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自動車(本体) > ジャガー > XE 2014年モデル > S

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:209件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費3
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

上質さの中にもスポーティさを押し出したエクステリア

全長4680mmとDセグメントに分類されるサイズ

4ドアながらクーペのような美しい曲線美が魅力

取材車両の「S」には、20インチホイールが装備される。

V型6気筒3.0リッタースーパーチャージャーエンジンは、340PSを発生

素晴らしいハンドリングと安定性でハイウェイ走行も安楽

「XE」は、ジャガーが新たにDセグメントに参入した新型の4ドアセダンです。
今回もインポーターの広報車両をお借りして、ハイウェイ、ワインディングを走ってきました。試乗車種は「XE」では最もパワフルな「S」を選択。最高出力は340PSを発揮します。

同車は、2014年9月にロンドン・アールズコートでデビューし、翌月のパリ・モーターショーでお披露目されました。日本国内では、2015年9月から販売を開始されました。

2001年〜2009年まで、当時、フォードの傘下で開発された「Xタイプ」の後継モデルという位置づけですが、フォード 「モンデオ」ベースのプラットフォームを共有したのに対し、「XE」はジャガー・ランドローバーがまったく新しいプロジェクトで、独自開発した軽量モノコックボディ(重量比で75%以上にアルミ合金を使用)のFRモデルとして登場した、ジャガー4ドア最軽量モデルです。

ガソリンエンジンでは、ジャガー(XF、XJ)やランドローバー(イヴォーク)にも採用されている2.0L直噴ターボエンジンや、スポーツモデルのFタイプと同じ3.0L V6スーパーチャージャーエンジンを採用しています。
また、ジャガー・ランドローバーが自社開発した2.0L「Ingenium(インジニウム) 」ディーゼルターボは、尿素SCRでNoxを還元してユーロ6をクリアした自慢のエンジン。

エクステリアはロングノーズ、ロングホイールベース、ショートデッキ、ロー&ワイドの4ドアクーペ風です。ジャガーらしい華やかさやインパクトは控えめですが、滑らかな線と面で構成されたスタイルは無駄がなくて美しいものです。。空気抵抗を示すCd値はジャガー史上最高の0.26を記録。

ボディは75%以上がアルミニウム合金製です。同社「XJ」や「Fタイプ」のような“オールアルミ”ではありませんが、アルミとスチールの混成のボディは、ライバルとは比較になりません。

意外とコンパクトに見えるボディですが、全長4680mm×全幅1850mm×全高1415mm、ホイールベース2835mmとBMW「3シリーズ」より一回り大きく、最新型のアウディ「A4」に近いと言えます。

スタートボタンを押すと、エンジンが始動し、お馴染みのロータリー式ドライブセレクターがせり上がってきて、ジャガーだなと感じます。3.0L V6ガソリン・スーパーチャージャーは、アイドリング時から、豪快なサウンドを響かせ、「XE」のスポーツモデルであることをドライバーに主張してきます。

トランスミッションは、ヨーロッパ車の後輪駆動モデルで多く採用されるドイツZF社製8速AT(8HP45)を搭載しています。ステップ比が小さいため、変速はデッドスムーズで、ロックアップ機能によるダイレクト感のあるレスポンスも気持ちがいいものです。

市街地走行では、エンジンは1400rpm〜2000rpmあたりで粛々と回っており、それ以上を必要としません。
アクセルを踏み込めば一気に吹け上がり340PSという必要以上のパワーを発揮し美しい4ドアセダンをスポーツカーのように変貌させます。また、ロータリーシフターを回して「DS」(スポーツモード)を選べば、高回転を維持して俊敏にアクセルに反応します。
「ジャガー・ドライブ・コントロ−ル」(パワーステアリング、スロットルマッピング、シフトプログラムを変更)で「ダイナミック」を選べば、反応がよりシャープになり、レブリミットに達しても、勝手にシフトアップは行われず、「Fタイプ」譲りのV6サウンドが、キャビンに響き、その走りはより一層、迫力の満ちたものになります。

ボディは極めて高い剛性を感じることができます。フロント、ダブルウィッシュボーン、リアが新開発のインテグラルリンクとなるサスペンションがきっちり動く様子がリニアに感じ取れます。そして、一般道、ハイウェイでも、ダンピングは最小限に抑えられ、フラットな乗り心地は特筆ものです。ジャガー「XJ」や「XK」で長年アルミボディを手がけてきたジャガーだからこそできる技でもあります。

ワインディングでは、まるで、ライトウェイトスポーツモデルのような軽快な身のこなしをみせ、少々走り込んだレベルでは、ロールやピッチングも皆無に等しいと言えます。(前後重量配分も52:48と計算されています。)あまり、タイトコーナーで攻め込むと、レザーシートでドライバーの身体が滑ってしまうというハプニングもありましたが、ハンドリング、パワーも含め、文句のつけようがない走りでした。

高速道路での時速100km/h巡航時のエンジン回転数は8速で約1800rpm。直進安定性や静粛性はまったく申し分ないもので、安楽そのものです。追い越し加速では、さすが340PSを発生させるだけのことはあり、ドライバーが想像する以上の勢いで加速していきますが、通常は軽くアクセルに足を載せているだけで事が足りてしまいます。

ミリ波レーダーを使ったACCに加えて、ステレオ・カメラで前方を監視し、80km/h以下で衝突を回避あるいは衝突被害を軽減する自動緊急ブレーキ(AEB)やレーンデパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告)は全車標準です。

ジャガーへの期待を裏切らない上質さに加え、素晴らしい加速性能、正確なハンドリング、高いボディ剛性、軽量設計など、伝統を守りながらも、最新技術を取り入れたクルマが「XE」でした。


レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > ダイハツ > ミラ イース 2017年モデル > G SA III

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:33件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア3
インテリア4
エンジン性能4
走行性能3
乗り心地3
燃費4
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ボディカラーは全9色を設定、写真のスカイブルーメタリックは新色になります

L“SAV”以上には前後に2個づつのコーナーセンサーが標準装備されています

質感が大幅にアップしたインパネ周り。カーナビの装着位置も見やすく操作性も優秀です

G“SAV”には運転席/助手席にシートヒーターとシートリフターが標準装備されます

デジタルメーターは旧型から踏襲していますがGとLは多機能型を採用しています

G“SAV”のみプッシュボタンスタートを装備。スマアシVのスイッチも配置します

2017年5月にフルモデルチェンジを行った2代目となるダイハツ ミラ・イースに試乗しました。

初代の登場は2011年9月、「第3のエコカー」のふれこみで軽自動車の原点とも言える「低燃費」「低価格」などを前面に押し出し新しい市場を開拓しました。

今回、新型に開発するにあたって取材をするとは社会環境も変わってきており、環境(燃費)性能などは当たり前、それよりも「安全・安心」などを含めた装備などが求められていることがわかったそうです。

そのために新型ではステレオカメラを使った先進安全装備である「スマアシ(スマートアシスト)V」を積極的に展開、さらに旧型より80kgの軽量化やエンジンやトランスミッションの制御を見直すことで低燃費だけでなく走りの質感も向上させました。

試乗したのは最上級グレードのG“SAV”のFF車(CVT)で価格は120万9600円となります。

最上級ゆえに装備もかなり充実しており、このグレードであれば登録車からのダウンサイザー(大きめのクルマからの乗り換え)にも十分対応できます。

実際、新型ミラ・イースとしてはスマアシVが装着され、十分な装備を持つ、ひとつ下のX“SAV”(FF、108万円)が最もお買い得だと思います。

さらにこの下にはスマアシVを装着しながら93万9600円という価格を実現したL“SAV”も設定されていますが、こちらはあまりオススメできません。

その理由はタイヤにあります。GとLには14インチ、L以下はより軽量化のために新開発した13インチタイヤが装着されていますが、足回り自体のセッティングも異なります。

普段使いであれば問題ないかもしれませんが、少しスピードが出た状態での車両の安定感などはやはり14インチ仕様が優れているからです。

GとLとの価格差は12万9600円ありますが、ここにはフルオートエアコン、アルミホイール、イモビライザー付きのキーフリーシステム(鞄の中などにキーを入れた状態でもドアの解錠/施錠ができる)、プッシュ式エンジンスタートボタン、シートヒーターなどが含まれます。

前述したように登録車など装備がしっかり装着されているクルマからの乗り換えであればGがオススメですが、普段の“足クルマ”なのであればLで十分、またLにも消費電力を抑えて低燃費にも寄与するLEDヘッドランプが標準装備されているので、この点でもLのコスパは高いと考えます。

室内に乗り込んでみると旧型に比べ、品質が非常に上がったことがわかります。

ダッシュボードのシボ(表面の模様)の仕上げや旧型には無かった前席両側のカップホルダーなど使い勝手が向上しています。

またシート自体の作りもアップしていますし、何よりも後席の座り心地が大きく向上しています。

正直に言えば、このクルマで4名乗車という使い方は少ないと考えます。だからというわけではありませんが、旧型はこのリアシートで大幅なコストダウンを行っていました。もちろんムーヴやタントに比べれば使い勝手や着座感は劣りますが、旧型よりは確実に良くなったと言えるでしょう。

さらに気に入ったのはパーキングブレーキに「手引き式」を採用した点です。ご存じのように現在のクルマでは「足踏み式」が主流、電動パーキングブレーキなどはまだまだコスト面からも採用車種は少ないのが現状です。

