自動車(本体)すべて ユーザーレビュー

 >  > 自動車(本体)

ユーザーレビュー > 自動車 > 自動車(本体) > すべて

自動車(本体) のユーザーレビュー

(896件)
RSS

レビュー表示
表示切替
すべて表示
動画付き
プロフェショナルレビュー
自動車(本体) > キャデラック > CT6 2016年モデル > プラチナム

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費3
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

キャデラックの新しいフラッグシップサルーンとしてCT6が導入された。今回のモデルはFR系(CT6はAWD)の新しいプラットホーム(オメガ・アーキテクチャー)を使って開発したモデルで、キャデラックが2020年に向けて投入する8車種の新車群の先駆けとなるモデルだ。

新プラットホームはアルミ合金を中心にさまざまな素材を採用したのが特徴で、これによる軽量化はめざましいものがある。ホワイトボディは、CT6よりも小さいBMW5シリーズやアウディA6よりも軽く作られているという。車両重量は1920kgで、SクラスやA8などラグジュアリーサルーンの大半が2tを超えるのに対し、フルサイズ、フル装備でありながらより軽く作られている。

堂々たるセダンボディは、3サイズが5190mm×1880mm×1495mm。Sクラスや7シリーズ、LSなどの標準ボディ車と並ぶサイズである。フルサイズのアメリカ車というと、相当に大きなクルマを思わせるが、今どきの高級車はこれくらいのサイズが当たり前になっている。

オーソドックスな4ドアセダンなので、全体的なデザインはちょっとコンサバなイメージもあるが、大きなフロントグリルを囲むようにヘッドランプやLEDランプなどが配置され、顔つきは相当にいかつい感じである。

インテリアはキャデラックらしいラグジュアリーな雰囲気にあふれたものだ。試乗車にはホワイトの本革シートが装備されていたほか、木目パネルなどが高い質感を表現していた。また後席には格納式のテレビも装備されていて、ショーファードリブンとして使われることを意識した仕様とされている。後席の足元の広さは余裕十分といった感じである。

搭載エンジンはV型6気筒3.6LのDOHCだ。直噴仕様で250kW/386N・mのパワー&トルクを発生するものの、ターボなどの過給器を装着しない自然吸気エンジンである。ちょっと古い感覚かも知れないが、キャデラックといえばかつてのノーススターエンジンに代表されるような大排気量のV型8気筒の印象が強い。それが今はダウンサイジングの時代であり、キャデラックのフラッグシップにしてV型6気筒の3.6Lなのだ。

軽量化を進めたとはいえ、大柄なボディに自然吸気の3.6Lで間に合うのかと思って走らせたが、走りには想像する以上の余裕があった。本国には2種類のターボ仕様エンジンを搭載したモデルがラインナップされているが、これだけ走るならあえてターボ仕様エンジンを搭載しなくても良いように思った。

組み合わされるトランスミッションが電子制御8速ATで、実に滑らかな変速フィールを実現していることも、余裕の走りを感じさせることにつながっている。クルージング中には何速で走っているのか分からないような滑らかさ、静かさを感じさせる。

特筆されるのはシャシー性能だ。CT6にはアクティブ・シャシーシステムが採用され、先進技術がテンコ盛りで搭載されている。アクティブ・オンデマンドAWDやアクティブ・リアステア、キャデラックが伝統的に得意とするマグネティック・ライドコントロールの最新版などがそれだ。これによって、走行条件に応じてどのホイールでも駆動し、どのホイールでもステアする、そんな走りが可能になる。

必要に応じて必要なトルクを前輪にも配分するAWDシステムは、それを全く感じさせない走りを実現するし、高速レーンチェンジなどでの安定性に優れるのは明らかにアクティブ・リヤステアの効果だろう。

タイやが20インチの40という巨大なサイズだったこともあり、マグネティック・ライドを装着する割には乗り心地は硬めの印象だったが、これもモードの切り換えによって変化させることが可能だ。

CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)に代表される快適装備のほか、歩行者にも対応する自動ブレーキやオートパーキングなど、最新の安全装備も満載したCT6の価格は998万円。試乗車は有償ペイント代12万9000円が追加されていたので1000万円超になっていたが、フルサイズ、フル装備のラグジュアリーサルーンが1000万円そこそこで買えるのは、相当にリーズナブルな印象である。

大柄なボディの左ハンドル車なので、一般のユーザーが選ぶクルマにはなりにくい面もあるが、ショーファードリブンとして使うなら、左ハンドル車であることは利便性にもつながる。

レビュー対象車
試乗

参考になった0

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > スズキ > ソリオ バンディット ハイブリッド 2016年モデル > HYBRID SV

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア3
エンジン性能4
走行性能3
乗り心地3
燃費5
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

スズキのコンパクト・ハイトワゴンとして人気を集めるソリオバンディットにハイブリッド車が追加された。ソリオには、これまでもマイルドハイブリッドが設定されていたが、今回は本格的なフル(ストロング)ハイブリッドの設定である。

フルハイブリッドといっても、トヨタがプリウスなどに搭載するTHSUほど高度なシステムではなく、コンパクトカーに適したシンプルで合理的なシステムとされている。

ソリオバンディット・ハイブリッドには、スズキが静岡県裾野市で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはSVだ。なお、ほかにソリオハイブリッドのSZにも試乗していて、別掲で紹介しているので、そちらも参照して欲しい。

旧型モデルの時代から、コンパクトクラスのハイトワゴンはスズキの独壇場ともいえるものだった。ここにきて、ダイハツ/トヨタ/スバルから、トール/ルーミー/タンク/ジャスティの4姉妹車が登場し、一気に混戦もようを見せてきた。スズキが、ソリオにマイルドハイブリッドに加えてハイブリッドを追加したのは、こうした競争に対応するためだろう。

スズキがソリオとソリオバンディットという形でふたつの顔を持つクルマとしているのと同じように、トール系4姉妹車もそれぞれふたつの顔を持つクルマとしているのだから、スズキとしても穏やかではないはずだ。

追加されたソリオハイブリッドは、エコイメージを強調して前後のデザインが変更されているが、変更点はそれほど多くはない。インテリアにしても小変更という感じである。

今回のフルハイブリッドは追加で、マイルドハイブリッドは継続して設定されている。バンディットにはないが、ソリオにはガソリン車の設定もある。

グレード名は、ガソリン車には“G”が付き、マイルドハイブリッドには“M”が付き、フル(ストロング)ハイブリッドには“Sが付くという形で、うまく整理されている。スズキはこうした点が分かりやすいのが良い。

搭載エンジンは直列4気筒1.2LのK12C型だ。これはガソリン車からマイルドハイブリッド、フルハイブリッドの全車に同じエンジンが搭載されている。動力性能は67kW/118N・mで、各仕様とも同じ性能を発揮している。

マイルドハイブリッドは、このエンジンにISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたのに対し、フルハイブリッドはトランスミッションの出力側にMGU(モーター・ジェネレーター・ユニット)を組み合わせている。

モーターの出力もマイルドハイブリッドは2.3kW/50N・mにとどまるが、フルハイブリッドは10kW/30N・mとパワフルなものとなる。トルクの数値が低くなっているが、発生する回転数域が格段に幅広いのがフルハイブリッドの特徴だ。

さらに異なるのがトランスミッションだ。マイルドハイブリッドでは副変速機付きのCVTを組み合わせていたが、フルハイブリッドではオートギアシフト(AGS)が採用されている。CVTを入れるにはスペースが足りなかったのでAGSを選んだとのことだ。シングルクラッチのAGSはトルク抜けが欠点だが、フルハイブリッドでは変速時にトルク抜けが発生するときにモーターがアシストするため、ほとんどトルク抜けを感じないスムーズな変速が可能である。

これによってフルハイブリッドでは燃費も大きく向上した。マイルドハイブリッドが27.8km/Lだったのに対し、フルハイブリッドでは32.0km/Lに達しているからだ。ざっと15%ほどの向上幅である。ただし、フルハイブリッドはマイルドハイブリッドに対して価格も高く、その分を燃費の差でカバーするのは難しい。

