリフトゲートがメーカーオプションで装着できるようになりました

インテリアの意匠も大きな変更はありませんがマツコネの自車位置精度が向上しました

360°ビューモニター+フロントパーキングセンサーは4万3200円のオプションです

特別に設定した気筒休止状態がわかるシステム。写真では2気筒に切り替わっています

後日レビューするディーゼル車よりは低いですが同コースで14.3km/Lと燃費でした

「えっ、もう改良なの?」2016年12月に発表(発売は2017年2月)された2代目CX-5の“年次改良”がわずか1年で行われました。

誤解の無いように言っておきますと、現在のマツダ車は「マイナーチェンジ」という概念ではなく、前述したように“年次改良”という形でリリースしています。

これは「常に最良の商品や機能をベストなタイミングで市場に送り出す」という考え方で他のモデルも同様の考えです。

一方でその変更のレベルが大きい場合、それまで乗っていたユーザーにはそれなりにショックも大きいでしょうし、中古車の価格にも若干影響が出てきます。

余談ですが、それでも新世代になってからのマツダ車の下取り価格は安定しており、結果としてスムーズに新しいモデルへの買い換えも行える傾向があります。

話を元に戻すと今回の年次改良を行ったCX-5の最大のポイントは2.5Lのガソリンエンジンに「気筒休止システム」を搭載したことです。この仕組み自体はそれほど新しいものではありません。過去ではホンダ・インスパイアやVWポロなどにも採用されています。

マツダはこれまでもドライバビリティを損ねずエンジンの燃焼効率にこだわってきました。流行のダウンサイジングターボよりもある程度大きめの排気量のNAエンジンのほうが実用燃費が高まるという理論も何回か公開されています。

今回、2Lも含めたガソリンエンジンには「エッジカットピストン」と「低抵抗ピストン」などの新技術も採用されていますが、これに気筒休止システムをプラスすることで、郊外路や高速道路などでの巡航走行時に4気筒のうち2気筒を休止することで実用燃費を高めようという狙いがあります。

今回の試乗は横浜を中心に市街地と高速道を併用、さらにマツダ側が特別に車両側から信号を抽出し、無線LANと組み合わせ、専用のスマホアプリを使い、4気筒と2気筒の状況をリアルタイムに表示するという仕掛けを用意してくれました。

これが何を意味するのか、答えは簡単です。スマホのディスプレイ上では頻繁に4⇔2気筒が切り替わっていますが、実際運転しているとその切り替えは感じ取ることはできません。中には「わかる」と言う人もいるようですが、これがわかるのであれば相当凄い“人体センサー”を持っているとしか思えません。つまりそれほどマツダはこのシステムのスムーズな動作に自信を持っているのでしょう。

逆の見方をするとちょっとしたアクセル操作で2気筒から4気筒に切り替わってしまいます。つまり自分のアクセルコントロールにムラがあるということなのかもしれません。

とはいえ、そんなことを気にすることなくシステムはスムーズに作動します。CX-5が発売当初のJC08モードは14.6km/L(ガソリンのAWD車)でしたが、改良後は14.2km/Lに数字自体は落ちています。併用で新しい燃費表記であるWLTCモードで13.0km/Lとなっていますが、実際の走行では(1名乗車、エアコン25℃固定)14.3km/L(燃費モニター)という結果にも十分納得できます。要は数字が下がっても実用燃費自体は上がっている(マツダのエンジニアによれば約5%向上)。さらに言えば、細部の改良でアクセルを少し開いた瞬間のピックアップの向上など感覚とは言え、運転のし易さもプラスされている印象を受けました。

今回の試乗車は「25S プロアクティブ(AWD)」でしたが、価格は291万6000円と改良前から据え置きです。

気筒休止システムはもちろんですが、今回マツダコネクトにはジャイロセンサーをプラスすることでSDカーナビの自車位置精度が大きく向上しています。ちょっと意地悪をしてGPS電波が届きづらい立体駐車場をグルグル回ってみても前モデルより自車位置が破綻することは少なくなっています。

また細かなことではありますが、パワーウインドウが全席分オート化(改良前は運転席のみ)されるなどトータルでのコスパは向上しています。

ディーゼルとの比較自体はやはり価格差がまず出てきますが(同じプロアクティブ比較で31万3200円高)年間それほど距離を乗らない。街乗りや郊外路での使用が比較的多い人ならばガソリン車の選択は十分ありだと思います。

オススメは試乗車より上位の「25S Lパッケージ」のFF車(298万6200円)です。試乗車の25Sプロアクティブと25SにはAWDの設定しかありません。ゆえに「特にAWDは不要」というのであればAWDの価格上昇分が無く、「パワーリフトゲート」「フロントフォグランプ」「運転席、助手席パワーシート」「本革シート(ヒーター付き)」など上級装備満載するこのグレードが良いと思います。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > マツダ > CX-3 2015年モデル > 20S L Package

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地3
燃費4
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

全高を1550mmに抑えることで多くの立体駐車場への入庫がしやすいことが魅力です

ボディカラーは5万4000円高となる「マシーングレープレミアムメタリック」になります

Lパッケージはレザーシートを採用することでインパネカラーも2種類から選択できます

Lパッケージには運転席10ウェイパワーシートが標準装備、メモリーも可能です

2LガソリンエンジンはCX-5と同型ですが、スペックやセッティング自体は異なります

他のマツダのガソリン車同様、車両応答性を高めるドライブセレクションが装備されます

「この選択肢は十分あるな」。これがマツダCX-3に新たに搭載されたガソリンエンジン車に乗った印象です。

CX-3は2015年2月に発表した新世代商品群の第5弾となるコンパクトSUVです。プラットフォームこそデミオと共通化を行っていますが「次の時代のスタンダートを創造する」という開発陣の当時掲げた志からもわかるようにコンパクトでも内外装のデザインや質感、さらに装備面でのクオリティなどもデミオとは異なる価値観も提供してきました。

今回試乗したガソリン車は2017年6月に追加したモデルです。なかなか試乗する機会が無くレビューも遅くなりましたが、その分市街地から高速までかなりじっくり試乗することができました。試乗車はガソリンモデルの最上位となる「20S Lパッケージ(2WD,6AT)」です。

発売当初はデミオ(後にアクセラにも)に搭載された1.5L4気筒のスカイアクティブD、つまりクリーンディーゼルのみを搭載したCX-3。当時としては大胆な割り切りかと思いましたが、このクルマの商品性や価値を高めるためにもこの考え自体は有り!と感じていました。

ただ時間が経つ中、実際にセールスマンと話をすると「クルマは凄い良い。特にデザインで興味を持ってもらえる。ただそこでネックになるのはやや高めの価格設定です」という声でした。

先に言ってしまえば今回試乗した同グレード比較でも27万円の価格差が発生します。個人的には「この差額を何万km走れば元が取れる」という考えにはあまり同調しません。なぜなら価格が高い分、得られる走りの質なども異なってくるからです。

それでも今回のガソリンモデルの投入はユーザーの拡大にも十分効果がありますし、それほど遠距離を走らないけど、このデザインやサイズ感は魅力と思っている層にもミートします。実際、CX-3のユーザーには女性が多く、発売開始当初から比較すると女性ユーザーは約2倍に増えていることからも導入タイミングとしては良かったと考えます。

搭載するエンジンは2L4気筒の直噴で使用燃料もレギュラー仕様とおサイフにも優しいです。スペック自体は109kW(148ps)、192N・m(19.6kg-m)と特筆する部分は少ないですが、新しく表示が義務化された燃費モードである「WLTCモード」にもいち早く対応しています。

走り始めて感じたのは何よりもその軽快感です。そもそも車両重量はディーゼル車より30kg、前後重量を見てもフロント側は軽くなります。アクセルに対するピックアップの良さ、コーナリング時のスムーズさなどもディーゼルとはひと味異なるテイストに仕上げてあります。現在のマツダ車のほとんどに搭載されているGVC(G-ベクタリングコントロール)のおかげもあるのでしょう。高速道路などでのレーンチェンジ時などの挙動の収まりの良さなどはガソリン車でも同様です。

ディーゼルほどではありませんが、実用的なスペックを有しているガソリンエンジンなので高回転まで回して楽しむというよりは中回転域までを使って軽快に走るのが似合っています。パドルシフトも活用すればよりアクティブな走りも楽しめるでしょう。

個人的には少し乗り心地、特に不整地を走った時の突き上げは固いかな、という印象を受けました。タイヤの影響もあると思いますが、この部分はハンドリングとのトレードオフの部分もあるので後述する次回改良時にはさらに進化を期待したいところです。

気になる燃費ですが、今回600kmをWLTCモードに合うように「市街地」「郊外路」「高速道路」とその都度満タン給油→リセットして走ってみましたが、概ねカタログ値に近い結果でした。全行程でオートエアコンを25℃前後で設定、特にエコ走行は意識しないで市街地が12.6km/L、郊外路が15.2km/L、高速道路は19.6km/L、トータルでは13.8km/Lという結果でした。郊外路に関しては山道も含めて走ったこともありカタログ数値より落ちてしまっていますが、傾斜の少ない道路であれば燃費は向上するはずです。

