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自動車(本体) > BMW > 5シリーズ セダン 2017年モデル > 523d Luxury

森口将之さん

  • レビュー投稿数:227件
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プロフィールフリーランスジャーナリストの森口将之です。自動車を中心に、モビリティ全般を守備範囲としています。自動車については、ブランドやスペックにとらわれず、ユーザー目線でのレポートを心がけています。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務め、日本自動…続きを読む

エクステリア3
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費無評価
価格2
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ラグジュアリー仕様のアルミホイールは18インチ

ディーゼルであってもマフラーは左右2本出し

センターパネルを運転席側に傾けた伝統の造形

BMWとしてはしっとりした厚みを感じる前席

セダンとしてはかなり低めに座る後席

523dを名乗りながら排気量は2Lのディーゼル

第7世代となったBMW5シリーズのセダンに、横浜で行われた試乗会で乗りました。2L直列4気筒ガソリンターボエンジンを積む523i/530i、これにモーターを結合したプラグインハイブリッド車530e、同じ2L4気筒のディーゼルターボを搭載する523d、3L直列6気筒ターボの540iというラインナップの中から、523dラグジュアリーをドライブしました。

スタイリングは旧型と似ています。BMW伝統のキドニーグリルとヘッドライトがつながり、フードをすぐ上から開くようにしてパネルの継ぎ目をなくし、サイドのキャラクターラインが増えるなど、細部には違いはあるものの、クルマにくわしくない人は新旧の見分けがつかないかもしれません。

ちなみにボディサイズは長さ25o、幅10o、高さ10oと少しずつ拡大しており、ホイールベースは5oだけ伸びています。ただし重量はアルミニウムや高張力鋼板、マグネシウムを多用することで、523d同士で60kg減の1700kgとなり、グリル内部を開閉式にするなどしたことで空気抵抗を示すCd値は0.25から0.22に向上しているそうです。

インテリアデザインも近年のBMWスタイルを継承しています。その中で目についたのは台形の凹凸を付けた一部のスイッチで、ブラインドタッチしやすいものでした。ただしこの造形が採用されたのは一部で、運転席まわりにはさまざまな形状のスイッチが散在しています。かつてのBMWはこのあたりをきっちり作り込んでいただけに、もう少し整理してほしいと思いました。

前後とも低めに座るシートは、BMWとしては座面の厚みを感じる、快適なものでした。全長5m近いサイズを持つだけあって、後席は身長170pの自分ならゆったり過ごせますが、足を組めるほどではありません。トランク容量は530Lで、奥行の長さに圧倒されました。

ディーゼルエンジンは新世代になりましたが、アイドリングや低速走行ではディーゼルであることを意識する音を発生します。むしろ2000-3000rpmあたりまで回したほうがスムーズに感じます。40smを超える最大トルクを誇るだけあって、加速はいかなる場面でも強力であり、スロットル開度を抑えるエコプロモードにしても不満はありませんでした。

乗り心地はBMWとしてはしっとりしています。前述したシートのおかげもあるでしょう。BMWはこれまでパワーステアリングの設定が重めでしたが、新型5シリーズは低速ではかなり軽くなっています。切れ味は自然で、意図的に鋭く感じさせるような演出はありません。ただしノーズが向きを変えてからの身のこなしは、軽量化の恩恵を感じました。

コーナー出口で右足を踏み込むと旋回を強めながら立ち上がっていくスポーティなフィーリングはBMWそのものですが、新型はいままでよりも快適性を重視したように感じました。変化が控えめのデザインともども、大人っぽくなった印象です。

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自動車(本体) > メルセデスAMG > GLC クーペ AMG 2017年モデル > GLC43 4MATIC Coupe

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費2
価格2
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

メルセデスAMGでCクラス系の基本プラットホームをベースにしたSUVがGLC。そのGLCをベースにクーペ風の外観デザインを持つモデルに仕上げたのがGLCクーペである。このGLCクーペにもAMGモデルが設定されている。

メルセデス・ベンツ日本が千葉市で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはメルセデスAMG GLC43 4MATICクーペだ。

クーペ風デザインのSUVはBMWが6シリーズなどで展開しているが、メルセデス・ベンツもGLEクーペやGLCクーペなどでBMWを追従する形になっている。傾斜を強めたルーフラインによるクーペ風の外観デザインは、見るからにカッコ良さを感じさせるもので、GLCクーペの場合にはややずんぐりした印象もあるが、標準のGLCに比べると低めに抑えた全高などによってスタイリッシュなものとされている。

中央にスリー・ポインテッド・スターを配置し、太いメッキのバーを配置したフロントグリルは、いかにもSUVらしい力強さを表現したものとされている。インテリアも専用のステアリングホイールやペダル、メーターなどが装備されている。

搭載エンジンはV型6気筒3.0Lのツインターボ仕様で、ブルーダイレクトと呼ぶ直噴エンジンにふたつのターボを装着し、さまざまなAMGテクノロジーを盛り込んでいる。動力性能は270kW/520N・mを得ている。このエンジンは本格的なAMGエンジンとは違って、ワンマン・ワンエンジン方式で組み立てられるのではなく、量産ラインで生産されているのだが、それでもAMGの名にふさわしいだけの動力性能である。

GLC43 U乗り込んでスターターボタンを押すと、ブォンという空吹かしが入る。これはちょっと大きめの音で状況によってはちょっと恥ずかしくなるほどだ。アクセルを踏み込むと、豪快な排気音とともに強烈な加速が伸びていく。この排気音はAMGエグゾーストシステムによるもので、AMGモデルならではのサウンドである。

このエンジンはパワフルであると同時にフレキシブルなエンジンでもある。最高出力の270kWを発生する回転数は5500〜6000回転とかなり高めでやや高回転型のエンジンだが、それと同時に520N・mの最大トルクは2000〜4200回転で発生するからだ。2000回転という低い回転数で最大トルクに達し、それが4200回転まで持続するのだ。最高出力を使わなくても十分に早い加速が得られる。

Dレンジのままで走らせると、組み合わされる9Gトロニックが早めにシフトアップしていくが、その変速フィールは滑らかそのものだ。やや残念なのはシフトプログラムが欧州仕様のままであること。Dレンジで自動変速に任せていると時速100kmで走っても9速には入らない。時速80kmなら7速ギアを使って走っている。日本向けには専用のチューニングを施し、より低い速度域で最も燃費の良いギアを使えるようにして欲しいものだ。

足回りは専用のスポーツサスペンションによって硬めの乗り味を感じさせる。動力性能に対応した足回りともいえる。

本格的なAMGモデルとはひと味違うのがGLC43 4MATICクーペだが、エンジン時代は十分にパワフルなものであり、ラインで量産することでコストダウンも図れるので、AMGモデルとしては手の届きやすい価格が設定されている。といっても本体価格は910万円で、オプションや諸費用を含めたら1000万円コースの価格帯だから、簡単に買えるクルマではないのも確かである。


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自動車(本体) > ダイハツ > トール 2016年モデル

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア3
インテリア3
エンジン性能2
走行性能2
乗り心地3
燃費2
価格2
満足度2

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ソリオが独占していたコンパクトクラスのハイトワゴンの市場に遅まきながら参入したのがダイハツ・トールだ。このモデルはトヨタのタンク/ルーミー、スバル・ジャスティと合わせて4姉妹車の構成となる。

トールには、江東区青海のメガウェブをベースにダイハツとトヨタが合同で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。トール/タンク/ルーミーは、それぞれ2種類の外観デザインを持つほか、搭載エンジンも自然吸気仕様とターボ仕様の2種類が設定されているが、3車種合わせていろいろな仕様に試乗した。

ソリオは、5ナンバー枠を使い切らない抑制された全幅のコンパクトカーであると同時に、ハイトワゴンとして高めの全高を持つクルマである。このパッケージングはソリオ独特のものであったが、トールのボディサイズはソリオとほぼ同じであり、ソリオの後追いモデルであるのは間違いない。ダイハツでは、必ずしもソリオを意識して開発したわけではないとしているが、完全に意識している。

ボディサイズの数値差が大きいのは全幅で、ソリオが1625mmにとどまるのに対し、トールは1670mmと45mmも広い。これは、今後側面衝突への要件が厳しくなっていくことを考えたら、当然の対応といえる。それ以外の全長、全高、ホイールベースなどは誤差の範囲内いえるくらいの差しかない。