フルハイブリッドを追加したのにマイルドハイブリッドを残したのは、価格的に高くなることのほかに、駆動方式の問題もあるからだ。マイルドハイブリッドにはFFと4WDが設定されるが、フルハイブリッドにFFしか設定がない。後部にリチウムイオン電池を搭載するため、4WDにするにはスペースが足りないためだ。日本では雪国で4WD車が選ばれる比率が高く、FFだけに絞ったのでは商売が難しいため、マイルドハイブリッドも残されたのだ。

なお、パワートレーンを中心にしたフルハイブリッドの走りのフィールについては、ソリオハイブリッドの項を参照して欲しい。

ソリオバンディットは全車に先進緊急ブレーキのデュアルカメラブレーキサポートに代表される安全装備が設定されている。デュアルカメラブレーキサポートはスバルのアイサイトにも匹敵するくらいの優れた性能を持つ安全装備なので、購入時には必ず装着したい。

レビュー対象車
試乗

参考になった2

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > スズキ > ソリオ ハイブリッド 2016年モデル > HYBRID SZ

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア3
エンジン性能4
走行性能3
乗り心地3
燃費5
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

スズキのハイトワゴンとして人気を集めるソリオにハイブリッド車が追加された。ソリオには、これまでもマイルドハイブリッドが設定されていたが、今回は本格的なフルハイブリッドの設定である。といってもトヨタのプリウスなどに搭載されるTHSUほど高度なシステムではなく、コンパクトカーに適したシンプルで合理的なシステムとされている。

ソリオハイブリッドには、スズキが静岡県裾野市で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはSZだ。なお、ほかにソリオバンディットハイブリッドのSVにも試乗していて、別掲でメカニズムを中心に紹介している。重なる部分が多いが、そちらも参照して欲しい。

追加されたソリオハイブリッドは、専用のエンブレムが装着されるほか、エコをイメージしたデザインの小変更がなされている。フロントグリルのスケルトン部分にブルーのメッキが採用され、リヤコンビランプのレンズをブルークリアタイプに変更したことなどがそれだ。

インテリアもブルーメタリック塗装のインパネガーニッシュが採用され、青色基調の専用デザインのメーターに、ハイブリッドシステムの作動状態を表示するモーターパワーメーターを配置している。

ハイブリッドの良さはまず、燃費が良くなったことだ。マイルドハイブリッドでは27.8km/LだったJC08モード燃費がハイブリッドでは32.0km/Lに向上している。これはけっこうな向上幅である。ただ、ハイブリッドはマイルドハイブリッドに対して価格もアップしていて、価格の上昇分を燃費でカバーできるかというと難しいのが実情なのだが、30.0km/Lを超える燃費は相当に良い数値といえる。

JC08モード燃費に対して実用燃費は大ざっぱに言って7掛け程度とされるが、ハイブリッドなら20.0km/Lを超える燃費が手堅く出せると思う。

マイルドハイブリッドがモーターをアシストとしてしか使わないのに対し、ハイブリッドはモーターだけの走行も可能である。コンパクトカー用の簡易型とはいえ、フルハイブリッドであることによるものだ。

走行モードは標準モードとエコモードが用意され、インパネ右側のスイッチで選択する仕組みだが、このスイッチがステアリングホイールの陰に隠れて見えにくい位置にあり、操作もしにくい。走りながら頻繁に切り換えるような使い方には適さない配置である。

で、エコモードを選んで走ると、郊外の空いた国道などを走っている状態では時速60kmくらいまでの領域をモーター走行でカバーでき、下り坂などさらに条件の良い状態では時速80kmくらいの速度域までモーター走行でカバーできた。まずまずの実力と考えていい。

エンジンが始動したときの振動や騒音もあまり大きなものではない。いつ始動したか分からないほど静かではなくて、エンジンの始動ははっきり分かるのだが、それが苦になるような感じではない。

もうひとつの特徴はトランスミッションだ。ソリオハイブリッドには、アルトターボなどに採用されるオートギアシフト(AGS)と呼ぶシングルクラッチのトランスミッションが採用されている。AGSは、ヨーロッパのコンパクトカーなどに多く採用されているのと同じシングルクラッチで、アルトターボでは変速時のトルク抜けに対する不満が強かったものだ。

それがソリオハイブリッドでは、モーターとの組み合わせによってなかなか具合の良い変速をするようになっていた。AGSの変速時にトルク抜けが発生するとき、それを補うようにモーターのトルクが加わるので、ほとんど違和感のない変速を実現できるのだ。

スタンディングの状態からフル加速で発進するようなシーンでは、それなりに大きな変速ショックがあるものの、普通のタウンユースを想定して穏やかに走らせるようなシーンでは十分に滑らかな変速フィールが得られる。そうか、AGSにはこのような使い方もあったのかと、そんな風に驚かされる気持ち良さだった。

ソリオは、ハイブリッドとマイルドハイブリッドのモデルには、デュアルカメラブレーキサポートに代表される先進緊急ブレーキなどの安全装備が設定されている。デュアルカメラブレーキサポートはスバルのアイサイトにも匹敵するくらいの優れた性能を持つ安全装備なので、購入時には必ず装着したい。


レビュー対象車
試乗

参考になった8

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > マツダ > ロードスター RF 2016年モデル > VS

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地3
燃費3
価格2
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ロードスターに電動ルーフを持つRFが登場した。従来のモデルではRHT(リトラクタブル・ハード・トップ)だったが、今回のモデルはRF(リトラクタブル・ファストバック)である。

RHTではルーフ部分が完全に収納され、フルオープンの爽快感が得られたが、RFでは斜め後方の部分にクォーターパネルが残る形になる。爽快感という点ではRHTに劣るが、逆にデザイン的なカッコ良さでは断然優位に立つ。

ロードスターRFには、マツダが品川区の倉庫をベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはVSの6速EC-AT車で、ピアノブラックのツートーンルーフがオプション装着されていた。インテリアにはオーバーン(茶色)のナッパレザーの本革シートが設定されていた。

最新のロードスターはボディサイズが小さくなったこともあって、RHTの構造を採用しにくくなったほか、クローズドでもオープンにしたときにもカッコ良いデザインとするため、新たにRFの方式が選ばれたのだという。ルーフを閉じた状態でも、運転席の後方にガラスがあり、その後方は空間だから、このクォーターパネルは一種のダミーのような形である。

オープンにして走るとき、このリヤクォーターパネルを意識することはないので、爽快感という点では問題がないのかも知れない。それでいてカッコ良く見えるなら、それで良いと考えるべきだろう。RFのデザインに対してはいろいろな人がけっこう高く評価している。

ルーフの開閉機構はインスト中央部やや左寄りに設けられたスイッチを操作するだけだ。手動でロックを外すなどの操作をする必要がなく、完全に電動で開閉する。開閉動作はインパネ内にある3連メーターのうち、左側にある燃料計の上の液晶画面に開閉の様子が表示されるが、開閉時間も短いので液晶画面を気にする暇もないほどだ。わずか13秒ほどの開閉時間は世界最速レベルであるという。

オープン時には、3分割されるルーフのうちフロントルーフとミドルルーフ、そしてバックウインドーが収納され、リヤルーフだけが残る形になる。タルガトップのような雰囲気だ。フルオープンに比べたら爽快感がやや劣るものの、適度な包まれ感というか安心感のようものがあるのがRFの良さである。

走行中の静粛性も高い。ルーフに張られた三重構造のライナーのほか、ボディ各部に追加された遮音材などの効果もあって、幌タイプに比べると格段に高い静粛性が確保されている。これはRFならではの魅力である。

搭載エンジンは直列4気筒2.0Lの自然吸気DOHCだ。現行ロードスターは1.5Lエンジンを搭載しているが、アメリカ向けには2.0Lエンジンを搭載したもモデルを用意していた。今回のRFにはその2.0Lエンジンを搭載してきた。

ロードスターRFは電動機構を採用することなどにより、重量が重くなっている。ベースグレードのS同士で比較すると110kgの違いがあり、RSなどで比較すると60kgの増加になっている。RFに幌タイプと同じ1.5Lエンジンを搭載したのでは、さすがに走らなくなるということで、2.0Lエンジンを搭載したのだ。