前述したようにガソリンエンジンの投入で大きく魅力が向上したCX-3ですが、先進安全装備を含めた装備と価格のバランスの良さでは「20S プロアクティブ」がオススメです。FF車の6ATで228万4200円ですが、これにはレーダークルーズコントロール(マツダではMRCC)とスマートブレーキサポートが付いていません。これをメーカーオプション(5万4000円)で付けることをオススメします。また試乗車にもオプションで搭載されていたBOSEのサウンドシステム(6万4800円)もぜひ装着をオススメします。正直標準装備のシステムがやや物足りない部分もありますが、この価格でこれだけのシステムを組み上げるのは難しいと思えるほどコスパが高いです。元々静粛性の高いCX-3ですから車内でいい音は楽しみたいというのは誰もが共通した気持ちでしょう。

最後に魅力が増したCX-3ですが「常にその時に最良の商品を送り出す」という開発陣の言葉が気になっています。これまでのクルマのモデルチェンジサイクルとは異なるタイミングでアップデートを行ってきたマツダ車ですからそう遠くないタイミングで何かが起こりそうな予感もしています。実際の購入はその時まで待つ、というのも十分有りだと思います。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > ホンダ > VEZEL (ヴェゼル) ハイブリッド 2013年モデル > HYBRID Z ホンダ センシング 4WD

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア4
インテリア5
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費無評価
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

試乗車は「ハイブリッドZ・ホンダセンシング」の4WD車で車両価格は292万6000円です

「オーロラアメジスト・メタリック」のボディカラーは3万7800円高となります

ナビ画面やエアコンの操作系がドライバー側にオフセットされており視認性も良好です

Zには本革シート&運転席/助手席パワーシートがメーカーオプションで設定されます

ラゲージは高さ方向にも余裕があり、後席を倒せばほぼフラットな空間になります

ホンダセンシングは全グレード標準装備。ステアリングを制御する機能も搭載します

発売から4年以上経つのにまだまだ人気。試乗をして「なるほど」と感じたのが2018年2月15日にマイナーチェンジを行ったホンダ・ヴェゼルです。

今回試乗したのは充実した装備を持つ上位グレードの「ハイブリッドZ ホンダセンシング」。但し車両の関係で4WDモデルとなりました。

ヴェゼルは4330mmの全長に1770mmの全幅(RSを除く)と街中でも扱いやすいサイズに対して前席だけでなく、後席とラゲージルームの広さをうまくバランスさせることで実用性も高めたコンパクトSUVです。

このカテゴリーでは若干サイズが異なりますが、日産がジューク、マツダがCX-3(or CX-5)を、そして最近では三菱がエクリプスクロスを投入、そしてガチンコのライバルとなるのがこちらも大ヒット中のトヨタC-HRです。

販売に関してはこれまでは絶好調でした。何よりも2014年から2016年までSUVジャンルにおいて3年連続登録販売台数No.1を獲得している点からも幅広い層から支持されていることがわかります。

ただそんなヴェゼルですが前述したように強力なライバルであるトヨタ・C-HRが登場したことで否が応でもテコ入れが求められます。

今回のマイナーチェンジではエクステリアの意匠を変更し、インテリアの質感を向上させています。クルマ好きならパッと見で判断できるかもしれませんが、驚くほど変化を付けたわけではないので全体としては「仕立てを良くした」というイメージになります。

一方で昨今重要視されている先進安全装備に関しては同社の「ホンダセンシング」がガソリン車・ハイブリッド車全グレードに標準装備されました。ホンダセンシング自体は2016年2月に行われた改良時に導入されましたが、装着/非装着グレードが設定されており非常にわかりづらいものでした。

当時「安全装備は全適(全部適応:つまり全グレード標準装備)すべきなのに価格商売に走ってしまい非装着グレードを設定するとは何ということでしょう」とメーカーに対しても怒りをぶつけたこともありますが、一応今回の設定で満足の行くものとなりました。

逆に言うと、もし読者の方がヴェゼルを購入しようと考えた際「新車は価格的にも厳しいから中古車で選ぼうかな」と言うのであればホンダセンシング非装着車はやはりオススメできません。あくまでも万が一の事故などの回避支援等が目的とは言え、改良前に装着されていた「シティブレーキアクティブシステム」とは性能差があまりにも違いすぎるからです。

インテリアやラゲージルームの使い勝手などはMC前とそれほど大きく変わりません。元々ヴェゼルはスタイリッシュなデザインでありながら実用性が高いのが特徴です。特に後席の足元周りはライバル車より余裕がありファミリーユースにも対応できます。センタータンクレイアウトの採用によるシートアレンジの多様性はもちろんですが、ヴェゼルの場合、ラゲージスペースは奥行きこそライバル車とそれほど変わりませんが高さ方向に余裕があることで積載力も優れています。

フロントシートは形状が少し変わりましたが着座フィーリングはそれほど変わった印象は受けません。それよりも初期の頃から搭載している「オートホールド機構付き」の電子制御パーキングブレーキの利便性の高さの方が光ります。昨今ではC-HRやエクリプスクロスにも採用されているこの機構、スイッチを事前に入れておけば停車時に自動的にパーキングブレーキが作動します。つまり停車時はブレーキペダルから足を離すことができるわけで渋滞時や街中を頻繁に走る際には疲労軽減にも寄与するからです。

走行性能に関しては地味(失礼)ではありますが、改善の後が多く見られます。アクセル操作に対して加速フィーリングのズレのような感覚は随分無くなりました。基本構造には大きな変更はないはずですが、これまでも制御系を変更することで徐々に良くなってきたという印象です。

そして全体のポイントとしては静粛性の向上が挙げられます。それほどうるさくなかったヴェゼルではありますが、室内に入ってくるエンジンの透過音や振動なども2016年の改良モデルよりもさらに向上したと感じました。そして後席の快適性です。初期モデルは空間こそ十分広いものの、リアからの突き上げや何とも表現しづらい微振動の入力などにより正直言えば「ファミリーカーとしては家族に少し我慢を強いる」レベルでした。後席が使えるヴェゼルだからこそこの部分は重要です。その点でも全体の快適性向上は評価していいと思います。

今回は残念ながら一般道、高速道路こそ走りましたが、長距離が走れなかったことで総合燃費は測定できませんでした。さらに試乗した4WD車は車両重量で大人1人分(Zグレードは70kg増)、JC08モードのカタログ燃費でも1.8km/L下がります。降雪地域にお住まいの方や平時から4WDの必要性を感じている人以外はFFモデルをオススメします。

ライバルが増えていく中、それまで王者だったヴェゼルも安穏とはしていられません。もちろんそれに対抗するためのマイナーチェンジですが、個人的には価格と装備のバランスに優れる「ハイブリッドX・ホンダセンシング」のFF車(253万9000円)にナビなどのオプションを装着するのが良いと思います。試乗車のZにはハンドリング性能をさらに高める「パフォーマンスダンパー」も装着されていますが、価格差をオプションで調整することで全体の出費は抑えることができます。「いや、それでもオレは17インチアルミが欲しい」と言うのであればZという選択の他、Xにもメーカーオプションで17インチアルミホイールを装着することができます(但しナビなどとのセット装着になります)。

今後はホンダセンシングのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)がシビックのように「渋滞追従機能」が付くとさらに魅力は増すのですが、現状でもコストパフォーマンスはかなり向上しています。人気のSUVだからこそ全体のバランスが重要、その点でも若年層からファミリーユースまで幅広く対応できるヴェゼルの魅力はまだまだ衰える事を知りません。

レビュー対象車
試乗

参考になった49

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自動車(本体) > フォルクスワーゲン > ポロ 2018年モデル > TSI Highline

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:215件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能4
走行性能5
乗り心地4
燃費5
価格5
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

全幅は1750mmとなり3ナンバーサイズとなった

サイドには、ナイフで切り取ったようなシャープなラインが走る

台形のリアコンビネーションランプは、LEDを採用した

TSI Highlineには16インチホイールが標準装備

1.0リッター直列3気筒DOHC直噴ターボは95PSを発揮する

ワインディングでもヒラリヒラリとコーナーをクリア

1975年にデビューを果たしたポロは、これまでに世界累計1400万台以上を販売し、ゴルフに続くフォルクスワーゲンの稼ぎ頭です。そんなポロが、8年販売された「6R型」からフルモデルチェンジをしました。

この変貌は、ポロ史上最大と言っても、過言ではないと言えるものです。フォルクスワーゲングループのモジュラー戦略である「MQB 」を初めて採用し、プロポーションは格段にダイナミックに、シルエットはスマートに、ひと目見ただけで新型ポロであることが明確になりました。

日本上陸を果たしたばかりの新型ポロを冬の終わりに行われたインポーター主催の試乗会で、じっくり試乗をしてきました。

エクステリアでは、MQBの採用によりホイールベースが延長された結果、前後ホイールの位置は、さらに前後方向に寄せられるとともに、前後のオーバーハングが短くなって、よりパワフルでスポーティなスタイルに変貌。 全幅は1750mm (+65mm )、全高は 10mm低く1450mm となって、 ワイド&ローの精悍な印象を受けます。 迫力あるヘッドライトやボンネットのエッジの効いた二本のラインが強い個性を主張しており、 新デザインのフロントバンパーはボンネットを低く見せ、 安定感を強調。
さらに、サイド上下を走るキャラクタ ーラインは、より低重心に見せ、スポーティさを増しています。 リヤのボリューム感を増したショルダー部分は、力強さを表現し、台形のテールライトによって、引き締まったイメージを演出。
このテールライトは、ポロ シリーズでは 初めて採用し、個性的なライトサインを描き出すLED テールライト。バンパーには新しくディフューザーを統合したことで、個性的なリヤビューが印象的です。