なぜこの時代に足踏み式?答えは非常にスッキリしていました。ダイハツの調査によれば高齢者などを中心に足踏み式だとペダルが増えることで踏み間違いが怖い、という意見があったそうです。

もちろんベンチシートを採用しているムーヴなどでは現実に装着は難しいのですが、手引き式は視覚的&触覚的にもブレーキをかけた(引いた)状態がわかることもあり、旧型からの継続採用を決めたとのことです。

走りの部分では36kW(49ps)、57N・m(5.8kg-m)という控え目なスペックですが前述した80kgの軽量化や制御の効率化により普段使いとしては十分、特に街中などでの中間加速の際に旧型がもたつき気味だったのに対し、新型はスムーズさが向上しています。

実用燃費はそれほど長い距離が走れなかったので概ね20km/Lといったレベルです。ただ当日は炎天下でエアコンはフル回転、渋滞もかなり多かったことは付記しておきます。ライバルのスズキ・アルトと比較すると悩む部分は多いのですが、先進安全装備の能力の高さなどからも現状はミラ・イースを選ぶ理由は十分にありそうです。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > ジャガー > F-PACE 2015年モデル > R-SPORT

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:209件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地5
燃費無評価
価格5
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

迫力のあるボンネットは、上質と威圧感を持ち合わせている

他のSUVとは一線を画すジャガーならではのエクステリア

上質なリアエクステリアはジャガーらしさを醸し出している

R-SPORTでは、V6 3.0リッタースーパーチャージャーエンジンを搭載

255/50R20タイヤを純正。オプションで22インチホイールも選択できる

上質かつアグレッシヴなインテリアはスポーツ色が強いもの

ジャガーは変革を遂げているメーカーであります。これまでの英国の伝統を脱ぎ捨て、躍動感、パフォーマンスを前押ししているのが登場するクルマを見るとわかります。

その一台がジャガー「F-PACE 」(F-ペイス)です。

メーカーの広報車両を個人的にお借りして、一般道、ハイウェイ、ワインディングを走ってきました。

これまでのジャガーは上品さの滲み出た「XJ」に代表される、品のあるクルマというイメージが強かったのですが、ジャガー初となるSUVの同車は、ポルシェ・「マカン」、BMW「X4」、アウディ「Q5」などライバルが多い中、スポーツカーとしてジャガーは位置付けています。ランドローバーでもスポーツ色を強めたモデルを登場させていますが、その点ではとてもジャガーに及ばないものです。

「F−TYPE」の要素を取り入れたエクステリアは、迫力のあるボンネットと、それにつながる複数の直線的なサイドライン、プレス技術を駆使した陰影を持ち、一目でジャガーと分かるものです。

インテリアは、大人5人がリラックスして乗車できる快適な空間と、大胆な色使いのシート、センターコンソールにはタッチスクリーン式の10.2インチモニターがあり、ステアリング奥の12.3インチバーチャルコックピットは通常のクラシカルな自動車の計器表示のほか、フルスクリーンで3Dを表示することも可能です。

パワートレインはガソリンとディーゼルの2モデルの設定です。V型6気筒3.0リッタースーパーチャージャーは、スポーツカー「F−TYPE」と同じ最高出力380PS、最大トルク450Nmを発揮。直列4気筒2.0リッターターボディーゼルエンジンは、「INGENIUM(インジニウム)」と名付けられた最新バージョンで、最高出力180PS、最大トルクは、クラス最大の430Nmを発揮します。駆動方式はすべて4WDで、トランスミッションは8段オートマチックを採用。4WDシステムは通常後輪に90%のトルクを配分。状況に応じて前輪90%まで最適なトルク配分を行うものです。

試乗したのは最高峰モデルの「R-SPORT」。

スタートボタンを押すと、円柱状シフトがスルリとせり上がってくるのは昨今のジャガーのお約束です。このロジックも慣れれば、明確で、円柱状シフトを回しDレンジに入れ、一般道へ走り出しました。まず驚いたのは、乗り心地が非常にフラットで、255/50R20というタイヤを履いているにも関わらず、轍など少々荒れた路面でもキャビンに伝わるダンビングも最小限。滑るようにスムーズに走り抜ける感覚は、やはりジャガーであると納得できます。

高速道路では、その快適性はさらに明確となり、道路の継ぎ目などのショックも遥か遠くで「コトン」と聞こえるほどで、フラットな安定性に感銘を受けました。もちろん、V型6気筒3.0リッタースーパーチャージャーは、余裕しゃくしゃくであり、アクセルに軽く足を乗せているだけで涼しい顔をして迅速に追い越しが可能。アクセルを踏み込むとバーチャルメーターの指針が、目で追いきれないほどの勢いで速度を上げていきます。

ワインディングでは「ダイナミックモード」を選択しますと、エキゾーストノートは、スポーティな低音よりのサウンドに変化し、エンジンが本領を発揮します。上り勾配でも、380PSのパワーは、ドライバーをシートに強く押さえつけるような加速を演じ、コーナーでも決して小さくないボディをキビキビ向きを変える旋回性とSUVにも関わらずロールもほどんど感じないまま、駆け抜けてしまうあたりはスポーツカーそのものでした。

F-PACEのは、スポーツカーとしても、ラグジャリー系としても使える万能のSUVでした。久しぶりに完成度の高いクルマにであったという印象が鮮明に残っています。





レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > プジョー > 508SW 2015年モデル > Allure

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:209件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地5
燃費4
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ダイナミックな印象となった顔つき。エンブレムもグリルへ移動された

美しい曲線を描くサイドラインは、上品な印象

リアデザインもまとまりがあり、美しい。

ヘッドライトは可変式のLEDを採用している

直列4気筒1.6リッターエンジンは165ps/6000rpmを発生

インテリアは落ち着いたくつろげる空間

2015年1月にマイナーチェンジを敢行し、現行モデルであるプジョー 508SWに試乗しました。今回もメーカーの広報車両をお借りして200キロ程度の距離を試乗しました。

走り出してすぐに感銘を受けたのは、”フランス車濃度”が高いことです。
同社「308」では、Volkswagen「ゴルフ」をライバルとし、ドイツ車風の引き締まった乗り心地でしたが、「508SW」では、ダンピングも心地よく吸収し、たっぷりとしたストロークのサスペンションが、上質な乗り心地を提供してくれます。これは、思わずニンマリ。この25年フランス車を乗り継いできた筆者にとり、そうそう、この感じ!だよね。と独り言。脚回りの剛性は高いながらも、路面の凸凹をなめらかに通過していく感じです。

発進加速もトルクフルで、直列4気筒1.6リッターターボエンジンは、まるでV型6気筒エンジンのような滑らかかつ、実にスムーズで軽快です。アクセル開度に対するエンジンパワーの盛り上がりも極めて自然で、好ましいもの。

法に則った範囲でアクセルを深く踏み込んでみるとダイレクトに反応し、気持ちよく速度を上昇させていきます。ただ、一瞬ではありますが、ターボラグが発生することもあり、加速を待たさせることもありました。ZF製6速オートマチックは、実に滑らかな変速で、シフトアップ、ダウンともに思ったように加減速をしてくれます。

高速道路の合流で法定速度までアクセルを踏み込むと、上質感を保ったまま、充分過ぎる加速力を発揮します。迅速な追い越し加速を得たい場合は、そのままでは、パンチ不足です。シフトダウンで高回転域まで回してやれば、その分ドライバーが望む加速を得られます。

ハンドリングは、昨今の輸入車とは異なり、ややダルい印象です。これがフランス車らしくて好きな方にはたまりません。操舵感も適度に軽く、タイヤからのインフォメーションも手のひらにしっかり伝わってきます。スポーティなハンドリングを求める方には、少々不満が残るかもしれませんが、しっとり落ち着いた印象です。

静粛性はいかなる状況でも静か。排気音のこもりや風切り音、ロードノイズも最小限。エンジンを高回転に回した場合は、心地のよいサウンドがキャビンに届きますが、ガサついた感もなく、好感が持てます。

インテリアの質感も高く、ダッシュボード、ドア内張り上部など、細部まで全てソフトパッドとなっており、全体的な雰囲気もドライバーを落ち着かせてくれる。ドアの開閉の感触も、「308」に比べ、重く重厚感があり、「ボスン」と閉まります。

次回のモデルチェンジではおそらくバーチャルメーターになってしまう可能性が高いですが、「508SW」の繊細なデザインのアナログメーターは視認性も高く、中央に小径の3連アナログ式メーターが設置されているのが渋いです。特に油温計もアナログなのは、メーターマニアの筆者にはそそりました。

最後の「508SW」には、全てにおいて優秀で大きな欠点のないクルマでした。
上質で、使い勝手のよいワゴンをお探しの方には、最適です。





レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > マツダ > アクセラ ハイブリッド 2013年モデル > HYBRID-S PROACTIVE

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:33件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費5
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