外観デザインはトールだけでなく、タンク/ルーミーやジャスティも含めてそれぞれ標準系とカスタム系の2種類が設定されている。ただ4車種×2種類の8つの顔を持つわけではなく、大きく分けて4種類の顔のうちふたつずつを4車種が使う形である。

標準系とカスタム系と書いたが、軽自動車ではあっさりした標準に対して迫力満点のカスタム系という関係が作られているのに対し、トールではどちらも大きなグリルを持ち、小さく見えないようなデザインとしている。

インテリアは標準系にはオレンジのアクセント色が配色され、カスタム系にはブルーがアクセントとされるなど、やはり微妙に異なる2種類のデザインが採用されている。全体としてはコンパクトカーらしいシンプルなデザインだ。

室内空間は十分な広さがある。横方向はともかく後席に座っても前後方向はたっぷりした広さだ。軽自動車などで培ったパッケージング技術が生かされている。また後席への乗降を助けるアシストグリップが大人用と子供用という感じで用意されるなど、細かな配慮も特徴だ。

搭載エンジンは直列3気筒1.0Lで、自然吸気仕様とターボ仕様がある。自然吸気仕様エンジンの動力性能は51kW/92N・mで、軽自動車のターボ仕様エンジン程度の実力である。

1.0Lの自然吸気エンジンとしては平均レベルのものだが、トールは全高が高いハイトワゴンであるため車両重量が重くて1070kg〜1080kgもある。このため特に良く走るという印象ではない。必要な程度の動力性能と考えたら良いだろう。自然吸気エンジンを搭載した軽自動車を考えたら、排気量が大きくなる分だけトルクに余裕があるが、それはあくまでも軽自動車との比較においてという感じである。

自然吸気仕様のトールを走らせようとすると、エンジンに力がないのでアクセルを踏み込みがちになり、エンジン音が高まってうるさくなる。タウンユース中心の走りなら、それほどアクセルを踏まなくても良いが、高速道路の合流車線など、ちょっと加速が欲しいようなシーンではけっこううるさい。当然ながらこうした走り方だと燃費も悪くなる。

JC08モード燃費は一応、2020年燃費基準を達成しているものの、最も燃費の良いモデルで24.6km/Lにとどまっている。ソリオは1.2Lの排気量でこれを上回る数値を得ているだけでなく、マイルドハイブリッドやハイブリッドなど、さらに燃費の良いモデルを設定している。

トールは周回遅れになって登場してきたソリオの後追いモデルでありながら、燃費でも負けているのでは話にならない。もうひと頑張りもふた頑張りも必要である。

足回りは柔らかめの味付けで、シャシー性能には物足りなさを感じた。乗り心地を重視したために柔らかめの足回りとしているのだが、カーブを曲がるときなどは大きくロールして不安感を与える。アイポイントが高めな分だけロール感も大きくでるためだ。

街乗り中心で乗るユーザー向けのセッティングとは言うものの、軽自動車では採用した後輪のスタビライザーを登録車(自然吸気エンジン搭載車)でやめてしまうのは納得しがたい。スズキの軽自動車に対しては、ダイハツが前後スタビライザーを採用しているのだからスズキも採用せよとさんざん迫ったのに、これではスズキに対して迫った私の立場がなくなるというものだ。

なお、ターボ仕様エンジンの走りについてはタンクの項で紹介するので、そちらを参照して欲しい。ルーミーの項では、安全装備などまた別のことを書いているのでこちらも参照して欲しい。

トールはともかく、タンクとルーミーはそれぞれトヨタの2チャンネルで販売するので、ジャスティも含めた4姉妹車としてはソリオを圧倒する売れ行きになるだろう。でもクルマとしての魅力はソリオに及ばない。

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自動車(本体) > トヨタ > ルーミー 2016年モデル

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア3
インテリア3
エンジン性能2
走行性能2
乗り心地3
燃費2
価格2
満足度2

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

トヨタのルーミータンクはダイハツのトールと姉妹車を構成する車種で、トヨタではトヨタ店とカローラ店で販売されている。トヨペット店とネッツ店で販売されるタンクも姉妹車であるほか、スバル・ジャスティを含めて4姉妹車の構成である。

各車種とも顔つきなどが異なるものの、基本メカニズムの部分はすべて共通であり、同じクルマと考えていい。

ルーミーには、江東区青海のメガウェブをベースにダイハツとトヨタが合同で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。トール/タンク/ルーミーは、それぞれ2種類の外観デザインを持つほか、搭載エンジンも自然吸気仕様とターボ仕様の2種類が設定されている。3車種合わせていろいろな仕様に試乗した。

ルーミーは基本的にソリオの後追いモデルである。ソリオが軽自動車から登録車に上級移行するユーザーの受け皿としてまずまず好調な売れ行きをキープしていることから、ダイハツとトヨタがソリオの市場に参入するとともに、スバルも巻き込んで4姉妹車としたものだ。

ボディサイズは、ソリオが3710mm×1625mm×1745mmでホイールベースが2480mmという設定なのに対し、ルーミーは3710(3715)mm×1670mm×1735mmでホイールベースが2490mmという設定である。全幅だけはルーミーがちょっと広めだが、それ以外は同じか10mm程度の違いしかない。“ソリオをマネしたクルマ”と言われても仕方がない。そもそも志が低いクルマと言わざるを得ない。

開発に当たっては、商品企画から開発・生産に至るまで基本的にダイハツ主体で進められたという。トヨタも商品企画やコンセプトワークなどに一定程度に参画したものの、主体はダイハツだ。これはブーン/パッソなどでも同様の手法が採用されている。トヨタがあまり口出しするよりもダイハツに任せたほうが良いという判断のようだ。

ただ、ルーミーの開発に当たっては、ダイハツもトヨタの意向に十分に配慮しており、商品企画から価格政策(設定)などの部分にはトヨタの考えが反映されている。そのためにダイハツが低コスト化などの部分で頑張り過ぎた面があるようだ。

それが具体的に表れたのは自然吸気エンジンの搭載車でリヤスタビライザー省略されていることだ。最近のダイハツは軽自動車でも前後(4WDのリヤはなし)にスタビライザーを装着するのを基本としているが、登録車のルーミー(トール)ではそれを省いてしまった。

リヤスタビライザー省略は装着していれば良いというものではないが、装着していないクルマは操縦安定性が劣る傾向にあるのは間違いない。安くすることを目的にするのではなく、良いクルマを作ることを目的にするなら、装着するのが当然ではないか。

ダイハツはムーヴでボディ骨格からシャシー回りに新しいアイデアを取り入れ、軽自動車の水準を超えた操縦安定性を実現している。なのに登録車のルーミーが同等の操縦安定性を確保できていないのは一体どうしたことか。

ボディ作りにはムーヴで培ったノウハウが生かされたとはいえ、ルーミーの標準車の車両重量は1070kgもある。ソリオのガソリン車は930kgにとどまるから140kgも重いのだ。前述のようにボディサイズはほぼ同じなのに、これだけ重量に違いがある。

それが燃費にもつながって、ソリオは最も燃費の悪いガソリン車でも24.8km/Lを達成しているのに、ルーミーは24.6km/L(ターボ車は21.8km/L)にとどまっている。ソリオには、さらに燃費の良いマイルドハイブリッド車(27.8km/L)やハイブリッド車(32.0km/L)もあるのだから話にならない。ルーミーは後出しジャンケンなのに完全に負けている。

安全装備は先進緊急ブレーキとしてダイハツの“スマアシU”が採用されている。これは赤外線レーザーと単眼カメラを組み合わせたもので、比較的低速域で作動するだけのものだ。カメラが付いているので人間を認識することができるが警報を発するだけでブレーキをかけて停止するわけではない。

ダイハツ車ではルーミー(トール)が発売されたのと同じ2016年11月に、タントにデュアルカメラ方式の“スマアシV”が採用されている。こちらは時速80kmくらいまで作動するなど作動領域が広くなる上に人間に対しても制動をかけるタイプだ。だったらルーミーにもこのタイプを装着したら良かったのではないかと思う。