2.0Lエンジンはレッドゾーンが6500回転からと、1.5Lエンジンに比べて回転の上限がやや低くなるものの、動力性能は1.5Lエンジンが96kW/150N・mにとどまるのに対し、2.0Lエンジンは116kW/200N・mを発生する。動力性能の向上幅は重量の増加幅よりも大きいから、幌タイプよりもずっと良く走る印象がある。

1.5Lエンジンが軽快な吹き上がりで自然吸気らしい気持ち良さにあふれたエンジンであるのに対し、2.0Lエンジンはトルクの余裕を生かした走りが魅力となるエンジンだ。より力強い走りが得られるのがロードスターRFである。

やや残念なのは1.5Lと同様に2.0Lエンジンも無鉛プレミアムガソリン仕様であること。スポーツタイプのクルマなので、ハイオク仕様になるのは止むを得ないところだが、排気量の余裕がある2.0Lではレギュラー仕様にはできなかったものかと思う。

不勉強にして知らなかったのだが、旧型モデルの時代にもロードスターは幌タイプが40%程度でRHTが60%の比率で売れていたという。初代ロードスターに乗っていた身からすると、ロードスターは幌に限り、乗るときには必ずオープンという気もするのだが、クーペとオープンの両方が楽しめるRHTやRFに対するニーズも強いのだろう。現行モデルでも幌タイプよりもRFのほうが良く売れることになりそうだ。

ただし、価格はけっこう高い。試乗したVSの6速EC-AT車は360万円弱の設定で、最上級グレードのRSの6速MT車にブレンボのブレーキや鍛造アルミホイールなどをオプション装着すると400万円を超える価格になる。若いユーザーをスポーツカーの世界に引き込むには、ちょっと高すぎる価格だと思う。余裕ある中高年のユーザーがセカンドカーとして選ぶようなケースが多くなりそうだ。


レビュー対象車
試乗

参考になった3

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > マツダ > CX-5 2017年モデル

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア3
インテリア3
エンジン性能3
走行性能4
乗り心地4
燃費2
価格2
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

 

 

マツダのCX-5がフルモデルチェンジを受け、2代目モデルになった。初代CX-5はマツダのSKYACTIV技術のすべてを盛り込んだクルマとしてデビューし、2.2Lの直噴ディーゼルターボが人気を集めるなどして、マツダの新世代商品軍の先鋒としての役割を十分に果たした。

全幅が1800mmを超えるサイズは、日本では明らかに大きすぎるが、そのように日本市場を半分くらい見切ったクルマだったにもかかわらず、日本でもヒットモデルになった。

CX-5には、マツダが北海道の剣淵冬季試験場で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはXD LパッケージのFFとAWDの両方だった。走りについての評価は、雪上でのテストしかしていないのである程度限定的なものになることをお断りしておく。

ヒットモデルの後継車種だけに、今回のフルモデルチェンジはとても重要なものだったはずだが、全体的な印象はキープコンセプトで新鮮味に欠けるきらいがある。

外観デザインはリファインされているものの、全体としてキープコンセプトのもので、旧型モデルからの変更感はあまり感じられない。大きな五角形グリルなどはマツダ車に共通するものだ。そのグリルとヘッドライトがつながるようにデザインされたのが目新しい点だが、普通の人がぱっと見て気付くような違いではない。

昔からいろいろなクルマで例のあることだが、大ヒットしたクルマの後継モデルはデザイナーや開発関係者の腕が萎縮してしまうのか、冒険ができずにキープコンセプトのクルマ作りになり、結果として前のモデルほどの売れ行きにならないなんてケースが多い。マツダ車でも、ファミリアやカペラなどでそうした例がある。

インテリアにしても同様で、一定の質感の向上が図られたほか、五角形のエアアウトレットを採用した点などに目新しさはあるが、画期的な違いにはなっていない。

そればかりではない。パワートレーンもキャリーオーバーである。ガソリンが2.0Lと2.5L、ディーゼルターボが2.2Lという3機種のエンジンは、これまで搭載されていたのと同じだ。

しかも、従来のモデルに比べるとほとんどのグレードで燃費が悪くなっている。これはベースグレードで50kg増になるなど、装備の追加で車両重量が重くなったことが影響しているのかもしれないが、今どきのフルモデルチェンジで燃費が悪くなるクルマというのも珍しい。マツダでは実用燃費はむしろ向上しているというが、それは言い訳にしか聞こえない。

それ以外のメカニズム部分では、先進緊急ブレーキが人間を見分ける上級仕様に統一されたことや、iアクティブAWDに細かな改良が加わったことなどが新しい部分だが、Gベクタリング・コントロール(GVC)などは以前の改良時に採用されているので、全体として新鮮な印象が薄い。

最近のマツダは、モデルチェンジやマイナーチェンジにこだわらず、採用できる新機構・新技術があるなら、どんどん搭載していくという方針でクルマ作りをしているが、そのためにフルモデルチェンジで訴求するネタがなくなってしまったのではないかとも思える。

そんな風に見どころの少ないクルマというのが新型CX-5の印象だが、実際に雪上で走らせてみたら、走りそのものは決して悪くなかった。むしろ好評価と言っても良いだろう。

FF車も雪道での走りが想像する以上に優れていたが、これは前述のGVCが効いていると思われる。雪上での試乗では、ほかの車種でGVCのオン/オフスイッチが付いたクルマに試乗したが、こうしたクルマを走らせると、GVCの効きが良く分かる。ちょっと大げさに言うなら、GVCを装着するとFF車が4WD車になったような感覚になったからだ。

AWD車の走りはさらに良かった。マツダのiアクティブAWDは、常時微小なトルクを後輪側にも伝達していて、前輪がスリップしそうな予兆を検知すると、ドライバーがスリップを感じるよりもずっと早くに後輪側にトルクを配分し、安定した走りを実現する。なので、ごく自然にスムーズかつ安定した走りが得られるのだ。

今回のCX-5では、すでにCX-3から採用されている技術ながら、継ぎ手部分にボールベアリングを採用し、低粘度のオイルを採用して抵抗を減らすなどして燃費効率を高めている。FFに対する燃費の落ちが少ないのもマツダのiアクティブAWDの特徴である。

新型CX-5は価格も大幅にアップした装備の充実化が図られているので単純ではないが、表面的な価格を見るとけっこう高くなっている。2.0Lエンジンを搭載するFFのベースグレードは従来に比べると40万円ほど、2.2Lのディーゼルエンジンを搭載した最上級グレードでは30万円ほど高くなっているので、けっこう大幅な値上げである。

なので、新型CX-5にすぐに飛びつくかどうかはやや疑問。待てるなら2018年くらいから導入されるはずの第二世代SKYACTIVのパワートレーンが搭載されてから買っても良いように思う。

レビュー対象車
試乗

参考になった73

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > ランドローバー > レンジローバーイヴォーク コンバーチブル 2016年モデル > HSE Dynamic

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地3
燃費2
価格3
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

いろいろなタイプのクルマが作られる中で、ありそうでなかったのがSUVのオープンカーだ。それがレンジローバー・イヴォークのコンバーチブルとして実現した。意外性にあふれたクルマと言っていい。

実は、過去に日産の2代目ムラーノにクロスカブリオレと呼ぶオープンモデルが設定されたことがあった。しかし、これは九州工場で生産されたもののアメリカ向けに輸出されただけで日本では販売されなかった。

あるいはSUVではなく、クロカン4WDと呼ばれたモデルでは、ジープにもランドクルーザーにも、さらにはジムニーにも幌タイプのオープンモデルが存在した。乗用車感覚を強めたSUVではイヴォーク・コンバーチブルが事実上初のオープンモデルと考えて良いだろう。

最近は日本でもSUVが一定の存在感を得るようになったが、SUVのオープンモデルとなると相当に特殊なクルマであり、趣味人でないと選べないクルマである。

イヴォーク・コンバーチブルには、ジャガー・ランドローバー・ジャパンが横浜市のみなとみらい地区で開いたメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードは単一グレードのHSEダイナミックだ。

イヴォーク・コンバーチブルはフル4シーターのオープンカーなので乗車定員の面では一定の実用性はあるが、荷物の積載量などオープンモデルには不自由さがつきまとう。実用性などは考えないで買うのがオープンカーなのだ。