フロント&リアバンパーの造型やグリルの設置位置を変更し、拡がり感を強調しています

新色として高い評価を得ている「マシーングレープレミアムメタリック」も設定しました

ステアリングホイールの意匠変更などインテリア全体の質感も大きく向上しています

しっかりとしたドライビングポジションが取れるのは現在のマツダ車の美点と言えます

ディスプレイ内にはハイブリッド車専用のエネルギーモニター表示が装備されます

ハイブリッドシステムの関係でラゲージ容量はやや狭めですが実用上は十分と言えます

2016年7月に大幅変更を行ったマツダアクセラハイブリッド、3グレード構成の内の売れ筋価格帯である「HYBRID-S プロアクティブ」に試乗しました。

今回の目的は特に燃費性能と走行フィーリング、通常より距離を伸ばし、約650kmを走りました。内訳的には高速道が約250km、市街地と郊外路の合計で約400kmになります。

エアコンはほぼ25度(オート状態)で固定、試乗時期としては外気温が30度近くまで上がることもありましたのでその際には設定温度を下げることもありました。

アクセラ自体はマツダの世界戦略車として「MAZDA3」の車名で販売されていますが、2013年11月の発売以降、他のマツダ車に比べ変更は少なめでした。

今回試乗したハイブリッド車も2014年10月に一部改良を行い先進安全装備の一部を標準化しましたが、2016年7月にはエクステリア&インテリアなどを含め、大幅改良しています。

とはいえ、中心モデルである「スカイアクティブディーゼル」搭載車やガソリンエンジン車に比べると次世代の車両制御技術として高評価を受けている「G-ベクタリングコントロール」などは搭載されていません。

理由は簡単です。ご存じの通り、アクセラハイブリッドの基本システムはトヨタから供給されている「THSU」をベースに作られています。エンジン自体こそマツダオリジナルの2L(プリウスは1.8L)と異なりますが、最高出力などの基本スペックは30系(旧型)プリウスなどにほぼ合わせています。基本システムがトヨタ製ということですから前述した車両制御技術も搭載されませんし、先進安全装備もディーゼルやガソリン車より機能は落ちてしまいます。

大人の事情?というかトヨタとマツダのアライアンスから考えても現状ではなかなか難しいのかもしれませんが、購入時には同じアクセラでもこのクルマは立ち位置が異なることを理解しておく必要があります。

それではあまり意味が無いのでは?と思うかもしれませんが、そこはアクセラの基本性能の高さが光ります。

アクセラが発売した頃のプリウスは旧型でしたが、加速時のエンジン透過音の低さやフィーリングは旧型プリウスより優れていると感じました。またブレーキフィーリングに関してもガソリン車に近づけており印象は悪くありません。

何よりもリアサスの接地性能が優れており、高速走行時やコーナリング時の安定感は現在のマツダ車の良さが出ています。

今回、長距離を乗ったこともあり、途中後席にも乗ったのですが、いわゆるレーンチェンジや坂道で急なGが発生するようなシーンでも唐突感が無く、極端に身体を揺すられるような感覚も少ない。この辺のフィーリングも良いと思います。

それでも現在のCセグメントのクルマから考えると後席の足元スペースが若干足りないこと。またハイブリッドバッテリーなどをトランク内に搭載していることでラゲージルームの容量もアクセラセダンの419Lから312Lに減ってしまうことは理解しておく必要もあります。

それでもこのクルマを選ぶ理由は前述したハンドリングの良さと燃費性能にあります。今回走った総合燃費は23.2km/L、JC08モード燃費が30.8km/L(16インチタイヤ装着)なのでカタログに対し、75.3%の達成率になります。

ハイブリッド車の場合、どうしてもJC08モードと実燃費には乖離が生まれやすくなります。今後は新しい燃費測定モードである「WLTC」が採用されることでその差は埋まっていくと予想されますが、ユーザーが本当に知りたいのは実燃費ですから、そろそろ見せかけ上の燃費競争は終わりにしてほしいとも思っています。

さて、このアクセラハイブリッドはどのような人にオススメなのでしょうか。デザインの良さはもちろんですが、やはり「プリウスとの差別化」になると思います。ハイブリッドカーは欲しいけど、周りが皆、プリウスばかりなのでちょっと違うハイブリッドカーに乗りたいと思う人、また平日は生活の足として、休日など遠距離のドライビングを愉しみたいユーザーにも向いています。

今回試乗したプロアクティブの場合、「ドライビング・ポジション・・サポート・パッケージ」という装備がメーカーオプションで設定されています(5万4000円)。これは運転席の10wayパワーシートと運転席&助手席のシートヒーターをパッケージ化したものですが、購入時にはぜひ装着をオススメします。特にハイブリッドカーの場合、冬期においてヒーターを使うことは燃費悪化の原因となりがちなので、それらを抑えるためにも効果的です。また個人的にはせっかく静粛性の高いハイブリッドカーですので、こちらもメーカーオプションのBOSEサウンドシステム(7万5600円)もオススメします。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > アウディ > A3 セダン 2014年モデル > 2.0 TFSI quattro sport

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:209件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費4
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

2017年モデルでは、ライト回りを刷新。LEDターンシグナルも視認性が向上した

全長4465mmのコンパクトなセダンは、往年のアウディ「80」などを思い起させる

エキゾーストエンドは2本出し。LEDウインカーは流れるように点灯

新開発の2.0 TFSIエンジンは、最高出力190PSだが数値以上にパワフル

2.0 TFSI quattro sportには、本革スポーツシートが奢られる

アウディバーチャルコクピット。実際にみると驚くほど高精細な画面であることがわかる

アウディ「A3セダン」は、全長4465mm×全幅1795mm×全高1405mmというコンパクトボディながら、アッパークラスに負けない上質感や緻密なディテールをウリのひとつとするモデルです。2017年初旬にフェイスリフトを受け、ボディは従来通りハッチバック/セダンの2タイプ、パワートレーンは1.4TFSI+FF、2.0TFSI+クワトロという選択肢が用意されます。

今回は、「A3」セダンでも最上級グレードとなる「2.0 TFSI quattro sport」にインポーターの広報車両をお借りして試乗してきました。

2017年モデルでは、小排気量ながらパワフルな1.4リッターTFSIエンジン搭載モデルに加えて、今回、アウディの持つ技術の粋を凝らした2リッターTFSIエンジン搭載モデルが設定されました。トランスミッションは新開発の湿式7速デュアルクラッチの ‘Sトロニック’ です。

スポーツバックとセダンともに ‘Sport’ が設定され。サイズアップしたホイールと、標準より15mm下げられた車高となり、緻密な印象の同車をより一層、高品質なものとなりました。

エクステリアでの変更点は、最新のアウディデザインを反映したヘッドライトは、フィラメントを廃したフルLED化。よりワイド&ローになったシングルフレームグリル、スポーティーな形状となったフロントバンパーとリアバンパーなどです。

また、安全面でも充実化を図り、「A3」モデルは、アダプティブクルーズコントロール(自動ブレーキ機能付)が全車で標準装備され、歩行者に対しても検知可能となりました。

インテリアでは、「A3」クラスでも、アウディバーチャルコクピットが備わり、メーターナセル内に12.3インチのフル液晶モニターを採用し、そこに車両情報、速度、回転数、そしてナビゲーションを表示する次世代のメーターパネルのことです。日本車では、まだ高級車の一部でしか採用されていないバーチャルメーターですが、欧州車での普及率は飛躍的に高まり、来年上陸予定のフォルクスワーゲン「ポロ」にも採用されます。

運転席に座り、ドアを閉めますと「ボスン」という重厚な立て付けに、「A3」セダンでも、さすがアウディと感心しました。アウディバーチャルコクピットには、「アウディエンブレム」と「A3クワトロ」というロゴが映し出され、ドライバーを迎えてくれます。

センターコンソールの助手席側に設けられたエンジンスタートボタンを押して、エンジンを始動させると、静かで定評な1.4リッターエンジンとは異なり、直列4気筒2.0リッターDOHCインタークーラー付ターボは、低音寄りのサウンドをキャビンに伝え、「2.0 TFSI quattro sport」という、セダンでは最高級スポーツグレードであることを改めて教えてくれます。(S、RSモデルなどを除く)

最高出力190PS/4,180-6,000rpm、最大トルク320Nm/1,500-4,180rpmを発生させるこのエンジンは、実に扱いやすく、特に街中では、320Nmもあるトルクが、アイドリング+あたりから発生するため、軽くスロットルに足を乗せているだけで、実にスムーズに加速をしてくれます。新開発の湿式7速Sトロニックは、1.4リッターに積まれるものとは違い、耐久性と駆動性を重視したもので、ハイパワーにも対応。この7速Sトロニックのデキがまた素晴らしく、いつ変速を行ったのか解らないほどデッドスムーズで、トルクコンバーター式のAT車のような印象でした。
都内周辺を走る限り、乗り心地はマイルドで、専用のスポーツサスペンションは、しなやかな動きをします。そのため、乗員も乗り心地の硬さなど感じることはなく、快適な移動が可能です。

高速道路に入り、ETCゲートをくぐりアクセルを踏み込むと、ご自慢のフルタイム全輪駆動の 「quattro」(クワトロ)システムが路面をがっしり捉え、安定姿勢を保ったまま猛進していきます。1.8リッターターボに代わって、「Bサイクル」と呼ばれる独自の燃焼方式を採用した新しい2.0リッターターボエンジン(2.0 TFSI)は、極めて高い遮音性を誇るキャビンに野太い排気音をスパイスとしてドライバーに届け、シフトチェンジが行われる度に、「バフッ」という破裂音が心地いいもので、このクルマがスポーツグレードであるということを認識させてくれます。
法定速度の時速100km/hまでの加速は、6秒ほどで到達。街中では、滑るように走っていたクルマがまた違う一面を見せてくれ、ジキル&ハイド的な要素を持っています。
追い越し加速も迅速で、アクセルを軽く踏むだけで、素早く終了します。ステアリングも微動だにしないほどずっしりと手応えのあるもので、どこまでも走っていけそうな感覚に陥ります。しかし、軽くアクセルを踏んだだけで、トルクが盛り上がり、速度感覚を感じさせないまま、グイグイ加速していきますので、日本国内では速度違反にはくれぐれも注意してください。