先進緊急ブレーキは、クルマなどの障害物に対して作動するだけではダメで、人間に対して作動して事故を防ぐタイプでないといけない。タウンユース中心に使うクルマなら、よけいに人間と関係することが多くなるから人間を見分けるタイプであることが望まれる。

なお、ダイハツ製のクルマであるため、トヨタで販売するタンク/ルーミーにもトヨタセーフティセンスCではなく、ダイハツの“スマアシU”が採用されている。まあトヨタセーフティセンスCも赤外線と単眼カメラなので、性能的にはほぼ同程度である。

ついでに書いておくと、スバルのジャスティも同様で、アイサイトではなく“スマアシU”が採用されている。アイサイトなら数段高い性能を持つのに、ダイハツ製のクルマなのでアイサイトは装着できないのだ。

いずれにしてもルーミーは、基本コンセプトから走り、安全装備に至るまで、さまざまな面で物足りなさが残る。もっと良いクルマを望みたい。

レビュー対象車
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自動車(本体) > ホンダ > NSX 2017年モデル

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費2
価格1
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ホンダNSXが初代モデルを大きく上回る高性能を備えたスーパースポーツとして復活した。今回のNSXはアメリカで生産される。開発作業は日米両方で進められたが、ホンダがLPLと呼ぶ開発責任者はアメリカ人である。

NSXには、ホンダが神戸市や御殿場市で繰り返し開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。NSXは単一グレードのモデルである。

外観デザインは、やや古典的な印象を受けるが、ともいえるなイメージもあるが、見るからにスーパースポーツらしい低全高のワイドボディを採用する。個人的にはこうしたデザインはけっこう好きなのだが、それだけに注文を付けたい部分もいくつかあった。LEDのヘッドライトは今では当たり前になりつつあり、先進性を表現するひとつの要素でもある。しかしながらそのLEDライトを採用する割にフロント回りのデザイン処理は何とも普通に過ぎる印象だ。

もうひとつ気になったのはドアノブだ。今にも折れそうな感じの細いレバーを立ち上げて、それを引っ張る方式を採用する。方式はGT-Rとも似ているが、GT-R以上に折れそうな感覚が強い。アメリカではノブが自動的に立ち上がる方式らしいが、日本ではそれが認められなかった。

コクピット回りの雰囲気は全体としてはスーパースポーツらしいものとされているのだが、細部を見ると随所に作り込みの甘さが気になる部分があった。スイッチ類のデザインや操作部分の節度感など、これが2000万円超の高級車なのかと思わせる部分があった。

低全高のスポーツカーの割には乗降性は比較的良かった。もちろん肥満体型の老人である私は乗り降りするのにそれなりに苦労させられたが、一般的なスーパースポーツやロータスの各モデルなどに比べたら乗降性はずっと良い。

搭載されるパワートレーンは、V型6気筒3.5Lのツインターボ仕様DOHCエンジンに、フロント2個、リヤに1個の電気モーターが組み合わされ、SH-AWDと呼ぶハイブリッドシステムを構成する。

エンジンの動力性能は373kW/6000〜7500rpm、550N・m/2000〜6000rpmという実力である。373kWという数値はパワーに置き換えると507psになる。これだけで自然吸気なら5.0L超のエンジンに相当する。

フロントに2基搭載されるモーターはそれぞれが27kW/73N・mの実力を持ち、リヤのモーターは35kW/148N・mの実力である。エンジンとモーターを合わせトータルで発生できる動力性能は427kW/546N・mに達するという。これに9速DCTのトランスミッションが組み合わされている。

エンジンを始動するとブォンとい空吹かしが入る。ちょっと気恥ずかしくなるほど音だが、これはクワイアットモードを選択することで抑えることができる。

発進から最初に市街地を走る間はクワイアットモードで走ったが、高速道路ではスポーツモード、ワインディングではスポーツ+の走行モードを試した。さすがにサーキット用のトラックモードを試すことはしなかったが、スポーツモードの段階で相当な実力を発揮する。

加速の凄さという点では、テスラモデルSのP85Dが圧倒的な実力を持つので、NSXもさすがにそれには及ばないが、システムとして発生する427kW(581ps)は圧倒的なもの。スポーツモードやスポーツ+モードでアクセルを踏み込めば、背中をシートに押しつけられるような猛烈な加速が得られる。

車両重量は1780kgで比較的軽く作られていることもあって、加速の伸びは素晴らしく、あっという間に超高速域に達する。0-100加速は正式には公表されていないが、3秒フラット程度であるらしい。公道では発揮することができないような実力である。

NSXの走りの特徴は速さよりも小気味の良いハンドリング性能にあると言っていい。これは左右のフロントモーター自在に制御してトルクベクタリング効果を発生するSH-AWDの性能によるものだ。ワインディングなどでSH-AWDの性能をいかんなく発揮され、タイトなコーナーでもグイグイ向きを変えていく。この気持ち良さはほかのクルマでは体験することのできない新しいスポーツカーの走りである。

ちなみにSH-AWDはコーナリングだけでなく、制動時にモーターによる回生を行ったり、加速時には全輪で加速させるなど、走行状態と走行モードによってさまざまな働きをしている。

前述の4種類のモードは、インテグレーテッド・ダイナミクス・システムによるもので、エンジンやモーターの出力を始め、9速DCTの変速制御、ステアリング、ブレーキ、サスペンション、エンジンサウンドに至るまで、走りの要素のすべてが統合制御され、異なる4つの車両特性を実現する。

強烈な加速を楽しんだり、ワインディングでのコーナリング性能を楽しんだりするのはもちろんのこと、一般道を普通に走らせていてもストレスがなく楽しいと感じられるのがNSXの特徴でもある。スポーツカーとしてのパフォーマンスを考えたら、GT-Rのほうが数段上にあると思うが、幅広い条件で楽しめるという点ではNSXのほうが上だと思う。

日本の自動車メーカーからこうしたスーパースポーツが誕生したことは素直に喜んでおきたい。

惜しむらくは価格だ。2300万円を超える価格は性能に見合ったものと言っても良いが、普通のユーザーには完全に手の届かないクルマになってしまった。実際に購入するときにはさらに200万〜300万円のオプション装着も必要である。

初代NSXは、若いユーザーに「中古車になって安くなれば、いつかは買えるかも」と思わせる部分があったが、新型NSXにはそうした望みも持てない。

もうひとつは安全装備だ。ホンダセンシングの設定がない。全高の低いスポーツカーでは、先進緊急ブレーキ用のセンサーを設定するのが難しいなどの技術的な問題があるのは理解できるが、今どきのこの価格帯のクルマとして先進緊急ブレーキを備えないのは考えられない。


レビュー対象車
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自動車(本体) > トヨタ > タンク 2016年モデル

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア3
インテリア3
エンジン性能2
走行性能2
乗り心地3
燃費2
価格2
満足度2

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

タンクはダイハツのトールと姉妹車を構成するクルマで、トヨタではトヨペット店とネッツ店を通じて販売される。ほかにルーミーという車種があってこちらはトヨタ店とカローラ店で販売されている。トール、タンク、ルーミーにスバルのジャスティも加え、4車種は基本的に同じクルマである。

タンクには、江東区青海のメガウェブをベースにダイハツとトヨタが合同で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。トール/タンク/ルーミーは、それぞれ2種類の外観デザインを持つほか、搭載エンジンも自然吸気仕様とターボ仕様の2種類が設定されている。3車種合わせていろいろな仕様に試乗した。

ジャスティを含めた4車種それぞれに標準系とカスタム系があって、顔つきが違うものの、顔の種類は全部で4種類だけで、それをある車種では標準系、ある車種ではカスタム系としているだけだ。

トールの項に書いたように、この4姉妹車はスズキ・ソリオの後追いモデルとして投入されたものだ。ソリオは先にフルモデルチェンジを受けて2代目モデルになっているから、後追いモデルといっても周回遅れのような形で投入されたことになる。

5ナンバー枠を使い切らない狭い全幅のナローボディと、タワーパーキングに入らないような高めの全高を持つ。このパッケージングは正にソリオと同じである。開発に当たってはソリオを意識しなかったというが、そんなことはないだろう。