デザインはけっこうカッコ良いとと思う。そもそもイヴォークはデザイン志向の強いモデルであり、それがオープン化されたのだから、カッコ良くて当然である。

幌タイプのオープンカーはとかく、オープンにしたときにはカッコ良いのに、クローズドにするとカッコ悪くなってしまいがちなもの。でもイヴォーク・コンバーチブルはクローズドの状態でも3ドアクーペを思わせるようなカッコ良さがある。もちろんオープンにすればさらにカッコ良いクルマになって注目を集めることは必定だ。

幌の開閉はセンターコンソールのボタンを操作するだけで良く、開閉に要する時間はわずか21秒という速さである。乗用車でもこれだけ短時間で開閉が可能なオープンカーは少ない。最新の幌タイプ車らしく、耐久性や耐候性、静粛性(遮音性)に優れた幌が採用されている。

ちなみに、イヴォーク・コンバーチブルは2ドア4シーターのモデルだが、 3ドアクーペの標準車をベースに作られたものではなく、コンバーチブル専用のものとして作られている。このあたりの気合の入り方が、好きな人から強く好きと思われる理由だろう。

搭載エンジンは標準車にも搭載されている直列4気筒2.0Lの直噴ターボ仕様だが、オープンモデルはボディ剛性を確保するために車両重量が重くなっているので、標準車に比べると走りのフィールがやや鈍いものになるのは避けられない。なにせ3ドアクーペが1760kgなのにコンバーチブルは2020kgもある。260kgも重くなっているのだから、走りに影響が出ないわけがない。

ただ、イヴォーク・コンバーチブルの走りが鈍重であるかといえば、そんなことはなくダウンサイジング直噴ターボらしい低速域からトルク感のある走りを実現する。特に良いのが9速ATの変速フィールで、これによる滑らかな走りがイヴォーク・コンバーチブルの走りを好ましいものにしている。

そもそも目を三角にして元気良く走らせるのではなく、優雅に流して走るのがオープンカーなのだから、走りの性能にはあまりこだわらなくても良い。

足回りは硬めの味付けながら快適性の面でも不満はない。悪路走破性の高さで定評のあるテレインレスポンスも当然ながら標準で装備されている。イヴォーク・コンバーチブルでオフロードを走ろうとする人は少ないだろうが、それも可能なクルマである。

イヴォークはデビューした当初に400万円台の価格が設定されるなど、割安感を訴求している面があったが、その後は標準車も徐々に価格が高くなっている。それをオープン化したモデルなので絶対的な価格は相当に高く、本体価格が765万円に達している。試乗車にはこれに119万4000円のオプションが装着されていた。

ただ、HSEダイナミックという同じグレード同士で比べると、4ドア(5ドア)706万円で、3ドアクーペが717万5000円だから、オープンボディ分の差額は案外小さい。ほかにないような独特の個性を持つクルマが欲しいと考えるユーザーにとって、ひとつの選択肢になるのは確かだろう。


レビュー対象車
試乗

参考になった3

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > メルセデスAMG > AMG GT 2015年モデル > GT S (左ハンドル)

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:201件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費無評価
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

低く構えたロングノーズのボンネットは古典的なスポーツカースタイル。

全高は1289mmと低い。アルミを多様したおかげで1540kgと軽量。

幅広いLEDの灯火類に曲面を多用したヒップが美しい。

フロント255/35 19インチ、リア295/35 19インチ。

M178型ユニットは、510psを絞り出す。

分厚いサイド・シルの奥には専用設計のコクピットが備わる。

メルセデス・ベンツのチューニング部門である「AMG」が白紙の状態から、オリジナルで作り上げたパフォーマンスカーの第二弾が、メルセデス「AMG GT」です。第一弾は、ガルウイング・ドアや典型的なクーペのレイアウトで世界を唸らせた「AMG SLS」です。

今回はメーカーの広報車両をお借りして、試乗を敢行しました。

「AMG GT」のエクステリアは、「AMG SLS」を各部に踏襲しており、威圧感のあるフロントマスク、ロングノーズ、ショートデッキの古典的なマッスルスポーツカーに仕上がっており、ボディ構造にアルミニウムを用いた点も共通です。インパクトのあるガルウイング・ドアは廃止されました。

ボディは、「AMG SLS」に比べ若干コンパクトになりましたが、車両に近づくとその迫力に圧倒されます。全長4546mm、全幅1939mm、全高1289mmというボディは、幅広く、低いので、一言「デカイ」。

極端に低い着座位置のスポーツシートに身を埋めると、身長170センチの筆者には、ボンネットの先端がどこにあるのか分からない。分厚い座布団でも持参したいほどでした。乗ってもデカイこのクルマ、正直広い全幅と低い全高には相当気を遣いそうです。

「AMG SLS」では、自然吸気6.2リッターV8エンジンを搭載し、最大出力571ps/6800rpm、最大トルク66.2kg-m/4700rpmを発揮していましたが、「AMG GT」では、(試乗車はS)M178型ツイン-ターボ4.0リッターV8直噴エンジンにダウンサイジングされ、最高出力510ps/6250rpm、最大トルク66.2kg-m/1750-4750rpmになりましたが、最大トルクは、同スペックながらも発生範囲も広げられ、むしろ走りでは、洗練されていると言えます。

走行モードは、エフィシェンシー、スポーツ、スポーツ・プラス、インディビデュアル、レース(こちらはGT Sのみ)の5つから選択可能。

インテリアを観察したあと、「スポーツ」モードにセレクトして、街中に出ると相変わらずコクピットから見える景色は、非常に低く、幅広いため正直、気を遣わないといえば嘘になります。
街中での乗り心地、7速デュアル・クラッチのシフトマナーは素晴らしく、エンジン回転が2000rpmも回らないまま、全てが事足りてしまいます。

イエローの文字盤の速度計をみると360km/hまで刻まれ、日本の高速道路を走る事に遠慮しながら、セレクトモードを「スポーツ・プラス」にして、アクセルペダルを踏み込むと、ターボエンジンである事を忘れ、ターボラグはほぼ皆無といえます。直線的なトルクで7000rpmのレッドラインまで鋭く吹け上がり、カミナリでも落ちたかと思わせす轟音を伴い、凄まじい加速を演じてくれます。アクセルを踏み込んでいられる時間はほんの数秒。それもそのはず。0-100km/h加速は、3.8秒。(実は「AMG SLSより0.1秒速い。)最高速度は310km/h以上。
また、大口径のディスクローター&6ピストン(フロント)のブレーキは、ガツン!とダイレクトに速度を殺す。それでいて、街中でカックンブレーキになるようなことはありませんでした。

時間の関係、ワインディングでの試乗は出来ませんでしたが、思い存分走らせるには、やはりサーキットがベストであると感じました。

走行モードを「エフィシェンシー」にセレクトし、7速デュアル・クラッチをオートにすれば、非常に滑らかで尖った部分がなく試乗でも特質すべき部分でした。これでは、日常生活でも幅広い全幅にさえ慣れれば問題のない扱いやすさのスーパースポーツカー。それが、「AMG GT」でした。





レビュー対象車
試乗

参考になった2

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > ダイハツ > ムーヴキャンバス 2016年モデル > G メイクアップ SAII

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地3
燃費3
価格3
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ムーヴから派生したモデルというべきか、ムーヴキャンバスが登場した。軽自動車の世界では、アルトやミラなどのセダン系がベースにあり、ムーヴやワゴンRなどのハイト系があり、さらにタントやN-BOXなどの超ハイト系があるという形でモデルが展開されてきたが、ハイト系と超ハイト系の中間に位置するモデルとして登場したのがムーヴキャンバスである。

ムーヴキャンバスには、ダイハツ工業がお台場地区で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはG“メイクアップSAU”(2WD)だ。

パッケージング的にはここにもまだ隙間があったのか、そんな風に思わせるクルマであり、マーケティング的には20代後半から30代前半の未婚女性が母親と一緒に使うようなクルマをイメージして開発されたという。

デザインは女性ユーザーを狙って可愛らしさを表現したもので、角が取れて丸みを帯びたボディは見るからに女性向き。モノトーンにボディカラーが9色用意されているが、そのうちパールホワイトを除く8色に設定されるストライプと呼ぶツートーンカラーのボディがこのクルマに似合っている。