インテリアでは、これまでの垂直基調ダッシュボードの配置から変貌し、水平基調を採用。 8インチディスプレイと操作パネルを可能な限り高い位置に配し、ドライバーから連続した水平の視線上に配置するために、斬新でクリーンな新しいインテリアレイアウトとなりました。
「フォルクスワーゲンは、良くも悪くもインテリアは似ていますが、新型ポロでは、個性的なものになりました。」と同社の担当者から伺いました。

先代「6R型」が搭載していた直列4気筒1.2リッターターボから、直列3気筒1リッターターボエンジンに刷新。
ダウンサイジングの先駆者であるフォルクスワーゲンらしく、ボディは大きく、エンジンは小さくなりましたが、最高出力95PS/5000-5500rpm、最大トルク175Nm(17.9kg-m)/2000-3500rpmを発生。性能面でも、前代を上回っています。(初期の6Rは105PS、マイナーチェンジ後は90PS)。JC08モード燃費は22.2km/Lから19.1km/Lへと低下しましたが、実際には、それを感じることはないと言えます。

ボタン式となったエンジンスターターを押しエンジンを始動させると、3気筒エンジン特有の音や振動はよく抑えられており、非常に静粛性は高いです。アクセルを軽く踏むと、おや?トルクがやや細い?と感じました。筆者も2世代前の「9Nポロ」を所有していますが、動き出した瞬間は「9N」の方がトルクが太いほどです。これは、新型ポロの最大トルクの発生域(下限)が600回転ほど高く、ターボも加給領域が、500rpmほど高くなっているのが影響していると思われます。

オープンロードに出て、アクセルを踏み込むと、1500rpmあたりからトルクが湧き上がり、1.0リッターとは思えない力強い加速で、グイグイ速度を上げていきます。人それぞれ、音には好みがありますが、3気筒エンジンにサウンドチューンを加えたそれは、乾いたスポーティなもので、高回転域まで気持ちよく吹け上がります。

ポロはこれまでアイポイントが高く、腰高感があると感じていた方も多いと思いますが、新型では、シートに座った印象が大きく変わりました。

試乗コースは、ワインディングが続く場所でしたが、普通にコーナーに進入してもロールはまるで感じられません。周囲の安全を確認し、さらに高い速度で次のコーナーの進入しても、タイヤからスキール音が聞こえることもなく、ヒラリヒラリとクリアしていく様は、スポーツカーのようなハンドリングを実現しています。

ブレーキも踏力に比例して制動が高まるもので、好感が持てました。しかし、「9N」 「6R」と先代ポロは、リアもディスクブレーキだったものが、ドラムブレーキになってしまったのは、不思議ですが、担当者の話では、車両設計の段階で、ドラムブレーキでも、アウトバーン領域から十分な制動力が実証されているので、問題ないとのことでした。

高速道路では、合流時の加速は、実にパワフルで、迅速に時速100Km/hに到達。左手のクロノグラフでは10秒を切っているのを確認できました。1.0リッターエンジンは、圧倒的にパワフルとはいえないですが、追い越しもスムーズに加速してくれますし、国産コンパクトカーにはない、圧倒的な直進安定性は、ロングホイールベース化の恩恵であることが確認できました。高い高速巡航性能で、長距離走行を得意とするのも新型ポロの長所であります。

ゴルフ廉価版であるトレンドラインと選択に悩んでしまいそうな新型ポロ。車格が一段上に上がったような好印象を受けました。



レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > フォルクスワーゲン > ポロ 2002年モデル > 1.4 Comfortline

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:215件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地5
燃費2
価格5
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ヘッドライト形状やフロントバンパーが変更された後期モデル

3915×1655×1480mm(全長×全幅×全高)と日本国内では大変扱いやすい

後期モデルでは、キュートな丸型コンビネーションライトに変更。今でも古さは感じない

直列4気筒DOHC16バルブエンジンは80psを発生

コンパクトなボディながら室内は広くシートの掛け心地も疲労知らず

1.4リッターモデルも最終モデルでは6速ティプトロニックとなった

筆者本人が取材などに出掛ける際、実用性の高い輸入中古車を定期的に購入していますが、今回選んだのが、Volkswagen 「9N型」ポロ 最終モデルです。

2018年春にワイド&ローボディで、ついに3ナンバー枠となる新型ポロが登場しますが、筆者が個人的に好みなのは現行の「6R型」でもなく、今回紹介する「9N型」でした。昨年末から販売店を10店ほど訪問し、ディープブラックパールエフェクトの極上車を見つけ、50万円で購入しました。「1.4Comfortline」です。

9N型ポロは2002年に5月に日本で販売を開始。当時のAセグメント「ルポ」と似た丸目のヘッドライトがキュートでしたが、2005年8月にはフロント回りのデザインを一新。ヘッドライト形状も一体型となり、ドアミラー内蔵型ターンシグナルを採用。高級感が増した印象です。
また、筆者の購入した1.4Lモデルは長年4速ATでしたが、ティプトロニック付きの電子制御6速ATが組み合わされると同時に、エンジンの改良も行われ、燃費や動力性能の向上が図られました。

1.4Lエンジンに改良が加えられ、電子制御6速ATと組み合わされたことは、走りの進化はとても大きいものです。1速が大きくローギアード化されたので、発進から力強い加速が可能です。6速は大幅にハイギアード化されているから、高速クルージング時の静粛性が高まり、時速100Km/hでは2200rpmしか回りません。特に良くなったのが加速フィールで、自然吸気1.4Lエンジンとは思えないくらいの気持ち良い加速が可能です。

従来の4速から6速ATになって各ギアのギア比が接近したことで、変速時のショックも少なくなり、アクセルを踏み込んでいくと高速域まで気持ち良く加速が伸びていきます。Dレンジのままでは、気がつかないうちに6速トップギアに入っており、いざ加速しようとアクセルを踏んでもなかなか加速してくれないこともありますが、Sレンジでは、たった80PSとは思えないほどパワフルな加速で、速度計の指針を滑らかに上昇させてくれます。

ティプトロニックATを積極的にマニュアル操作すれば、1.4L DOHCエンジンは気持ちよく吹け上がり、意外とスポーティ。コーナー手前でのシフトダウンもトルクコンバーター式でありながら、レスポンスは素晴らしく、DSGとまではいわないものの、車速をショックもなく滑らかに落としてくれます。

ブレーキは、このサイズのコンパクトカーながらフロントベンチレーテッドディスク(シングルキャリパー)、リアプレーンディスク(シングルキャリパー)の4輪ディスクを採用。少々カックンブレーキ気味ですが、制動能力は強力で、高速域からでも安心して踏み込んでいけます。

また、高速道路の安定性は、同クラスの国産コンパクトカーでは味わえない、どっしりしたもので、油圧と電動を組み合わせたパワーステアリングのフィーリングは、絶妙な接地感をドライバーに味あわせてくれます。コンパクトなエクステリアとは違い、大柄サイズのシートと相まって東名高速を厚木インターから京都東インターまでノンストップで走りましたが、疲労は最小限でした。

街中でも、乗り心地は非常によく、ダンピングも最小限。少々足回りが柔らかすぎると思うほどです。それでいて、タイトコーナーに飛び込んでもロールを感じさせないまま、軽快に周回してくれます。
筆者は、純正の14インチから16インチにインチアップしましたが、さらに安定性は向上してくれました。足回りの剛性も高いものです。

安全装備も現代のクルマと大きな変化はなく、あえて言うなら自動ブレーキがない事くらいです。

不満点は、自然吸気1.4Lエンジンにも関わらず燃費が悪いことです。1.2L TSIの6Rポロにも仕事で散々乗りましたが、その差は歴然で、平均10Km/L〜12Km/Lとお財布には優しくありません。

インテリアの質感も高く、いまは廃止されてしまった青色LEDを光源とするコバルトブルーに発光するメーターとレッドの指針が個性的でお気に入りです。また、ダッシュボード下には小物入れが多く、お財布やスマートフォンなど、身の回りのものを置くのに困りません。インテリアの実用性は6Rポロ以上といえます。

また、これから、9Nポロをお探しならメーター内に表示されるシフトインジケーターがドット抜けしている固体も多いですので、必ず確認してみてください。

初めての輸入車や、実用的なコンパクトカーを中古でお探しなら9Nポロ後期モデルはオススメです。あまり格安物件は、それなりですが、予算50万円ほどでは、極上車も多く、まだまだ十分現役です。アルミホイールをはじめ、アフターパーツも多く販売されており、自分なりのクルマに仕上げるのもいいでしょう。

部品供給が迅速なのもフォルクスワーゲンならではです。



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自動車(本体) > テスラ > モデルX 2016年モデル > 100D

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費5
価格4
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

100Dはシステム出力422psを発生、最高速度は250km/h。もはやスーパーカーの領域です

ハッチゲートにはアクティブスポイラーが装着され高速走行時の安定性を向上させます

進化を続けるタッチスクリーン。上下分割も可能でこの画面の上はなんと「火星」です

前席はもちろんですが後席の快適性の高さは次元が違います。当然ですが本当に静かです

フロント側にも187Lのトランクを設定。この空間は万が一の衝突時には衝撃を吸収します

試乗車にはミシュランのLATITUDE Sport3を装着。全体的に乗り心地の良さを感じました

常に話題を集めるテスラモーターズのSUVであるモデルX、2018年2月に開催されたJAIA(日本自動車輸入組合)主催の試乗会で短時間ではありますがテストドライブする機会を得ることができました。