短い時間でしたが山坂道を走ってみました。のけ反りかえるような急勾配でも、分厚いトルクの恩恵でパワフルに加速。コーナーでの立ち上がりも普通に楽しむのでしたら、スポーツカーは必要ありません。気分の抑揚と共に、オーバースピードでコーナーに進入したとしても、「2.0 TFSI quattro sport」は何事もなかったかのように駆け抜けてくれます。


4ドアセダンの利便性を生かして、家族でのドライブではあくまで安全、安心。ドライバーが一人で運転を楽しみたいときには、スポーツカーの要素を持ち合わせ痛快な走りを楽しめる「2.0 TFSI quattro sport」。1台で2度美味しいクルマでした。


レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > BMW > M2 クーペ 2016年モデル > ベースグレード

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:209件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費4
価格4
満足度5

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

専用の「M」パーツで武装したエクステリアは迫力満点だ

全長は4475mmとコンパクトだが、マッスル感のあるボディが魅力

空力特性を高めるディフューザーと、デュアルエキゾーストテールパイプが特徴

鍛造の19インチホイールに前後とも対抗キャリパーが備わる

直列6気筒DOHC 3.0リッターMツインパワー・ターボ・エンジン

刺激的で趣のある走りはマニアには堪らないものがある

対面したBMW「M2 クーペ」は、全長4475mmとコンパクトサイズながら、ただならぬオーラーを振りまいているクルマでした。今回もメーカーの広報車両をお借りして試乗を敢行しました。

「2シリーズ」をベースにしながらも、エクステリアデザインの”塊感”は相当威圧的で、ダブルバーのMキドニーグリルに、大型エアインテークを備えたフロントエプロン、大きく張り出したフェンダーやリアバンパーから左右2本ずつに分けられた4本出しのエキゾーストパイプなど「M」モデルらしい専用パーツで武装しており、迫力満点。

さらに車両の細部まで観察すると、軽量化された19インチのダブルスポーク鍛造ホイールに、フロント245/35 R19、リア265/35 R19のぶっといタイヤを装着。数年前のBMWはブレーキそのものの主張を控えていましたが、ブルーメタリックの耐熱塗装に「M」の刻印が施されたフロント4ピストン、リア2ピストンの対向キャリパー、耐久性に優れた鍛造ドリルドタイプのディスクローターはフロント380mm、リア370mmと大口径を採用。徹底して走りを追求したコンパクトクーペであることがわかります。

重いドアを開き、コクピットに収まると、雰囲気はスポーティながら、エクステリアほどスパルタンではなく、上質感が高いものです。ブラックの「ダコタレザー」の質感も極めて高く、サーキットなどスポーツ走行でも対応するホールド性は高評価でした。カーボンファイバートリムや細部に配されたステッチがさりげなくスポーティな印象を与えてくれます。

最近のクルマは、キーを回してエンジンを掛けるというロジックが減少し、スタート/ストップボタンが多くを占めています。クルマに試乗するのが筆者の仕事ですが、車種が変わる度にスタート/ストップボタンを探してしまいます。その点、BMWは視線移動の少ないメータークラスターの横に設置されているのは、嬉しい限りです。

エンジンを始動させますと、威勢のよい野太いサウンドが周囲に響き「やはりそうきたか」と・・・。

直列6気筒DOHC 3.0リッターMツインパワー・ターボ・エンジンは最高出力370PS/6500rpm、最大トルク465Nm(47.4kgm)/1400rpm-5560rpmという刺激的なパワーを絞り出しますが、オーバーブースト機能により5.0リッターエンジンに匹敵する500Nm(51.0kgm)という最大トルクを一時的に引き出します。

走り出してみますと、アクセルワークにダイレクトの呼応し、ターボエンジンであることをドライバーに感じさせない自然なレスポンス。そのため、街中では、硬めのダンピングを除けば、軽くアクセルに足を乗せているだけで市街地を泳ぐことができます。

中速域からは、ターボエンジンならではのトルクの盛り上がりを見せ、BMW伝統の直列6気筒エンジンのシャープな吹け上がりは、7000prmから始まるレッドゾーンを軽々飛び越え、8000rpm付近まで一気に吹けきってしまう。また、直列6気筒エンジンのサウンドチューニングが絶品で、「ファーン」という刺激的なサウンドに魅了されてしまうほどでした。

1560キロの車体重量に370PSですから、パワーはあり余っていますが、トランクション性能は非常に高く、コーナーでの立ち上がりで背中から、押し出される感じは、「M2」のバランスのよさを実感できます。

フロントに3.0リッターエンジンを搭載していることから、タイトコーナーではややフロントの重さが気になりますが、ロールやピッチングは最小限に押さえ込まれ、山坂道では、正確でシャープなハンドリングと相まって痛快に走ることができます。DSCをOFFにするといとも簡単にパワースライド状態になりますが、コントロール性もバツグンでした。

このサイズで800万円ですから、エンスージャスト向けとしか言えませんが、BMWが掲げる“駆けぬける歓び”を最も骨の髄まで味わえるクルマは、この「M2」ではないのであろうか?とBMWオーナーの筆者も感じました。






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試乗

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自動車(本体) > 日産 > ノート e-POWER 2016年モデル > NISMO

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:33件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費4
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

専用エアロパーツやバンパー類を装着し、スポーティな印象に仕上がっています

ボディカラーは5色設定。試乗車のブリリアントホワイトパールは3万7800円高になります

本革&アルカンターラ仕上げのステアリングホイールや専用メーターを装着します

ホールド性の高いレカロ製スポーツシートは27万円でメーカーオプション設定されます

他のノートe-POWERと基本スペックは同じですが、VCMを専用チューニングしてあります

足回りは専用チューン、前後とも195/55R16 87VのヨコハマDNA S.driveを装着します

2016年11月に新しいコンセプトである「e-POWER」を搭載し、販売も絶好調の日産ノート、その中でも翌12月に追加発売したスポーティな「ノートe-POWER NISMO」に試乗しました。

今回の大幅改良前からモータースポーツブランドであるNISMOのチューニングによる「ノートNISMO」はラインナップされていましたが、今回e-POWER仕様を含め、1.2L&CVT仕様のNISMO、1.6L&5MT仕様のNISMO Sの3タイプのモデル構成にすることで同ブランドを高めようという戦略もあります。

今回、このモデルをあえて選んだのはノーマルのノートe-POWER車では味わえないハンドリング性能があったからです。

このクルマは日産の関連会社である「オーテックジャパン」が手がけています。これまでも「ライダー」シリーズなどのカスタムカーや「ライフケアビーグル」に代表される福祉車両など幅広い領域のクルマを世に送り出しています。

その同社がこれまでに培ったノウハウなどをつぎ込み内外装はもちろん、足回りやボディを含めた走りの部分へのこだわりが詰まったモデルに仕上がっています。

エクステリア&インテリアは写真を見れば一目瞭然です。専用のフロント&リアバンパーやエキゾーストテールエンドなど停止状態からでも走りに対する期待が高まる仕様になっています。インテリアに関してもステアリングホイールやメーター類も専用設計、今回はメーカーオプションのレカロシートが装着されていましたが、標準状態でもスエード調のスポーツシートやアルミ製のスポーツペダルが装着されています。

そしてポイントは走りの部分のチューニングにあります。オーテックジャパンが得意とするボディ補強、パワステの専用チューン、足回りではNISMO Sと共通となるフロントの強化スタビライザーや専用サスペンションなど多岐にわたります。

そして個人的にはVCM(Vehicle Control Module)に注目しています。すでに電気自動車であるリーフ(エアロスタイル)にもこの手法は採用されており、いわゆるコンピュータチューニングを行うことでe-POWERが持つ3つのモードのうち「NORMAL」「S」の2つにおいてよりスポーティな走りを可能にしているわけです。

その違いは高速道路などでの走りで一目瞭然です。その前にe-Power車のセールスポイントの中に「ワンペダルで発進から減速まで行える」があります。ECOモードとSモードのふたつがアクセルオフで強い減速力を発生します。これが日産でいう「e-POWER Drive」に該当するわけですが、特に市街地ではECOモードによる走りが有効だと感じました。正直、最初はこの感覚を掴むのに戸惑いましたが少し走ると慣れも出てきますし、最終的には自分でブレーキを踏んで停まるにせよ、渋滞などでは頻繁なペダルの踏み替えが減る、などメリットも感じます。

一方、高速走行ではECOモードよりノーマルモードが気に入りました。アクセル操作に関してやや敏感な部分もありますが、こちらも慣れの問題、モーター駆動ならではのどこまでもスムーズな加速により追い越しなども非常にスムーズ、いやかなりスポーティ、この部分も前述したVCMのチューニングが大きいと感じました。