インテリアもインパネ回りに明るい配色がほどこされ、これまた可愛らしさを表現したものになっている。

日焼けを防ぎ、じりじり感を和らげるスーパーUV&IRカットガラスは、女性にとって必須の装備ともいえるもの。上級グレードに標準装備されている。

女性ユーザーにフォーカスを絞って開発されたクルマなので、自然吸気エンジンの搭載車のみの設定で、ターボ仕様エンジンは搭載されていない。でもムーヴキャンバスに対しては若い男性ユーザーからも“いいね”の声が上がっているからクルマ作りは一筋縄ではいかないものがある。

自然吸気エンジンの実力は38kW/60N・mで、ほかのダイハツの軽自動車に搭載されるのと同じもの。高速道路を使う機会が多いようなユーザーには向かないが、市街地を中心にタウンユース用のクルマとして考えたら必要にして十分な実力と考えていいだろう。

元気良く走らせようとしてアクセルを踏み込めばエンジン音も高まるが、穏やかな市街地走行を心がけるなら動力性能や騒音に不満を感じることはない。これで良いよね、そんな感じの実力なのだ。

CVTによる滑らかな変速もこのクルマの性格に合ったもので、これまた何の不満も感じることなく乗れるクルマになる。

足回りも悪くない。ムーヴに比べたら全高がやや高いので、その分だけ操縦安定性に影響しているわけだが、ベースとなるムーヴのシャシー性能が軽自動車として高いレベルにあるので、安定性に不満を感じない。

軽自動車で良く売れているタントなどの超ハイト系は、全高が高過ぎるためにコーナーでの車体の傾きも大きくなるが、ムーヴキャンバスの走りはムーヴと同じくらいに安定したものになっている。

基本プラットホームはムーヴ系というよりもタント系に近いもののようだが、ムーヴの名前が入っていることからも分かるように、シャシーにはムーヴに採用された技術も盛り込まれ、それが安定性につながっている。

両側スライドドアによる使い勝手の良さもひとつのポイントだ。最近はミニバンや超ハイト系のモデルなどでスライドドアが当たり前になりつつある。それも電動スライド式が当然といった雰囲気だ。ムーヴキャンバスはそれを備える点がムーヴとの決定的な違いで、ここに存在意義があるといっても良い。

さらに後席のドアを開けると足元に“置きラクボックス”なるものが用意されていて、ケースモードにすれば使用頻度は低いがクルマに載せておきたいちょっとした小物類の収納に使える。またバスケットモードにすれば床に置きたくないが、シート上に置いたのでは転がってしまう可能性のある食品などが置ける。なかなかのアイデアといっていい。

安全装備は、赤外線レーザーとモノカメラを組み合わせたスマアシUが採用されている。これもまずまずの仕様ながら、ムーヴキャンバスが発売された直後に、タントにステレオカメラを使ったスマアシVが搭載されたので、できればこちらを搭載して欲しかった。人間を見分けてブレーキをかける点でスマアシVのほうが優れているからだ。

レビュー対象車
試乗

参考になった10

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > フォルクスワーゲン > クロスポロ 2014年モデル > ベースグレード

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア3
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地3
燃費3
価格3
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

フォルクスワーゲンのSUV感覚のモデルであるクロスシリーズの最初のモデルとして登場したのがクロスポロだ。2006年8月にひと世代前のポロのときに設定され、2009年からの現行モデルにも引き継がれている。

SUVモデルではなくSUV感覚のモデルであるというのは、外観や内装のデザインを差別化しただけで、駆動方式がFFのみであるためだ。フォルクスワーゲンのクロスシリーズは、クロスゴルフやクロスup!なども同様だが、駆動方式がFFだけで、いわゆる“なんちゃってSUV”といった感じの作りである。

とはいえ標準のポロに比べて明確に差別化された外観デザインなどによって一定以上の人気を集めているのも確か。標準のポロは単なるコンパクトカーでつまらないが、差別化されたクロスポロは標準車にはない魅力を備えている。

外観デザインの標準車との相違点を挙げよう。前後のバンパーがSUVらしいタフなイメージを与えるものに変更され、同時に前後にアンダーガードが装着されてSUVらしさを協調する。ホイールハウスには専用のエクステンションが装着され、サイドスカートも設定されている。さらにルーフレールの装着や専用の17インチタイヤ&アルミホイールがクロスポロだけに用意された仕様となる。

インテリアもステアリングホイールとアルミ調ペダルが専用のほか、シート表皮もボディカラーに合わせて3種類の刺し色の入った専用のものが用意されている。

専用のバンパーやホイールアーチエクステンションなどを備えることによって、ボディサイズはほんの少し大きくなった。全長が5mm伸びて4000mmになったほか、全幅は35mm拡大されて1710mmなった。1700mmを超えたので全長が4000mmのクルマでありながら3ナンバー車として登録されることになる。

最低地上高が15mm高くなって145mmになったことと、ルーフレールが装着されたことで、全高は30mm高い1490mmになった。一般的な日本車を考えたら、最低地上高はそれでもまだ低いくらいだし、全高も1500mm以下なのでタワーパーキングが困ることもない。

クロスポロはそんな節度感のあるボディサイズを持つのだが、SUV感覚のモデルは押し出しの強さを要求される部分もあり、競合車に比べて小さめのボディが良いかどうかは微妙なものがある。個人的にはクルマが大きくなることに基本的に反対なので、私はこれで良いと思う。

搭載エンジンは直列4気筒1.2LのTSI仕様だ。これは標準車に搭載されるのと同じエンジンで、66kW/160N・mのパワー&トルクも変わらない。ポロは、ブルーGTやGTIにはパワフルなエンジンが搭載されているが、クロスポロには標準車用のエンジンがそのままは搭載されている。

外観デザインの変更などによって、車両重量は30kg増加して1160kgになっているが、子供一人分くらいの重量増なので、これによる走りの違いはないと思っていい。少なくとも私にはこの違いを感じられるような敏感さはない。

ただ、動力性能は特に余裕があるわけではなく必要にして十分といった程度である。ワインディングを元気良く走らせようとしたり、あるいは高速道路でロングツーリングを楽しむなら、エンジンにはもっと余裕があったほうが良いとも思う。

最低地上高が15mm上がったことによる操縦安定性の影響も、実質的にないと思って良い。全高は30mm高くなって、アイポイントもやや高くなっているから、やや不安を感じさせるような方向に向かっているのだが、実際に走らせても標準車との違いはほとんど感じられなかった。

同じ条件で同じように走らせたら違いが分かるのだろうが、前にポロを走らせたときの記憶との違いはほとんどないと言って良い。タイヤサイズが上がってグリップ力が高まったことがレーンチェンジの収まりの良さにつながるなど、いろいろな意味で良く煮詰められているのだろう。

乗り心地は標準車に比べるとやや硬めになった印象で、振動や騒音なともやや大きくなったような印象だった。これも過去の記憶との関係であり、同じ条件でテストしたわけではないことを加えておこう。

ポロの標準車の上級グレードとなるハイラインが256万円であるのに対し、クロスポロの価格は280万円と24万円もの価格差がある。内外装のデザインとタイヤ&アルミホイールの違いによるものだが、価格差はちょっと大きめであるように思う。標準のポロではつまらないので、差別化されたポロが欲しいと考えるユーザー向きのクルマである。

レビュー対象車
試乗

参考になった2

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > フォルクスワーゲン > cross up! 2015年モデル > ベースグレード

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア3
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地3
燃費4
価格4
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

フォルクスワーゲンはSUV感覚のモデルにクロスの名前を付けている。クロスポロ、クロスゴルフ、クロストゥーランなどがそれで、今回試乗したクロスアップ!は、クロスシリーズのベーシックラインを受け持つモデルになる。

SUV感覚というのは、本格的なSUVではなく気分というか雰囲気がSUVであるのにとどまるからだ。クロスシリーズの各モデルは基本的に駆動方式がFFのままである。最低地上高をやや上げて、専用のバンパーやフェンダーを採用し、ルーフレールを設けるといった感じでSUV感覚を表現している。