モデルXの日本における発売は2016年9月ですが、今回試乗したのは2017年10月に設定された3グレードの内、真ん中に位置する「100D」と呼ばれるモデルです。

テスラのグレード名は非常にわかりやすく、数字の部分がバッテリーの容量を意味しています。ゆえに100Dは100kWhのバッテリーを搭載しています。最新の日産リーフが40kWhですからその2倍以上の容量、それはつまりEVの不安要素と言われる航続距離の問題を解決します。

実際、試乗日は数多くのクルマが朝から夕方まで頻繁に出入りするのですが、モデルXは一度も充電することなくフルタイムに動いていたようです。他社のEVやレンジエクステンダーではこうはいきません。その点でも発想自体は非常にシンプル、航続距離に関してもカタログ数値ですが100Dは565kmという実力を持っています。

ただその分、お値段は1241万円とそうそう買えるものではありません。ただ、自分が子供の頃に想像していた「未来のクルマ」は思ったより早く、そして具現化されて目の前に登場したと言っていいでしょう。

スタイリングに関しては非常に独創的です。それでいてどんな風景にも馴染みそう。言い換えれば飽きの来ないデザインに思えます。とはいえ、ボディサイズは全長5030mm×全幅2070m×全高1680mmとかなり大きいです。それでも驚いたのが市街地での取り回しのしやすさです。実は試乗中に自分の判断ミスでかなり狭い路地に入ってしまったのですが、これが意外と言ってもいいほどすんなり抜け出ることができました。もちろん日本仕様のみに設定されている車両側面を映す専用のカメラシステムのおかげもありますが、元々高めのアイポイントも含め、視界の良さが結果として取り回し性能に利いていることは間違いないと思います。

そして何よりもデザイン上のアイコンでもあるのが後席用の「ファルコンウイングドア」でしょう。多分初めて見た人は「ガルウイングドア」と言うと思います。しかしファルコンウイングドアはルーフの中央だけでなくウインドウとの境目の部分も可動sるので構造自体が異なります。真正面から見るとまさに「翼が羽ばたくよう」に動くわけですが、結果として開閉時の張り出しは極めて少ないことがわかります。

それなりに全幅もありますから、隣の車両との干渉は当然避けたいわけですが、スライドドアを持つLクラスミニバンよりもドアを開けた際の張り出しは少ない場合もあります。何よりもこの機構によって2&3列目の乗降性は驚くほど楽チンです。

室内に関してはエクステリア同様にシンプルなデザインですが、やはりテスラと言えばコレ!と言われる位話題になった17インチのタッチスクリーンが目に飛び込んできます。

モデルSの時代から見てもこれに搭載される機能は日々アップデートしています。というか、テスラは通信回線を使って単純にナビを含めたテレマティクスだけでなく車両の機能自体もワイヤレスでアップデートするという仕組みを持っています。

わかりやすく言えばスマホに代表される携帯電話のアップデート機能です。携帯電話やPCの世界では当たり前のように行われているOTA(Over The Air)と同じ考えで、例えば夜寝ている間に自動的に機能向上が行われ、朝には“進化した車両”に乗って出発できるわけです。

通信回線もモデルSの頃に比べればLTE化されているのでネット検索などもかなり早くなりました。いずれは次世代の通信回線へのアプローチも期待したいところですが、現状でも十分。とにかくこの発想自体が国産車ではなかなか高いハードルとして実現できないのですがテスラはサラリとやってのけました。もちろん国土交通省の事前審査も受けていますし、この辺は発想の自由さやそれを実現するスピード感なども含めてテスラという企業を表しているのかもしれません。

走りに関しては前後に高出力モーターを配置することで2トンを超えるボディを余裕で加速させることができます。いや、言い換えれば速すぎ!かもしれません。そこで、というわけではありませんが前述したワイヤレスアップデートにより今回の試乗時には新しく「コンフォートモード」が追加されていました。その名の通り、モーター出力を穏やかにするモードですが、正直これで十分な加速を得ることができます。設定自体もタッチスクリーンで簡単に行えますし、内燃機関とは異なる加速フィーリングに慣れていない人にもオススメできます。

この他にも自動運転機能である「オートパイロット」の進化やエアコンの使い勝手も含めた機能向上などもアップデートしています。

冒頭に述べたようにモデルXの価格は高いですから富裕層を中心とした顧客がメインターゲットとなることは間違いないでしょう。ただ、このクルマが街を走り、そして停まった際ファルコンウイングドアが開いた世界感はやはり素敵です。例えばですが、来たるべき2020年の東京オリンピック/パラリンピックの際に「プレミアムタクシー」という位置づけで走らせてみるのも大会の盛り上げに一役買うかもしれません。

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自動車(本体) > ホンダ > ステップワゴン スパーダ ハイブリッド 2017年モデル > HYBRID G ホンダ センシング

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費4
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ハイブリッドモデルはスパーダのみに設定。ボディカラーは新色も含め7色設定されます

インパネの造形は基本変わっていませんが専用メーターやセレクトレバーが採用されます

ハイブリッドモデルは全グレード7名乗車。2列目のキャプテンシートは非常に快適です

大型センターコンソールにはホールド機能付きEPBやEVスイッチなどが装着されます

フロントマスクも含め大刷新。LEDヘッドライトもスパーダには標準装備されます

ステップワゴンならではの「わくわくゲート」は重い荷物を積む際には特に便利です

2017年9月に“待望”とも言えるハイブリッドモデルを搭載したホンダ・ステップワゴン。その出来は予想通りでありながら予想以上の仕上がりでした。

ステップワゴンは初代が1996年5月に発売され、現在のモデルは5代目になります。ホンダの国内における中核モデルであり、現在のミニバンブームを火付け役の1台でもあるわけですが、ここ数年はかつてのような勢いにやや陰りが見えてきました。

理由としては過去、ステップワゴンに乗っていたファミリーのうち、子供が成長することで親と一緒に乗る機会が減ってしまったこともありますが、やはりハイブリッド車の台頭が大きな理由のひとつです。

現在のミドルクラスミニバンの約45%がハイブリッド、そのほとんどがライバルであるトヨタ・ノア/ヴォクシー/エスクヮイアで構成されています。

現在のステップワゴンは登場時に1.5Lのダウンサイジングターボのみの設定でしたが、やはり市場の要望はハイブリッド車です。遅れながらもやっとステップワゴンにも設定されたわけです。

搭載するパワートレーンはすでにアコード/オデッセイなどにも採用されている2モーターによる「SPORT HYBRID i-MMD」です。2Lのガソリンエンジンの主な役目は発電ですが、「e-POWER」を搭載する日産ノートのようなモーター駆動ではなく、クルージング時などはガソリンエンジンで走るシーンもあります。

方式はともかく、このシステムは実燃費が高いのが魅力です。過去アコードに乗った際も約500km走行して20.0km/Lという好結果でした。前述したようにEV領域を積極的に使うことができるので実燃費にも期待できます。

実際走らせてみると、1820kgとそれなりに重量のあるボディですが、発進加速はスムーズです。アクセルコントロールによってモーター走行の領域をうまく使いエコドライブが可能なのはもちろん、坂道ではエンジンとの協調制御でグイグイと力強く加速します。また電池が十分に充電されていれば専用のスイッチを押すことでEVモードでの走行も可能です。今回はそれほど多くの距離は走れませんでしたが高速道路も全体の50%、山道も積極的に加速した状態で18.4km/Lという結果でした。ただしこれは2名乗車での結果、多人数になれば当然実燃費は下がります。それでもモーター自体のトルクもあり、全体としてのドライバビリティは高いレベルにあります。

前述したようにシステムとしては既存のものですので目新しさはありませんが、元々オデッセイに搭載されているシステムをステップワゴンに組み込んだところ、全長が100mmもオーバーしてしまったそうです。そのためにパッケージにあった専用骨格を新設計するなどマイナーチェンジの追加モデルのレベルではないほどお金がかかっています。

ステップワゴンのようなミニバンの場合、室内空間は重要な要素です。ハイブリッドシステム、特にIPU(インテリジェントパワーユニット)を床下に組み込んでも室内高はガソリン車とほぼ同等の数値をキープしていますし、ステップワゴンの売りのひとつである3列目シートの床下格納も犠牲にしていません。

その内装も新たに設定したEPB(電子制御パーキングブレーキ)などを配置した専用の大型コンソール、さらにA4サイズの書類が入るブリーフケースも置けるトレイ形状のスペースなど実用度も向上しています。実際よく見るとこのスペース、内張の部分に柔らかい素材を使うことで革製バッグなどが傷つきにくくしたり、ヘッドレストレインとの固さも従来より柔らかめにすることで快適性を向上させるなどきめ細かい配慮がされています。

先進安全装備も同社の「ホンダセンシング」が全グレード標準装備されます。特にハイブリッドモデルにはACC(アダプティブクルーズコントロール)の渋滞時追従機能が付くのですが実際使ってみると加減速のフィーリングも悪くありません。非常に便利な機能ゆえにこれに関してはガソリンターボ車にも機能追加を強く希望します。

静粛性、乗り心地も従来のガソリンターボ車よりレベルを向上させており、燃費性能も期待できるステップワゴンハイブリッドですが、やはり気になるのがその価格でしょう。ハイブリッドは3グレードありますが、装備と価格のバランスを考えると真ん中の「SPADA ハイブリッドG ホンダセンシング(335万160円)」がベストバランスです。