足回りに関しても当初はガチガチではないかという勝手な?イメージを持っていましたが、実際は専用ダンパーやベストセッティングとして選んだ「ヨコハマDNA S.drive」による部分は大きく、路面からのショックもうまく吸収していますし、高速域での直進安定性はハイレベルで手応えもしっかりしています。ノーマルのe-POWER車と比べるとここが一番顕著に表れる部分だと感じました。

さて、このノートNISMO e-POWERはどんな人にオススメなのでしょうか。まずNISMOに代表されるスポーティブランドが欲しい人は当然ですが、私としてはこのクルマを購入する際「高速道路を走る機会が多い」のであればぜひオススメします。逆に市街地中心の走行であればノーマルのノートe-POWERでも十分です。売れ筋のe-POWER Xグレードとの価格差は約50万円あります。もちろんここには多くの装備差があるわけですが、そのハンドリングや所有する歓び、さらに将来の売却時のリセールバリューも考えるとNISMO e-POWERはかなり魅力的な選択です。

それでも「このデザインはちょっと恥ずかしい」と思う方がいるかもしれません。実はオーテックがリリースしているカスタムカーの中に「ノートe-POWER モード・プレミア」というモデルがあります。これはノーマルのノートに専用のエクステリア&インテリアを採用したメダリストとは異なるテイストで仕上げたモデルです。このモデルにはメーカーオプションで「Touring Package」が設定されているのですが、この足回り関係はNISMOと同じセッティングになっています。つまり「NISMOの走りが欲しいけどデザインは少し大人テイスト」を希望する人にはドンピシャです。

気になる燃費も高速、一般道それぞれ約200kmづつ走って21.4km/Lと走りを考えるとまずは満足できる数値です。今後は先進安全装備のさらなる充実やシステムの進化なども期待したいところですが、現状でも新しい運転感覚を持つクルマとして十分オススメできます。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > フィアット > アバルト 124 スパイダー 2016年モデル > ベースグレード

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:209件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費4
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

オリジナリティ溢れるフロントマスクはボンネットも長く、古典的

曲線を多用したボディラインは、イタリアンスポーツの色気も満点

エキゾーストエンドは左右に振り分けられた4本出しを採用。迫力あるサウンドを奏でる

17インチガンメタリックホイールにブレンボ製の4ピストンキャリパーをフロントに装備

最高出力170PS/5500rpm、最大トルク250Nm (25.5kgm)/2500rpmを発生する

ロードスターをベースにしながらシートやステアリングなどオリジナルパーツを採用

“広島生まれのイタリア車”と称されるクルマが、アバルト「124 スパイダー」で
す。

基本的に輸入車執筆の仕事を専門とする筆者ですが、ベースとなるマツダ「ロード
スター」は、本当にアラフィフおやじには最高に試しめるクルマで、決して速くはない
ものの、快感を覚えるシフトフィールや、何の変哲もない片押しシングルキャリパー
ながら、まるで「ポルシェ」のブレーキ?と思わせる剛性感のあるフィーリングは、
欲しくなる一台でもあります。

では、最新の「ロードスター」をベースにアバルトが仕上げたアバルト「124 スパイ
ダー」は一体どれほどのものなのか、メーカーの広報車両を借りて試乗を敢行して
きました。

エクステリアでは、黙っていればマツダ「ロードスター」がベースであることが、分
からないほどオリジナリティ豊かなであり、前後に長いボンネットを採用し、オー
バーハングを切り詰めることでアジリティを強調するデザインとしています。アバル
トのよって、デザインされた大型エアインテークやリアディフューザー、リアスポイ
ラー、ウィンドウスクリーンは風洞実験をイタリアで行ったといいますから、製造が
日本というだけで、細部にわたりイタリアンデザインを楽しむことができます。ボ
ディサイズは4060×1740×1240mm(全長×全幅×全高)。ベースとなったマツダ
「ロードスター」と比べますと145mm長く、5mm広く、5mm高いサイズです。

オリジナリティ溢れるエクステリアと比べてしまうと、インテリアは、マツダ「ロー
ドスター」と大きな差は少なく、「アバルト」のエンブレムが貼られた専用ステアリ
ング、レッドの盤面を持つレブカウンター、そして、270Km/hまで刻まれたスピード
メーター、「アバルト」の刺繍が施されたバケットシートなどが専用品です。

6MT仕様には、デビュー時に試乗しましたが、今回はあえて6速AT仕様を選びまし
た。

着座位置の低い専用シートに腰を下ろし、眺める景色はマツダ「ロードスター」を払
拭することはできませんでしたが、エンジンを始動した瞬間、世界が一転。4本出し
のエキゾーストエンドからは、周囲の空気を震わすような野太いサウンドが響き、
「アバルト」のアツイ走りを予感させるものです。

試乗車は6速ATで1150kgの車体重量。直列4気筒1.4リッターマルチエアターボ
エンジン「3268」ユニットは、最高出力170PS/5500rpm、最大トルク250Nm
(25.5kgm)/2500rpmを発生することから、数字を見る限りでは、十分すぎるものと
いえます。

野太いサウンドを奏でるこのエンジンは、走り出すと低速域からトルクに溢れ、後方
からグイグイと押し出してくる。6ATのシフトフィールは非常に優秀でドライブレン
ジに放り込んでおけば、シフトショックもほとんどないままややドッカンターボのト
ルクに身を任せグイグイ加速していきます。

MTモードに切り替えればステアリングに装備されたパドルシフトで積極的なシフト
チェンジを楽しめレブリミットの6600rpmまで使い切ることができます。

乗り心地は、かなりハードな設定で、乗り心地のよい「ロードスター」とは一線を画
します。また、路面の轍にも敏感にステアリングが反応し、いくらAT仕様とはいっ
て「アバルト」チューンの血統を強く感じるものでした。

ワインディングでは、170PSのパワーと軽さが武器になってくれます。ブリヂストン
「POTENZA RE050A」(205/45 R17)との相性もよく、普通に流す程度では、タイヤ
のスキール音も聞こえる事なく、ヒラリヒラリとミズスマシのようにコーナーをクリ
ア。脱出の立ち上がりも迅速で、刺激的なエキゾーストノートを響かせ実に爽快。レ
ブリミットまで引っ張り、MTモードのパドルシフトを2速にシフトすると一瞬ホイー
ルスピンを起こすほどじゃじゃ馬ぶりを発揮してくれます。

サスペンションはビルシュタイン製で、フロントにダブルウィッシュボーン式、リア
に5アームのマルチリンク式を採用。このステアリングに伝わる安定性、車両挙動
などは、相当開発に時間をかけたことが容易に判断できました。
縦置きエンジンがフロントミッドシップに搭載され、50:50の重量配分のよさも、実
際に走ってみれば、なるほど納得!と思わずニンマリしてしまうものです。

また、フロントには「ブレンボ製」の4ピストンブレーキキャリパーが装備されま
す。マツダ「ロードスター」のブレーキも冒頭に述べたとおり非常にカッチリした
タッチで国産車の中では軍を抜いたフィーリングを味わえますが、少々、ワイン
ディングを走り込んだりしますと、やはり、「ブレンボ」製の4ピストンキャリパーの
本領が発揮され、常に変わらないガチッとした踏力が、安心感を与えてくれます。
サーキットなどに持ち込んだ際にはその差は歴然と出ることでしょう。

0-100km/h加速6.8秒、パワーウェイトレシオはクラストップの6.2kg/HPは伊達では
なく、トヨタ「86」以上の動力性能を有しております。

“広島産でイタリア車”という例のないアバルト「124 スパイダー」は、やはり「ア
バルト」。イタリア色、濃厚で、マツダ「ロードスター」にはない、大胆なクルマで
した。




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試乗

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自動車(本体) > トヨタ > C-HR 2016年モデル > S-T

森口将之さん

  • レビュー投稿数:228件
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プロフィールフリーランスジャーナリストの森口将之です。自動車を中心に、モビリティ全般を守備範囲としています。自動車については、ブランドやスペックにとらわれず、ユーザー目線でのレポートを心がけています。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務め、日本自動…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費無評価
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ホイールはS-Tが17インチ、G-Tが18インチ

ボディカラーは写真のブルーを含め8色を用意

センターパネルを運転席側に傾けたインパネ

S-Tのシートはブラックのファブリック

やや閉所感はあるが十分な空間を持つ後席

欧州のトレンドであるダウンサイジングターボ

昨年12月に発売されたトヨタC-HRには、1.8Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド前輪駆動と、1.2Lターボエンジンの4WDがあります。ここでは横浜市で行われた試乗会でターボ車のS-Tグレードに乗った印象を綴ります。

ボディサイズは全長4360mm、全幅1795mm、全高1565mmで、同じTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・プラットフォーム)を使うプリウスの4WDと比べると、180mm短く、35mm幅広く、90mm背が高くなっています。ホンダ・ヴェゼルのライバルと言われることが多いですが、実際はフィットとプラットフォームを共用するヴェゼルよりやや大柄です。

フェンダーやリアコンビランプを大胆に張り出させつつ、前後バンパーの開口部形状、Aピラーとリアフェンダー立ち上がりのラインなど、個々の線や面を揃えたスタイリングは、煩雑にならずまとまりのあるデザインとなっています。

インテリアは、ドライバーを囲むようなインパネ、高めのセンターコンソールがスポーティな印象を醸し出すとともに、金属調のアクセントはマットなチタンカラーとするなどして、このクラスの国産車では異例に大人っぽい仕立てであることも感心しました。さらにスイッチ類はどれも扱いやすいうえに、スタイリングのベースにもなったダイヤモンドをモチーフとしていて、遊び心も感じます。