これらの仕様の違いによって、クロスアップ!は標準車に比べてグンと力強い外観イメージを持つようになった。デザイン的にうまくまとめているということだろう。

寸法的には16インチタイヤを履くなどして最低地上高が10mmに高くなったのに加え、ルーフレールが装着されたことで、全高は25mm高くなった。バンパー形状に違いのためか、全長も25mm長くなっている。車両重量も30kg重くなっているが、いずれも大きな違いではない。

室内空間などは基本的に変わらず、4ドア車ながら後席に乗ると相変わらず狭いし、後席ドアのガラスは後方に少し隙間ができるような開き方しかしないから、ほとんどはめ殺しに近い。基本的に一人または二人で乗るクルマである。

搭載エンジンは直列3気筒1.0Lの自然吸気DOHCで、シングルクラッチのASGと組み合わされることと合わせ標準車と変わらない。

走行フィールもほとんど標準車のままと思っていい。動力性能は55kW/95N・mの必要にして十分な実力を持つ。車両重量が増加したといってもわずか30kgだから、子供一人が乗る程度の違いでしかない。3%程度の重量増を走りの違いとして感じ取れる人はまずいないだろう。

3気筒エンジンながら3気筒らしい振動や騒音を感じさせることなく、とてもスムーズに回転が上昇していくのも従来と同じ。まあ今どきの3気筒エンジンで3気筒らしさを感じさせたりしたら、それだけでもう失格である。

シングルクラッチが見せる変速時のトルク抜けも相変わらずである。ただ、標準車が発売された当初に比べると、トルク抜けで無反応になる時間がやや短くなったようにも感じられた。制御などの面で多少の改善が加わっているのかも知れない。いずれにしてもトルク抜けはあるので、購入前に試乗して確認することを勧めたい。

乗り心地はちょっと硬めの印象。タイヤが16インチになったという先入観があるためも知れないが、BSのトゥランザらしいしっかりした感覚の乗り味である。最低地上高が変わったことと合わせ、このあたりも微妙なチューニングが入っているのかもしれない。

クロスアップ!の価格は194万円。標準車の最上級グレードとなるhighアップ!の価格が189万円であることを考えると、外観デザインが差別化されながら5万円の価格差というのはむしろお得感を与えるものだ。

レビュー対象車
試乗

参考になった1

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > プジョー > 308HB 2014年モデル > GT Line

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:201件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費5
価格5
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

上級車種の508にも通じる高級感のあるフロントマスク。

内外装の専用装備でスポーティテイストを強調したGT Line。

LED採用したテールライトにインテグレーテッドタイプのツインマフラーエンド。

18インチ専用アロイホイール。タイヤサイズは225/40 ZR18

テップレザーとファブリックのコンビネーションのスポーツシートを採用。

ステアリング上部から覗き込むようなユニークなメーターパネル。

プジョーのCセグメントである「308」が2世代目となり、2014年より、日本国内にも導入を果たしました。今回はメーカーの広報車両をお借りして、試乗を敢行しました。

ライバルはすばり「ゴルフZ」。同車には、身内も所有し、散々乗っておりますが、「308GT Line」の抜かりのないデキには、驚きを隠せませんでした。

「308」は、登場早々、「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2014」を受賞したほか、ヨーロッパの自動車業界に大きな衝撃を与えた一台です。

エクステリアは、初代 「T7型」の彫刻的でインパクトのある顔つきから比べると、かなりオーソドックスなデザインとなり、高級感を前押しにした印象です。筆者としては、初代の前衛的な顔つきが「308」という印象がなかなか取れませんが、「308GT Line」を細部まで観察すると、「ゴルフZ」を始め、世界のライバルたちにはない高級感に満ち溢れています。

専用のフロントグリルはメッキを多用し上質感を演出。そこに、スポーティなブラックドアミラー、サイドスカートを装備する事でスポーツテイストを与えています。さらに、マットグレーダイヤモンドカットの大口径18インチ専用アロイホイールに225/40 ZR18という少々オーバースペックなタイヤを純正採用。

インテリアもこのクラスでは、最高品質といっても過言ではありません。レッドステッチの革巻きステアリングやテップレザー&アルカンターラスポーツシートの質感も高く、センターコンソールはピアノブラック仕上げ。ブレーキ&アクセルペダルはアルミ製。乗員空間も「ゴルフZ」より広く、デザインも個性的で、プジョーの個性を細部にまで感じることができます。

特に、ステアリング上部からメーター類を覗き込むような「i-Cockpit(アイコクピット)」は現行のプジョーが採用し、斬新です。メーターの指針が右側から反時計回りに動くタコメーターは、最初は戸惑ってしまいました。
更に視線移動の少ないインパネ中央には、7インチの大型ディスプレイが装備され、空調、オーディオ、ハンズフリーフォン、ドライビングアシストなどほとんどの操作がタッチパネルで設定できるのも、ライバルに差をつけています。

存在感のあるスポーティなエクステリアですが、エンジンは、1.2リッターの直列3気筒ターボ。たった1.2リッターで、しかも3気筒。このボディに相応しい走りをするか楽しみなところです。この心臓は、「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2015」にも輝いたユニットです。

走り出して、黙っていれば小排気量であることはまるで感じません。動き出した瞬間からググッと押し出し感があり、グイグイ速度を乗せていきます。直列3気筒DOHC 1.2リッター直噴ターボエンジンは最高出力130PS/5500rpm、最大トルク230Nm/1750rpmを発生します。

ワインディングで少々速度を上げても、プジョーの「猫足」を存分に味わえ、実にしなやかに足回りが動いてくれます。新開発のプラットフォームは、先代比100kgの軽量化を実現し、低重心化を図ったことで、左に右にロール感をまるで感じないままコーナーをクリア。225/40 ZR18というタイヤのグリップも相まって、ワインディングが実に楽しいクルマでした。

走行モードを「ダイナミック」に切り替えてみると、メーターのバックライトが、ホワイトからレッドに。アクセルレスポンスが機敏になり、シフトタイミングも積極的に高回転を選びます。コーナーでの立ち上がりも明らかに速くなっています。また、サウンドも3気筒とは思えない野太いものに変化し、その気にさせてくれます。

また、遊びゴコロも満載で、メーターパネル中央のマルチファンクションディスプレイには、エンジン出力やトルク、ターボ過給圧をグラフィカルなバーで表示。また、Gセンサーなどが表示されるのも、いかにもラテンのクルマで、質実剛健なドイツ車では絶対に装備しない機能だろうと感じました。

ライバルに比べ装備も充実しながら価格も抑え、実用性に長けた「308GT Line」。走りも想像を超えるスポーティさを備えているのも大きな魅力の一つといえます。

「ゴルフZ」の購入を考えている方に是非一度、見て欲しい一台です。



レビュー対象車
試乗

参考になった11

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > ダイハツ > ムーヴキャンバス 2016年モデル

森口将之さん

  • レビュー投稿数:224件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィールフリーランスジャーナリストの森口将之です。自動車を中心に、モビリティ全般を守備範囲としています。自動車については、ブランドやスペックにとらわれず、ユーザー目線でのレポートを心がけています。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務め、日本自動…続きを読む

エクステリア4
インテリア3
エンジン性能2
走行性能4
乗り心地4
燃費無評価
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

2トーンカラーは8タイプ、単色は9タイプ用意

ピラーをすべてブラックアウトしたことも特徴

外観に比べるとオーソドックスなインパネ

内装はホワイトが標準、ブラックがオプション

後席の「置きラクボックス」を引き出した状態

短いノーズに収まった自然吸気エンジン

ムーヴキャンバスは、ムーヴと同等の全高を持ちながらリアドアをスライド式とし、後席のアレンジを絞り込む代わりに座面下に引き出しを用意するというパッケージングが特徴です。ダイハツによれば、近年は女性の晩婚化に伴い、親と同居する女性が多くなってきたそうで、ムーヴキャンバスはこうした親子同居世帯に向けた車種だということでした。

スタイリングは前後に長い印象で、無駄なプレスラインを持たない、プレーンな造形であることも特徴です。そのままでは商用車っぽく見えてしまう可能性もあります。しかしムーヴキャンパスは、角を丸めることで親しみやすさをアピールするとともに、独特のツートンカラーを用意し、取材した「メイクアップ」シリーズではクロームメッキのアクセントを多用することで、乗用車的に見せることに成功しています。