ライバルのトヨタ・ヴォクシーのハイブリッドZSが326万9160円ですが、トヨタのこのクラスのミニバンの先進安全装備はACCが無いことなども含め、正直ステップワゴンには負けています。装備もステップワゴンの方が価格差以上に充実しておりこの点ではライバルよりアドバンテージがあります。

ただそれでも価格は高めと感じたり、それほど距離は乗らないのであれば同等装備で約50万円安いガソリンターボも候補に入れておくのも選択肢としては“有り”です。つまりハイブリッドの登場でガソリンターボ車の立ち位置もはっきりしたことで双方が魅力的なモデルとなったことを感じました。

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自動車(本体) > フォルクスワーゲン > アルテオン 2017年モデル > R-Line 4MOTION Advance

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:215件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費4
価格4
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

圧倒的な存在感を放つワイドなボディ

全長は4,865mm。どこから眺めてもその姿はうっとりするほど美しい

曲面を多用したリアラインはクーペそのもの

245/35R20の大口径ホイール&タイヤを純正装備

日本への導入は最高グレードのRラインのみ。スポーツシートにもRの刻印が入る

280ps/350Nmを発揮する2リッターのTSIエンジンはゴルフRとほぼ共通

「up!」「Polo」といったコンパクトカーから「パサート」のようなミディアムセダンまで幅広いラインアップを持つフォルクスワーゲンは、世界の主要自動車メーカーからベンチマークといえる存在でであります。それぞれのモデルが高い評価を得ており、ドイツ車らしい堅実なクルマ造りがファンの心を掴んでいます。

そんなフォルクスワーゲンですが、「EOS」(オープンスポーツカー)や「シロッコ」のようなクルマを登場させても、売上は成功した例が少ないのは事実です。

しかし、フォスクスワーゲンの良いところ全てという謳い文句とともにフラッグシップモデルである「アルテオン(Arteon)」が登場。車名は「Art」と「eon」の造語。アートという言葉が使われるほど、そのエクステリアは、どこから眺めても美しいの一言です。

全長4865mm、全幅1875mm、全高1435mmとボディサイズはパサートよりも一回り大きく、車高は30mm低い。ワイド&ローの独自なエクステリアとボンネットから続くキャラクターラインが迫力満点であります。プラットフォームは、パサートと同じモジュラータイプの「MQB」を採用しています。パサートは、ホイールベース2790mmに対し、アルテオンは2835mmと45mmも拡大されており、圧倒的な存在感です。

インテリアはブラックで統一。「R」の刻印の入ったスポーツシートに身を置きまして、インテリアを観察すると、フォルクスワーゲンらしい実用的でシンプルなインテリアで、「パサート」と大きな差は見られないのは残念です。

これだけスペシャリティなエクステリアを持つのですから、インテリアにも遊び心が欲しかったです。後席はロングホイールベースを活かした広々としたレッグスペースや、クーペスタイルながら、必要十分なヘッドクリアランスを確保しており、大人4人がゆったり長距離ドライブを満喫できます。

特筆はラゲッジスペースの積載量で通常で536リットル、後席を畳むと1,557リットルというワゴンモデル顔負けの容量を確保しています。

メーターはバーチャル式の12.3インチを採用し、物理計器は皆無です。センターコンソールには手の動きで操作できるディスカバープロが装備され、モニターサイズも大型化。高精細でタブレット端末のような趣です。

エンジンは、ほぼ「ゴルフR」で、2.0リッターTSIを搭載しています。同社の4ドアクーペである初代「CC」がV型6気筒3.6リッターエンジンを搭載し、300PSを発生していたことを考えますと、ダウンサイジングされました。しかし、最高出力280PS/最大トルク350Nmを発揮し、パフォーマンスでは「アルテオン」に軍配が上がります。

優美なボディの「アルテオン」ですから、静粛性も高く、滑るような走行感覚と思い、エンジンを始動させますと、野太く迫力あるサウンドが響きます。湿式クラッチ式の7速DSGは、発進は非常にスムーズでトルクコンバーター式ATと変わりません。

エンジンを高回転まで回すと、「ファーン」とご機嫌なサウンドがキャビンに響き渡り、「これは完全にスポーツカーだな」と感じました。またシフトアップの度に「バフッ!」というサウンドが、「ゴルフR」を思い起こさせます。

切れ味の鋭くなったステアリングフィールやフラット感と相まって高速道路での安定性は特筆ものです。いかなる速度域からでも実にパワフルで、国内の高速道路では、持て余してしまいます。

フォルクスワーゲン初のデイタイムライトは非常に明るく、昼間の視認性は高いものです。そして美しいワイド&ローボディですから、高速道路上や、サービスエリアでの注目度は高く、BMWやメルセデス・ベンツのオーナーさんに「このクルマ何?迫力あるね。」と声をかけられたほどです。

20インチタイヤ&245/35R20タイヤの組み合わせはややバタつく傾向にありますが、マット仕上げのガンメタリック塗装のホイールはとにかくカッコイイです。ブレーキは、片押しキャリパーで宝飾もされていませんが、ドライバーの踏力に応じて比例するように速度を殺してくれます。余談ですが、フォルクスワーゲンにもそろそろ対向キャリパーを採用して欲しいですね。(トゥアレグを除く)

ダプティブシャシーコントロール(DCC)にプログレッシブステアリング、電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」、そして4モーションの組み合わせは、素晴らしく、高速コーナーでも運転席から見えるワイドなボンネットは路面と平行を保ちながら、安定姿勢でクリアしていきます。

「VWオールイン・セーフティ」に基づき、予防安全/衝突安全/二次被害防止の3つのステージに分けて追及。安全支援システムは前後左右、現在必要とされるものは、すべて装備されます。

「アルテオン」は優美なスタイルながら広々とした居住性&積載性の両立、高出力エンジン+フルタイムAWDの組み合わせによりスポーツカーのようなダイナミックな走りを実現しています。

ブランド力ではライバルに敵わないですが、この「アルテオン」は、ライバル車ユーザーの心を奪う資質も持っております。




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自動車(本体) > ホンダ > シビック セダン 2017年モデル > ベースグレード

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア5
インテリア3
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地5
燃費無評価
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ボディカラーは5色設定。試乗車のホワイトオーキッドパールは3万7800円高になります

インパネの基本造形はハッチバックと同じ。ハザードボタンがやや遠い印象を受けました

メーカーオプションのレザーインテリアはパワーシートなどとのセット装着になります

リアシートは足入れ性も良好です。見た目以上にヘッドクリアランスも取れています

荷室容量は519L、6:4の分割可倒機構を使えば長尺物も収納でき実用性も十分です

EPBを標準装備、オートブレーキホールド機構は渋滞時などに役立ちます

2017年7月に発表、9月より発売を開始した新しいシビック。3モデルある中、今回はセダンに市街地から高速も含め試乗しました。

シビックと言えば1972年にホンダの世界戦略車として登場した重要なモデルです。これまでも数多くのバリエーションや新機構なども搭載し常にホンダの中心にいたモデルです。

それでも時代の流れと共にシビックのポジショニングは微妙になってきました。日本も重要ですが、やはり北米での販売を考えるとボディの大型化は否めません。と、同時にシビックが担っていた役割をベストセラーカーとなったフィットが受け持つようになったことでますますその立場は厳しくなり、2010年には8代目モデルで一度その役目を終えることになります。

途中、タイプRを英国から導入するなどブランド自体が消えることはありませんでしたが、今回の10代目シビックを日本で販売することになった背景には世界170カ国以上の国や地域で販売し、グローバルで2400万台という累計生産台数を誇るモデルが生まれ故郷の日本で販売されていない現実、さらにすでにCセグメントの車両として高く評価されているこのクルマを再定義することでホンダのチャレンジングスピリットのひとつとしてアピールしたい目的も取材の中でわかってきました。

今回新型シビックはタイプRとハッチバック、そしてセダンを同時開発したことが特徴です。言い換えれば、新開発のプラットフォームの採用によりセダンとハッチバックの基本性能はタイプRと同等のレベルにまで押し上げているわけです。

セダンのデザインは一見クーペのような流麗なイメージを持っています。全高も1415mmと日本で販売されなかった9代目と比較しても20mmも低くなっています。最近は操縦安定性を高める目的も含め従来より低く着座させる流れが来ているようですが、シビックもそれに近い流れと感じました。一方、気になる乗降性ですが確かにリア席に乗り込もうとすると頭をぶつけてしまうのではないか、という心配がありました。実際、注意は必要ですが、驚いたのがシートに座ってからの空間の使い方の巧さです。低く着座させることでヘッドクリアランスも見た目以上に余裕があり快適です。

そして後席に座って感じたのが静粛性の高さです。後日レポートしますが、ハッチバック車と比較してもその差は顕著で、高速道路などので前後席との会話のしやすさもポイントと感じました。

搭載するパワートレーンはすでにステップワゴンなどにも搭載している1.5L4気筒ターボにCVTを組み合わせます。

CVT特有のラバーバンドフィーリングも比較的抑えられていますし、もしそれ以上のスポーティなフィーリングを求めるのであれば、標準装備のパドルシフトを活用すれば良いと思います。

一方でよりスポーティ色の強いハッチバック車と比較すると「これだ!」という特徴に欠けるのも事実です。もちろんレギュラーガソリン仕様でおサイフにも優しいし(ハッチバック車はハイオク仕様)静粛性も高い、高速道路をゆったりと走るファミリー層や子育てが終わって夫婦で昔のようにドライブを楽しむ層には良い選択だと思います。