窓枠に仕込んだリアドアのハンドルは予想以上に使いやすいものでした。後席は窓が小さめなので閉所感はあるものの、身長170cmの自分なら楽に過ごせる広さがあります。荷室は床が高めではありますが奥行きは余裕があり、デザイン重視でありながら開口部もしっかり取ってありました。

1.2LターボエンジンとCVTの組み合わせはオーリスと同じです。車両重量は1470kgと、4WDということもありハイブリッド車よりやや重く、加速は力強さを感じるほどではありません。ただ小排気量だけあって吹け上がりは軽快であり、サウンドは控えめながら心地よい音質で、適度にスポーティな印象も得られました。

試乗会で用意されたのは下ろしたての新車であり、乗り心地は低速での硬さが気になったものの、速度を上げていくにつれ揺れが少ない落ち着いたフィーリングに変わっていきます。大きなショックに出くわしてもガツンと来ることがなく、逆に過酷な状況になるほど真価を発揮するタイプで、ヨーロッパ車を思わせるチューニングです。

ハンドリングは腰高感はなく、同クラスのヨーロッパ車のハッチバックに近い素直な走行感覚の持ち主でした。4WDはプリウスとは異なりメカニカル式で、通常走行路でもある程度後輪に駆動力を配分する設定であり、コーナー出口でアクセルを踏み込むと旋回を強めながら立ち上がっていく、後輪駆動車に近い挙動が味わえました。

C-HRのガソリン車は4WDのみということで、ハイブリッド車との価格差は約13万円に留まります。小排気量ターボエンジンならではの加速感に加え、4WDならではのハンドリングの楽しさもあるので、ヨーロッパ車の走りを好む人に向きそうです。個人的には欧州での主力でもあるMTの2WD車があれば、価格も抑えられるのでより注目されるのではないかと思いました。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > フォルクスワーゲン > ティグアン 2017年モデル > TSI Highline

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:209件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

エクステリア4
インテリア5
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費4
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

直線的でシャープなラインが特徴的。

抑えられた車高がスポーティな印象を与える。

大型のLEDターンシグナルは視認性がピカイチ!

ハイラインではフルLEDヘッドライトを採用している。

1.4リッターエンジンでも十分上質でパワフルだ。

ディスプレイ式モニターメーターは新世代のクルマという印象。

フォルクスワーゲンの中堅SUVである「ティグアン」。2008年に初代が日本に導入され、地味な存在ながらも、愛され続けたクルマだった。

そんな同社「ティグアン」が8年ぶりにフルモデルチェンジを実施し、2016年に欧州で発売、日本国内では、2017年1月中旬より販売が開始されました。

今回は、メーカーの広報車両を試乗会&個人的にお借りして試乗を敢行してきました。

フォルクスワーゲンが昨今導入を進めているモジュールコンセプト「MQB」を採用しており、ボディサイズは4500×1840×1675mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2675mmと初代に比べ一回り大きくなりました。(全長で70mm長い4500mm、全幅では30mm広い1840mm)

しかし、現行「ゴルフ」同様にスポーティな印象に感じるのは、車高を35mmも抑えられたためであります。
初代の丸みを帯びたボディラインから一新、サイドラインにエッジを効かせ、ピシッと締まった印象となり、精悍さを与えたクルマに仕上げました。

初代モデルはパワフルな2.0リッターターボエンジンと1.4リッターターボ+スーパーチャージャーの2本立てでしたが、フルモデルチェンジを行った新型「ティグアン」では、例のダウンサイジング化により、エンジンは1本に絞られ、直列4気筒DOHC 1.4リッターターボエンジンのみとなりました。このエンジンは、ユニット形式に変更があり、「CTH」型から「CZE」型となりました。(ボア、ストロークの変更)
最高出力は150PS/5000-6000rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpmを発生します。

乗り込みますと、まず目に飛び込んでくるのは、「TSI ハイライン」に装備される「アクティブインフォディスプレイ」であり、12.3インチ(1440×540ピクセル)のTFT液晶ディスプレイにカーナビの地図やドライバーアシスタンス機能など各種情報を表示できる。また、メーターもこれまで見慣れた「クラシック」表示や、小さく左右に振り分けナビゲーションをメインにするなど、ディスプレイなので、極端な話何でも表示可能という訳です。

走り出しますと、1.4リッターエンジンは、実に上質な走りをします。回転に雑なところが一切なく、滑らかに回転を上げ、6速「DSG」はまるで「トルクコンバーター式」のATのようなシフトショックがなく、切れ目のないシフトチェンジを行います。

新型「ティグアン」の車両重量は1540kgと決して軽くはありませんが、1.4リッターターボエンジンで十分事がたります。街中での発進加速もたっぷりとしたトルクで、交通の流れを自然にリードする事など朝飯前。いかなるシーンでも、シャカリキにならなくても、実にスムーズに速度を持ち上げてくれます。

また、上質感は、エンジンノイズ、ロードノイズの静粛性の高さにも関係しており、剛性の極めて高いキャビンは、空調とカーラジオが作動していれば、余計な音はほとんど聞こえないほどです。

「気筒休止システム(ACT)」「ブレーキエネルギー回生システム」「アイドリングストップ」など同社の持つエンジンテクノロジーを全て投入したと言え、省燃費性も向上。JC08モード燃費は従来モデルの14.6km/Lから16.3km/Lとなり、燃費が悪いと思われがちなミディアムSUVとしてはトップクラスと言える。

ハンドリングは軽快で、SUV特有の鈍感な印象は一切ありません。ロックtoロックも3回転弱であることから、高速道路ではクイックなステアリングとどこまでも走っていけそうな安定性、そして静粛性の高さは特筆レベル。
路面をしっかり捉え、どっしりとした操舵感は速度を上げるほど実感でき、追い越し加速も上質感を失わないまま、スーっと加速をしてくれます。

今回導入されたティグアンはすべて前輪駆動車で、四輪駆動の「4MOTION」は導入時期が未定ということですが、最低地上高は、初代モデルと変わらないクリアランスを確保しており、前輪駆動ながら格好だけのSUVではなく、未舗装道路などの走行でも威力を発揮してくれます。

新型「ティグアン」は“つながるSUV”を謳っており、カーナビの検索機能が飛躍的に向上するだけでなく、スマートフォンやWi-Fiルーターを介して優れたコネクトビリティを発揮し、必要な情報を用意に得ることができます。

最新の技術をまとって登場した新型「ティグアン」。乗ってみて分かりましたが、装備の充実した「TSI ハイライン」がお薦めグレードと言えます。

レビュー対象車
試乗

参考になった11

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自動車(本体) > トヨタ > ヴォクシー ハイブリッド 2014年モデル > HYBRID ZS

高山正寛さん

  • レビュー投稿数:33件
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プロフィールこの度プロフェッショナルレビューを担当させていただきます高山正寛(たかやませいかん)です。1959年生まれで自動車専門誌で20年以上に新車とカーAV記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能3
走行性能4
乗り心地4
燃費4
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

フロント大型バンパーなどエアロパーツにより押し出し感の強いデザインを実現しました

サイドからリアにかけても専用のリアスポイラーや大型バンパーなどを装着します

本革巻きスポークのステアリングホイールや専用のオプティトロンメーターを装備します

基本システムはプリウスα(ニッケル水素電池仕様)と同じものを搭載します

装着される205/55R16タイヤには専用の鍛造アルミホイールを装着し足元を引き締めます

先進安全装備は「Toyota Safety Sense C」を搭載。本音は上位の“P”が欲しいです

トヨタのミドルクラルミニバンであるノア/ヴォクシー/エスクァイア。少し前にはなりますが、2016年1月に一部改良&追加されたヴォクシーの「ハイブリッドZS」に一般道から高速道も入れて約400km試乗しました。

現行モデルは2014年1月にフルモデルチェンジを行っており、それなりに時間は経過していますが、試乗時にこのクラスでは唯一“フルハイブリッド”を持っている強みは圧倒的に強く、2016年4月から2017年3月までの販売台数でもベスト10をキープしています。

発売後ディーラーで話を聞くとよく出てくるのが「エアロ仕様のZSや特別仕様車の煌(きらめき)は人気ですが、やはり本当に欲しいのはエアロ仕様のハイブリッドモデル」ということでした。まさに2014年1月発表時点ではハイブリッドモデルはヴォクシーの場合、標準ボディ7人乗り(5ナンバー)の“V”と“X”しか設定がありませんでした。その点でも2016年の一部改良でハイブリッドモデルにエアロ仕様である“ZS”に設定したことは顧客としては「待望であり必然」だったと思います。

もちろんフルモデルチェンジからちょうど2年、販売会社の多くが迎える3月末の決算、そして何よりも当時このクルマがフルモデルチェンジ時した頃には末期となっていた日産・セレナやホンダ・ステップワゴンが後に登場する前に準備(一定台数を売り上げるなど)をしておく絶妙のタイミングだったと言えます。

さて待望のハイブリッドZSですが、やはりガソリン車のZS同様にエアロパーツがビシッと決まっています。基本造形はガソリン車と変わりませんが、フロントグリル内/サイド/リアに設定されたハイブリッド車専用のシンボルマークだけでなく、16インチアルミホイールが専用品が装着されています。