インテリアはそれに比べると機能重視のデザインです。前席は着座位置に対して、 ルーフがかなり前まで伸びており、交差点の先頭で止まると、信号が見えにくいことがありました。後席は前後スライドと背もたれのリクライニング、前倒しが可能です。座面下の引き出しは便利ではあるものの、フロアを含めて黒なので、開けたままクルマを降り、次に乗り込む時に足を引っ掛けてしまわないか気になりました。

エンジンは自然吸気のみで、最高出力52 ps、最大トルク6.1kgmはムーヴやタントと共通です。車両重量は920kgで、タントの同等グレートより10kgだけ軽くなっています。しかし1名乗車でも、発進や追い越し加速でもう少し力が欲しいと感じました。実用燃費との乖離を気にするユーザーも出るでしょう。ただ回り方は滑らかで、回転を上げても気になりませんでした。

乗り心地はまろやかで、なかなか快適です。となるとフットワークが不安になるところですが、車高がタントより低めということもあり、安心してコーナーを通過していくことができました。

タントより低いスライドドア付きハイトワゴンというパッケージングは、それほど新鮮には映りませんでしたが、2トーンカラーやクロームメッキのアクセントが織りなすスタイリングはかなり個性的です。発売1ヶ月後の受注台数が目標の4倍と好調なのは、このあたりが受けているのかもしれません。

レビュー対象車
試乗

参考になった18

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > シトロエン > C4 カクタス 2016年モデル > ベースグレード

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:26件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能3
走行性能3
乗り心地4
燃費無評価
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ボディカラーは“ハローイエロー”。専用のソリッドペイントは1万9980円高になります

全長4155mm×全幅1735mm×全高1530mm、立体駐車場にも入庫可能なサイズは魅力的です

シンプルですが、インテリアのデザインは日本車にはないセンスの良さを感じさせます

7インチのタッチスクリーンはリアカメラも標準装備。ナビの設定は現在は無し

最も目を引くのがこのエアバンプ。駐車時など隣のクルマからの衝撃から守ってくれます

センターパネル下に設置されたシフトスイッチ。シンプルですが慣れると結構便利です

シトロエンC4カクタスに都内の一般道および首都高速を中心に試乗しました。

思い起こせば・・・というほど前でもありませんが、C4カクタスがコンセプトカーとして登場したのが2013年のフランクフルトモーターショー。そして2014年のジュネーブモーターショーで発表されたわけですが、日本にはいつまで経っても導入の情報が入ってきませんでした。

そして2015年の東京モーターショーで日本初披露、「発売はいつか?」と来場者から多くの声が上がりました。そして日本法人であるPCJからの回答は「2017年には導入します」というものでした。

失礼な言い方かもしれませんが、ここまで来ると「もう待てねえ」という声も聞かれたのも事実。だからというわけではありませんが、PCJも頑張りました。200台限定とはいえ、2016年中に日本へ導入を決定したわけです。

確かに販売好調のC4カクタスですから200台とはいえ、日本向けに生産ラインから抜き取るのは色々な意味で手間がかかります。PCJも本国に対してのプレゼンテーションなどもかなり行ってやっとの200台という結果だったのでしょう。しかし、実際は発売当初に本国で設定されていた導入初期の「PureTech 82 S&S 5ETG」の組み合わせでした。

昨今のPCJが展開しているパワートレーンから考えるとガソリンなら1.2Lターボ+6AT、またはプジョー308等で高い評価を得ている1.6Lのディーゼルターボが欲しくなります。しかし今回は設定は無し。あくまでも筆者の考えですが、本国としてはまずフィジビリティスタディ、つまり採算も含め、ビジネスとして成立するかを検証するためにこのような形を取ったのではないでしょうか。実際他の業界でもこのようなマーケティング手法は数多く採られています。

そしてこの200台という数字に購入予備軍は飛びつきました!実際ネットなどを使い、自分の該当するエリアのディーラーへエントリーするわけです。実は筆者もエントリーを行いました。そしてあえなく落選しました・・・(泣)。

さて、そんなC4カクタスですが、とにかくデザインが素晴らしすぎます。
このデザインの前では
1)プラットフォームは前世代のPF1で最新ではない。
2)7インチのタッチスクリーンにはプジョー車のようにオプションのカーナビの設定が無い(取説には将来的に設定できるようなタッチスイッチはあるように記載されています)
3)5速ETGのカクカクした変速ショック
など、全部許してしまえるほどのインパクトがあります。

実際試乗車はプロトタイプということで今後日本に導入されるであろう仕様とは異なっていました。
1)リアシートは分割可倒式→一体可倒式
2)ボディカラーが“ハローイエロー”の場合、本来はグレー(インパネ周り)/ブラック(シート)/ファブリックという組み合わせですが、インパネ&シートはハバナ、シートはベロアになっていた。
3)パノラミックガラスルーフが装着されていたが、設定はない。

特に3)については当然未定ですが、コンパクトなクロスオーバーモデルゆえに室内の開放感は格別です。この設定はオプションでもいいのでぜひ欲しい部分です。ここは声を大にしてPCJに届けたいです。

乗り込んでみると地面からシートまでの高さが絶妙で乗降性は抜群です。目に飛び込んでくるインテリアはシンプルですが、そこにはデザインの巧みさが光ります。材質もそんなに高い金額をかけているわけではありませんが、シボの使い方やパーツ類のレイアウトは日本車とは異なる世界観を演出、例えは適切じゃないかもしれませんが、家具で言えば日本車=ニトリ、なのに対し、C4カクタス=IKEAを連想させます。

もちろんどちらが優れているとかの話ではありません。見て、座って感じ取れる世界が国産車とは大きく異なるわけです。実際、座った感触は適度な身体の沈み込みがあり、サイズ以上のゆったり感が味わえます。逆に後席はややベンチ的で固さを感じる部分がありました。

肝心の走りに関しては「ほぼ予想通り」でした。本国仕様にある最軽量モデルは965kg、今回のモデルは1070kg、元々シングルクラッチの5ETGと1.2LのNAエンジンの組み合わせは過去、プジョー2008などにもあった設定。一度速度が乗ってしまえば加速してギアが変速する直前にすっとアクセルペダルを緩めればショックも少ないのですが、都市高速の渋滞に入った際、加減速を繰り返すとそれなりにショックは発生します。これを緩和させるのに効果的だったのは標準装備のパドルシフト。これを使うことでメリハリのある走りも堪能できました。

全体の走りはC3と同じプラットフォームなのでズバリ言えば「ユル〜い」印象。正確に言えばロングホイールベース化しているので路面からのショックなどもユル〜く分散させてくれるので、見た目以上に乗り心地は快適です。

前述したようにこの世界感は次期C3にも採用されており、いわゆるPSAのデザイン戦略の重要なキーバリューになっています。

今回の200台即完売の情報はPCJ経由で本国に報告済みです。先に言ってしまうと2017年の早い時期には追加のローンチがあることは関係者の証言から出ています。ただそれが100台なのか200台なのかはやや不確定な要素。またこれも噂レベルですが1.2Lターボ&6ATがもし導入される際はフェイスリフトも行われるのではないか、という情報もあります。

それでも現状でこのクルマを所有する喜びはかなり高いレベルにあると思います。残念ながら燃費測定はできませんでしたが、軽量ボディは実走行燃費に大きく寄与するはずです。実はバックカメラやクルーズコントロールなど装備面も充実していながら238万円〜という価格はバリューという点でも十分高評価が付けられます。次の追加導入はもちろんですが、早くカタログモデルに昇格してほしい1台です。

レビュー対象車
試乗

参考になった12

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > メルセデスAMG > C AMG クーペ 2016年モデル > C43 4MATIC Coupe

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費2
価格2
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

メルセデス・ベンツは、メルセデスブランドの下にメルセデス・マイバッハとメルセデスAMGがぶら下がる形でブランドの拡充を図っている。これによって超高級車ブランドとしては失敗したマイバッハを量産される高級車ブランドとすることに成功したほか、メルセデスAMGもプレミアム志向のユーザーに幅広く対応できるモデルを目指している。