ナローボディの全幅は、ソリオが1625mmにとどまるのに対し、タンクはやや広くて1670mmとなる。5ナンバー枠は1700mmまで使えるのに、それを使い切らない点ではソリオと共通だ。今後採用される側面衝突の安全基準への対応や、トレッドの拡大による操縦安定性の向上などを考えたら、全幅は無理に狭くしないで5ナンバー枠をいっぱいに使ったら良いのにと思う。

室内空間は十分な広さがある。横方向はともかく後席に座っても前後方向はたっぷりした広さだ。軽自動車などで培ったパッケージング技術が生かされている。また後席への乗降を助けるアシストグリップが大人用と子供用という感じで用意されるなど、細かな配慮も特徴だ。

軽自動車のハイトワゴンに比べたら、登録車のタンクでは後席に乗員を乗せる機会が多いという前提での配慮だろう。

搭載エンジンは直列3気筒1.0Lで、自然吸気仕様とターボ仕様がある。トールで自然吸気仕様エンジン搭載車の走りについて書いたので、タンクではターボ仕様車について書きたい。

動力性能は72kW/140N・mで、自然吸気エンジンの51kW/92N・mに比べるとグンと余裕がある。トルクについては自然吸気なら1.4Lエンジン並みの実力である。ただし、動力性能が向上するのに合わせて燃費が悪化してJC08モード燃費は21.8km/Lにとどまる。

ターボ車の走りは自然吸気エンジン車に比べればずっと良く。自然吸気エンジンではボディに負けているような感じもあるが、ターボならそんな不満は感じない。ある程度気持ち良く走らせようと思ったら、これくらいの動力性能は必要だろう。室内騒音はターボ車もけっこううるさい。しょせんはコンパクトクラスのクルマということなのだろう。

足回りもターボ車については後輪側にもスタビライザーが装着される。タイヤは共通だが、スタビライザーの装着によってややロールが抑えられ、操縦安定性はいくぶん好ましい方向に向かっている。

それでも、ブーン/パッソの基本プラットホームをベースに、それよりも200mmも高い全高のクルマを作っているから、操縦安定性に優れたクルマというわけではない。

動力性能と足回りの両方でもう少し走りの質感を高めて欲しいと思った。

またターボ車は自然吸気エンジンの搭載車に比べて12万円強高くなる。燃費が悪くなることも含めて考えると、経済性ではさらに不利になる。このように考えると、この4姉妹車でターボ仕様車を選ぶのが良いかどうかは疑問。街乗り中心で使うなら自然吸気エンジンの搭載車で良いし、高速道路を使って距離を走る機会が多いユーザーはほかの車種を選んだほうが良い。

なお、トールの項では自然吸気エンジンの搭載車の走りについて書いたほか、ルーミーの項では安全装備などについて書いているので、そちらも参照して欲しい。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > マツダ > CX-5 2017年モデル

森口将之さん

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プロフィールフリーランスジャーナリストの森口将之です。自動車を中心に、モビリティ全般を守備範囲としています。自動車については、ブランドやスペックにとらわれず、ユーザー目線でのレポートを心がけています。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務め、日本自動…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地4
燃費無評価
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

写真はディーゼルエンジンを積むXDプロアクティブ

プロアクティブ以上のアルミホイールは19インチ

旧型に似た水平基調・3連メーターのインパネ

プロアクティブのシートはブラックファブリック

ホイールベースは不変ながら後席空間は拡大

静かさ滑らかさともに4気筒ディーゼルでは最良

2代目に進化したCX-5に、横浜で行われた試乗会で乗りました。2.5Lガソリンと2.2Lディーゼルターボの2つのエンジン、2WDと4WDがある駆動方式を合わせて報告します。

ボディサイズはXDプロアクティブで全長4545mm、全幅1840mm、全高1690mmで、旧型比で5mm長く、15mm低くなっただけです。しかしデザインは、細いヘットランプ、ラインに頼らないボディサイドなどによって、上質になった感じがします。デザイナーに聞いたところ、モチーフとしたのは2015年の東京モーターショーに展示されたコンセプトカー、RX-VISIONだそうです。

インテリアはSUVらしい力強さをインパネなどに受け継ぎながら、表面をソフトなパッドで覆い、ダブルステッチを各所に施すなどしており、こちらも質感が高まっていました。センターコンソールを高く幅広くしつらえたのも同じ理由とのことです。

さらに新型ではシートのクッション材も一新したそうで、国産車のシートとしてはかなりしっとりした着座感をもたらしてくれました。後席は身長170cmの僕が前後に座った状態で、ひざの前に約15cmの空間が残っており、旧型より少し広くなっていました。電動テールゲートが選べるようになった荷室は、このクラスのSUVとして平均的な広さでした。

走り出して最初に感じたのは静かさです。ロードノイズを含めた車外からの騒音をうまく抑え込んでいました。エンジンはディーゼルのスムーズさが印象的でした。しかも最大トルクは2.5Lガソリン車の約1.7倍もあり、エンジンを回さずに走れるので、アイドリング時とは裏腹に走行中はこちらのほうが静粛性は上でした。

旧型の乗り心地は硬めでやや荒かったという印象があります。しかし新型はシートだけでなくサスペンションにも改良を施してあり、かなりしっとりしました。この点でも上質になっています。

ハンドリングはまず、ステアリングのダイレクトかつスムーズな反応が印象的です。コーナーでは旧型のディーゼル車で感じたノーズの重さは気にならず、自然に入っていけることを確認しました。立ち上がりは2WDと4WDで違い、後者は後輪で路面を蹴って旋回していく感触が伝わってきました。雪道を安心して走るためだけの4WDではないことが確認できました。

安全装備では、これまで低速では作動しなかった前車追従クルーズコントロールが停止まで作動するようになったことが特筆できます。ライバル車の一部ですでに採用済みの技術ですが、作動はスムーズで違和感はありませんでした。

いま思えば旧型CX-5は、ドライバー目線で開発したSUVだったかもしれません。新型はデザインや走りの楽しさはそのままに、質感の高い仕立てや乗り心地の良さなどによって、助手席や後席に座る人にも良さが分かるSUVに生まれ変わっていました。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > トヨタ > C-HR ハイブリッド 2016年モデル > S

森口将之さん

  • レビュー投稿数:227件
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プロフィールフリーランスジャーナリストの森口将之です。自動車を中心に、モビリティ全般を守備範囲としています。自動車については、ブランドやスペックにとらわれず、ユーザー目線でのレポートを心がけています。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務め、日本自動…続きを読む

エクステリア5
インテリア4
エンジン性能3
走行性能4
乗り心地4
燃費無評価
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ボディカラーは写真の黄色など8色を用意

アルミホイールはSが17、Gが18インチ

センターパネルを運転席側に傾けたインパネ

Sグレードのシートはブラックのファブリック

荷室空間はハイブリッド車とガソリン車で同等

1.8Lエンジンにモーターをドッキング

トヨタの新型SUV、C-HRのうち、販売面での主力にもなっているハイブリッド車に、横浜市で行われた試乗会で乗ってきました。主にドライブしたのはベースグレードのSです。

C-HRはホンダ・ヴェゼルの対抗馬として生まれたという声もありますが、ヴェゼルはフィット、C-HRはプリウスとプラットフォームを共有しており、厳密にはひとクラス上です。ボディサイズも全長4360mm、全幅1795mm、全高1550mmと、高さ以外は大柄になっています。

スタイリングは、フェンダーやリアコンビランプの張り出しはかなり大胆ですが、一方で前後バンパーの開口部形状、Aピラーとリアフェンダー立ち上がりのラインなど、個々の線や面を揃えたおかげで、煩雑にならずまとまりのあるデザインとなっています。

インテリアは、ドライバーを囲むようなインパネ、高めのセンターコンソールがスポーティな印象を醸し出すだけでなく、金属調のアクセントはマットなチタンカラーとするなどして、このクラスの国産車では異例に大人っぽい仕立てになっていることも印象的です。さらにスイッチ類はどれも扱いやすいうえに、スタイリングのベースにもなったダイヤモンドをモチーフとしていて、遊び心も感じます。