個人的にはガソリン車のアルミホイールのデザインは気に入っていますが、ハイブリッド車は何と“鍛造”のアルミホイールが装着されています。バッテリーやモーターなどで車両重量が増えるハイブリッド車からすれば燃費性能を向上させるためになるべく重量増は抑えたいはずです。ZSはすでに専用エアロパーツも装着されているのでこの部分も含めより軽量化につながる工夫が求められます。

となると後は足回り。元々強度に優れた鍛造アルミホイールは軽量化も大きなポイントです。それでも普通“鍛造”を使うことはコストもかかり当然車両価格のアップにも関わってきます。それでも高価な鍛造アルミホイールを採用した点にはトヨタのこだわりが感じられますし、ZSと単純比較しても約20kg増で車両重量を抑えたのは見事だと思います。

インテリアに関してはガソリン車と違いは多くはありません。ハイブリッド車でも低床化されていることで乗降性も良好です。この点は後から発売された日産・セレナより低く設定されており、子供や太ももを高く上げることが難しくなっている高齢者にもありがたいです。

今回の一部改良でもうひとつ注目すべき点は先進安全装備である「Toyota Safety Sense C」が設定されたことです。トヨタの先進安全装備はレーダークルーズコントロールや歩行者検知機能付きのプリクラッシュセーフティシステムを持つ上位の“P”が存在しますが、ヴォクシーには残念ながら“C”が搭載されています。

「残念」と書いたのは機能面の不足があります。まずヴォクシーに関して言えばハイブリッド車には“C”が標準装備ですが、ガソリン車の下位グレードにはメーカーオプションとなっています。現在これだけ進化している先進安全装備であればすべてのトヨタ車には“P”が全グレード標準装備であると考えるからです。

それでもこれにより色々なシーンでも「ヒヤリハット(突発的な事故などの一歩手前)」を気づかせるのには効果はありますし、実際の走行時、特に信号停車時に先行車が発進したことを知らせる告知機能は結構役立ちます(本人が気がつかないことが多いのは問題ではありますが・・・)。

ビジネス的な立場や構造的に約2年の一部改良で“P”を入れるのは難しいことは否定しませんが、個人的には後述する理由などからもそう遠くないうちに“P”へ切り替えるのではないかとも思っています。

ハンドリングに関してはこれまでのハイブリッド車とそれほど大きな違いは感じられません。これは良い意味で元々低床化やこのクラスとしては重心も低めに設定していることもあり、これだけ背の高いミニバンでありながら恋即したコーナリング時の揺り戻しもかなり抑えられており、高速走行時も比較的ゆとりがあり静粛性の高さも魅力です。

ZSはタイヤサイズが大きめですが乗り心地の良さもキープしていますし、コーナリング時の接地感も良好です。少しリアサスペンションは突っ張るようなイメージもありますが、乗車人員や荷物を増やすことで感覚は大分変わってきますので現状ではいいセッティングだと思います。

ただひとつだけ文句を言わせてもらえば、DSC(トヨタで言えばS-VSC)の介入はもう少し早くても良い気がしました。家族を乗せるミニバンで乗車人数や荷物の量も日々変わるというクルマの性格上、ハードなコーナリングというのはあまりイメージできません。それでも操舵が遅れた際のS-VSCの介入は少し遅れ気味に感じますし、安全のマージンを高めるためにもS-VSCの作動はもう少し早めに“安定志向”にしても良いと感じました。

気になる燃費はさすがフルハイブリッドです。カタログ数値は23.8km/Lですが、前述したように約400km走って17.8km/L。カタログに対し約75%ですから十分だと思いますし、ほぼ同等のシステムを搭載するプリウスαより150kg前後重いのにこれだけの数値だが出せるのはたいしたものです。

ここまでは販売好調だったヴォクシーですが、いよいよライバル各社もフルハイブリッド(ホンダ)やe-Power(日産)を導入するという噂もあります。先進安全装備では他社が一歩リードしているゆえに今後はこの部分を磨き上げ、商品力を上げることでまだまだ戦えるはずです。

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自動車(本体) > トヨタ > C-HR 2016年モデル > G-T

松下宏さん

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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア5
エンジン性能4
走行性能5
乗り心地4
燃費1
価格3
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

2017年1月に発売されたC-HRは、トヨタが プリウスに採用したのと同じTNGAと呼ぶ新世代プラットホームをベースに開発した比較的コンパクトなサイズのSUVだ。

コンパクトと言っても全幅が1750mmもある堂々たる3ナンバー車なのだが、全長は4360mmにとどめられている。ヴェゼルに対して+75mmと比較的短く抑えられているから、世界的に見ればいろいろなクルマがどんどん大きくなり続ける今の時代、コンパクトというか手頃なサイズのSUVということになる。

C-HRには地元のディーラーで試乗車を借り出し、時間をかけてじっくりと試乗した。C-HRにはハイブリッド車とダウンサイジング直噴ターボ仕様の2種類があるが、試乗車はターボエンジンを搭載した上級グレードのG-Tだ。

ちなみにC-HRのハイブリッド車はFFのみの設定で、直噴ターボ車は4WDのみの設定となる。プリウスハイブリッドには4WDの設定があるが、限定的な4WDシステムなのでSUVの4WDとしては通用しないためだろう。

外観デザインはトヨタとしてはかなり思い切った感じである。アニメの世界から飛び出して来たような近未来感覚のデザインだと思う。個人的にはこういうデザインは嫌いではなく、妙に丸くてのめっとしたデザインに比べたらずっと良いと思う。

ただ、前から見ても横から見ても後ろから見ても、何とも面の数が多すぎて煩わしいような印象を受けてしまう。メリハリが効きすぎてエッジも際立ち過ぎる印象なのだ。もう少しすっきりしたデザインにできないものか。

インテリアも斬新で先進感のあるデザインに仕上げられていて、これはこれで良いと思う。造形だけでなく見た目の質感も上々のレベルにあり、気分良く運転できると思う。

後席の居住空間はあまり広くない上に、後席用のドアは把手ピラー部分に隠されるようにして高い配置に配置されていて操作がしにくい。ドアの開口部も小さくて、乗降性はあまり良くない。窓も小さくて乗り込むと窮屈なところに押し込まれた感じになる。デザインを優先したことのしわ寄せがきた形である。前席優先で後席にはあまり人を乗せない人が選ぶクルマと割り切って考えるべきだろう。

搭載エンジンは8NR-FTS型で、直列4気筒1.2Lの直噴ターボ仕様だ。これは先にオーリスに搭載されたのと同じエンジンだが、オーリスでは欧州仕様のエンジンをそのまま搭載していたために無鉛プレミアムガソリンだったが、C-HRでは日本向けに無鉛レギュラーガソリン仕様とされている。

動力性能の数値は85kW/5200〜5600rpm、185N・m/1500〜4000rpmで、無鉛プレミアムガソリン仕様のオーリスと全く変わらないのだから、レギュラーで当然という感じだ。

C-HRのG-Tは駆動方式が4WDということもあって車両重量が1470kgとやや重く、また組み合わされるトランスミッションが無段変速のCVTということもあって、走りは特に元気が良いという感じではない。同じエンジンを搭載するオーリスは1300kgで格段に軽いから、けっこう良く走る印象だったが、C-HRでは重さが響いている印象がある。

ただトランスミッションには7速シーケンシャル機構を備えるほか、スポーツ/ノーマル/エコのドライブモードが選択可能だから、スポーツモードを選んで積極的にレバーを操作すればそれなりの元気の良さは得られる。そうなるとパドルシフトが欲しいという気持ちにもなるが、それは装備されていない。

コーナーの立ち上がりなどでは、電子制御式の4WDシステムが積極的に後輪側に駆動力を伝えるらしく、気持ち良く加速が伸びていった。

C-HRがデキの良さを感じさせるのは足回りだ。SUVボディの4WD車で最低地上高が155mmと心持ち高いので、操縦安定性の面で不利になるかと思ったら、想像していた以上に安定性に優れた走りを実現した。コーナーでの安定性の高さなど、引き締まった感じの乗り味はプリウスを上回る印象であり、良く煮詰められた足回りだと思う。

タイヤはSUV用のタイヤではなくポテンザRE050Aというスポーツタイヤで、それも225/50R18インチサイズが装着されていた。18インチの大径タイヤを履く割には妙な突き上げもなく、乗り心地の上々という印象だった。

安全装備は上級仕様のトヨタセーフティセンスPが装備されている。ミリ波レーダー+単眼カメラで人間も見分けるタイプだ。C-HRはこれで良いが、トヨタは早くほかの車種に搭載するセーフティセンスCを廃止してPに統一すべきである。

C-HRのG-Tにとって弱点となるのは燃費だろう。車両重量の重さもあってダウンサイジング直噴ターボの割には燃費があまり良くなくて15.4km/Lにとどまっている。ハイブリッド車の燃費が30.2km/Lであることを考えると、ほとんど半分しか走らない。C-HRの売れ行きでハイブリッド車が大半を占めているのは燃費によるところが大きいだろう。雪国のユーザーなど、本気で4WDを必要とするユーザーでないと選びにくいのがC-HRのガソリン車である。

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自動車(本体) > スズキ > スイフト 2017年モデル

松下宏さん

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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア3
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費4
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