先進安全装備もホンダセンシングが標準装備されます。機能の数だけを見ると6項目と昨今売れまくっているN-BOXの10項目に比べると見劣りする感覚は否定できませんが、それでもACC(アダプティブクルーズコントロール)に渋滞追従機能が付いたり、路外逸脱抑制機能のようにステアリング操作を支援してくれるなど、シビックというクルマの性格に合わせた仕様になっており、現状でも十分、さらに言えば今後のアップデートに期待、といったところでしょう。

シビックセダンはモノグレードで265万320円、
カーナビはオプションになりますが、先進安全装備が付いて走りの良さや快適性からすれば、コストパフォーマンスは高いと感じました。

ただ、オプションで運転席&助手席パワーシートが欲しい場合、レザーインテリアと17インチアルミホイールの3点セットになってしまうことで車両価格が上がってしまいます。販売も予想以上に好調ではありますが、量販車としてはまだ台数は少なめです。ライン装着の効率を考えるとこのようなセットオプションにすることは止むを得ないのかもしれませんが、こういう部分をしっかりユーザーの好みで個々に選択できれば販売にもつながってくると感じています。

それでもセダンが元気がないと言われて久しい中、BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスと同じCセグメントのモデルとしてはコスパの高さも含め、面白いクルマが登場しました。

過去、シビックを何台も乗ってきた私も正直「これがシビックか?」と思うこともあるのですが、もうシビックはその時代をとっくの昔に卒業しているのでしょう。7年も経てば子供が成長するのと同じです。実質2クラス以上の快適性を手に入れたシビックは新しいステージで活躍するだけの魅力を手に入れたと思います。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > フォルクスワーゲン > e-ゴルフ 2017年モデル > ベースグレード

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:215件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地5
燃費3
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

e-ゴルフ は馴染みのある現行型ゴルフのスタイリングと差別化をはかっていない

ボディサイズは4265×1800×1480mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2635mm。

ゴルフらしさを固持したスタイリングは一見、EVとはわからない

空気抵抗極力軽減させた専用ホイールに205/55 R16タイヤを組み合わせる

最高出力136PS/3300-11750rpm、最大トルク290Nm/0-3300rpmを発生するモーター

デジタルメータークラスター「Active Info Display」も専用デザインとなる

フォルクスワーゲンは今後登場させる車種についてEVの比率を高めていくと公言しています。そして、今回ゴルフのマイナーチェンジに伴い、本格的に日本のインフラに対応すべく、同社初となる市販モデル「e-ゴルフ」を導入しました。(2014年秋に「e-up!」を導入する予定で、販売前に筆者も往復500キロほどのテストを敢行しましたが、日本のインフラに合致しないことから、導入を見送りました。)

今回は、メーカー主催のプレス向け試乗会に参加し、じっくり試乗してきました。

実車と対面すると完全電気自動車の「e-ゴルフ」だと見分けが付かない。フロントグリルに配されたブルーのラインや、バンパーに配されたC字型の高輝度LEDポジショニングランプなどの専用装備をみて初めて、普通の「ゴルフ」ではないことに気がつきます。同社広報担当者に取材すると、電気自動車だから特別なエクステリアにしないのが、フォルクスワーゲン思想だという。

この「e-ゴルフ」は、これまで本国に存在していたタイプに比べ、駆動用バッテリーの容量が50%増加され35.8kW/hになり、一回の満充電で301km(JC08モード)の走行が可能となっています。また普通充電のほか、日本では主流となっている急速充電CHAdeMO(チャデモ)規格にも対応したのは、大変嬉しいことで、なんと30分で80%まで充電が可能になっています。これでしたら、バッテリー残量を気にせず、遠方ドライブも気にせず行えます。(最近は急速充電器の設置箇所が増えました。)

モータースタートボタンに「エンジンスタート」と刻んであるのは見なかったことにして、スイッチをオンにしても当たり前ですが、何の音もなく、鮮やかなバーチャル式であるデジタルメータークラスター「Active Info Display」が、映し出されます。

シフトレバーを「D」レンジにセレクトして、アクセルを踏むと、車両重量が、ガソリン車から270kg増の1590kgになったにも関わらず、モーター特有の0から最大トルクのおかげで、滑るように走り出しました。あまりの静粛性の高さにタイヤの転がるロードノイズや、周囲のクルマが発する音などが明確に聞こえてきますが、フットワークは身軽なままで、しっとりとした乗り心地は快適そのものです。

高速道路のインターから合流しても、アクセルを踏み込む必要がないほどトルクがあるのは、電気モーターの強みで、パワーメーターの数値が半分も満たないまま、滑るように流れに乗ることができます。

電気自動車といえば、代表格は日産「リーフ」ですが、やはり違いを感じるのは、高速道路上での継ぎ目を乗り超えた際の剛性感や、ステアリングに伝わるどっしり感は、まんま「ゴルフ」です。動力源は変わってもドイツ車らしい安心感はさすがです。

追い越し加速でアクセルを踏んだときの瞬発性は、内燃機関とは一線を画し、モーター駆動ならではの蹴り出しの強さが印象的です。加速性能は、0-100Km/hで9.6秒とその辺の高級車など軽く置き去りにできるもの。特に街中の発進加速は、スムーズかつ迅速で、60Km/hあたりまでは、まさに一瞬で到達してしまいます。

最高法定速度110Km/hの日本には関係ありませんが、「e-ゴルフ」の最高速は必要十分な150km/hで電子リミッターが働く仕様になっています。

走行モードの選択により、パフォーマンスやエアコンの効きを変更することが可能です。選択に応じて消費するエネルギーが変わり、「ノーマル」では最高速150km/h、最高出力100kW、最大トルク290Nmですが、「エコ」では最高速度115km/h、最高出力70kW、最大トルク225Nm、「エコ+」でさらに最高速度90km/h、最高出力55kW、さ最大トルク175Nmとなり、エアコンについてもそれぞれ標準→低下→OFFと自動制御されます。

回生ブレーキの利きは5段階に調整可能なのもライバルにはない機能であり、「D」レンジではアクセルから足を浮かしても、電車のように惰性走行が可能。シフトセレクターを右に倒して「D1」→「D2」→「D3」と操作すると回生ブレーキの効きが強くなり、内燃機関でいうシフトダウンのようなことが可能です。さらに手前に引いて「B」レンジを選ぶと、アクセルのオン/オフだけで加減速が行えます。

インテリアも「ゴルフ」そのもので、実用性には文句の付けようがありません。バッテリーがフロアに搭載されているにも関わらず出っ張りなどは皆無。
大人がリラックスして5人乗車でき、ラゲッジルームも広々。多彩なシートアレンジで長ものの積載も自由自在です。

EVだからといって近未来的なデザインなどを採用せず、世界のベンチマーク「ゴルフ」のいいところをそのまま。

「e-ゴルフ」は、違和感なく乗れる最も実用的かつ、安全性の高いEVではないでしょうか。





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試乗

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自動車(本体) > スズキ > スイフト ハイブリッド 2017年モデル > HYBRID SL

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費5
価格5
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

センターガーニッシュの色は異なりますがRS系と同じハニカムグリルを採用します

イメージカラーの「スピーディブルーメタリック」を含め、8色設定されます

ハイブリッドSLには本革巻きステアリングとパドルシフトが装備されます

メーター中央部のエネルギーモニターの左側にはモーターのパワーメーターが備わります

唯一残念なのが荷室下にハイブリッド系ユニットを搭載するため積載量が少なくなります

185/55R16のブリヂストン製のエコピアEP150とアルミホイールを標準装備します

2017年7月21日に追加設定されたスズキのBセグメントカーであるスイフトのハイブリッドモデル。2グレード設定される内の上位モデルとなる「ハイブリッドSL」に試乗しました。

今回の試乗の目的は通常のインプレッションにプラスしてJC08モード走行で32.0km/Lという燃費性能の実力を試すことでした。そのために高速道路、一般道それぞれ約250kmづつ、合計で500km以上を走ってみました。

現行スイフトは2016年12月の発表ですが、当初はマイルドハイブリッド車しか設定がありませんでした。しかし今回のモデルはいわゆる「フルハイブリッド」、システムとしては先行してソリオに搭載されているものと同じで、1.2L直4にMGUと呼ばれる駆動用モーターを組み合わせたFF車(4WD車の設定は無し)。トランスミッションはソリオ同様、アルトにも設定されている5速AGS(オートギアシフト)のみになります。

実はこのAGS、マニュアルミッションのクラッチとシフト操作を自動で行ういわゆる「セミオートマ」的な技術(シングルクラッチAMTと呼ぶ場合もある)なのですが、アルトに採用された当時は変速時に一瞬ではありますが、失速するような感覚がありました。これ自体はこのシステムを使っている一部の輸入車でも起きることですし、ドライバー側が変速時にスッとアクセルをコントロール(緩める)することなどで解消はします。言い換えれば「慣れの問題」でもあります。

ただ、それでも多くのドライバーからすれば不満があったのも事実、そこでスイフトは変速時に電気モーターで駆動力をカバーすることでこの現象を解決しようと考えたわけです。

正直、これは「目からうろこが落ちる」ほど驚きました。もちろん安全な場所でメチャクチャにラフなアクセル操作を行えばいわゆる“ギクシャク感”は発生しますが、そこまでやれば他のクルマだってそうなります。