窓枠に仕込んだリアドアのハンドルは扱いやすかったです。後席は窓が小さめなので閉鎖感はあるものの、身長170cmの自分なら楽に過ごせる広さがあります。荷室は床が高めであるものの、奥行きは余裕があり、デザイン重視でありながら開口部もしっかり取ってありました。

ハイブリッド車のパワーユニットはプリウスと共通です。車両重量は80kg増えていますが、加速感は似ています。ただしパワーモードを選ぶと、マニュアル車のようにエンジン回転に段をつけて加速していくので、スポーティになった印象を受けます。

試乗会で用意されたのは下ろしたての新車であり、乗り心地は低速での硬さが気になったものの、速度を上げていくにつれ揺れが少ない落ち着いたフィーリングに変わっていきます。大きなショックに出くわしてもガツンと来ることがなく、逆に過酷な状況になるほど真価を発揮するタイプで、ヨーロッパ車を思わせるチューニングです。

ハンドリングは、プリウスほど低重心は意識させず、むしろ自然な曲がり方でした。この違いは開発したエンジニアも認めていました。腰高という意味ではなく、同クラスのヨーロッパ車のハッチバックに近い走行感覚の持ち主でした。

C-HRハイブリッド車の価格は約264.6万円からで、プリウスの約15万円高になります(燃費に特化したEグレードを除く)。差額がこのぐらいならC-HRを選ぶという人も多いでしょう。現に販売台数はプリウスに迫る勢いです。ただここまで書いてきたように、デザインや走りなど、さまざまな部分でプリウスとは違う方向を目指していることもたしかです。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > スバル > インプレッサ G4 2016年モデル

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能5
乗り心地5
燃費3
価格5
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

今回のインプレッサも、スポーツと呼ぶ5ドアハッチバック車と、G4と呼ぶ4ドアセダンの2種類のモデルが設定されている。

インプレッサG4は、スバルが新千歳モーターランドをベースに開催した雪上試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。G4に試乗したのは基本的に圧雪路を中心にした雪上であることをお断りしておく。オンロードでの走りに関してはインプレッサ・スポーツのレビューを参考にしてほしい。

インプレッサG4には、2.0Lエンジンを搭載したAWD車だけでなく1.6Lエンジンを搭載したAWD車FF車にも試乗した。FF車は新千歳モーターランド内の特設コースでの走りだったが、1.6i-LアイサイトのAWD車では一般道を含めて長い距離を走らせた。

外観デザインはアップデートされてはいるものの、オーソドックスな4ドアセダンの域内にとどまっている。飛び抜けて印象的ではない上に、4ドアセダンというボディ形状がより保守的な印象を与えているようにも思う。インテリアも際立って特徴的とはいえず、スバルでは斬新さを強調するものの、全体としては保守的な印象である。

雪道で走らせたFF車の走りは想像する以上に良かった。タイヤがブリヂストンのブリザックを履いていたこともあって、AWDを走らせているのとほとんど変わらない感覚で運転できた。もちろん低μ路での発進や、ミラーバーン状態の路面での停止などということになれば、AWDとFFの違いははっきりするのだろうが、圧雪路での走りはそう変わらない。インプレッサではFF車の走りもあなどれないと思った。

逆にいえば、FF車がこれだけ走るならAWD車はもっと魅力的なクルマになる必要があるのではないかとも思った。AWD車は価格がざっと20万円ほど高くなる上に、燃費も悪化(1.6L車で18.2km/Lが17.0km/Lに、2.0i-Lアイサイトで17.0km/Lが16.8km/L)するからだ。

一般道(大半が圧雪路)で走らせた1.6i-LアイサイトのAWD車も良いクルマに仕上がっていた。エンジンの動力性能は2.0Lが113kWであるのに対し、1.6Lは85kWと明確な違いがあるが、タウンユースを想定した一般道の走りでは特に不満を感じさせるシーンはなかった。

ワインディングなどで元気良く走らせようとしたら、1.6Lと2.0Lの差は明確なものになるのだろうが、最高出力を使うような領域以外ではそれほど大きな違いは感じない。

リニアトロニックCVTとの組み合わせも同様で、2.0Lエンジン搭載車ではもっとレスポンスの良さが欲しいと感じるが、1.6Lエンジン搭載車に乗ると、これくらいで十分だな、という感覚になるから不思議なもの。

さらに1.6L車には、2.0L車に設定のあるSIドライブが設定されないが、2.0L車でもSIドライブのモード選択による走りの違いはそう大きなものではないので、それがないからといって特にネガティブな印象にはならない。余分な操作をすることなく走らせたら良いという感覚である。

足回りを中心にしたシャシー性能の良さは、雪道で走らせると一段と際立つ感じだった。新開発のスバル・グローバル・プラットホーム(SGP)による走りの質感向上が著しい。これが今回のインプレッサの最も良い点である。

1.6i-LアイサイトAWDと2.0i-LアイサイトAWDの価格を比べると、2.0L車のほうがざっと15万円くらい高い。この価格差はなかなか微妙で、人によって1.6L車を選ぶ人と2.0L車を選ぶ人がいるだろうと思う。本革巻きステアリングホイール&シフトノブやフルオートエアコンなどの装備差を考えたら、実質的な価格差はさらに小さくなるから、2.0L車を選ぶ人が案外多いかも知れない。

実際に購入するときには、カーナビや安全装備のリヤビークルデテクションなどを追加する必要があるから、購入の総予算も影響してくる。個人的には1.6L車でも十分という印象が強いが、それぞれの予算と好みに合わせて選んだら良いだろう。

安全装備については、最新バージョンのアイサイトや歩行者エアバッグなどが標準で装備される。アイサイトは現在の自動ブレーキの中でも極めて高い性能を持つものであり、これを全車標準にしたのは高く評価して良い。安全装備は常に最高のものを用意すべきであり、装着の有無の選択を安易にユーザーにゆだねるべきではないからだ。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > スバル > インプレッサ スポーツ 2016年モデル

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能5
乗り心地5
燃費3
価格5
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

インプレッサには、5ドアハッチバックのスポーツと、4ドアセダンのG4という2種類のボディが設定されている。カカクコムのサイトもそれに合わせてふたつが設けられている。

5ドアのスポーツが先に発売されたため、4ドアセダンについては、雪上試乗会で試乗した分を別途紹介している。そちらも参照して欲しい。

インプレッサスポーツには、スバルが伊豆サイクルスポーツセンターで開催したメディア関係者向けのプロトタイプ試乗会に出席したほか、愛知県で開催した市販車の公道試乗会、さらに千歳で開催した雪上試乗会にも出席し、用意された広報車両に試乗した。伊豆と愛知での試乗会の試乗車は2.0Lエンジンを搭載するAWD車のみだったが複数のグレードに試乗し、雪上試乗会では1.6Lエンジンを搭載するFF車にも試乗した。ここでは2.0L車を中心にレポートしたい。

スバルは今回のインプレッサの開発に合わせて新しいプラットホームを開発した。スバルグローバルプラットホーム(SGP)と呼ぶプラットホームがそれで、これによって走りの性能を大きく向上させている。スバルに言わせれば“感動レベルの動的質感”ということで、その仕上がりに対して自信を示していた。

外観デザインはダイナミック&ソリッドをテーマに存在感のあるデザインに仕上げたとのことだ。ただ、実際にクルマを見ても際立って特徴的なデザインとは思えない。というか、従来のインプレッサとからの変更感がそれほどでもないように思える。旧型モデルと間違えそうとまでは言わないが、キープコンセプトの正常進化の範囲にあると思う。

インテリアについても質感の向上が図られているものの、これまた斬新なデザインというほどではなく、スバルの言う“心を奪われる大胆なデザイン”というのは、ちょっと大げさに過ぎると思う。

まあ、発売する新型車について悪く言うメーカーがあるはずはないので、スバルの主張もそうしたものと考えたら良いだろう。

デザインはともかく、走りに関してはその完成度の高さに驚かされた。プロトタイプ車の試乗会では、従来モデルと新型モデルの両方が用意されていて、それを乗り比べることができたのだが、乗り比べた確認するまでもなく、新型車は画期的に良くなっていた。新プラットホームSGPの効果が極めて大きいことが良く分かった。