これに合わせてメルセデス・ベンツ日本は、AMG43シリーズのエンジンをCクラスを中心とするさまざまなモデルに一気に搭載してきた。

メルセデスAMG C43 4MATICクーペもそのひとつで、メルセデス・ベンツ日本が千葉市のザ・サーフオーシャンテラスをベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。

メルセデスAMG C43 4MATICクーペの概要はボディタイプに関する部分を除くと、メルセデスAMG C43 4MATIC(セダン)やメルセデスAMG C43 4MATICステーションワゴンと基本的に共通なので、エンジンやトランスミッション、足回りなどについては、セダンやステーションワゴンの記述を参考にしてほしい。

ちなみに、AMGモデルのグレードモデル名の表記は、かつてはV型8気筒エンジンを搭載したC63など、2桁の数字がエンジンの排気量を示す数字として使われてきたが、現在では動力性能のレベルを示す数字として使われている。

たとえばAクラスにはA45というモデルがあり、これには2.0Lのツインターボ仕様エンジンが搭載されているが、このエンジンの動力性能は3.0Lのツインターボ仕様であるC43を上回っているため、モデル名を示す数字が大きくなっている。排気量と動力性能の数値が逆転する形になっているわけだ。

C43クーペに搭載されるV型6気筒3.0Lのツインターボ仕様エンジンは、ブルーダイレクトと呼ぶ直噴エンジンにふたつのターボを装着し、これにさまざまなAMGテクノロジーを盛り込むことで、270kW/520N・mの動力性能を得ている。

セダンやステーションワゴンで書いたように、ピュアなAMG仕様エンジンとは違うのだが、AMGを名乗るだけの性能を持ち、豪快な加速フィールが味わえる圧倒的な加速性能を持つ。高回転まで回したときのパンチ力は凄いが、それを存分に発揮できるシーンは日本の道路交通環境の中にはない。

クーペボディの外観デザインは見るからにスタイリッシュなものだ。今ではほとんどのメルセデス・ベンツに採用されるようになったフロントグリル中央のスリー・ポインテッド・スターも、クーペボディにこそ似合うものといっていい。

エアロパンパーやトラックリッドのリップスポイラーなどは、AMGモデルとしてはやや控えめな印象ながら、サイドスカートなど合わせてスポーティさを感じさせるものである。19インチのマルチスポークアルミホイールもAMG専用のものだ。

インテリアはタイトなコクピット空間が作られていて、本革シートやAMGCスポーツステアリングなどが装備されて標準のCクラスクーペとの違いが設けられている。

2ドアで乗車定員も4名にとどまるクーペは実用性の面ではあまり期待が持てない。4名乗車が可能といっても実質的には2人で乗るクルマである。このように考えると、クーペは非日常的なボディタイプなのだが、だからこそAMGモデルのような走りに特化したスポーツモデルが良く似合う。逆にいえば、AMGモデルに最適なのがクーペボディなのだ。

1台所有では難しい面があるが、複数所有の2代目以降のクルマとして、メルセデスAMG C43 4MATICクーペは十分に意義のあるクルマだ。それが900万円強で買え、ほとんどオプションを装着しなくてすむのだから、買えるユーザーにとってはリーズナブルなものとなる。

レビュー対象車
試乗

参考になった2人(再レビュー後:2人)

このレビューは参考になりましたか?参考になった

自動車(本体) > メルセデスAMG > C AMG セダン 2015年モデル > C43 4MATIC (左ハンドル)

松下宏さん

  • レビュー投稿数:501件
プロフェッショナルレビュートップへ

プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費2
価格2
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

AMGはマイバッハとともに、メルセデス・ベンツのサブブランドとして位置付けられ、新しくメルセデスAMGの名前を付けて販売されるようになった。これにタイミングを合わせるように、43シリーズのエンジンをCクラスを中心にさまざまなモデルに一気に搭載してきた。その中でC43 4MATIC(セダン)は、2015年にC450の名前で販売されたモデルが、マイナーチェンジによってC43に変わった形である。

メルセデスAMG C43 4MATICには、メルセデス・ベンツ日本が千葉市のザ・サーフオーシャンテラスをベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。

Cクラスには、格段にパワフルなV型8気筒ツインターボ仕様エンジンを搭載したC63もラインナップされているが、これに対してC43はより現実的なAMGモデルである。とはいえ1000万円級の価格は誰にでも手の届くクルマではない。

従来からある豪快な走りのAMGと、標準のメルセデス・ベンツをつなぐ中間的なモデルとして位置付けられるのがC43であると考えたら良い。

中間的といっても外観デザインなどはAMG仕様のものが用意される。専用のフロントスポイラーやリヤ&サイドスカートが装着され、大きなエアインテークのあるフロントスポイラーが見るからに迫力を感じさせる。ハイグロスブラックのAMGツインスポークアルミホイールもC43の特徴となる部分だ。

搭載エンジンはV型6気筒3.0Lのツインターボ仕様だ。ブルーダイレクトと呼ぶ直噴エンジンにふたつのターボを装着し、さまざまなAMGテクノロジーを盛り込むことで、270kW/520N・mの動力性能を得ている。

極めてパワフルなエンジンではあるが、ピュアなAMG仕様エンジンとは少し違っている。というのは、AMG仕様のエンジンは一人のマイスターが一機のエンジンの組み立てを担当するワンマン・ワンエンジン方式を採用するのが普通だが、このエンジンはラインで量産されるからだ。

これによって量産が可能になるほか、コストダウンも図れるわけで、比較的手頃な価格が設定されているのもそのためだ。ただ、量産エンジンではあるものの、AMGの手によるエンジンであるも確かで、270kW/520N・mの動力性能は文字通り圧倒的なものといえる。

C43を走らせようと、停車状態からスターターボタンを押すと、ブォンという空吹かしが入る。これはちょっと大きめの音で状況によっては気恥ずかしくなることもある。アクセルを踏み込んで走り出すと、豪快な排気音とともに強烈な加速が伸びていく。このサウンドはAMGエグゾーストシステムによるもので、AMGモデルならではと言っていい。

またこのエンジンは実にフレキシビリティに富んだエンジンである。270kWの最高出力を5500〜6000回転で発生するというやや高回転型のエンジンという側面を持つと同時に、520N・mの最大トルクは2000〜42000回転という低い回転数から幅広い回転域で発生するからだ。

高回転まで回したときのパンチ力は当然ながら凄いものがあり、同時に低速域でもトルクフルで扱いやすいエンジンとされている。Dレンジのままで走らせると、組み合わされる9Gトロニックが早めにシフトアップしていくが、その変速フィールは滑らかそのものだ。

強くアクセルを踏み込めば、あっという間に制限速度に達してしまい、日本の道路交通環境の中ではC43の性能を存分に味わいつくすことはできないが、余裕ある動力性能を持つクルマの魅力は味わえる。

ただ、シフトプログラムは欧州仕様のままで日本に持ち込まれていて、Dレンジで自動変速に任せていると時速100kmで走っても9速に入らない。時速80kmなら7速で走っている。日本向けには専用のチューニングを施し、より低い速度域で最も燃費の良いギアを使えるようにして欲しいものだ。

乗り心地は相当に硬めながら、AMGダイナミックセレクトでECOやコンフォートの走行モードを選べば、前後異サイズの19インチのスポーツタイヤとは思えない快適な乗り心地が味わえる。走行モードはダンパーだけでなく、エンジンのレスポンスやステアリングの操舵力なども変えるものだ。ちなみに走行モードはほかにスポーツとスポーツ+のモードが設定されている。

またC43シリーズはSLCを除いた各モデルが4MATIC仕様とされていて、4WDであることによる走りの安定性が高いレベルにある。特に高速走行時のスタビリティの高さは大きな安心感につながる。高性能エンジンの搭載車にふさわしい安定性といっていい。

標準のCクラスで物足らず、差別化されたCクラスでパフォーマンスを楽しみたいと考えるユーザーのためのクルマである。

レビュー対象車
試乗

参考になった2

このレビューは参考になりましたか?参考になった

ページの先頭へ

動画付きユーザーレビュー
電気料金比較 価格.com限定キャンペーン実施中
ユーザーレビュートピックス
プロフェッショナルレビュー
ユーザーレビューランキング

(自動車(本体))

ご注意

価格.comマガジン
注目トピックス