そうです。この技術の搭載によってこれまでの弱点を解決したわけです。元々、ベースがマニュアルトランスミッションですからスムーズに変速できれば、走行フィーリングはさらに良くなります。実際、CVTを搭載するマイルドハイブリッド車、これ自体も決して悪くありませんが、このハイブリッド車のダイレクトなドライブフィールには正直敵いません。さらに言えば、標準装備されているパドルシフトを活用することでかなりキビキビ走ることができます。

個人的はこの技術は『発明』だと思っており、試乗を開始した直後からワクワクが止まりませんでした。これ自体は誰が乗ってもわかることなのでもしディーラーで試乗する機会があればアルトなどのAGSに乗った後にこのクルマに乗ればさらにその良さがわかると思います。

車両としてはフルハイリッド車ということで、モーターで走れるいわゆるEV走行の領域は広くなっています。残念ながらトヨタのハイブリッド車のように「EVスイッチ」は無いので自分でセレクトすることはできませんし、モーターだけで走れる距離もそれほどは多くありません。ただ「標準/エコ」2つのモードのうちエコを選択すれば、エンジンが停止している状態からの発進時はクリープ走行も含め、モーターのみで走れます。また約60km/h以下での通常走行時のEV走行の頻度も高くなるという印象を受けました。

またスズキ車の特徴としてモーター付き発電機の力を使ってエンジンを始動する機能があるのですが、このクルマも同様で始動時の「ブルン!」と言った音がうまく抑えられています。これは地味ですが非常によく考えられており、ストップ&ゴーの多い都市部での走行時には有益です。

走りに関しては前述したようにダイレクト感のあるシフトフィーリングですが、元々搭載するエンジンに10kW/30N・mのモーターをプラスしただけ。というと聞こえば悪いかもしれませんが、同じスイフトでもターボを搭載する1LのRStなどに比べると高速道路の登坂路などではやや苦しいシーンもありました。しかしあくまでもクルマの方向性が違います。後述しますが、このハイブリッドはシリーズの中で最上級モデルという位置付けです。乗り心地もRS系より快適方向にシフトしてありますし、パワステのフィーリングもあまり過度にならないようにセッティングされています。

さて気になる燃費ですが、エアコンは常時オン、1〜2名乗車で冒頭に述べたように約500kmを走りました。明確な切り替えはしていませんが、市街地ではエコモードを高速道路では標準モードをメインにして走行しました。特に市街地から郊外路など流れの良い道を走った際にはEV走行の頻度が高く、燃費向上にも利いてきます。

高速道は渋滞が2回ほどあり合計で15kmノロノロでしたが、それ以外は全体としての流れは良かったです。区間燃費としては往路が上り坂も多い中、21.9km/L、復路は逆に23.7km/Lまで向上しました。

結果としてのトータル燃費は23.4km/L。スイフトは新しいプラットフォームの採用もあり軽量化が自慢です。ハイブリッド車はスイフトの中では重い部類(960kg)ですが、それでもハイブリッドバッテリーやモーター類を搭載して1トンを切るのはたいしたものです。

この軽さが結果として走行時のフィーリングの良さに繋がっており、燃費が良く、普段の走りも楽しいクルマに仕上がっています。

それではなぜ、これだけ優れたクルマの“RS版”が無いのか?という疑問がわいたのでスズキに確認したところ、スイフトハイブリッドはスイフトの中では最も上級モデルという位置づけにあること。また幅広いモデルバリエーションを持つ中、個性を出すためにもあえて現状ではRS系のハイブリッドは出さないということでした。もちろんRS系にはマイルドハイブリッド車がありますのでその考えは理解できます。

最上級モデルだからというわけではありませんが、194万9400円と200万円切りの価格中に、ACCを含めた先進安全装備(セーフティパッケージ)も標準装備、オプションになりがちなLEDヘッドライトも標準装備します。同クラスのハイブリッド車と比較すると装備面では圧倒的にお買い得、コストパフォーマンスの高さは抜群です。

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試乗

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自動車(本体) > 日産 > エクストレイル 2013年モデル > 20X 4WD (7人乗り)

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア4
インテリア3
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地4
燃費2
価格3
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

「Vモーション」と呼ばれるデザインの考えによる新しいフロントグリルを採用します

新色の「ガーネットレッド」のボディカラーは5万4000円のメーカーオプションです

視認性が高い点はエクストレイルの魅力のひとつ。ナビ類はすべてオプション扱いです

プロパイロットは他の先進安全装備とセットで20X系に14万400円でメーカーオプション

緊急用のサイズではありますが、いざという時の3列目シートは大きな魅力と言えます

3列目シートは分割可倒式ですが、起こした状態でも小物であれば積載が可能です

2017年6月にマイナーチェンジを行った日産エクストレイルの20X(7人乗り、4WD車)に試乗しました。

初代からグローバルでの販売を積極的に行い、国内では“タフ・ギア”のキャッチコピーも含め、このセグメントとしてはマーケットリーダーとなったSUVです。

3代目となる現行型は2013年12月の発売ですが、今回のマイナーチェンジの最大の特徴は2016年にフルモデルチェンジしたセレナに初搭載された「プロパイロット」を搭載したことです。

プロパイロットは日産の言葉を借りると「高速道路同一車線自動運転技術」になりますが、現在の自動運転の枠組みでいうと「レベル2」に該当します。

ひと言で自動運転技術、それもレベル2の中でもそれなりの能力差があるわけですが、プロパイロットはその中でもそれほど高いレベルではありません。

ただ、だからダメというわけではなく、セレナの場合などはミニバンという商品にマッチする技術として個人的には高く評価しています。

特にミニバンやSUVなどレジャーやアクティビティなどの利用シーンではドライバーは色々な意味で運転時のストレスを溜めやすくなります(特に帰り道など疲れている時)。

その点でも渋滞時や高速道路の巡航時にアクセル、ブレーキ、そしてステアリングを制御してくれるこのシステムは価値のあるものです。

ガソリン車は全グレード、2L直4DOHCエンジンにエクストロニックCVTを組み合わせ搭載します。正直パワフルというにはほど遠いですが、市街地から高速まで必要十分に使えるレベルにまとめています。

一方でこれは良い!と感じたのが全体の静粛性。装着するダンロップ・グラントレックST30というタイヤのおかげも大きいと思いますが、細部からの音の侵入もよく抑えてある点、高速走行時でもロードノイズも少なく、逆に風切り音のほうが気になるほどです。

足回りに関してもコーナリング性能云々という種のクルマではありませんが、ロール自体は大きいものの、接地感は上々です。また全体的にストローク量も大きく取ってあるので高速走行時での乗り心地も良く、この部分はグローバルで展開している車種であることを感じさせてくれます。

居住性に関しては3列目シートはあくまでも“非常用”ではありますが、いざという時、近距離であれば7人まで乗車できる点は魅力です。同じ20Xで比較した場合、3列シート車は2列シート車より7万2360円高くなりますが、ガソリン車を購入するのであれば3列シートを購入したほうが将来の売却時にも有利だと思います。

気になる「プロパイロット」に関しては高速道路や自動車専用道の限定利用になりますが、それでも首都高速のような連続したカーブなどが多い道路は得意ではありません。この手のシステムはコーナーのR(アール:曲率半径)や実際の速度によってそもそもシステム自体がそれに追いつかないことが多いのが現実です。

あくまでも片側一車線でカーブ自体もゆるやかな高速道での使用という点でも限定されますが、それでも東名高速や中央高速など速度制限内で交通の流れを妨げずに走る際には非常に快適です。今に始まったことではありませんが「自動運転」という言葉が一人歩きしてしまっている中、私たちのような伝える側はもちろん、購入する側もしっかりシステム自体を理解して、過度の期待はしないことが重要だと感じました。

プロパイロットはガソリン車、ハイブリッド車ともに20Xのみにメーカーオプション設定されます。つまりオススメはおのずと20X系または関連会社であるオーテックジャパンが販売している「モード・プレミア」か「エクストリーマーX」になります(ベース車が20X系なので)。

オーテックがリリースする特別仕様車は「モード・プレミア」が上質に都市型なセンスを、「エクストリーマーX」が上質さによりアウトドア&アクティブさを表現しています。つまり2つの特別仕様車に強い個性を持たせることで標準モデルとは異なる世界観を表現しています。たしかに価格は高くなりますが、その分リセールバリューも期待できますし、かなり魅力的な選択肢なのでこちらも候補としてオススメします。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > ジャガー > XE 2014年モデル > S

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:215件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費3
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

上質さの中にもスポーティさを押し出したエクステリア

全長4680mmとDセグメントに分類されるサイズ

4ドアながらクーペのような美しい曲線美が魅力

取材車両の「S」には、20インチホイールが装備される。

V型6気筒3.0リッタースーパーチャージャーエンジンは、340PSを発生

素晴らしいハンドリングと安定性でハイウェイ走行も安楽

「XE」は、ジャガーが新たにDセグメントに参入した新型の4ドアセダンです。
今回もインポーターの広報車両をお借りして、ハイウェイ、ワインディングを走ってきました。試乗車種は「XE」では最もパワフルな「S」を選択。最高出力は340PSを発揮します。

同車は、2014年9月にロンドン・アールズコートでデビューし、翌月のパリ・モーターショーでお披露目されました。日本国内では、2015年9月から販売を開始されました。