SGPをベースにした新型インプレッサのボディ剛性は、従来のモデルに比較すると最大で2倍にまで高められているという。同時に、衝突時のエネルギー吸収量も1.4倍に高められるなど、これまでのプラットホームやボディに比べて次元を超えた性能の向上が図られている。

ボディ剛性の高さは操縦安定性の高さや乗り心地の良さにつながるので、走り始めるとすぐにその良さが分かる。じかりした足回りとボディ構造によって、ボディやフロアに入る余分な振動が遮断されているので、とても快適な走りが得られる。さらにコーナーでのロールも良く抑えられていて安定した姿勢でコーナーを抜けて行ける。しかもタイトなコーナーでの回頭性に優れるのも特徴だ。

エンジンは水平対抗4気筒の1.6Lと2.0Lの設定があるが、いずれも基本的に従来のモデルからのキャリーオーバーである。もちろん細かな改良は加えられていて、アクセルワークに対するレスポンスが向上するなどの効果は得られているのだが、性能の向上はごく小幅なものにとどまっているのが実情だ。

またトランスミッションもチェーン式CVTのリニアトロニックCVTで従来と変わらない。このCVTは名前こそリニアトロニックだが、その変速フィールはリニアリティに欠けるのが実情であり、パワートレーンに関してはもうひとつ物足りない印象がある。

ただ、新プラットホームの採用によるボディとシャシーの向上幅が大きく、それによる走りの質感向上が大きいので、新型インプレッサは高く評価できるのだ。

インプレッサスポーツの2.0L車では、2.0i-Lアイサイトに205/50R17タイヤが装着され、2.0i-Sアイサイトには225/45R18タイヤが装着されている。それだけでなく足回りのチューニングも18インチタイヤ装着を基本にチューニングされていて、走りの良さという点では2.0i-Sアイサイトが断然上位にくる。

タイヤが大きくなる分だけ乗り心地がちょっと硬くなる感じはあるのだが、引き締まった感じの乗り心地はむしろ好感が持てるものである。

なので走りを重視して選ぶなら2.0i-Sアイサイトのほうがお勧めなのだが、話はそう簡単ではない。価格は2.0i-Sアイサイトのほうが20万円以上高くなり、さらにタイヤが大きくなったことが影響して燃費が悪くなり、エコカー減税の対象から外れるので、燃費の減税分のダブルパンチで高くなる。

18インチタイヤの装着車は、ステアリングのフィールに関しては、操舵に対してやや敏感過ぎるような感じもあったが、これは操舵に対して素直に反応する良さということもできる。

インプレッサには最新世代のアイサイトが標準装備されるほか、ボルボに次いで歩行者エアバッグという安全装備も全車に標準で装備されている。これらを含めて車両価格は1.6LのFF車が200万円を切るところから始まる割安な水準に設定されている。今どきのクルマ選びとして、けっこうお勧めできるクルマである。

レビュー対象車
試乗

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自動車(本体) > キャデラック > CT6 2016年モデル > プラチナム

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア5
エンジン性能5
走行性能5
乗り心地4
燃費3
価格4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

キャデラックの新しいフラッグシップサルーンとしてCT6が導入された。今回のモデルはFR系(CT6はAWD)の新しいプラットホーム(オメガ・アーキテクチャー)を使って開発したモデルで、キャデラックが2020年に向けて投入する8車種の新車群の先駆けとなるモデルだ。

新プラットホームはアルミ合金を中心にさまざまな素材を採用したのが特徴で、これによる軽量化はめざましいものがある。ホワイトボディは、CT6よりも小さいBMW5シリーズやアウディA6よりも軽く作られているという。車両重量は1920kgで、SクラスやA8などラグジュアリーサルーンの大半が2tを超えるのに対し、フルサイズ、フル装備でありながらより軽く作られている。

堂々たるセダンボディは、3サイズが5190mm×1880mm×1495mm。Sクラスや7シリーズ、LSなどの標準ボディ車と並ぶサイズである。フルサイズのアメリカ車というと、相当に大きなクルマを思わせるが、今どきの高級車はこれくらいのサイズが当たり前になっている。

オーソドックスな4ドアセダンなので、全体的なデザインはちょっとコンサバなイメージもあるが、大きなフロントグリルを囲むようにヘッドランプやLEDランプなどが配置され、顔つきは相当にいかつい感じである。

インテリアはキャデラックらしいラグジュアリーな雰囲気にあふれたものだ。試乗車にはホワイトの本革シートが装備されていたほか、木目パネルなどが高い質感を表現していた。また後席には格納式のテレビも装備されていて、ショーファードリブンとして使われることを意識した仕様とされている。後席の足元の広さは余裕十分といった感じである。

搭載エンジンはV型6気筒3.6LのDOHCだ。直噴仕様で250kW/386N・mのパワー&トルクを発生するものの、ターボなどの過給器を装着しない自然吸気エンジンである。ちょっと古い感覚かも知れないが、キャデラックといえばかつてのノーススターエンジンに代表されるような大排気量のV型8気筒の印象が強い。それが今はダウンサイジングの時代であり、キャデラックのフラッグシップにしてV型6気筒の3.6Lなのだ。

軽量化を進めたとはいえ、大柄なボディに自然吸気の3.6Lで間に合うのかと思って走らせたが、走りには想像する以上の余裕があった。本国には2種類のターボ仕様エンジンを搭載したモデルがラインナップされているが、これだけ走るならあえてターボ仕様エンジンを搭載しなくても良いように思った。

組み合わされるトランスミッションが電子制御8速ATで、実に滑らかな変速フィールを実現していることも、余裕の走りを感じさせることにつながっている。クルージング中には何速で走っているのか分からないような滑らかさ、静かさを感じさせる。

特筆されるのはシャシー性能だ。CT6にはアクティブ・シャシーシステムが採用され、先進技術がテンコ盛りで搭載されている。アクティブ・オンデマンドAWDやアクティブ・リアステア、キャデラックが伝統的に得意とするマグネティック・ライドコントロールの最新版などがそれだ。これによって、走行条件に応じてどのホイールでも駆動し、どのホイールでもステアする、そんな走りが可能になる。

必要に応じて必要なトルクを前輪にも配分するAWDシステムは、それを全く感じさせない走りを実現するし、高速レーンチェンジなどでの安定性に優れるのは明らかにアクティブ・リヤステアの効果だろう。

タイやが20インチの40という巨大なサイズだったこともあり、マグネティック・ライドを装着する割には乗り心地は硬めの印象だったが、これもモードの切り換えによって変化させることが可能だ。

CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)に代表される快適装備のほか、歩行者にも対応する自動ブレーキやオートパーキングなど、最新の安全装備も満載したCT6の価格は998万円。試乗車は有償ペイント代12万9000円が追加されていたので1000万円超になっていたが、フルサイズ、フル装備のラグジュアリーサルーンが1000万円そこそこで買えるのは、相当にリーズナブルな印象である。

大柄なボディの左ハンドル車なので、一般のユーザーが選ぶクルマにはなりにくい面もあるが、ショーファードリブンとして使うなら、左ハンドル車であることは利便性にもつながる。

レビュー対象車
試乗

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スタッドレスタイヤ > MICHELIN > LATITUDE X-ICE XI2 235/55R18 100T

外川 信太郎さん

  • レビュー投稿数:201件
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プロフィール神奈川県藤沢市生まれ、現在茅ヶ崎市在住の湘南中年。独身。少年期に5年間イギリス・ロンドンに在住していた事から、欧州車に興味を抱いたきっかけになった。慶応義塾大学卒業後、輸入車専門誌にてライターを始める。その後、育った英国に渡りレース活動な…続きを読む

走行性能5
乗り心地4
グリップ性能5
静粛性4
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ミシュランのロゴは大きく目立つデザイン

LATITUDE X-ICEのロゴ

235/55R18を選択した

55扁平のためホイールリムガードはない

独創的なトレッドパターンにより雪上、氷上性能を向上

ショルダー部のエッジが横滑りを抑制する

昨年12月より、甲信地方を走るために選択した「LATITUDE X-ICE」。装着したのは、輸入車のSUVです。まだまだ降雪の心配がありますので、3月一杯は装備しています。