RSは標準車に対してスポーティな外観を持つ

インテリア回りの質感はクラスを超えた印象

1.2Lエンジン+モーターのマイルドハイブリッド

スイフトのDNAを継承した部分もある外観デザイン

ラゲッジスペースも必要十分なレベル

1.0Lターボの走りはそれなりにパワフルだが

スイフトは2000年に軽自動車のプラットホームをベースに作られた初代モデルが存在するが、実質的には2004年に発売された2代目モデルから始まったと考えても良い。世界市場に通用するクルマ作りを目指し、プラットホームから新開発したのが2代目スイフトだったからだ。

2016年12月に発表、2017年1月から発売されたのは実質的に3代目となる4代目で、改めてプラットホームを新設するなど、気合の入ったクルマ作りがなされている。

スイフトには、スズキが幕張ニューオータニをベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはガソリン車のRStとハイブリッド車のRSの2モデルだった。

外観デザインは、スズキに言わせればスイフトのDNAを継承した存在感のあるデザインといことになるが、際立って特徴的かといえば必ずしもそのような印象ではない。むしろ世界にさまざまな個性を備えたコンパクトカーがある中で、競合車の中に埋もれてしまわないかと思われるようなところがある。

内装はコンパクトカーとして水準に達する質感を備えていて、メーターパネル中央の液晶画面にはいろいろな表示が選べるほか、さまざまな走行情報を同時に表示することできる。相当に使い勝手の良いクルマでもある。シートはしっかりした座り心地でホールド性を高める改良も加えられている。

インテリア回りについて注文を付けるとしたら後席の居住性で、競合車のひとつであるフィットが広い後席を持つのに比べるとかなり狭い印象になる。ただ、前席重視の空間設計はスイフトの個性ともいうべきもので、最初から後席に人を乗せることを重視していない。後席に乗せたいならソリオなどを選んで欲しいというとこだろう。

RStに搭載されるエンジンは直列3気筒1.0LのDOHC直噴ターボ仕様だ。先に発売されたバレーノに搭載されるのと同じK10C型だが、バレーノでは無鉛プレミアムガソリン仕様になっていたのが、スイフトでは無鉛レギュラーガソリン仕様とされている。バレーノのときにはさんざん文句を言ったが、国内で売ろうと思ったら今どきプレミアムガソリン仕様はあり得ないだろう。

ただし、バレーノが82kW/160N・mの動力性能を発生するのに対し、レギュラーガソリン仕様になったスイフトの動力性能は75kW/150N・mとやや劣る数字になっている。これは止むを得ないところである。

エンジンは最近の直噴ターボ仕様らしく、低回転域からターボが効きだす設定。その分高回転域での伸びには物足りなさがあるかも知れないが、そんな走りが必要なシーンはごく限られたシチュエーションだけだ。低回転域から常用回転域あたりのトルク感はとても気持ちが良いもので、1tを切るスイフトのボディをけっこう元気良く走らせることができる。6速ATも上々の変速フィールだ。

1.0Lターボはハイブリッドに比べると燃費が悪いのが難点だ。またFF車だけラサラインナップされていない。燃費はハイブリッドがマイルドハイブリッドとはいえ27.4km/Lを達成しているのに対し、RStは20.0km/Lにとどまるからだ。それなりに元気の良い走りが可能とはいえ、この燃費の差は大きい。エコカー減税のレベルに届いていないのは辛い。

そう遠くない将来に、さらにスポーツ度を高めたスイフトスポーツが登場してくるはずだ。そのことを考えると、スポーツモデルが欲しいならスイスポを選べば良いので、今の時点でRStを選ぶ理由はそう多くないように思う。まあスイスポはRStよりもずっと高くなるだろうから、RStがちょうど良いと考えるユーザーがいるかも知れないが。

もうひとつの試乗車であるハイブリッドのRSは、なかなか具合の良いクルマだった。RStがけっこううるさいクルマであるのに比べ、ハイブリッドは静かでスムーズな走りが可能。走りの質感という観点から考えるとRStよりハイブリッドのほうが断然優位に立つ。

ハイブリッドの搭載エンジンは直列4気筒1.2LのK12C型。デュアルジェットにより67kW/118N・mの動力性能を発生する。これにモーター機能付き発電機のISGとリチウムイオン電池を組み合わせて搭載する。マイルドハイブリッドなのでモーターによるアシストはほんのわずかでしかないが、発進加速のときなどにアシストが加わるので、並の1.2Lエンジンを超えた走行フィールが得られる。しかも静かで滑らかである。

トランスミッションは無段変速のCVTだが、パドルシフトを備えていて、マニュアル車感覚の走りを楽しむこともできる。

新型スイフトが全体に軽快な走行感覚が得られるのは、ひとつは新プラットホームにより120kgに達する大幅な軽量化が図られたことが理由だろう。新型スイフトは全車が1tを切る車両重量となっている。もうひとつはRS系についていえば、ヨーロッパで磨き込まれた足回りを採用していることだ。日本よりも速度域の高いヨーロッパでの走りを基準にすることで、乗り心地をスポイルすることなく優れた操縦安定性を発揮するクルマに仕上げられている。これはターボとハイブリッドに共通する特徴だ。

安全装備の充実化も大きなポイントだ。単眼カメラ+赤外線レーザーのデュアルセンサーブレーキサポートという新しい自動ブレーキを採用している。軽自動車などに採用するデュアルカメラブレーキサポートとどちらが良いかは微妙なところだが、人間も見分けて満足できる性能を備えていると考えていい。

スイフトには欧州での販売も考えてか、アダプティブクルーズコントロール用のミリ波レーダーも備えている。本当なら、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた方式にしたほうが良かったのにと思うが、どうやら自動ブレーキとクルーズコントロールの要素技術は、それぞれが別に開発されていたため、このような設定になったようだ。

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自動車(本体) > BMW > 7シリーズ セダン プラグインハイブリッド 2016年モデル > 740e iPerformance M Sport

松下宏さん

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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア5
エンジン性能5
走行性能4
乗り心地5
燃費4
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

BMWのフラッグシップモデルである7シリーズに追加された740eは、BMWが各シリーズモデルに展開中のプラグインハイブリッド車だ。740eにはBMWジャパンが江東区青海のBMWグループ東京ベイをベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードは740e iパフォーマンス Mスポーツだ。

外観デザインやインテリアの仕様などは7シリーズのもので、大柄なサイズのボディは堂々たる存在感を主張する。日本で使うには少々大きすぎるボディだが、BMWラインナップの頂点に立つ7シリーズとあっては、それも仕方ないところである。インテリア回りの高級感もBMWのフラッグシップモデルにふさわしいものだ。

740eはエンジンとモーターを組み合わせて走るプラグインハイブリッド車なので、エンジン単体については必ずしも強力なものを必要としない。でも7シリーズに搭載されるのが直列4気筒2.0Lの直噴ターボ仕様エンジンであるというと、さすがにちょっと驚かされる。

現在、BMWのいろいろな車種に搭載されていて、必要十分な性能を持つことで定評のある2.0Lエンジンとはいえ、それが7シリーズ用に搭載されるとは思わなかった。

その4気筒2.0Lエンジンの動力性能は190kW/400N・mの実力で、3シリーズなどに搭載される2.0Lエンジンに比べ数段優れた動力性能を備えている。これに8速ATに組み込まれたモーターが加わり、モーターは83kW/250N・mを発生する。

システムとして発生できる動力性能は単純な足し算にはならず、240kW/500N・mにとどまるが、500N・mというのはV型8気筒5.0Lエンジンに相当するトルクだから、相当なものである。V型6気筒3.0L+インタークーラー付きターボを搭載する740iを上回る動力性能である。

このトルクフルなパワートレーンによる動力性能は、走りは静かでスムーズかつ力強く、とても好ましい印象だった。大柄なボディに加えてリチウムイオン電池を搭載することなどによって車両重量はけっこう重く、2110kgに達しているほか、前後重量配分も後ろが1120kgと後輪寄りになっているが、重さをネガとして感じさせないような走りを見せた。

乗り心地もなかなか好ましいものだった。試乗車がMスポーツだったこともあり、標準車に対してやや引き締まった感じの乗り味になっていた。これもまた極めて好感度の高い仕上がりである。

740e iパフォーマンスは9.2kWhのリチウムイオン電池を搭載することで、JC08モードで走行すると42kmまでのモーター走行が可能とのこと。またモーター走行の最高速は140km/hとされている。ユーザーの走行パターンによってはガソリンを使わずに電気だけで走れる日が多いかも知れない。高速クルージング中にもアクセルを抜けばモーター走行に入れるのも良い点だ。

またプラグインハイブリッド車として外部からの充電が可能なほか、走行中に最大100%まで充電できるので、電気をうまくマネジメントして走らせたい。

高級車なので価格は決して安いわけではなく、一般の人には関係のない1000万円超の世界になるが、それでも7シリーズとしてはびっくりモノの低価格が設定されている。搭載エンジンが4気筒2.0Lということもあってか、ベースグレードは直列6気筒の3.0Lターボを搭載する740iの1225万円より安い1169万円の設定なのだ。

BMWもかつてはハイブリッド車を最上級グレードとして設定していたが、今回の740e iパフォーマンスは7シリーズのエントリーグレードに位置付けられている。

なお、試乗車はMスポーツのため本体価格が1240万円の設定で、これに200万円ほどのオプションが装着されていた。

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