2001年〜2009年まで、当時、フォードの傘下で開発された「Xタイプ」の後継モデルという位置づけですが、フォード 「モンデオ」ベースのプラットフォームを共有したのに対し、「XE」はジャガー・ランドローバーがまったく新しいプロジェクトで、独自開発した軽量モノコックボディ(重量比で75%以上にアルミ合金を使用)のFRモデルとして登場した、ジャガー4ドア最軽量モデルです。

ガソリンエンジンでは、ジャガー(XF、XJ)やランドローバー(イヴォーク)にも採用されている2.0L直噴ターボエンジンや、スポーツモデルのFタイプと同じ3.0L V6スーパーチャージャーエンジンを採用しています。
また、ジャガー・ランドローバーが自社開発した2.0L「Ingenium(インジニウム) 」ディーゼルターボは、尿素SCRでNoxを還元してユーロ6をクリアした自慢のエンジン。

エクステリアはロングノーズ、ロングホイールベース、ショートデッキ、ロー&ワイドの4ドアクーペ風です。ジャガーらしい華やかさやインパクトは控えめですが、滑らかな線と面で構成されたスタイルは無駄がなくて美しいものです。。空気抵抗を示すCd値はジャガー史上最高の0.26を記録。

ボディは75%以上がアルミニウム合金製です。同社「XJ」や「Fタイプ」のような“オールアルミ”ではありませんが、アルミとスチールの混成のボディは、ライバルとは比較になりません。

意外とコンパクトに見えるボディですが、全長4680mm×全幅1850mm×全高1415mm、ホイールベース2835mmとBMW「3シリーズ」より一回り大きく、最新型のアウディ「A4」に近いと言えます。

スタートボタンを押すと、エンジンが始動し、お馴染みのロータリー式ドライブセレクターがせり上がってきて、ジャガーだなと感じます。3.0L V6ガソリン・スーパーチャージャーは、アイドリング時から、豪快なサウンドを響かせ、「XE」のスポーツモデルであることをドライバーに主張してきます。

トランスミッションは、ヨーロッパ車の後輪駆動モデルで多く採用されるドイツZF社製8速AT(8HP45)を搭載しています。ステップ比が小さいため、変速はデッドスムーズで、ロックアップ機能によるダイレクト感のあるレスポンスも気持ちがいいものです。

市街地走行では、エンジンは1400rpm〜2000rpmあたりで粛々と回っており、それ以上を必要としません。
アクセルを踏み込めば一気に吹け上がり340PSという必要以上のパワーを発揮し美しい4ドアセダンをスポーツカーのように変貌させます。また、ロータリーシフターを回して「DS」(スポーツモード)を選べば、高回転を維持して俊敏にアクセルに反応します。
「ジャガー・ドライブ・コントロ−ル」(パワーステアリング、スロットルマッピング、シフトプログラムを変更)で「ダイナミック」を選べば、反応がよりシャープになり、レブリミットに達しても、勝手にシフトアップは行われず、「Fタイプ」譲りのV6サウンドが、キャビンに響き、その走りはより一層、迫力の満ちたものになります。

ボディは極めて高い剛性を感じることができます。フロント、ダブルウィッシュボーン、リアが新開発のインテグラルリンクとなるサスペンションがきっちり動く様子がリニアに感じ取れます。そして、一般道、ハイウェイでも、ダンピングは最小限に抑えられ、フラットな乗り心地は特筆ものです。ジャガー「XJ」や「XK」で長年アルミボディを手がけてきたジャガーだからこそできる技でもあります。

ワインディングでは、まるで、ライトウェイトスポーツモデルのような軽快な身のこなしをみせ、少々走り込んだレベルでは、ロールやピッチングも皆無に等しいと言えます。(前後重量配分も52:48と計算されています。)あまり、タイトコーナーで攻め込むと、レザーシートでドライバーの身体が滑ってしまうというハプニングもありましたが、ハンドリング、パワーも含め、文句のつけようがない走りでした。

高速道路での時速100km/h巡航時のエンジン回転数は8速で約1800rpm。直進安定性や静粛性はまったく申し分ないもので、安楽そのものです。追い越し加速では、さすが340PSを発生させるだけのことはあり、ドライバーが想像する以上の勢いで加速していきますが、通常は軽くアクセルに足を載せているだけで事が足りてしまいます。

ミリ波レーダーを使ったACCに加えて、ステレオ・カメラで前方を監視し、80km/h以下で衝突を回避あるいは衝突被害を軽減する自動緊急ブレーキ(AEB)やレーンデパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告)は全車標準です。

ジャガーへの期待を裏切らない上質さに加え、素晴らしい加速性能、正確なハンドリング、高いボディ剛性、軽量設計など、伝統を守りながらも、最新技術を取り入れたクルマが「XE」でした。


レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > ダイハツ > ミラ イース 2017年モデル > G SA III

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:42件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア3
インテリア4
エンジン性能4
走行性能3
乗り心地3
燃費4
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ボディカラーは全9色を設定、写真のスカイブルーメタリックは新色になります

L“SAV”以上には前後に2個づつのコーナーセンサーが標準装備されています

質感が大幅にアップしたインパネ周り。カーナビの装着位置も見やすく操作性も優秀です

G“SAV”には運転席/助手席にシートヒーターとシートリフターが標準装備されます

デジタルメーターは旧型から踏襲していますがGとLは多機能型を採用しています

G“SAV”のみプッシュボタンスタートを装備。スマアシVのスイッチも配置します

2017年5月にフルモデルチェンジを行った2代目となるダイハツ ミラ・イースに試乗しました。

初代の登場は2011年9月、「第3のエコカー」のふれこみで軽自動車の原点とも言える「低燃費」「低価格」などを前面に押し出し新しい市場を開拓しました。

今回、新型に開発するにあたって取材をするとは社会環境も変わってきており、環境(燃費)性能などは当たり前、それよりも「安全・安心」などを含めた装備などが求められていることがわかったそうです。

そのために新型ではステレオカメラを使った先進安全装備である「スマアシ(スマートアシスト)V」を積極的に展開、さらに旧型より80kgの軽量化やエンジンやトランスミッションの制御を見直すことで低燃費だけでなく走りの質感も向上させました。

試乗したのは最上級グレードのG“SAV”のFF車(CVT)で価格は120万9600円となります。

最上級ゆえに装備もかなり充実しており、このグレードであれば登録車からのダウンサイザー(大きめのクルマからの乗り換え)にも十分対応できます。

実際、新型ミラ・イースとしてはスマアシVが装着され、十分な装備を持つ、ひとつ下のX“SAV”(FF、108万円)が最もお買い得だと思います。

さらにこの下にはスマアシVを装着しながら93万9600円という価格を実現したL“SAV”も設定されていますが、こちらはあまりオススメできません。

その理由はタイヤにあります。GとLには14インチ、L以下はより軽量化のために新開発した13インチタイヤが装着されていますが、足回り自体のセッティングも異なります。

普段使いであれば問題ないかもしれませんが、少しスピードが出た状態での車両の安定感などはやはり14インチ仕様が優れているからです。

GとLとの価格差は12万9600円ありますが、ここにはフルオートエアコン、アルミホイール、イモビライザー付きのキーフリーシステム(鞄の中などにキーを入れた状態でもドアの解錠/施錠ができる)、プッシュ式エンジンスタートボタン、シートヒーターなどが含まれます。

前述したように登録車など装備がしっかり装着されているクルマからの乗り換えであればGがオススメですが、普段の“足クルマ”なのであればLで十分、またLにも消費電力を抑えて低燃費にも寄与するLEDヘッドランプが標準装備されているので、この点でもLのコスパは高いと考えます。

室内に乗り込んでみると旧型に比べ、品質が非常に上がったことがわかります。

ダッシュボードのシボ(表面の模様)の仕上げや旧型には無かった前席両側のカップホルダーなど使い勝手が向上しています。

またシート自体の作りもアップしていますし、何よりも後席の座り心地が大きく向上しています。

正直に言えば、このクルマで4名乗車という使い方は少ないと考えます。だからというわけではありませんが、旧型はこのリアシートで大幅なコストダウンを行っていました。もちろんムーヴやタントに比べれば使い勝手や着座感は劣りますが、旧型よりは確実に良くなったと言えるでしょう。

さらに気に入ったのはパーキングブレーキに「手引き式」を採用した点です。ご存じのように現在のクルマでは「足踏み式」が主流、電動パーキングブレーキなどはまだまだコスト面からも採用車種は少ないのが現状です。

なぜこの時代に足踏み式?答えは非常にスッキリしていました。ダイハツの調査によれば高齢者などを中心に足踏み式だとペダルが増えることで踏み間違いが怖い、という意見があったそうです。

もちろんベンチシートを採用しているムーヴなどでは現実に装着は難しいのですが、手引き式は視覚的&触覚的にもブレーキをかけた(引いた)状態がわかることもあり、旧型からの継続採用を決めたとのことです。

走りの部分では36kW(49ps)、57N・m(5.8kg-m)という控え目なスペックですが前述した80kgの軽量化や制御の効率化により普段使いとしては十分、特に街中などでの中間加速の際に旧型がもたつき気味だったのに対し、新型はスムーズさが向上しています。

実用燃費はそれほど長い距離が走れなかったので概ね20km/Lといったレベルです。ただ当日は炎天下でエアコンはフル回転、渋滞もかなり多かったことは付記しておきます。ライバルのスズキ・アルトと比較すると悩む部分は多いのですが、先進安全装備の能力の高さなどからも現状はミラ・イースを選ぶ理由は十分にありそうです。

レビュー対象車
試乗

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