このタイヤで、様々な路面を走行しましたのでレビューを記します。

気温の低い雪の降り出した乾雪状態の路面では、滑る気配はまるでありません。登り坂であろうが、コーナーであろうが、ドライバーは何の緊張もなくステアリングを握っていることができます。意図的に急のつく操作を行っても、乾雪路では、優れたグリップ性能を発揮してくれます。

完全にアイスバーンと化した最も滑りやすい氷の路面でも、優れたグリップ性能には感銘を受けました。この感触は、スパイクタイヤのような食い付き感を体験でき、次の信号で停止地点を目標にブレーキペタルを早めに踏んでいっても、「グググッ」と氷を噛み、停止目標より早くクルマを停止させることができます。アイスバーンでの登り坂では、駆動輪が空転するシーンもありましたが、グリップの回復が早く、10%の勾配でも走り抜けてくれました。

雪が溶け出して、大根おろしのような状態の路面での走行も何度か体験しましたが、この状態でも滑る”という感覚はなく、極々、普通に走ることができます。雪道に慣れていない女性の運転でも、怖いという感覚がまるでないという意見で、日本の降雪道路には、余裕の性能といえます。

冬季閉鎖の深雪路のワインディングを覚悟を決めて攻め込んでみましたが、ステアリングに伝わる安定感は特筆もの。直線では速度を上げ、雪煙を巻き上げ疾走、コーナーが迫りブレーキを踏み込んでも、4輪の接地感を感じながら、確実に速度を殺してくれます。さらにコーナーのRがきつくなり、テールが流れ出しても、軽くカウンターを当てれば、車体姿勢を立て直す事も容易です。腕に自信があるドライバーでしたら、安全を十分に確認の上、遊ぶこともできます。

【乗り心地】

乗り心地は、雪上、氷上、ドライ路面でも、非常にしなやかで乗り心地は良好です。出発地から350キロ離れたスキー場へのドライブでも、車内に不快なダンピングが伝わることがなく、快適なウインタードライブが可能です。

【ドライ性能】

ドライ路面での市街地、高速道路も散々走りました。市街地では、「ゴーッ」というロードノイズがやや耳につきますが、乗り心地が良好のため、コンフォートタイヤを履いている感覚です。

装備した車が、輸入車のハイパワーSUVのため、高速道路では余裕で流れをリードするパワーを持っていますが、ステアリングに「グニャ」っとしたよじれ感が伝わってくる事が多く、速度を上げる気にはなりませんでした。
驚異的なウインター性能を有しているため、少々残念な点でもあります。


【総評】

ミシュランタイヤの最新技術により、いかなる冬道でも優れたグリップ性能で安心して走れる「 LATITUDE X-ICE 」。少々、高めですが、安全を買ったと思えば、大変オススメできるタイヤです。



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自動車(本体) > スズキ > ソリオ バンディット ハイブリッド 2016年モデル > HYBRID SV

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア3
エンジン性能4
走行性能3
乗り心地3
燃費5
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

スズキのコンパクト・ハイトワゴンとして人気を集めるソリオバンディットにハイブリッド車が追加された。ソリオには、これまでもマイルドハイブリッドが設定されていたが、今回は本格的なフル(ストロング)ハイブリッドの設定である。

フルハイブリッドといっても、トヨタがプリウスなどに搭載するTHSUほど高度なシステムではなく、コンパクトカーに適したシンプルで合理的なシステムとされている。

ソリオバンディット・ハイブリッドには、スズキが静岡県裾野市で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはSVだ。なお、ほかにソリオハイブリッドのSZにも試乗していて、別掲で紹介しているので、そちらも参照して欲しい。

旧型モデルの時代から、コンパクトクラスのハイトワゴンはスズキの独壇場ともいえるものだった。ここにきて、ダイハツ/トヨタ/スバルから、トール/ルーミー/タンク/ジャスティの4姉妹車が登場し、一気に混戦もようを見せてきた。スズキが、ソリオにマイルドハイブリッドに加えてハイブリッドを追加したのは、こうした競争に対応するためだろう。

スズキがソリオとソリオバンディットという形でふたつの顔を持つクルマとしているのと同じように、トール系4姉妹車もそれぞれふたつの顔を持つクルマとしているのだから、スズキとしても穏やかではないはずだ。

追加されたソリオハイブリッドは、エコイメージを強調して前後のデザインが変更されているが、変更点はそれほど多くはない。インテリアにしても小変更という感じである。

今回のフルハイブリッドは追加で、マイルドハイブリッドは継続して設定されている。バンディットにはないが、ソリオにはガソリン車の設定もある。

グレード名は、ガソリン車には“G”が付き、マイルドハイブリッドには“M”が付き、フル(ストロング)ハイブリッドには“Sが付くという形で、うまく整理されている。スズキはこうした点が分かりやすいのが良い。

搭載エンジンは直列4気筒1.2LのK12C型だ。これはガソリン車からマイルドハイブリッド、フルハイブリッドの全車に同じエンジンが搭載されている。動力性能は67kW/118N・mで、各仕様とも同じ性能を発揮している。

マイルドハイブリッドは、このエンジンにISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたのに対し、フルハイブリッドはトランスミッションの出力側にMGU(モーター・ジェネレーター・ユニット)を組み合わせている。

モーターの出力もマイルドハイブリッドは2.3kW/50N・mにとどまるが、フルハイブリッドは10kW/30N・mとパワフルなものとなる。トルクの数値が低くなっているが、発生する回転数域が格段に幅広いのがフルハイブリッドの特徴だ。

さらに異なるのがトランスミッションだ。マイルドハイブリッドでは副変速機付きのCVTを組み合わせていたが、フルハイブリッドではオートギアシフト(AGS)が採用されている。CVTを入れるにはスペースが足りなかったのでAGSを選んだとのことだ。シングルクラッチのAGSはトルク抜けが欠点だが、フルハイブリッドでは変速時にトルク抜けが発生するときにモーターがアシストするため、ほとんどトルク抜けを感じないスムーズな変速が可能である。

これによってフルハイブリッドでは燃費も大きく向上した。マイルドハイブリッドが27.8km/Lだったのに対し、フルハイブリッドでは32.0km/Lに達しているからだ。ざっと15%ほどの向上幅である。ただし、フルハイブリッドはマイルドハイブリッドに対して価格も高く、その分を燃費の差でカバーするのは難しい。

フルハイブリッドを追加したのにマイルドハイブリッドを残したのは、価格的に高くなることのほかに、駆動方式の問題もあるからだ。マイルドハイブリッドにはFFと4WDが設定されるが、フルハイブリッドにFFしか設定がない。後部にリチウムイオン電池を搭載するため、4WDにするにはスペースが足りないためだ。日本では雪国で4WD車が選ばれる比率が高く、FFだけに絞ったのでは商売が難しいため、マイルドハイブリッドも残されたのだ。

なお、パワートレーンを中心にしたフルハイブリッドの走りのフィールについては、ソリオハイブリッドの項を参照して欲しい。

ソリオバンディットは全車に先進緊急ブレーキのデュアルカメラブレーキサポートに代表される安全装備が設定されている。デュアルカメラブレーキサポートはスバルのアイサイトにも匹敵するくらいの優れた性能を持つ安全装備なので、購入時には必ず装着したい。

レビュー対象車
試乗

参考になった9

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自動車(本体) > スズキ > ソリオ ハイブリッド 2016年モデル > HYBRID SZ

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア3
エンジン性能4
走行性能3
乗り心地3
燃費5
価格3
満足度4

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

スズキのハイトワゴンとして人気を集めるソリオにハイブリッド車が追加された。ソリオには、これまでもマイルドハイブリッドが設定されていたが、今回は本格的なフルハイブリッドの設定である。といってもトヨタのプリウスなどに搭載されるTHSUほど高度なシステムではなく、コンパクトカーに適したシンプルで合理的なシステムとされている。

ソリオハイブリッドには、スズキが静岡県裾野市で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはSZだ。なお、ほかにソリオバンディットハイブリッドのSVにも試乗していて、別掲でメカニズムを中心に紹介している。重なる部分が多いが、そちらも参照して欲しい。

追加されたソリオハイブリッドは、専用のエンブレムが装着されるほか、エコをイメージしたデザインの小変更がなされている。フロントグリルのスケルトン部分にブルーのメッキが採用され、リヤコンビランプのレンズをブルークリアタイプに変更したことなどがそれだ。

インテリアもブルーメタリック塗装のインパネガーニッシュが採用され、青色基調の専用デザインのメーターに、ハイブリッドシステムの作動状態を表示するモーターパワーメーターを配置している。

ハイブリッドの良さはまず、燃費が良くなったことだ。マイルドハイブリッドでは27.8km/LだったJC08モード燃費がハイブリッドでは32.0km/Lに向上している。これはけっこうな向上幅である。ただ、ハイブリッドはマイルドハイブリッドに対して価格もアップしていて、価格の上昇分を燃費でカバーできるかというと難しいのが実情なのだが、30.0km/Lを超える燃費は相当に良い数値といえる。

JC08モード燃費に対して実用燃費は大ざっぱに言って7掛け程度とされるが、ハイブリッドなら20.0km/Lを超える燃費が手堅く出せると思う。

マイルドハイブリッドがモーターをアシストとしてしか使わないのに対し、ハイブリッドはモーターだけの走行も可能である。コンパクトカー用の簡易型とはいえ、フルハイブリッドであることによるものだ。

走行モードは標準モードとエコモードが用意され、インパネ右側のスイッチで選択する仕組みだが、このスイッチがステアリングホイールの陰に隠れて見えにくい位置にあり、操作もしにくい。走りながら頻繁に切り換えるような使い方には適さない配置である。

で、エコモードを選んで走ると、郊外の空いた国道などを走っている状態では時速60kmくらいまでの領域をモーター走行でカバーでき、下り坂などさらに条件の良い状態では時速80kmくらいの速度域までモーター走行でカバーできた。まずまずの実力と考えていい。

エンジンが始動したときの振動や騒音もあまり大きなものではない。いつ始動したか分からないほど静かではなくて、エンジンの始動ははっきり分かるのだが、それが苦になるような感じではない。

もうひとつの特徴はトランスミッションだ。ソリオハイブリッドには、アルトターボなどに採用されるオートギアシフト(AGS)と呼ぶシングルクラッチのトランスミッションが採用されている。AGSは、ヨーロッパのコンパクトカーなどに多く採用されているのと同じシングルクラッチで、アルトターボでは変速時のトルク抜けに対する不満が強かったものだ。

それがソリオハイブリッドでは、モーターとの組み合わせによってなかなか具合の良い変速をするようになっていた。AGSの変速時にトルク抜けが発生するとき、それを補うようにモーターのトルクが加わるので、ほとんど違和感のない変速を実現できるのだ。

スタンディングの状態からフル加速で発進するようなシーンでは、それなりに大きな変速ショックがあるものの、普通のタウンユースを想定して穏やかに走らせるようなシーンでは十分に滑らかな変速フィールが得られる。そうか、AGSにはこのような使い方もあったのかと、そんな風に驚かされる気持ち良さだった。

ソリオは、ハイブリッドとマイルドハイブリッドのモデルには、デュアルカメラブレーキサポートに代表される先進緊急ブレーキなどの安全装備が設定されている。デュアルカメラブレーキサポートはスバルのアイサイトにも匹敵するくらいの優れた性能を持つ安全装備なので、購入時には必ず装着したい。


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自動車(本体) > マツダ > ロードスター RF 2016年モデル > VS

松下宏さん

  • レビュー投稿数:509件
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プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む

エクステリア4
インテリア4
エンジン性能4
走行性能4
乗り心地3
燃費3
価格2
満足度3

※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。

ロードスターに電動ルーフを持つRFが登場した。従来のモデルではRHT(リトラクタブル・ハード・トップ)だったが、今回のモデルはRF(リトラクタブル・ファストバック)である。

RHTではルーフ部分が完全に収納され、フルオープンの爽快感が得られたが、RFでは斜め後方の部分にクォーターパネルが残る形になる。爽快感という点ではRHTに劣るが、逆にデザイン的なカッコ良さでは断然優位に立つ。

ロードスターRFには、マツダが品川区の倉庫をベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはVSの6速EC-AT車で、ピアノブラックのツートーンルーフがオプション装着されていた。インテリアにはオーバーン(茶色)のナッパレザーの本革シートが設定されていた。

最新のロードスターはボディサイズが小さくなったこともあって、RHTの構造を採用しにくくなったほか、クローズドでもオープンにしたときにもカッコ良いデザインとするため、新たにRFの方式が選ばれたのだという。ルーフを閉じた状態でも、運転席の後方にガラスがあり、その後方は空間だから、このクォーターパネルは一種のダミーのような形である。

オープンにして走るとき、このリヤクォーターパネルを意識することはないので、爽快感という点では問題がないのかも知れない。それでいてカッコ良く見えるなら、それで良いと考えるべきだろう。RFのデザインに対してはいろいろな人がけっこう高く評価している。

ルーフの開閉機構はインスト中央部やや左寄りに設けられたスイッチを操作するだけだ。手動でロックを外すなどの操作をする必要がなく、完全に電動で開閉する。開閉動作はインパネ内にある3連メーターのうち、左側にある燃料計の上の液晶画面に開閉の様子が表示されるが、開閉時間も短いので液晶画面を気にする暇もないほどだ。わずか13秒ほどの開閉時間は世界最速レベルであるという。

オープン時には、3分割されるルーフのうちフロントルーフとミドルルーフ、そしてバックウインドーが収納され、リヤルーフだけが残る形になる。タルガトップのような雰囲気だ。フルオープンに比べたら爽快感がやや劣るものの、適度な包まれ感というか安心感のようものがあるのがRFの良さである。

走行中の静粛性も高い。ルーフに張られた三重構造のライナーのほか、ボディ各部に追加された遮音材などの効果もあって、幌タイプに比べると格段に高い静粛性が確保されている。これはRFならではの魅力である。

搭載エンジンは直列4気筒2.0Lの自然吸気DOHCだ。現行ロードスターは1.5Lエンジンを搭載しているが、アメリカ向けには2.0Lエンジンを搭載したもモデルを用意していた。今回のRFにはその2.0Lエンジンを搭載してきた。

ロードスターRFは電動機構を採用することなどにより、重量が重くなっている。ベースグレードのS同士で比較すると110kgの違いがあり、RSなどで比較すると60kgの増加になっている。RFに幌タイプと同じ1.5Lエンジンを搭載したのでは、さすがに走らなくなるということで、2.0Lエンジンを搭載したのだ。

2.0Lエンジンはレッドゾーンが6500回転からと、1.5Lエンジンに比べて回転の上限がやや低くなるものの、動力性能は1.5Lエンジンが96kW/150N・mにとどまるのに対し、2.0Lエンジンは116kW/200N・mを発生する。動力性能の向上幅は重量の増加幅よりも大きいから、幌タイプよりもずっと良く走る印象がある。

1.5Lエンジンが軽快な吹き上がりで自然吸気らしい気持ち良さにあふれたエンジンであるのに対し、2.0Lエンジンはトルクの余裕を生かした走りが魅力となるエンジンだ。より力強い走りが得られるのがロードスターRFである。

やや残念なのは1.5Lと同様に2.0Lエンジンも無鉛プレミアムガソリン仕様であること。スポーツタイプのクルマなので、ハイオク仕様になるのは止むを得ないところだが、排気量の余裕がある2.0Lではレギュラー仕様にはできなかったものかと思う。

不勉強にして知らなかったのだが、旧型モデルの時代にもロードスターは幌タイプが40%程度でRHTが60%の比率で売れていたという。初代ロードスターに乗っていた身からすると、ロードスターは幌に限り、乗るときには必ずオープンという気もするのだが、クーペとオープンの両方が楽しめるRHTやRFに対するニーズも強いのだろう。現行モデルでも幌タイプよりもRFのほうが良く売れることになりそうだ。

ただし、価格はけっこう高い。試乗したVSの6速EC-AT車は360万円弱の設定で、最上級グレードのRSの6速MT車にブレンボのブレーキや鍛造アルミホイールなどをオプション装着すると400万円を超える価格になる。若いユーザーをスポーツカーの世界に引き込むには、ちょっと高すぎる価格だと思う。余裕ある中高年のユーザーがセカンドカーとして選ぶようなケースが多くなりそうだ。


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